| 【発明の名称】 |
土壌殺菌用の熱湯散布用具 |
| 【発明者】 |
【氏名】馬場 勝
【氏名】市塚 博章
【氏名】石合 正暢
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| 【要約】 |
【課題】土壌中の病害虫発生を防止するために熱湯を散布する用具において、手頃な大きさで満遍なく熱湯を散布し土壌の保温ができる簡易な構成で確実な効果が得られる用具を提供する。
【解決手段】本発明は、対面する上面フィルム11aと下面フィルム11bとは2以上の第1接着面13で接着されて熱湯を通す水路12を構成し、下面フィルム11bの水路12形成部分のほぼ中央に熱湯放出用の複数の孔14が間隔をおいて形成され、当該用具は土壌殺菌用の熱湯の放出とその後の土壌温度を保温する働きをなす。他の実施例はそれぞれ、上面フィルム11aの上に保温用フィルム16が配置され、または上面フィルム11aと保温用フィルム16との間に空気ドーム30が作られ、または下面フィルム11cは透水性のフィルムであり、水路12内に散水チューブ20が配置されその散水孔20aから熱湯が放出され、さらには下面透水性フィルム11cに散水チューブ20を接着して熱湯を空気ドーム30内で放出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対面する上面フィルム(11a)と下面フィルム(11b)は2以上の第1接触面(13)で接着されて少なくとも1つの熱湯を通す水路(12)が形成されてなり、下面フィルム(11b)の水路(12)形成部分のほぼ中央には熱湯放出のための複数個の孔(14)が水路(12)の方向と同方向に間隔をおいて形成されてなることを特徴とする土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項2】 上面フィルム(11a)の水路(12)上の部分は黒く着色されている請求項1記載の土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項3】 下面フィルム(11b)は帯状のフィルムで形成され2以上の第1接着面(13)において上面フィルム(11a)に接着されて第1接着面(13)の間に水路(12)が構成されてなる請求項1記載の土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項4】 保温用フィルム(16)が上面フィルム(11a)の上方に配置され、保温用フィルム(16)の水路(12)の横方向の両端部と上面フィルム(11a)の同方向の両端部とは第2接着面(17)において上面フィルム(11a)が水路(12)の上面に密着する状態に接着される請求項1記載の土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項5】 第2接着面(17)の水路(12)寄りの第3接着面(18)において保温用フィルム(16)は上面フィルム(11a)に接着され、第3接着面(18)のいずれか一方の上方に形成した空気導入口(19)からの空気導入により上面フィルム(11a)と保温用フィルム(16)との間に空気ドーム(30)が形成されてなる請求項4記載の土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項6】 対面する上面フィルム(11a)と下面フィルム(11b)は2以上の第1接着面(13)で接着されて少なくとも1つの熱湯を通す水路(12)を形成してなり、下面フィルム(11b)の水路(12)形成部分のほぼ中央に熱湯放出のための複数個の孔(14)が水路(12)と同方向に間隔をおいて形成され、水路(12)内に散水チューブ(20)が水路(12)と同方向に配置され、散水チューブ(20)には水路(12)を構成する下面フィルム(11b)の孔(14)に対応して散水孔(20a)が形成されてなることを特徴とする土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項7】 散水孔(20a)は散水チューブ(20)の上面のほぼ中央位置に形成されてなる請求項6記載の土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項8】 対面する上面フィルム(11a)と透水性のある下面透水性フィルム(11c)とは2以上の第1接着面(13)で接着されて少なくとも1つの熱湯を通す水路(12)が形成されてなり、水路(12)内に散水チューブ(20)が該水路と同方向に配置され、散水チューブ(20)の下面透水性フィルム(11c)に面する部分に散水孔(20a)が形成されてなることを特徴とする土壌殺菌用の熱湯散布用具。 