| 【発明の名称】 |
加熱蒸散用吸液芯 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 隆夫
【氏名】山田 努
【氏名】建石 英男
【氏名】菅野 浩基
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| 【要約】 |
【課題】有効量の有効成分を継続して揮散させることができ、しかも水性薬液でも使用することができる改良された加熱蒸散用吸液芯を提供することである。
【解決手段】草木灰を配合し焼成したことを特徴とする加熱蒸散用吸液芯である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】草木灰を配合し焼成したことを特徴とする加熱蒸散用吸液芯。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は加熱蒸散用吸液芯に関し、より詳しくは有効成分を継続して揮散させることができる焼成した加熱蒸散用吸液芯に関する。 【0002】 【従来技術】加熱蒸散殺虫方法は、殺虫剤溶液を吸液芯により吸い上げつつこれを加熱蒸散させて、蚊やブヨなどの刺咬性害虫からの被害を防ぐ方法である。このような加熱蒸散方法は、従来から広く使用されている、いわゆる蚊取線香や蚊取マットに代わり、現在では殺虫方法の主流となっている。 【0003】この方法において用いられる加熱蒸散用吸液芯には、フェルト芯や練合芯が汎用されているが、この他にも基材や粘結剤を混練して成形したものを高温で焼成させたセラミックからなる加熱蒸散用吸液芯も知られている。 【0004】セラミックの加熱蒸散用吸液芯としては、現在までに種々のものが検討されており、例えば特公昭61−23163号公報には、パーライトおよび木粉を結着剤を用いて円柱状に固めたセラミック製多孔質吸液芯が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが上記のごとき検討結果をもってしても、加熱蒸散方法に用いる吸液芯としては依然として改良の余地があった。 【0006】本発明の目的は、有効量の有効成分を継続して揮散させることができ、しかも水性薬液でも使用することができる改良された加熱蒸散用吸液芯を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、草木灰を配合し焼成した吸液芯を加熱蒸散装置に使用するときは、薬液の蒸散性に優れ、水性薬液でも好適に使用することができるという新たな事実を見出し本発明を完成するに至った。 【0008】すなわち、本発明の加熱蒸散用吸液芯は、草木灰を配合し焼成したことを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明における草木灰とは、種々の草木を所定の割合で混合し、炭素が残存するように燃焼灰化させたものであり、好適には大麦、米、コーン等の穀物灰があげられる。草木灰は、通常、炭素を約10〜30重量%含有する。より好ましい草木灰としては、麦芽灰があげられる。この麦芽灰は、ビールの製造工程において生じるビール粕(麦汁濾過後の残渣)を燃焼灰化させたものであり、相当量の炭素を含有する。麦芽灰は、ビール粕を約800℃で燃焼させることによって得ることができる。 【0010】本発明の加熱蒸散用吸液芯を製造するには、まず、上記の草木灰を骨材(基材)、結合材などと混合し、さらに必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの成形助剤(結合助剤)その他の添加剤を配合する。その際、草木灰の配合量は総量の約10〜40重量%であるのが適当である。また、水分含量は総量の約10〜40重量%に調整する。次に、この調合原料をニーダー等の混練機によって混練し、さらに所望の形状に成形(例えば押出し成形等)して成形体を得る。 【0011】前記結合材としては、例えば稲垣粘土、本山粘土などの無機結合材が挙げられる。また、骨材としては、例えばマイカ、タルク、ムライト、パーライト、シラスなどが挙げられる。この中でもとくにパーライトを配合することが好ましく、その配合割合は重量比で草木灰:パーライトが3:1〜1:1程度であるのがよい。 【0012】本発明の加熱蒸散用吸液芯においては、上記の他にも公知の無機粉末や有機粉末、さらに上記以外の他の各種結合材などを配合してもよい。 【0013】無機粉末および有機粉末としては、例えばクレー、カオリン、ケイソウ土、石膏、ベントナイト、酸性白土、火山岩、グラスファイバー、岩綿、ゼオライト、コークス、黒鉛、木粉、パルプ、リンター、各種の粘土、高分子樹脂、さらにはこれらの焼成物などが挙げられる。 【0014】また結合材としては、例えばタール、ピッチ、メチルセルロース・ヒドロキシプロピルメチルセルロース共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレングリコール、セルロース系誘導体、デンプン類、ウレタン、ワックス、ワックスエマルジョンなどが挙げられる。 【0015】さらに本発明の加熱蒸散用吸液芯には、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて例えばマラカイトグリーンなどの色素や他の顔料、ソルビン酸もしくはその塩、デヒドロ酢酸などの防黴剤や他の防腐剤、酸化防止剤、耐水性若しくは耐油性向上剤、イオウ、塩化亜鉛などの強度向上剤などを配合してもよい。 【0016】また焼成時に吸液芯での気孔の形成を高めるために、クルミ、コーンスターチなどの気孔形成助剤を配合してもよい。 