トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 網戸用害虫忌避剤および網戸並びに害虫忌避用エアゾール組成物
【発明者】 【氏名】岩崎 和博

【氏名】三井 利幸

【要約】 【課題】網戸に害虫忌避効果を付与するための害虫忌避剤および害虫忌避効果を有する網戸ならびに害虫忌避用エアゾール組成物を提供すること。

【解決手段】この害虫忌避剤は、害虫忌避成分と展着成分とを含有してなり、害虫忌避成分の含有割合が1.0〜30.0重量%であり、展着成分の含有割合が0.3〜10.0重量%であることを特徴とする。また、この害虫忌避剤は、害虫忌避成分1.0〜30.0重量%と、展着成分0.3〜10.0重量%と、帯電防止成分0.1〜5.0重量%と、撥水成分0〜5.0重量%と、殺虫成分0〜3.0重量%と、液状媒体0〜90.0重量%とを含有することを特徴とする。また、害虫忌避用エアゾール組成物は、害虫忌避剤と、噴射剤とよりなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 害虫忌避成分と、展着成分とを含有してなることを特徴とする網戸用害虫忌避剤。
【請求項2】 害虫忌避成分の含有割合が1.0〜30.0重量%であり、展着成分の含有割合が0.3〜10.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の網戸用害虫忌避剤。
【請求項3】 害虫忌避成分1.0〜30.0重量%と、展着成分0.3〜10.0重量%と、帯電防止成分0.1〜5.0重量%と、撥水成分0〜5.0重量%と、殺虫成分0〜3.0重量%と、液状媒体0〜90.0重量%とを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の網戸用害虫忌避剤。
【請求項4】 害虫忌避成分が、N,N−ジエチル−m−トルアミドであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の網戸用害虫忌避剤。
【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の網戸用害虫忌避剤が付着され、害虫忌避効果を有することを特徴とする網戸。
【請求項6】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の網戸用害虫忌避剤と、噴射剤とよりなることを特徴とする害虫忌避用エアゾール組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、網戸用害虫忌避剤および網戸並びに害虫忌避用エアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、居住用家屋、その他の建造物においては、小さな害虫等が屋内へ侵入することを防止するために、窓枠に網戸が用いられている。しかし、市販されている建築用網戸では網目が一定であり、特に家庭で使用される網戸は網目の大きさが決められているため、網目よりも大きい害虫に対しては、その侵入を防ぐことができるが、網目よりも小さい害虫に対してはその侵入を防ぐことはできない。また、建築後長い年月を経た窓枠は歪みが生じ、小さい破れなどの隙間が生じてしまうため、その隙間から害虫が屋内へ侵入してしまい、屋内への侵入を完全に防ぐことは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、網戸に害虫忌避効果を付与するための害虫忌避剤および害虫忌避効果を有する網戸ならびに害虫忌避用エアゾール組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の網戸用害虫忌避剤は、害虫忌避成分と、展着成分とを含有してなることを特徴とする。また、上記の網戸用害虫忌避剤においては、害虫忌避成分の含有割合が1.0〜30.0重量%であり、展着成分の含有割合が0.3〜10.0重量%であることが好ましい。また、上記の網戸用害虫忌避剤においては、害虫忌避成分1.0〜30.0重量%と、展着成分0.3〜10.0重量%と、帯電防止成分0.1〜5.0重量%と、撥水成分0〜5.0重量%と、殺虫成分0〜3.0重量%と、液状媒体0〜90.0重量%とを含有することが好ましい。さらに、上記の網戸用害虫忌避剤においては、害虫忌避成分が、N,N−ジエチル−m−トルアミドであることが好ましい。