【請求項9】 保温用フィルム(16)は下面透水性フィルム(11c)に2つの第3接着面(18)で接着され、上方に散水孔(20a)が形成された1または2以上の散水チューブ(20)は下面透水性フィルム(11c)の上面に第4接着面(18a)で接着され、上面フィルム(11a)に空気導入口(19)を形成し、該導入口から空気を導入して上面フィルム(11a)と下面透水性フィルム(11c)の間に空気ドーム(30)が形成されてなる土壌殺菌用の熱湯散布用具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は土壌殺菌用の熱湯散布用具、より詳しくは植物栽培用の土壌中の病害虫の殺菌のために70〜90℃の熱湯を栽培土壌の上に散布し、上昇した土壌温度を維持するための熱湯水路と保温用フィルムとが一体化した用具に関する。 【0002】 【従来の技術】土壌中の病害虫の殺菌(以下、土壌殺菌と略称する。)が施設園芸の分野で注目されているが、それが注目され実施されるに至った主な理由は連作障害の防止である。連作障害の原因は同じ場所で同じ作物を作り続ける連作による土壌中の病害虫の増殖および余剰肥料による塩類集積であり、土壌殺菌は土壌中の病害虫による連作障害の防止を目的とする。塩類集積は本発明では対象としない。 【0003】土壌殺菌法は、現在、化学的方法として農薬による殺菌、物理的方法として太陽熱による殺菌、蒸気殺菌および熱湯による殺菌の4つの方法が実施されている。 【0004】農薬による殺菌のコストの主なものは農薬の費用だけであり、実施がさほど難しくなく、作物の種類に応じて農薬を選択できるので、病害虫の殺菌だけに着目すると農薬の使用は効果的である。 【0005】太陽熱による殺菌は太陽熱利用方法によるものであり、その利点としては、イ.特別の設備を必要とせず、ロ.環境にやさしく、ハ.低コストであり、ニ.圃場全体が殺菌できることである。 【0006】蒸気殺菌は蒸気ボイラで発生する蒸気を用いる方法で、それにはホジソンパイプ法、スパイク法、キャンバスホース法、殺菌槽法の4つがある。ホジソンパイプ法は蒸気殺菌の主たる方法で、メロン、花卉類の栽培用に使用されており、栽培区と通路区とが隔離されている限られた区域で用いられ、穴あきパイプを深さ20cmの底に埋め蒸気を上方向に放出する。スパイク法は大面積圃場に用いられ、深さ20cmに押し込んだスパイクの先端から蒸気を放出させる方法である。キャンバス法は作業性のよい方法で、布ホースを土壌表面上に置き土壌をシートで被覆し、蒸気を下へ土壌中に浸透させる方法であるが、現在あまり使用されていない。殺菌槽法は、育苗や植木鉢の用土の殺菌に適し、底に蒸気室を設けそこから土壌に向け蒸気を噴出させるものであり広く用いられている。 【0007】蒸気殺菌の不利な点は、蒸気発生用のボイラの取扱いには専門知識が要求され、しかもボイラに頻繁なメンテナンスが必要で、寿命も4〜5年程度と短い。さらに、土壌中に蒸気の通り道ができ、また、土壌の温度ムラもできやすいことである。農薬による殺菌は、人体および環境に与える悪影響が大きく散布後数十時間温室内に人は入れない。臭化メチルは殺菌効果は大であるものの、西暦2005年以降はフロン規制により使用が禁止されるという問題がある。太陽熱による殺菌は天候に左右され夏の晴天時にしか実施できず、また完全に殺菌できるかどうか保証し難い。 【0008】上述から次の事情が判明した。現在、蒸気ボイラによる殺菌は土壌中に蒸気の通り道ができ殺菌ムラが起きやすいため、主にメロンや花卉栽培のように栽培区域が他の区域と隔離されたところで効果的であり、事実、蒸気殺菌はこの限られた区域の殺菌に限定されている(ホジソン法、殺菌槽法)。このように圃場全体の殺菌に蒸気方式はあまり利用されていない。所定量の作物の確実な供給を求める市場の要請を考慮に入れると、上記の方法の代替として求められているものは、圃場全体の土壌殺菌であると結論できる。 【0009】以上の理由で、熱湯による殺菌が注目されるに至った。特にこの方法の利点は、イ.環境にやさしく、ロ.ボイラの能力により制限されるものの圃場全体を殺菌できることである。