【0017】得られた成形体は数日間(例えば2〜7日)自然乾燥した後、酸化雰囲気下で約800〜1200℃で約30〜120分間焼成することにより加熱蒸散用吸液芯を得ることができる。 【0018】本発明における草木灰は、上記のとおり多量の炭素を含有することから、酸化雰囲気下で焼成した際に燃え抜けることによって、薬液を吸い上げるのに必要な気孔を形成するのに有利に作用する。 【0019】さらに草木灰を配合することによって、焼成温度を低く抑えることができ、そのうえ吸液芯の強度を維持することもできる。 【0020】本発明の吸液芯はこのように多くの優れた特徴を有することから、実施例で示すとおり液体式加熱蒸散方法に用いた場合に有効量の有効成分を継続して揮散させることができ、しかも水性薬液において優れた効果を奏することができる。 【0021】このような優れた効果を有する本発明の加熱蒸散用吸液芯は、殺虫、殺菌、防黴、芳香、消臭などを目的として、各種の薬剤成分を加熱蒸散させる液体式加熱蒸散方法に用いる吸液芯として好適である。 【0022】次に、本発明の吸液芯を用いる液体式加熱蒸散方法の一例を図面をもって説明するが、本発明の吸液芯は図示された形態に限定されるものではない。 【0023】図中、3は薬液を入れた薬液容器であり、該容器3は収納容器6内に着脱自在に収納、保持されている。収納容器3の上部は開放されており、この開放部に環状あるいは半環状(例えば馬蹄型など)の発熱体4が固着されている。容器3の上部には芯支持体2によって吸液芯1が保持されており、吸液芯1の上部が発熱体4の中心部に配置されるように保持されている。 【0024】容器3に収容する薬液は、上記のごとき各種の目的に添った薬剤を溶媒に溶解させて用いられる。 【0025】ここで殺虫を目的とした場合についての一例を詳述すれば、容器3に殺虫液を入れ、表面温度が70〜150℃の発熱体4に通電して、吸液芯1の表面温度を60〜135℃となるように加熱すればよい。 【0026】上記の殺虫液としては、殺虫剤が溶媒中に均一に存在し、かつ吸液芯に吸い上げられ発熱体からの熱エネルギーによって吸液芯から蒸散されうる性状を有していればよく、水性あるいは油性のいずれとすることもでき、さらには水と有機溶媒との混合であってもよい。 【0027】殺虫液を調製するに際しては、殺虫剤が溶媒に溶解するのであれば問題ないが、溶解しない若しくは十分な溶解が得られないような場合には、両親媒性物質や界面活性剤などを用いて可溶化させればよい。 【0028】殺菌、防黴、芳香、消臭などの薬剤成分についても上記の殺虫液と同様の性状を有するように調製すればよい。 【0029】本発明において溶媒としては無機溶媒や有機溶媒が挙げられ、無機溶媒としては、例えば精製水、アルカリイオン水、水道水などの水が挙げられる。有機溶媒としては、例えばn−パラフィン、イソパラフィン等の沸点範囲が150〜350℃の脂肪族炭化水素(パラフィン系炭化水素および不飽和脂肪族担架水素)のほか、グリセリン、プロピレングリコール、メタノール、イソプロパノール、1−オクノール、1−ドデカノール等のアルコール類、アセトン、アセトフェノン等のケトン類、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、アジピン酸ジオクチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジエチル等のエステル類、キシレン、クロルセン、クロロホルム、シリコーンオイルなどが挙げられる。 【0030】殺虫剤としては液体式加熱蒸散方法で従来より用いられてきた各種の殺虫剤が挙げられ、ピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、有機リン系殺虫剤などが使用できる。これらの中でも一般に安全性が高いことからピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられ、その例を一般名あるいは商品名などにおいて示すと次のとおりである。 【0031】ピレスロイド系殺虫剤としては、アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、d・d−T80−アレスリン、バイオアレスリン、フタルスリン、レスメトリン、d−T80−フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、d・d−T80−プラレトリン、テフルスリン、トランスフルスリン、シペルメトリン、シフェノトリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン、エムペントリン、テラレスリン、ネオピナミンフォルテ、エトフェンプロックス、イミプロトリンなどが挙げられる。これらの殺虫剤は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。 