【0005】本発明の網戸は、上記の網戸用害虫忌避剤が付着され、害虫忌避効果を有することを特徴とする。本発明の害虫忌避用エアゾール組成物は、上記の網戸用害虫忌避剤と、噴射剤とよりなることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の害虫忌避剤には、展着成分が含有されているため、これがバインダーとなって網戸の網繊維体の表面に害虫忌避成分を強固に付着させることができ、その結果、網戸それ自体に害虫忌避効果を持たせることができる。また、帯電防止成分が含有されていることにより、網戸の表面に汚れが付着することが防止されて害虫忌避効果が低下することが防止される。さらに、撥水成分が含有されていることにより、付着物が撥水性を有し、雨水に対する害虫忌避効果の耐久性が向上する。また、本発明の網戸によれば、網戸自体が害虫忌避効果を有するので、害虫の屋内への侵入を有効に防止することができる。また、本発明のエアゾール組成物によれば、上記の害虫忌避剤を簡便に網戸に適用することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の害虫忌避剤は、有機溶剤または水よりなる液状媒体中に、害虫忌避成分と、展着成分とが必須成分として含有されてなり、さらに必要に応じて、帯電防止成分、撥水成分、殺虫成分などの作用成分が含有されてなるものである。
【0008】害虫忌避成分としては、害虫に対して忌避作用のある化合物であれば特に限定されるものではない。その具体例としては、例えばユーカリプトール、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナロール、p−メンテン−3,8−ジオール、テルペノール、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)、2−エチル−1,3−ヘキサジオール、ブチル3,4−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル4−オキソ2H−ピラン−6カルボキシレート(インダロン)、n−ヘキシルトリエチレンググリコ−ルモノエーテル、メチル6−n−ベンチル−シクロヘキセン−1−カルボキシレート、ジメチルフタレート(DMP)、3,7−ジメチル−6−オクテナル(シトロネラル)、ナフタレン、シトロネール酸、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,3,4,5−ビス(Δ2 −ブチレン)テトラハイドロフルフラール、ジ−m−プロピルイソシンコメロネート、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジメチル−3−(2’−メチル−1’−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートなどが挙げられる。さらに、桂皮、樟脳、レモングラス、クローバ、タチジャコウソウ、ジェラニウム、ベルガモント、月桂樹、松、アカモモ、ペニーロイアル、ユーカリおよびインドセンダンなどから得られる精油、抽出液などが挙げられる。これらの化合物のうちの1種または2種以上を選択して害虫忌避成分として用いることができる。
【0009】上記化合物の中でも、特にN,N−ジエチル−m−トルアミド(以下、「DEET」という。)を用いることが好ましい。この害虫忌避成分によれば、害虫忌避効果が長時間持続し、人体に対して安全性が高い、という利点が得られる。
【0010】害虫忌避剤中における害虫忌避成分の含有割合としては、1.0〜30.0重量%とされ、好ましくは10.0〜20.0重量%とされる。害虫忌避成分の含有割合が1.0重量%未満である場合には、害虫忌避効果を十分に発揮することができない。一方、30.0重量%を超える割合で害虫忌避成分を含有させても、添加量に見合う害虫忌避効果が得られない。
【0011】展着成分は、害虫忌避成分を網目に付着させて保持させるためのバインダー成分である。展着成分としては、例えば各種の樹脂類、多価アルコール類またはある種の界面活性剤などを用いることができる。樹脂の具体例としては、例えばポリビニールアルコール、カチオン系ポリマー(アクリル系樹脂アルカノールアミン液、ビニールピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩の溶液等)、アニオン系ポリマー(アクリル系樹脂アルカノールアミン液、ビニルメチルエーテル、マレイン酸ブチル共重合体液等)などが挙げられる。多価アルコールの具体例としては、例えばポリエチレングリコール(200,400,600,1000)、1,3−ブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのグリコール類などが挙げられる。界面活性剤の具体例としては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンモノオレートなどが挙げられる。害虫忌避剤中における展着成分の含有割合としては、0.3〜10.0重量%、好ましくは0.5〜6.0重量%とされる。展着成分の含有割合が0.3重量%未満である場合には、十分な展着性が得られず害虫忌避成分を強固にまた十分な付着量で網戸の網繊維体の表面に付着させて保持させることが困難である。一方、展着成分の含有割合が10.0重量%を超える場合には、ベタついて取り扱いが不便となる。