また、この方法は散水量が増えると塩類集積をある程度解消すると報告されている。 【0010】熱湯散布による土壌中の病害虫殺菌に牽引方式を用いる例は「日本農業新聞」の1998年(平成10年)4月23日版に発表された。この具体例を同新聞に掲げられた模式図(側断面図)を図16に転写して示す。同新聞に記載の説明を引用すると、図示しないボイラからチューブ(図示せず)で温室内に配管し、散布幅4.5mの熱湯散布機1に連結する。毎分30リットルの熱湯がポンプ(図示せず)で送られ、地表面に散布しながら、ウィンチ2、ワイヤ3で毎時2〜2.5mの速さで移動する。放熱を防ぐため圃場をアルミ蒸着フィルム4で覆う。なお、同図において、5は作土、6は熱湯である。熱湯散布法としては、蒸気の例のほかに、散水パイプを土壌表面に並べて散布する方法またはパイプを土中に埋めて放水する方法もある。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】熱湯散布による殺菌方式は効果が確実であるものの装置が大掛かりになるという不利な点がある。地中にパイプを埋没する方式はパイプの設置に時間と労力を費やし、パイプを並べて熱湯を散布する方法ではパイプ群を移動するのに手間がかかり、どの方法を用いても放熱ロスを防ぐためには保温フィルムで覆う作業が必要になるという問題がある。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記課題は、対面する上面フィルムと下面フィルムは2以上の第1接触面で接着されて少なくとも1つの熱湯を通す水路が形成されてなり、下面フィルムの水路形成部分のほぼ中央には熱湯放出のための複数個の孔が水路の方向と同方向に間隔をおいて形成されてなることを特徴とする土壌殺菌用の熱湯散布用具を提供することによって解決される。 【0013】また、上記課題は、対面する上面フィルムと下面フィルムは2以上の第1接着面で接着されて少なくとも1つの熱湯を通す水路を形成してなり、下面フィルムの水路形成部分のほぼ中央に熱湯放出のための複数個の孔が水路と同方向に間隔をおいて形成され、水路内に散水チューブが水路と同方向に配置され、散水チューブには水路を構成する下面フィルムの孔に対応して散水孔が形成されてなることを特徴とする土壌殺菌用の熱湯散布用具によって解決される。 【0014】また、上記課題は、対面する上面フィルムと透水性のある下面透水性フィルムとは2以上の第1接着面で接着されて少なくとも1つの熱湯を通す水路が形成されてなり、水路内に散水チューブが該水路と同方向に配置され、散水チューブの下面透水性フィルムに面する部分に散水孔が形成されてなることを特徴とする土壌殺菌用の熱湯散布用具によって解決される。 【0015】さらに、上記課題は、保温用フィルムは下面透水性フィルムに2つの第3接着面で接着され、上方に散水孔が形成された1または2以上の散水チューブは下面透水性フィルムの上面に第4接着面で接着され、上面フィルムに空気導入口(19)を形成し、該導入口から空気を導入して上面フィルムと下面透水性フィルムの間に空気ドームが形成されてなる土壌殺菌用の熱湯散布用具によって解決される。 【0016】 【作用】本発明にかかる土壌殺菌用の熱湯散布用具は、熱湯を通す水路と上面フィルムおよび下面フィルムとが一体化されているので、熱湯散布における該用具の設置の手間が省け、移動が可能であり、さらには放熱が抑えられるので熱湯の熱の無駄がなく、晴天のときには太陽光により水路の温度損失が抑えられ土壌の温度上昇が確保され、上面フィルムは土壌からの熱放出を抑制し、空気ドームを設けると熱放出抑制の効果はさらに高められる。また、空気ドームを形成した中で散水チューブで熱湯を散布する場合は、水平方向へも熱湯が拡散するため少ない散水チューブでより多くの面積をカバーできる。 【0017】 【実施例】本発明にかかる土壌殺菌用の熱湯散布用具10(以下、熱湯散布用具と略称)の第1実施例は図1(a)の横方向点線に沿って一部切欠した平面図と同図の下から長尺方向に見た同図(b)の側面図に示され、図中、10は熱湯散布用具、11aは上面フィルム、11bは下面フィルムでこれらのフィルムはいずれも透明で70〜90℃の温度の熱湯に耐えられる材質のものであり、熱湯が散布される植物栽培用の土壌を保温するにも役立つ。本発明の実施においては図示の形状のものが使用可能であるが、必要とあれば図の縦方向に任意の長さに延在させたものも使用できる。