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【発明の名称】 植物鮮度保持剤
【発明者】 【氏名】鈴木 忠幸

【氏名】亀井 昌敏

【氏名】林 正治

【氏名】栗田 和彦

【要約】 【課題】様々な植物、例えば採取植物の種類にかかわらず、鮮度保持効果を発揮し、かつ安全性の高い採取植物等植物の鮮度保持剤を提供する。

【解決手段】本発明は、糖類と、糖もしくは糖アルコール誘導体型の界面活性剤とを、特定重量比で含有する採取植物等植物の鮮度保持剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単糖類、オリゴ糖類、多糖類から選ばれる1種以上の糖類(a)と、糖誘導体型界面活性剤及び糖アルコール誘導体型界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤(b)とを含有し、(b)/(a)の重量比が、0.00001〜2.0である植物鮮度保持剤。
【請求項2】 (b)成分が、糖又は糖アルコールに疎水基がグリコシド結合した構造を有する界面活性剤である請求項1記載の植物鮮度保持剤。
【請求項3】 (b)成分が、糖又は糖アルコールに疎水基がエステル結合した構造を有する界面活性剤である請求項1記載の植物鮮度保持剤。
【請求項4】 (b)成分が、糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有する界面活性剤である請求項1記載の植物鮮度保持剤。
【請求項5】 少なくとも1種以上の植物ホルモン(c)を含有し、(b)/(c)の重量比が0.0002〜10000である請求項1〜4の何れか1項記載の植物鮮度保持剤。
【請求項6】 少なくとも1種以上の、エチレン生合成阻害能又はエチレン作用抑制能を有する老化防止剤(d)を含有し、(b)/(d)の重量比が0.0002〜1000である請求項1〜5の何れか1項記載の植物鮮度保持剤。
【請求項7】 少なくとも1種以上のコロイド粒子凝集剤(e)を含有し、(b)/(e)の重量比が0.0002〜1000である請求項1〜6の何れか1項記載の植物鮮度保持剤。
【請求項8】 少なくとも1種以上の、殺菌作用又は抗菌作用を有する殺菌剤又は防腐剤(f)を含有し、(b)/(f)の重量比が0.00001〜200である請求項1〜7の何れか1項記載の植物鮮度保持剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、採取植物、特に切り花、野菜類等の植物の鮮度保持剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、切り花の寿命を延ばし鮮度を維持する方法としては、新鮮な水中で水切りする方法、切り口を破砕又は焼き、水あげを良くする方法、糖類等の栄養源を水に添加する方法、細菌・カビの繁殖を防止する防腐剤・殺菌剤、植物から漏出する物質、菌の発生による代謝物等のコロイド粒子を凝集させる目的で硫酸アルミニウム等のコロイド粒子凝集沈殿剤、エチレンの生合成を抑制するチオ硫酸銀等の化学薬品を添加する方法等の様々な手法、工夫がなされており、各種の切り花延命剤が市販されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の公知方法では十分な切り花や野菜類の鮮度保持効果が得られず、また効果を発揮する切り花・野菜の種類が限定されていたり、使用法が煩雑であったり、環境や人畜への安全性が懸念されるものであったりと種々の問題点を抱えている。
【0004】また、特開平6−336401号には、香料配糖体が切り花の芳香を増強する技術が開示されており、或いは、特開平6−227904号及び特開平7−330502号には、トレハロース又はその塩を用いて、切り花等の鮮度を保持する技術が開示されているのみであり、界面活性剤等は開示されていない。
【0005】本発明は、上記問題点を鑑み、様々な採取植物の種類にかかわらず、鮮度保持効果を発揮し、尚かつ安全性の高い、採取植物等植物の鮮度保持剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、単糖類、オリゴ糖類、多糖類から選ばれる1種以上の糖類(a)と、糖誘導体型界面活性剤及び糖アルコール誘導体型界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤(b)とを含有し、(b)/(a)の重量比が、0.00001〜2.0である植物鮮度保持剤に関する。
【0007】本発明の植物鮮度保持剤は、採取植物に好適である。採取植物として切り花、野菜類、切り葉、花木等が挙げられ、本発明の植物鮮度保持剤は切り花及び野菜類の鮮度保持に好適に用いられる。また、採取されていない、例えば根付きの植物体も本発明の植物鮮度保持剤により鮮度が保持される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用される単糖類、オリゴ糖類、多糖類から選ばれる1種以上の糖類(a)としては、切り花・野菜類の栄養源またはエネルギー源となる糖類であれば限定されないが、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース、リボース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラムノース、イノシトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、グリセロール、エリスリトール、グルコサミン、ガラクトサミン等の単糖類、スクロース、トレハロース、トレハルロース、マルトース、セロビオース、パラチノース、ラクトース、ラフィノース、シクロデキストリン、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イヌロオリゴ糖、乳果オリゴ糖等のオリゴ糖類、アガロース、アミロース、グリコーゲン、セルロース、デキストリン、イヌリン、マンナン、キチン等の多糖類などが挙げられる。これらの糖類は、植物鮮度保持剤中に1種類以上配合されるが、2種以上配合されることが好ましい。
【0009】本発明に使用される糖誘導体型界面活性剤及び糖アルコール誘導体型界面活性剤(b)は、分子内に糖または糖アルコール骨格を有し界面活性能を持つものであればその種類は限定されず何れでも良い。
【0010】糖又は糖アルコールに疎水基がエステル結合した構造を有するものとしては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリグリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0011】また、糖又は糖アルコールに疎水基がグリコシド結合した構造を有するものとしては、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシド、アルキル(ポリ)グリコシドを硫酸化したアルキル(ポリ)グリコシドサルフェート、リン酸化アルキル(ポリ)グリコシド、グリセリルエーテル化アルキル(ポリ)グリコシド、スルホコハク酸エステル化アルキル(ポリ)グリコシド、グリセリルエステル化アルキル(ポリ)グリコシド、カルボキシアルキル化アルキル(ポリ)グリコシド、カチオン化アルキル(ポリ)グリコシド、ベタイン化アルキル(ポリ)グリコシドが挙げられる。