【0032】同様に殺菌剤および防黴剤としては、例えばイルガサンDP300、ダウシルS−13、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヒノキチオール、プリベンドールA4、プリベンドールA3、チアベンダゾール(TBZ)、ジオキシンなどが挙げられ、消臭、防臭剤としては、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトネート、ミリスチル酸アセトフェノン、パラメチルアセトフェノンベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、アミルシンナミックアルデヒド、アニシックアルデヒド、ジフェニルオキサイド、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、ネオリン、サフロール、シトロネラ油、レモングラス油などが挙げられ、芳香剤としては、じゃ香、竜延香、アビエス油、アルモンド油、ページル油、パーチ油、カヤブチ油、シトロネラ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、レモン油、レモングラス油、ナツメッグ油、ハッカ油、オレンジ油、テレピン油、セイジ油などの天然香料、ピネン、リモネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネラール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、アネトール、オイゲノール、アルデヒド、シトラール、シトロネラール、ワニリン、カルボン、ケトン、メントン、アセトフェノン、クマリン、シネオール、エチルアセテート、オクチルアセテート、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソプロピル、カプロン酸アリル、安息香酸エチル、桂皮酸メチル、サリチル酸メチルなどの人造香料などが挙げられる。 【0033】これらの薬剤は、単独または複数を組み合わせて用いてもよく、その使用量(濃度)は薬剤の種類、溶媒の種類、それらの組み合わせ等を考慮して、適宜、所望の効果を奏するように調製すればよい。 【0034】殺虫液を例に示すと、上記の殺虫剤を殺虫液全量に対して約1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%となるように配合する。 【0035】本発明ではこのように配合量を調整することによって、蚊の殺虫を目的として例を示すと、dl・d−T80−アレスリン、バイオアレスリン、d・d−T80−プラレトリン等において有効量の揮散を得ることができる。 【0036】また芳香剤などの場合には、芳香液全量に対して芳香剤を0.001〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%となるように配合することができる。 【0037】さらに上記の殺虫液や芳香液などには、例えば3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、メルカプトベンズイミダゾール、ジラウリル−チオ−ジ−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、フェニル−β−ナフチルアミン、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、α−トコフェロール、アスコルビン酸、エリソルビン酸などを適宜配合してもよい。 【0038】 【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1草木灰45重量%と、粘土55重量%とを混合し、得られた混合物を成形した後、該成形体を酸化雰囲気中にて800〜1200℃で1時間ほど焼成してセラミック状の吸液芯を得た。 【0039】一方、下記組成の殺虫液を調製し、その45mlを薬液容器に充填した。 【0040】 【表1】
そして、この薬液容器に上記で得た吸液芯(内径7.0mm、長さ73.5mm)を装着した。次にこれを図1に示したように加熱蒸散容器にセットし、ヒータ(約140℃)で吸液芯を加熱し、12時間間隔でのオン/オフを繰り返して30日間の通電を行った。 【0041】そして試験開始から1日目、5日目、15日目、30日目にそれぞれのd・d−T80−プラレトリンの揮散量(mg/時間)を測定した。その結果を表2に示す。 【0042】なお、揮散量は、揮散蒸気を所定時間毎にシリカゲルカラムに吸引捕集し、このシリカゲルをクロロホルムで抽出し、濃縮後、ガスクロマトグラフにて定量分析して求めた。 【0043】 【表2】
表2に示したとおり、本発明の吸液芯を用いたものはd・d−T80−プラレトリンの有効揮散量である0.5mg/時間以上の揮散量を継続的に安定して得ることができた。 【0044】 【発明の効果】本発明の草木灰を配合し焼成した加熱蒸散用吸液芯を、液体式加熱蒸散方法に用いることによって、有効量の有効成分を継続して揮散させることができ、しかも水性薬液でも使用することができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100539 【氏名又は名称】アース製薬株式会社 【識別番号】000004293 【氏名又は名称】株式会社ノリタケカンパニーリミテド
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| 【出願日】 |
平成10年9月29日(1998.9.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104318 【弁理士】 【氏名又は名称】深井 敏和
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| 【公開番号】 |
特開2000−103705(P2000−103705A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月11日(2000.4.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−276154 |
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