12は上面フィルム11a、下面フィルム11bと接着面13で囲まれた熱湯を通す水路、斜線を付した部分13は上面フィルム11aと下面フィルム11bとの第1接着面、14は水路12の側断面図に見て下面フィルム11bにあけた熱湯放出のための孔である。水路12内を流れる熱湯の水圧は0.5fkg/cm2程度に設定する。水路12は3本を図示したがその数は1本以上適宜設定し、複数の水路は同一方向にほぼ平行に延在する。隣り合う水路12の中心線の間の距離は10〜40cmに設定する。この実施例は熱湯を散布するための水路12を保温用の上面フィルム11aおよび下面フィルム11bと一体化して形成した構成で、横幅は60cm〜3mに、縦方向長さは10〜20mに設定する。フィルムを3m×20m=60m2の寸法にすると多くの温室では2つの熱湯散布用具を横方向に並べそれらを縦方向に移動するだけで用が足りる。縦方向の長さを短くしたい場合には、熱湯散布用具10を折り曲げることで調節できる。上面フィルム11aと下面フィルム11bとを一体化するには、接着面13の位置で接着剤を用いるか熱融着等で接着する。接着は水路と水路の間すべてにわたってひろがってもよい。 【0018】図2(a)と(b)は本発明第2実施例の図1(a)と(b)に類似の平面図と側面図で図1に示した部分と同じ部分は同一符号で示す。接着面13相互間の白地部分は上面フィルム11aおよび下面フィルム11bの透明部分を示し、図2(a)において水路12の砂地を付した部分は水路12が黒色に着色されていることを示す。これは例えば上面フィルム11aの水路12部分を帯状に黒色に着色しておくことで形成できる。黒色フィルムは黒色であることにより太陽光により加温され、水路12を通る熱湯の熱損失を少なくし、水路が長いときでも熱湯の散布温度がより均一となり殺菌効果を高める効果がある。それ以外の構成は第1実施例と同様である。この例はそれ故に夏場の病害虫殺菌に有効である。冬場には上面フィルム11aを保温力の高いシルバーフィルムにしてもよい。 【0019】図3は第3実施例の図で、同図(a)と(b)は図1に類似の平面図と側面図で図1と図2に示した部分と同じ部分は同じ符号を付して示す。この実施例で熱湯を散布するための水路12は上面フィルム11aと帯状の下面フィルム11bの短尺方向両端を第1接着面13で接着して形成される構成で、水路部分のみのフィルムが二重になっておりフィルム材を少なくできる。帯状のフィルムは3〜10cm×10〜20mの寸法に設定する。この構成とは上下逆に帯状のフィルムを図4に示されるように上面フィルム11aで形成して水路12を形成することも同様にでき、その場合の効果は前記したところと同じである。上面フィルム11aを黒色の帯状のフィルムとすれば、双方の構成において帯状部分の印刷をする必要がないという利点も生ずる。 【0020】図5(a)と(b)は本発明第4実施例の図1(a)と(b)に類似の平面図と側面図で、図中、図1から図4までに示した部分と同じ部分は同一符号を付して示し、16は上面フィルム11aの上方に配置される保温用フィルムであり、17は保温用フィルム16と上面フィルム11aとを接着する第2接着面であり、この第2接着面で保温用フィルム16、上面フィルム11aおよび下面フィルム11bを貼り合わせて上面フィルム11aを水路12の上面に密着させる。図において、保温用フィルムを別個のフィルムとして示すためにそれは水路12から離れた状態で描いた。この実施例は、保温用フィルム16と第2接着面17とを除くと第1実施例と同じ構成のものである。保温用フィルム16は上面フィルム11aと一緒になって地面からの放熱を防止し殺菌力を高める効果を有する。保温用フィルム16は透明フィルムまたはシルバーのものもしくは熱反射性のものにしてもよい。 【0021】図6(a)と(b)は本発明第5実施例の図1(a)と(b)に類似の平面図と側面図であり、図中、図1〜図5に示した部分と同じ部分は同じ符号で示し、18は第2接着面17の中央寄りに形成した第3接着面、19は第3接着面の片方、図示の例では左の第3接着面の上方にあけた空気導入口であり、それは図示の位置の右反対側、すなわち図の右の第3接着面18の上方に設けてもよい。