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【発明の名称】 害虫駆除装置
【発明者】 【氏名】安部 秀二

【氏名】小林 保道

【氏名】財前 克徳

【要約】 【課題】貯水池などでの害虫を含んだ処理水を導入手段によりを処理槽に導き、処理槽内に超音波を発生させ、効率的に害虫を死滅させ、排出手段にて、処理された水を害虫の死骸とともに貯水池などに戻すようにすることにより、水質を汚染することなく害虫だけをを駆除する害虫駆除装置を提供することを目的とする。

【解決手段】上記目的を達成するために本発明は、超音波を発生させる超音波素子と、この超音波素子を内蔵した処理槽と、貯水池から害虫を含む処理水を処理槽に導く導入手段と処理槽内の処理水を再び貯水地に戻す排出手段を備えたもので、この構成によれば、貯水池などでの害虫を含んだ処理水を導入手段によりを処理槽に導き、処理槽内に超音波を発生させ、効率的に害虫を死滅させ、排出手段にて、処理された水を害虫の死骸とともに貯水池などに戻すようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超音波を発生させる超音波素子と、この超音波素子を内蔵した処理槽と、貯水池から害虫を含む処理水を前記処理槽に導く導入手段と処理槽内の処理水を再び貯水地に戻す排出手段とを備えた害虫駆除装置。
【請求項2】 導入手段の経路中にフィルターを配した請求項1記載の害虫駆除装置。
【請求項3】 所定時間を計時する第1計時手段、第2計時手段、第3計時手段を有し、この第1計時手段が計時中は導入手段を動作させる第1駆動手段と、第2計時手段の計時中は超音波素子を動作させる発振手段と、第3計時手段が計時中は排出手段を動作させる第2駆動手段を備える請求項1記載の害虫駆除装置。
【請求項4】 超音波素子は複数の周波数の超音波を発生させることがでえきる請求項1記載の害虫駆除装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に住むぼうふらなどの害虫の駆除を行う害虫駆除装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、蚊の幼虫であるボウフラやユスリカの幼虫などの害虫は雨水桝、ビル地下の湧水ピット、貯水池、河川、水処理場など水の貯まる場所に生息している。従来は、これらの害虫を駆除するのに、水中に薬剤を注入していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薬剤を注入する方法では、水質汚染につながり、薬剤に耐性を有する害虫も出現し、別種の薬剤を使用する必要もあった。めだかなどの害のない小型の魚などにも薬剤による悪影響を与えていた。また、河川や放水路などの流れがある場所では、薬剤を注入しても、薬剤が流れてしまい、害虫の死滅に全く寄与せず、環境破壊だけを引き起こすものである。
【0004】本発明は水質を汚染することなく害虫だけをを駆除する害虫駆除装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】超音波を発生させる超音波素子と、この超音波素子を内蔵した処理槽と、貯水池から害虫を含む処理水を処理槽に導く導入手段と処理槽内の処理水を再び貯水地に戻す排出手段を備えたもので、この構成によれば、貯水池などでの害虫を含んだ処理水を導入手段によりを処理槽に導き、処理槽内に超音波を発生させ、効率的に害虫を死滅させ、排出手段にて、処理された水を害虫の死骸とともに貯水池などに戻すようにしている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、超音波を発生させる超音波素子と、この超音波素子を内蔵した処理槽と、貯水池から害虫を含む処理水を処理槽に導く導入手段と処理槽内の処理水を再び貯水地に戻す排出手段を備えたもので、貯水池などの水中に含まれる害虫を処理槽に導き、一度に大量の害虫を死滅させ、再び、処理水を貯水池にもどすことができるようにしたものである。
【0007】本発明の請求項2記載の発明は、 導入手段の経路中にフィルターを配したもので、貯水池に含まれる大きなゴミや魚が処理槽の中に入らないようにしている。
【0008】本発明の請求項3記載の発明は、所定時間を計時する第1計時手段、第2計時手段、第3計時手段を有し、この第1計時手段が計時中は導入手段を動作させる第1駆動手段と、第2計時手段の計時中は超音波素子を動作させる発振手段と、第3計時手段が計時中は排出手段を動作させる第2駆動手段を備えたもので、処理槽内の害虫を確実に死滅させるようにしたものである。