【0012】また、(b)成分としては、糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばグルコースやフルクトースの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることもできる。また、アミノ基を有する糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばN−メチルグルカミンの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることができる。糖系脂肪酸アミドとしては、式(1)
1−CO−NR21 (1)
(式中、R1は炭素数5〜17の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基であり、R2は水素、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、−(CH2CH(R3)O)c−H(ここで、R3は水素又はメチル基であり、cは0〜10の数である。)、−CH2CH2OH、−CH2CH(OH)CH3又は−CH2CH2CH2OHであり、X1は炭素数4〜30の糖残基からなるポリヒドロキシアルキル基である。)で表される化合物を好ましく使用することができる。
【0013】式(1)におけるR1としては、炭素数5〜17の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基の中でも、R1COがカプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸から誘導される基を挙げることができ、特に、カプリン酸、ラウリン酸から誘導される基を好ましく挙げることができる。
【0014】R2の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イソステアリル基又は重合度2〜10のポリエチレングリコール基若しくはポリプロピレングリコール基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等を挙げることができる。中でも、水素、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基を好ましく挙げることができる。
【0015】尚、X1の炭素数4〜30の糖残基からなるポリヒドロキシアルキル基には、モノ−、ジ−又はオリゴサッカライド基とグリコシド結合している炭素数4〜7のポリヒドロキシアルキル基を含む。
【0016】(b)成分としては、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
【0017】ソルビタン脂肪酸エステルは、モノエステル体の比率が高いことが好ましく、HLB(Hydrophilic Lypophilic Balance)は3〜10の範囲が好ましい。またその疎水基を構成するアシル基は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでも良いが、炭素数8〜18であることが好ましい。
【0018】アルキルポリグリコシドとしては、平均糖縮合度が1.1〜5.0が好ましく、1.1〜2.0であることがさらに好ましい。また、糖骨格としてグルコース骨格を有し、平均糖縮合度が1.1〜2.0のものが好ましい。疎水基は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでも良いが炭素数8〜18が好ましく、更に好ましくは炭素数8〜14である。
【0019】ショ糖脂肪酸エステルとしては、モノ、ジ、トリ、ポリエステル(テトラエステル以上)の混合物であるが、モノエステル及びジエステル含量が多くポリエステル含量が少なく、HLBが4〜18の範囲であることが好ましい。また、その疎水基を構成するアシル基は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでも良いが、炭素数8〜18であることが好ましい。
【0020】また、(a)成分と(b)成分の重量比は、(b)/(a)=0.00001〜2.0の範囲であり、好ましくは0.0001〜1.0、さらに好ましくは0.0002〜0.02の範囲である。
【0021】本発明の植物鮮度保持剤は、(a)成分と(b)成分のみでも十分に効果が期待できるものであるが、さらに公知の切り花・野菜類の鮮度保持方法または延命効果を有する剤に適用される成分、例えば植物ホルモン(c)、老化防止剤(d)、コロイド凝集剤(e)、殺菌剤及び防腐剤(f)等を必要に応じて配合することができる。
【0022】例えば、植物ホルモン(c)として、IAA(インドール−3−酢酸)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、2,6−ジクロロ安息香酸、ナフタレン酢酸等の天然又は合成オーキシン類、ゼアチン、カイネチン、4−ベンジルアミノベンズイミダゾール、ベンジルアデニン等の天然又は合成サイトカイニン類、ジベレリン類、ブラシノライド、カスタステロン等のブラシノステロイド類等が挙げられる。
【0023】また、エチレンの生成または作用を阻害する働きを持ち、植物の老化を防止する(d)成分として、AVG(アミノエトキシビニルグリシン)、AOA(アミノオキシ酢酸ヘミ塩酸塩)、PACME(イソプロピリジンーアミノオキシ酢酸−2−メトキシ−2−オキソエチルエステル)、STS(チオ硫酸銀又はチオスルファト銀錯塩)、AIB(アミノイソ酪酸)、DPSS(1,1−ジメチル−4−(フェニルスルホニル)セミカルバジド)、PPOH(シスプロペニルホスホン酸)、STB(四ホウ酸ナトリウム)、アロコロナミン酸、アミノトリアゾール、フェナントロリン、DACP(ジアゾシクロペンタジエン)、AITC(アリルイソチアシアネート)、NBD(2,5−ノルボルナジエン)、MCP(1−メチルシクロプロペン)、エチオニン等が挙げられる。
【0024】また、植物から漏出する物質、菌の発生による代謝物等のコロイド粒子を凝集させる目的で、(e)成分として、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム、アンモニウムミョウバン、乳酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、塩化カルシウム、塩化カルシウムとリン酸の併用、また高分子凝集体としては、ジメチルアミノエチルメタクリレートの中和塩、ポリアクリルアミドのマンニッヒ反応物、ポリアクリルアミドのホフマン転位反応物、アルキルアミン・エピクロルヒドリン縮合物、ポリビニルアミン、キトサン等を配合することも可能である。