この実施例においては、縦方向の熱湯の入口側は水路がつぶれない程度に土をのせたり鎖のような重しをのせ反対側は折り返してクリップなどで固定するなどして密閉し空気導入口19から空気を入れると上面フィルム11aと保温用フィルム16との間の容積が第4実施例の場合よりも著しく大になって、上面フィルム11aと保温用フィルム16との間に空気ドーム(もしくはトンネル)30が形成され保温効果ひいては殺菌効果がさらに増大する。空気は図示しない小型ファンまたは送風機を用いて導入する。空気導入口19は図7に示すように図6の場合とは反対側に形成してもよく、その場合の効果は図6に示す例の場合と同様である。 【0022】図8(a)と(b)は本発明第6実施例の図1(a)と(b)に類似する平面図と側面図で、図1〜図7に示した部分と同じ部分は同一符号で示す。この実施例は、上面フィルム11aと下面フィルム11bとの間に形成される水路12内にそれと同方向に延在する散水チューブ20がはさみ込まれ固定されており、散水チューブ20の孔14に面する部分には散水孔20aがあけられている。接着剤は、上面フィルムの下方面と下面フィルムの上方面とに塗布し、またはいずれか一方の相手方に面する面のみに塗布して貼り合わせる。熱湯は散水チューブ内を流れるため接着面は必ずしも連続している必要はなく、図9に示されるように散水チューブが固定できるように断続的な接着面としてもよい。下面フィルム11bの水路12の孔14に面する部分は孔14をあけるが、その代わりにスリット(図示せず。)をあけてもよい。水路内に散水チューブを配置することにより散水チューブの耐熱性や耐圧性が高ければよいので上面および下面フィルムを薄くしたり安価な材質に代えることも可能で軽く扱いやすいものにしたり低コストで製造できる。さらに、熱湯は平均的に水路内へ供給され次いで土壌の上に放出されて土壌の保温が平均化され殺菌力が高められるという効果が得られる。 【0023】図10は本発明第7実施例の図で、同図(a)と(b)は図8(a)と(b)に類似する図で、図1〜図9に示した部分と同じ部分は同一符号で示す。この実施例では、散水チューブ20の散水孔20aを上向きにし、水路12の散水孔14を下向きにした変形例である。散水チューブ20の散水孔20aを上向きとすることで、水路から出る湯の量が一定になり、水路が長くなった場合に散水ムラが起こりにくいという利点が得られる。 【0024】図11は本発明の第8実施例の図で、同図(a)と(b)は図10(a)と(b)に類似の平面図と側面図で、図1〜図10に示した部分と同じ部分は同一符号で示し、11cは下面フィルム11bに代わる下面透水性フィルムである。この実施例においては、対面する上面フィルム11aと下面透水性フィルム11cは図示の如く第1接着面13で接着されて熱湯を通す水路12を形成し、水路12内に散水チューブ20が水路12と同方向に配置され、散水チューブ20の下方に散水孔20aが形成され、下面透水性フィルム11cそのものが透水性であるので孔14が形成されていないところが異なる。透水性フィルムに代えて不織布を用いてもよく、透水性フィルムにせよ不織布にせよ熱湯の放出が分散、平均化される効果がある。その他の構成は第5実施例と同じである。 【0025】図12(a)と(b)は本発明の第9実施例の平面図と側面図で、図1〜図11に示した部分と同じ部分は同一符号で示す。この実施例は、下面透水性フィルム11cと保温用フィルム16は第3接着面18で接着され空気導入口19から空気が導入されて空気ドーム30が作られ、水路12が形成されない代わりに2以上の散水チューブ20が下面透水性フィルム11cの上面に第4接着面18aにおいて接着され、散水チューブ20の上面には2以上の散水孔20aが形成されている。第1〜第7実施例では散布した熱湯がそのまま土壌に流れ落ち熱湯は土壌への自然な浸透で拡散していくため水路や散水孔の間隔があまり広くできないが、上側に散水孔14を形成した散水チューブ20に強制的に熱湯を供給し熱湯を散水孔20aから強制的に拡散できるため水路の形成が少なくても大きな面積に熱湯を散布することができる。このとき下面フィルムには不織布のような通気性は低いが透水性の高いフィルムを使うことで空気ドーム30内に放出される熱湯は土壌へ浸透していく。熱湯散布用具の左右は、空気ドーム形成時に下面フィルムを土壌に密着させ空気漏れを防ぎ保温性を確保するため重し替わりとしてそれぞれ中心方向へのみの散水孔をもった散水チューブを配置するか、または盛土やパイプ等を第3接着面18の上にのせて重しにしてもよい。