【0012】帯電防止成分は、網目等に汚れが付着するのを防止するために含有される。この帯電防止成分の具体例としては、例えば界面活性剤、金属粉やカーボンなどの無機系物質などが挙げられるが、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤および両性界面活性剤のいずれの界面活性剤でも用いることができるが、これらの中でも、カチオン系およびノニオン系界面活性剤、特にノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。
【0013】カチオン系界面活性剤の具体例としては、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロシキドなどの第4級アンモニウムヒドロキシドおよびこれらの塩類が挙げられる。また、第4級アンモニウム塩を用いると、帯電防止効果に加えて、抗菌作用が得られる場合がある。
【0014】ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0015】害虫忌避剤中における帯電防止成分の含有割合としては、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.3〜3.0重量%とされる。帯電防止成分の含有割合が0.1重量%未満である場合には、帯電防止効果を十分に発揮することができず、網戸の表面に汚れが付着して害虫忌避効果が低下してしまう。一方、帯電防止成分の含有割合が5.0重量%超える場合には、網目がべたつき、含有量に見合った汚れの付着を防止する効果が見られない。
【0016】撥水成分は、網目等に対する付着物に撥水性を付与して、耐水性を向上させるための成分である。撥水成分の具体例としては、例えばフッ素系樹脂、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、変性シリコーンオイルまたはそれらのエマルジョンなどが挙げられる。害虫忌避剤中における撥水成分の含有割合としては、0.2〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%とされる。撥水成分の含有割合が0.2重量%未満である場合には、十分な撥水性が得られず、付着物の耐水性が小さいために、害虫忌避効果が不十分なものとなる。一方、撥水成分を5.0重量%を超える割合で含有させても、添加量に見合う撥水性が得られない。
【0017】殺虫成分としては、ヒレスロイド系の化合物を用いることができる。例えばピレトリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フェノトリン、ベルメトリンなどが挙げられる。殺虫成分は含有されなくてもよいが、含有される場合には、害虫忌避剤中における殺虫成分の含有割合としては、0〜3.0重量%、好ましくは0.2〜1.0重量%とされる。
【0018】有機溶剤または水よりなる液状媒体は、害虫忌避成分、撥水成分、帯電防止成分、展着成分および殺虫成分等を溶解または分散させると共に、網戸に付着させるために必要な性状を得るためのものである。有機溶剤の具体例としては、例えば炭素数が1〜3の1価のアルコール類、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素などを用いることができる。害虫忌避剤中における液状媒体の含有割合としては、網戸に適用するために適した性状が得られるのであれば、特に限定されるものではないが、0〜90.0重量%とされる。有機溶剤および水は、単独で用いることもできるが、複数種を混合して用いることもでき、例えばエタノールを主溶剤として他の溶剤を混合したものなどを好ましいものとして用いることができる。
【0019】本発明の害虫忌避剤の剤型は、基本的には液状であって、これを直接に網戸に塗布してもよいが、例えば霧状、泡状、ジェル状として網戸に塗布することもできる。
【0020】本発明の害虫忌避剤は、例えばエアゾールとして用いることが好ましく、その場合には、上記の害虫忌避剤は、噴射剤と共にエアゾール組成物としてエアゾール容器内に充填される。噴射剤としては、ジメチルエーテルや液化石油ガス(LPG)などの液化ガスおよび窒素、炭酸ガス、酸化窒素ガスなどの圧縮ガスが用いられ、これらの噴射剤のうち1種または2種類以上を選択して用いることができる。また、害虫忌避剤と噴射剤との混合比率(重量割合)としては、60〜98:40〜2とされる。