【0025】また、少なくとも1種以上の、殺菌作用又は抗菌作用を有する殺菌剤及び防腐剤(f)を配合できる。具体的には、次亜塩素酸ソーダ、硫酸銅、8−ヒドロキシキノリン、エタノール、イソプロパノール、パラヒドロキシ安息香酸メチル(またはエチル、プロピル、ブチル)、プロキセル(商品名、長瀬化成)、ブロノポール(商品名、長瀬産業)、陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド、ポリオキシエチレンモノアルキルモノメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0026】また、植物の栄養源となりうるアミノ酸類、無機栄養分を添加しても良い。
【0027】また、本発明の植物鮮度保持剤には、他の界面活性剤を1種以上配合しても良い。本発明に用いられる界面活性剤として以下のものが挙げられる。
【0028】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
【0029】陰イオン性界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
【0030】カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭素数6〜30の脂肪酸又はその塩、多価カルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、ロジン酸又はその塩、ダイマー酸又はその塩、ポリマー酸又はその塩、トール油脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
【0031】スルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキルスルホン酸又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸又はその塩、ナフタレンスルホン酸又はその塩、ジフェニルエーテルスルホン酸又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸の縮合物又はその塩、ナフタレンスルホン酸の縮合物又はその塩等が挙げられる。
【0032】硫酸エステル系界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸又はその塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル又はその塩等が挙げられる。
【0033】リン酸エステル系界面活性剤として、例えばアルキルリン酸エステル又はその塩、アルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩等が挙げられる。
【0034】これらの化合物の塩として、例えば金属塩(Na,K,Ca,Mg,Zn等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
【0035】両性界面活性剤としては、アミノ酸系、ベタイン系、イミダゾリン系、アミンオキサイド系が挙げられる。
【0036】アミノ酸系としては、例えばアシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0037】ベタイン系としては、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニアベタイン等が挙げられる。
【0038】イミダゾリン系としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
【0039】アミンオキサイド系としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジエタノールアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0040】本発明の植物鮮度保持剤は、糖類(a)と、糖誘導体型界面活性剤及び糖アルコール誘導体型界面活性剤(b)等を含有する粉末製剤や、(a)成分と(b)成分を高濃度に含む濃縮型水性液体製剤や、或いはそのまま用いる水性液体製剤とすることができる。
【0041】粉末製剤や濃縮型液体製剤とする場合、これらを水と混合して使用する際、(a)成分が0.05〜10重量%、特に0.5〜5重量%となるように、(b)成分が0.0001〜0.1重量%、更に0.0005〜0.05重量%、特に0.001〜0.01重量%となるように配合するのが好ましい。更に必要に応じて植物ホルモン(c)が0.00001〜0.5重量%、特に0.0001〜0.01重量%となるように、老化防止剤(d)が0.0001〜0.5重量%となるように、コロイド粒子凝集剤(e)が0.0001〜0.5重量%となるように、殺菌剤及び防腐剤(f)が0.0001〜0.5重量%、特に0.0005〜0.1重量%となるように、各成分を単一又は複合して配合するのが好ましい。そのまま用いる水性液体製剤とする場合は、上記濃度となるように各成分を水に溶解又は分散させる。
【0042】なお、(b)成分と植物ホルモン(c)の(b)/(c)重量比は0.0002〜10000が好ましく、より好ましくは0.001〜1000、更に好ましくは0.01〜100の範囲である。また、(b)成分と老化防止剤(d)の(d)/(b)重量比は0.0002〜1000が好ましく、より好ましくは0.001〜50、更に好ましくは0.01〜10の範囲である。また、(b)成分とコロイド粒子凝集剤(e)の(b)/(e)重量比は0.0002〜1000が好ましく、より好ましくは0.0002〜20、更に好ましくは0.001〜10、特に好ましくは0.002〜2の範囲である。また(b)成分と殺菌剤及び防腐剤(f)の(b)/(f)重量比は0.00001〜200が好ましく、より好ましくは0.0001〜100、更に好ましくは0.01〜50の範囲である。
【0043】また、従来より使用されている市販の植物鮮度保持剤および延命剤に、本発明の植物鮮度保持剤を添加することも有効である。添加方法としては、本発明の植物鮮度保持剤を水溶液の形でも、粉末の形でも添加することが可能である。
【0044】本発明の植物鮮度保持剤の使用方法としては、切り花や野菜の切断部(切り口部分)もしくは全体を本発明の植物鮮度保持剤水溶液に浸漬する方法、本発明の植物鮮度保持剤水溶液を切り花や野菜へ噴霧する方法、本発明の植物鮮度保持剤水溶液を不織布、繊維、紙製品、ウレタン又はフェノール樹脂等の発砲体、綿、吸水性ポリマー等の適当な吸収体へ吸収させ、切り花や野菜類を包み込む又は突き刺す方法等がある。
【0045】本発明の植物鮮度保持剤の適応できる切り花、野菜類はその種類を問わないが、切り花であれば例えば、バラ、カーネーション、ユリ、ラン、カスミソウ、トルコキキョウ、ガーベラ、キク、ソリダスター、サクラ、モモ、マキ、アルストロメリア、アジサイ、デルフィニウム、スターチス、ストックなどが挙げられる。野菜類であれば、例えばハクサイ、キャベツ、ホウレンソウ、レタス、コマツナ、シュンギクなどの葉菜類、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、イチゴなどの果菜類、ダイコン、ゴボウ、ニンジンなどの根菜類等が挙げられる。
【0046】
【実施例】<植物鮮度保持剤の調製>実施例1表1に示す組成の鮮度保持剤を調製した(本発明品1〜21及び比較品1〜9)。表1中の残部は水道水である。
【0047】
【表1】

