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【発明の名称】 電気式殺虫器
【発明者】 【氏名】鈴江 光良

【氏名】亀井 正治

【要約】 【課題】屋内で発見した害虫を積極的に駆除するのに適し、確実に殺虫を行うことができる電気式殺虫器を提供する。

【解決手段】本発明の電気式殺虫器10は、害虫を捕獲する捕獲部11と、携帯時に把持可能な把持部12とを備えている。捕獲部11はその内部に、少なくとも一対の導電部材20a,20bが設けられている。スイッチ17をONにすることで、導電部材20a,20bに電圧が印可される。捕獲部11により害虫の動きを規制しながら、導電部材20a,20bにより害虫に電気ショックを与え、確実に殺虫を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 害虫を捕獲する捕獲部と、前記捕獲部に設けられ、携帯時に把持可能な把持部と、前記捕獲部又は把持部に設けられ、前記害虫に電気ショックを与える少なくとも一対の導電部材と、前記導電部材に電圧を印可する電気回路とを備えたことを特徴とする電気式殺虫器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気ショックにより害虫等を駆除する電気式殺虫器に関し、詳しくは、ムカデやゲジゲジ等の大型の害虫を駆除するための電気式殺虫器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、宅地開発が農村地域や山ろく地域に広がるに伴い、屋外から家屋内に侵入してくるムカデやゲジゲジ等の不快害虫による被害・苦情が増加している。ムカデ等の大型の害虫は、家庭用殺虫剤などでは駆除しにくい。また、ハエたたきのようなもので殺虫すると、室内を汚してしまう。
【0003】従来、電気ショックにより害虫を駆除する電気式殺虫器が知られている。電気式殺虫器には、植物の茎等に巻回可能な可撓シートに、2本の導線を互いに接触しないように適当な間隔で取り付け、それらの導線を電源に接続することで構成されたものがある。2本の導線を備えた可撓シートを植物の茎等に巻き付けておけば、茎等を登ってきた害虫が可撓シートを横切ろうとして2本の導線に接触したとき、その害虫に所定の電流が流れ、電気ショックにより殺虫が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述の電気式殺虫器は、植物の茎等に設置して使用するものであって、屋内で発見したムカデ等の害虫を積極的に駆除するには不向きであった。また、ムカデ等の害虫の動きを規制する手段がないため、害虫等が瞬間的に2本の導線に接触して当該害虫に電流が流れても、次の瞬間に当該害虫が動いて導線から離れて、結局逃げられてしまうことがあった。
【0005】本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、屋内で発見したムカデ等の害虫を積極的に駆除するのに適し、確実に殺虫を行うことができる電気式殺虫器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的は、害虫を捕獲する捕獲部と、前記捕獲部に設けられ、携帯時に把持可能な把持部と、前記捕獲部又は把持部に設けられ、前記害虫に電気ショックを与える少なくとも一対の導電部材と、前記導電部材に電圧を印可する電気回路とを備えたことを特徴とする電気式殺虫器によって達成される。
【0007】ここで捕獲部の形態は特に限定されず、例えば、筒状、板状、網状等のものを採用できる。また捕獲部の材質も特に限定されないが、樹脂等の電気的絶縁材を用いることが好ましい。導電部材の形態および材質も限定されないが、例えば、所定の剛性を有しかつ導電性に富む金属材等からなる棒状、或いは板状のものを用いることができる。特に、導電部材は複数対設けてもよい。また導電部材は、捕獲部又は把持部に対して可動に設けてもよい。
【0008】電気回路の電源の形態は特に限定されないが、アルカリ電池、マンガン電池、水銀電池、太陽電池、蓄電池、カドニカ電池等を用いることができ、場合によっては家庭用電源を用いてもよい。また電気回路は、昇圧回路または降圧回路を備えていてもよい。導電部材に印可する電圧は10万〜50万Vの範囲内であることが好ましく、印可電圧が10万V未満であるとムカデ等の大型の害虫に対する殺虫効果が不十分となり、50万Vを超えると電気回路のコストが高くなってしまう。害虫に電気ショックを与える形態も特に限定されず、導電部材に害虫を接触させて当該害虫に電気ショックを与えるものの他に、コロナ放電により害虫に電気ショックを与えたり、静電気により害虫に電気ショックを与えたりすることができる。
【0009】以上のような構成の電気式殺虫器によれば、屋内で害虫を発見した際に、把持部を把持しながら捕獲部によって害虫を捕獲し、その害虫に、電圧が印可された導電部材により所定の電流を流すことができ、電気ショックにより殺虫を行うことができる。この際、害虫は捕獲部によって動きを規制されているので逃げることができない。したがって、電気ショックによって確実に殺虫を行うことができる。なお、捕獲部材内における害虫の様子を目視可能とするために、捕獲部材に窓等の透明部分を設けてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1に、本発明の第1実施形態を示す。同図に示すように、電気式殺虫器10は、携帯時に把持可能な把持部12と、先端側の径が基端側の径より大きい筒状(ホッパ状)の捕獲部11とを備えている。中空円柱状の把持部12には、握り易さを向上させるための凹溝12aが設けられている。例えばこの凹溝に、中指、薬指および小指を沿わせることができる。また把持部12内には、電源としての電池16が収納されている。
【0011】捕獲部11と把持部12とは、棒状の接続部材13によって接続されている。また、接続部材13と把持部12との間には、当該接続部材と把持部とを連結する連結部材14が設けられている。ここでは連結部材14によって、接続部材13が把持部12に対して所定の角度で固着されている。