【0021】また、本発明の害虫忌避剤には、例えば着色剤、芳香剤、殺菌剤などの添加物を含有させてもよい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の害虫忌避剤の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉 ■DEET(害虫忌避成分) : 10.0重量% ■1,3−ブチレングリコール(展着成分) : 3.0重量% ■4級アンモニウム塩(帯電防止成分) : 0.3重量% ■フェノトリン(殺虫成分) : 0.2重量% ■エタノール(有機溶剤) : 30.0重量% ■イオン交換水 : 56.5重量%【0023】上記の処方に従って、本発明用の原液成分〔原液(A)〕を調製した。次いで、この原液(A)と炭酸ガスとを、重量比で98:2の割合でエアゾール容器内に充填することにより、本発明の害虫忌避剤〔組成物(A)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0024】
〈実施例2〉 ■DEET(害虫忌避成分) : 10.0重量% ■ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(展着成分) : 3.0重量% ■シリコーンエマルジョン(撥水成分) : 0.5重量% ■4級アンモニウム塩(帯電防止成分) : 0.3重量% ■フェノトリン(殺虫成分) : 0.2重量% ■エタノール(有機溶剤) : 10.0重量% ■イオン交換水 : 76.0重量%【0025】上記の処方に従って、本発明用の原液成分〔原液(B)〕を調製した。次いで、この原液(B)と炭酸ガスとを、重量比で98:2の割合でエアゾール容器内に充填することにより、本発明の害虫忌避剤〔組成物(B)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0026】〈実施例3〉実施例2と同様の処方に従って、本発明用の原液成分〔原液(C)〕を調製し、この原液(C)と液化石油ガス(LPG)とを、重量比で78:22の割合でエアゾール容器内に充填することにより、本発明の害虫忌避剤〔組成物(C)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0027】
〈実施例4〉 ■DEET(害虫忌避成分) : 10.0重量% ■1,3−ブチレングリコール(展着成分) : 2.0重量% ■シリコーンエマルジョン(撥水成分) : 0.3重量% ■4級アンモニウム塩(帯電防止成分) : 0.2重量% ■フェノトリン(殺虫成分) : 0.2重量% ■エタノール(有機溶剤) : 50.0重量% ■ イオン交換水 : 37.3重量%上記の処方に従って、本発明用の原液成分〔原液(D)〕を調製した。次いで、この原液(D)と炭酸ガスとを、重量比で97:3の割合でエアゾール容器内に充填することにより、本発明の害虫忌避剤〔組成物(D)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0028】〈実施例5〉エタノール(有機溶剤)50.0重量%、イオン交換水37.3重量%の代わりに、炭化水素87.3重量%を用いたほかは実施例4と同様の処方に従って、本発明用の原液成分〔原液(E)〕を調製し、この原液(E)とジメチルエーテル(DME)とを、重量比で76:24の割合でエアゾール容器内に充填することにより、本発明の害虫忌避剤〔組成物(E)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0029】
〈比較例1〉 ■DEET(害虫忌避成分) : 10.0重量% ■1,3−ブチレングリコール(展着成分) : 1.0重量% ■4級アンモニウム塩(帯電防止成分) : 0.3重量% ■エタノール(有機溶剤) : 83.7重量% ■イオン交換水 : 5.0重量%【0030】上記の処方に従って、比較用の原液成分〔原液(a)〕を調製した。次いで、この原液(a)と炭酸ガスとを、重量比で96:4の割合でエアゾール容器内に充填することにより、比較用の害虫忌避剤〔組成物(a)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0031】
〈比較例2〉 ■DEET(害虫忌避成分) : 10.0重量% ■1,3−ブチレングリコール(展着成分) : 1.0重量% ■エタノール(有機溶剤) : 89.0重量%【0032】上記の処方に従って、比較用の原液成分〔原液(b)〕を調製した。次いで、この原液(b)と液化石油ガス(LPG)とを、重量比で59:41の割合でエアゾール容器内に充填することにより、比較用の害虫忌避剤〔組成物(b)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0033】