【0048】(注)
・デシルポリグルコシド:マイドール10(縮合度1.3、アルキル炭素数9〜11)、花王(株)製・ショ糖脂肪酸エステル:DKエステルS−L18A(脂肪酸;ラウリン酸)、第一工業製薬製、モノエステル/ジ、トリエステル=70/30・ソルビタン脂肪酸エステル:レオドールSP−L10(脂肪酸;ヤシ油脂肪酸)、花王(株)製、HLB=8.6・糖系脂肪酸アミド:下記式で表される化合物【0049】
【化1】

【0050】・クリザール:市販植物鮮度保持剤、クリザールジャパン・リピート:市販植物鮮度保持剤、大正製薬製。
<切り花の鮮度保持試験>本発明品1〜22及び比較品1〜11の鮮度保持剤を用い、それぞれについて市販の切り花〔キク(品種:紅扇)、カーネーション(品種:ジュリエット)、バラ(品種バレリー)〕の鮮度保持試験を行った。切り花はできるだけ生長状態及び鮮度状態が同じものを選び、水中で茎を鋭利なハサミにより切断して使用した。生育条件は鮮度保持剤200mlに切り花を差し、気温23℃、湿度60、照度5000luxの条件下で行った。鮮度保持評価は、目視により行い、花弁の枯れ具合、ベントネックの発生、茎葉の枯れ具合等から、観賞に耐えられない程度になるまでの日数を日持ち日数とした。その結果を表2に示すが、比較品と比べ本発明品は全ての試験系において、花の日持ち効果が確認され、糖誘導体型又は糖アルコール誘導体型界面活性剤界面活性剤(b)の鮮度保持効果が認められた。
【0051】
【表2】