空気導入口19は図12に示す例とは反対側に図13に示す如くに形成してもよく、その場合の効果は図12に示す例の場合と同様である。 【0026】図14は水路12に熱湯を供給するのに用いるヘッダー21を示す。図中、22は給水管でそれは連結管23につながり、連結管23を水路12の端部に挿入する。かかるヘッダー21は例えば耐熱性のプラスチック材料で容易に形成される。 【0027】使用において、図1〜図13に示した実施例のいずれかからなるユニット10は図15に示すように配置される。図15において、図1〜図14に示した部分と同じ部分は同一符号で示し、31は圃場土壌、32はボイラ、33は熱交換器、34は殺菌制御ユニット、34aは制御部、35(FM)は流量センサ、36(P)は循環ポンプ、37(TH)は低温出湯防止センサ、38(FT)は給水用フィルタ、39は給水路、40は熱湯管、一点鎖線41は制御信号路、42はモータ、43はバルブ、破線44はセンサ信号路、45は接続具である。 【0028】給水管39から供給される給水(井戸水、用水等)は熱交換器33内でボイラ32から供給される熱湯との熱交換により熱湯となり、熱湯管40を経て圃場土壌31上に配置された散布ユニット10へ供給される。散布ユニット10へ供給される熱湯の温度を制御するために熱交換器33から出る熱湯は殺菌制御ユニット34で適正温度に制御される。ボイラ32と熱交換器33の間には循環ポンプ36が配置され熱湯をユニット10へ供給する。低温出湯防止センサ38が熱交換器33と制御部34aの間に設けられ低温水が供給されることのないよう保証する。制御部34aから出る上方の実線矢印と下方の破線矢印とは他の熱湯散布ユニットへ熱湯が供給されることを示す。 【0029】 【発明の効果】本発明の各実施例が奏する効果を見ると、基本的な第1実施例においては、用具は対面する2枚のフィルムで構成され、これらのフィルムを接着することにより熱湯散布用の水路が形成され、しかもこの上下のフィルムが熱湯が散布された土壌の保温を助け、用具は3m×20m=60m2の寸法にすることによりほとんどの温室では2つの用具を横に並べ縦方向に移動させるだけで温室全体をカバーすることができ、第2実施例においては上面フィルム11aの水路12上の部分を着色することにより水路を通る熱湯の熱損失を少にし、第3実施例においては、上面フィルムと下面フィルムのいずれかの水路構成部分を帯状に形成することによりフィルム材を少なくすることができ、第4実施例では保温フィルムを上面フィルム11aの上に配置することにより土壌面からの放熱を防止し殺菌効果を高め、第5実施例においては、上面フィルムと保温フィルムの間に空気ドームを形成させ、保温効果ひいては殺菌効果をさらに高め、第6実施例においては水路内に散水チューブを配置し、それの散水孔から熱湯を水路に供給するので、より軽く扱いやすいものとなり、さらには低コストで製造でき、第7実施例では、散水孔から上向きに熱湯を放出することにより放出される湯の量が一定になる効果が得られ、第8実施例では下面のフィルムは透水性フィルムになっており、この実施例は第6実施例の効果に加え、下面フィルムの孔14の形成が不要になる一方で熱湯の放出が平均化される効果を有し、第9実施例では散水チューブから上向きに強制的に熱湯を放出させることにより水路の数が少なくても大きな面積をカバーできる効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000111292 【氏名又は名称】ネポン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年2月15日(1999.2.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067987 【弁理士】 【氏名又は名称】久木元 彰
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| 【公開番号】 |
特開2000−232844(P2000−232844A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月29日(2000.8.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−74239 |
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