〈比較例3〉 ■DEET(害虫忌避成分) : 5.0重量% ■ フェノトリン(殺虫成分) : 0.2重量% ■炭化水素(有機溶剤) : 94.8重量%【0034】上記の処方に従って、比較用の原液成分〔原液(c)〕を調製した。次いで、この原液(c)と液化石油ガス(LPG)とを、重量比で58:42の割合でエアゾール容器内に充填することにより、比較用の害虫忌避剤〔組成物(c)〕が充填されてなるエアゾール製品を作製した。
【0035】上記の実施例により調製された本発明の組成物(A)〜(E)、および比較例により調製された比較組成物(a)〜(c)の各々について、下記の項目について評価した。結果を後記表1〜2に示す。なお、表中のPOE硬化ヒマシ油は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を示す。
【0036】害虫忌避剤が噴霧される網戸は、網の材質がポリプロピレンであり、網の目開きが20メッシュである市販網戸を用いた。評価の項目としては、害虫忌避成分の付着率、エアゾール粒子の平均粒子径、塗布面における害虫忌避剤の液タレ、噴霧時にエアゾール粒子によるムセ、および害虫忌避効果の持続性について評価を行った。
【0037】害虫忌避成分の付着率の測定方法については、網戸から30cmの距離より5秒間噴射した時に網戸に付着した害虫忌避成分の重量および噴射した害虫忌避剤の重量を測定することにより、付着率を算出した。
【0038】エアゾール粒子の平均粒子径の測定は、粒子径測定装置(マルバーン社製)を用いて行った。
【0039】塗布面における害虫忌避剤の液タレの評価については、実施例および比較例で作成したエアゾール製品の各々を用いて、害虫忌避剤を網戸に噴霧し、噴霧後に網戸の塗布面の状態を目視にて観察した。ここで、害虫忌避剤の噴霧条件としては、網戸から30cmの距離より網戸にまんべんなく2回塗布した。評価は、害虫忌避剤の液タレが認められない場合を「○」、液タレが生じた場合を「×」とした。
【0040】エアゾール粒子によるムセについては、実施例および比較例で作成したエアゾール製品の各々を用いて、害虫忌避剤を網戸に噴霧し、噴霧時の状態における人間のムセを観察した。害虫忌避剤の噴霧条件は、網戸から30cmの距離より網戸にまんべんなく2回塗布した。評価は、噴霧時にムセが認められない場合を「○」、ムセが生じた場合を「×」とした。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】表1に示す結果からも明らかなように、本発明の組成物(A)〜(E)によれば、98〜170μmという平均粒子径が大きいエアゾール粒子が得られるので、害虫忌避剤の付着率が高い。また、塗布面における害虫忌避剤の液タレおよび噴霧時におけるエアゾール粒子によるムセは認められなかった。
【0044】これに対して、表2に示す結果から明らかなように、比較組成物(a)〜(c)は、エアゾール粒子の平均粒子径が小さく、害虫忌避剤の付着率が低い。また、すべての比較組成物において、噴霧時におけるエアゾール粒子によるムセが認められた。更に、比較組成物(c)においては、展着成分が含有されていないため、塗布面における害虫忌避剤の液タレが認められた。このことから、比較組成物(a)〜(c)は、網戸用害虫忌避剤として有用性がないことがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明の害虫忌避剤には、展着成分が含有されているため、これがバインダーとなって網戸の網繊維体の表面に害虫忌避成分を強固に付着させることができ、その結果、網戸それ自体に害虫忌避効果を持たせることができる。また、帯電防止成分が含有されていることにより、網戸の表面に汚れが付着することが防止されて害虫忌避効果が低下することが防止される。さらに、撥水成分が含有されていることにより、付着物が撥水性を有し、雨水に対する害虫忌避効果の耐久性が向上する。また、本発明の網戸によれば、網戸自体が害虫忌避効果を有するので、害虫の屋内への侵入を有効に防止することができる。また、本発明のエアゾール組成物によれば、上記の害虫忌避剤を簡便に網戸に適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
【出願日】 平成10年9月30日(1998.9.30)
【代理人】 【識別番号】100078754
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 正彦
【公開番号】 特開2000−103702(P2000−103702A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−277490