【0052】実施例2ショ糖とショ糖脂肪酸エステルの濃度を表3に示すように変えた鮮度保持剤(残部は水道水)を用いた場合のバラの日持ち日数を実施例1と同様に試験した。表3の数字は日持ち日数であり、ショ糖脂肪酸エステルの含有量が0.0001〜0.1重量%の範囲で且つショ糖脂肪酸エステル/ショ糖の重量比が、0.00001〜2.0の範囲内にある場合は日持ち日数が格段に向上することがわかる。なお、ショ糖脂肪酸エステルは実施例1と同じものである。また、市販品のクリザール50倍希釈液、リピート50倍希釈液を用いた場合の日持ち日数は何れも5日間であった。
【0053】
【表3】

【0054】実施例3市販のハクサイ、ホウレンソウから、できるだけ鮮度及び生育状態が同等なものを選び、1枚づつ葉を採取し試験に供した。それぞれの葉を室温条件にて、実施例1で調製した鮮度保持剤(表1の本発明品1〜22及び比較品1〜8、10、11)に5分間浸漬した。その後、それぞれの葉を取り出し室温にて、48時間放置した後、葉の重量を測定することにより鮮度維持の指標とした。浸漬直前のそれぞれの葉の重量を100としたときの相対値として、結果を表4に示す。表4より、比較品と比べ本発明品は全ての試験系において、野菜の鮮度保持効果が確認され、糖類(a)と糖誘導体型又は糖アルコール誘導体型界面活性剤(b)の鮮度保持効果が認められた。
【0055】
【表4】

【0056】実施例4表5に示す本発明品23〜35及び比較品12〜19を用いて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表6に示す。なお、ショ糖脂肪酸エステルは実施例1と同じものである。また、各試薬等において、特に説明のない場合は、全て実施例1に準ずる。
【0057】
【表5】

【0058】
【表6】

【0059】実施例5表7に示す本発明品36〜48及び比較品20〜27を用いて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表8に示す。尚、各試薬等において、特に説明のない場合は、全て実施例1に準ずる。
【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】実施例6表9に示す本発明品49〜58及び比較品28〜34を用いて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表10に示す。尚、各試薬等において、特に説明のない場合は、全て実施例1に準ずる。
【0063】
【表9】

【0064】
【表10】

【0065】実施例7表11に示す本発明品59〜68及び比較品35〜41を用いて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表12に示す。尚、各試薬等において、特に説明のない場合は、全て実施例1に準ずる。
【0066】
【表11】

【0067】
【表12】

【0068】尚、上記本発明においては、好ましくは、本発明品5、7、11、18、22、表3の日持ち日数10日以上を示すもの、本発明品27、28、32、40、41、45、52、53、56、62、64〜66及び68であり、より好ましくは、本発明品11、18、表3の日持ち日数15日を示すもの、本発明品27、28、40、52、53、64及び65である。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、種々の採取植物に対して優れた鮮度保持効果を発揮し、尚かつ安全性の高い、採取植物等植物の鮮度保持剤が得られる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成11年7月29日(1999.7.29)
【代理人】 【識別番号】100063897
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 馨 (外3名)
【公開番号】 特開2000−103701(P2000−103701A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平11−215861