【0012】接続部材13の内部には、電気回路の一部である一対の導線15a,15bが設けられている。接続部材13の把持部12側の外壁には引き金状のスイッチ17が設けられており、このスイッチを例えば人差し指でONにすることで、導線15a,15bに、電池16から図示しない電気回路を介して所定の電圧が印可される。
【0013】導線15a,15bは捕獲部11側において、当該捕獲部11内の先端開口側に向かってその一端が延びる、金属材からなる導電部材20a,20bの他端にそれぞれ接続されている。
【0014】ここでは一対の導線部材20a,20bは、互いに接触しない所定の間隔を隔てて捕獲部11に固着されている。なお、捕獲部11の内部には、例えばムカデ等の大型の害虫を閉じ込めることができる空間がある。導電部材20a,20bの突出先端は捕獲部11の筒から突出しておらず、更に詳しくは、突出先端は筒の先端開口面より、例えば2〜3mm奥の位置までしか延びていない。
【0015】この電気式殺虫器10により害虫の殺虫を行うには、先ず、屋内の壁や床等を這う害虫の上に捕獲部11を被せて、当該捕獲部内の空間に害虫を捕獲する。その捕獲時或いは捕獲後、害虫は捕獲部11内で動くので一対の導電部材20a,20bに害虫が接触する。このときスイッチ17をONにして導電部材20a,20bに所定の電圧を印可する。すると害虫に所定の電流が流れ、電気ショックを受けた害虫は捕獲部11内部で暴れて導電部材20a,20bに何度も接触する。やがて害虫は度重なる電気ショックにより殺虫される。
【0016】以上のような電気式殺虫器10によれば、把持部12に凹溝12aが設けられ、接続部材13に引き金状のスイッチ17が設けられているので、携帯性および操作性が良好である。また、捕獲部11内に害虫を閉じ込めた状態で導電部材20a,20bを当該害虫に接触させるので、害虫に逃げられることはなく、電気ショックによって確実に殺虫を行うことができる。
【0017】また、導電部材20a,20bの突出先端が捕獲部11の筒の先端開口面より奥の位置までしか延びていないので、導電部材20a,20bによって害虫を貫通したり切断したりして、当該害虫の多量の体液が飛散することにより室内を汚すこともない。また導電部材が露出していないので安全性が高く、錆びにくい。
【0018】図2に、本発明の第2実施形態を示す。なお図2において、第1実施形態で既に説明した部材等については、第1実施形態のものと同一の符号又は相当符号を付すことにより説明を簡略化或いは省略する。
【0019】図2に示すように、電気式殺虫器30は、接続部材33の把持部12側の端部に引き金状のスイッチ37が設けられている。また、捕獲部11の内部には、電気的絶縁材からなる回動支持部材40が設けられている。一対の導電部材20a,20bは接続部材33側で、回動支持部材40によって互いに絶縁状態を保ちながら交差するように且つ回動可能に支持され、その端部(以下「基端部」という)が回動支持部材40よりも更に接続部材33側に突出している。なお、導電部材20a,20bの基端部には、電圧を印可するための導線がそれぞれ接続されるが、図2では図示を省略した。
【0020】そして、導電部材20a,20bの基端部の間には、可撓性を有する例えば紐状の可撓接続部材41が張架されている。また、可撓接続部材41の中点には、例えば紐状の引張り部材42の一端が接続されている。引張り部材42の他端は、スイッチ37の可動部分である引き金37aに接続されている。換言すれば、導電部材20a,20bはスイッチ37の可動部分に機械的に接続されている。
【0021】以上のような構成の電気式殺虫器30は、スイッチ37をONにするために引き金37aを図2中矢印A方向に引くと、引張り部材42も引かれる。すると、図2中一点鎖線で囲んだ領域に示すように、引張り部材42に接続された可撓接続部材41も引かれ、導電部材20a,20bの基端部の間隔が狭められる。結果として、導電部材20a,20bの図示しない先端部も間隔を狭められる。
【0022】すなわち、導電部材20a,20bの先端部は、スイッチOFのときは捕獲部11内で大きな間隔を隔てているが、スイッチONのときは間隔を狭められる。このような先端部の動きにより、害虫に確実に一対の導電部材20a,20bを接触させることができる。また、先端部で害虫を挟んで、その害虫の死骸を移動することもでき、手指を汚すことなく害虫の駆除を行うことができる。引き金37aから指を離すと、引き金37a、は図示しない付勢手段によって初期位置に戻される。
【0023】なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、変更等が可能である。例えば、接続部材13,33として、伸縮可能な構成のものを用いてもよい。また連結部材14は、把持部12に対して接続部材13,33を回動可能に、当該把持部と接続部材とを連結する構成にしてもよい。連結部材14を捕獲部材11と接続部材13,33との間に設けてもよい。導電部材20a,20bとして、樹脂部材の外面に導電性メッキを被覆したものを用いてもよい。
【0024】また、前述した第2実施形態においては、導電部材20a,20bをスイッチ37の可動部分に機械的に接続していたが、例えば捕獲部11内に導電部材を動かすためのアクチュエータ等を設けて、スイッチONにより、導電部材に異なる電極の電圧を印可するとともにアクチュエータを駆動して、捕獲部内で導電部材を動かしてもよい。なお、本発明の電気式殺虫器は携帯性が良好であるため、屋外で用いる場合にも適している。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気式殺虫器は、屋内で発見したムカデ等の害虫を積極的に駆除するのに特に適し、確実に殺虫を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
【出願日】 平成11年2月16日(1999.2.16)
【代理人】 【識別番号】100073874
【弁理士】
【氏名又は名称】萩野 平 (外6名)
【公開番号】 特開2000−232842(P2000−232842A)
【公開日】 平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願番号】 特願平11−37430