【0009】本発明の請求項1記載の発明は、超音波素子は複数の周波数の超音波を発生させるようにしたもので、処理槽内に定在波ができることを防止するようにしたものである。
【0010】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1、図2及び図3をもとに説明する。図において、1は導入手段で、貯水池から害虫を含んだ処理水をくみ出す。2は処理槽で、導入手段1からくみ出された処理水を貯める。導入手段1は第1ホース102と第1ポンプ101から構成されている。5はフィルターで、この第1ホース102と第1ポンプ101の間に配置されている。3は超音波素子で、例えばボルト締めランジュバン型の構造をしており、具体的には、圧電素子301と、この圧電素子301の両端に設けた円柱状の金属と、この金属を圧電素子103に接合させるためのボルト12を有しており、圧電素子301の振動が下方の金属の先端部分に伝達され、その先端が超音波振動するようになっている。そして、処理槽2の底部の接着され、槽内の処理水に固有振動数fを有する超音波振動を与える。4は排出手段で、処理槽2内の処理水を再び貯水池に戻す。排出手段4は第2ポンプ401と第2ホース402から構成されている。9は第1駆動手段で、第1ポンプ101を駆動する。6は第1計時手段で、所定時間を計時するととも、計時中は第1駆動手段9を介して第1ポンプ101を駆動する。10は発振手段で、超音波素子3の固有振動数fを発振し、超音波素子3を駆動する。固有振動数fと固有波長λの関係は次式で表される。
【0011】λ=c/f (c:音速)………E7は第2計時手段で、所定時間を計時するととも、計時中は発振手段10を駆動する。11は第2駆動手段で、第2ポンプ401を駆動する。8は第3計時手段で、所定時間を計時するととも、計時中は第2駆動手段11を介して第2ポンプ401を駆動する。13は水位センサで、処理槽2の水位を測定するものである。12は制御手段で、第1駆動手段9、発振手段10、第2駆動手段11、第1計時手段6、第2計時手段7、第3計時手段8を内蔵している。
【0012】次に、同害虫駆除装置の動作について説明する。第1ホース102、第2ホース402は共に貯水池など、害虫が含まれた処理水の中に先端が入っている。第1タイマー6が動作中は第1駆動手段9が第1ポンプ101を動作させ、第1ホース102を介して、貯水池より害虫が含んだ処理水を吸い上げる。このとき、第1ホース102から吸い込まれた処理水はすべて、フィルター5を通過する。フィルター5の穴径は、処理水に含まれるボウフラやユスリカの幼虫だけを通す径になっており(例えば2mm以下)処理水に含まれるゴミやメダカなどの魚類などが第1ポンプ101及び処理槽2に入り込まないようにしている。すなわち、処理槽2にはボウフラなどの害虫のみが含まれている処理水がたまることになる。第1タイマーは、水位センサー13が所定の水位を検出するまで動作する。図3に示されるLなる距離は、超音波素子3の周波数に関係がある。図4は超音波の波形を示したものである。図に示すように、振幅Voで、1波長がλの波形になっている。A点がすなわち、圧電素子301の点を0とすると、B点が1/4λ、すなわち1/4波長、C点が1/2λ、すなわち1/2波長の点になっている。また、振幅の絶対値はB点及びD点が最大(振動の腹という)となっており、C点とE点が最小(振動の節という)になっている。すなわち、1/4λ毎に振幅の最大値と最小値がやってくることになる。これらの関係は次式で表せる。
振幅が最大になる点(2n+1)λ/4(n=0,1,2,3・・・)………B1振幅が最小になる点(n+1)λ/2(n=0,1,2,3・・・)………B2超音波素子3と処理槽2との接続面は、振幅の最大値すなわち腹がやってくるのが望ましい。それは、振幅が最大である方が、より大きな振動が処理槽内の処理水に伝達される。また、処理槽2の水面は、振幅の最小値、すなわち節がくるのが望ましい。それは、水面に振幅の最大値すなわち腹の部分がくれば、ここで、超音波が反射し、再び、超音波素子3に向かって超音波振動が伝えられ、新たな発振を減衰させてしまう。超音波素子3の固有振動数を28kHzとし、水中の音速を1500m/sとすると、E式により、λ=5.35cmとなる。B点、すなわち振幅が最大となる点が処理槽2の底面になる。B2式にn=5を代入すると、振幅が最小となる点は3λとなり、処理槽2の底面が1/4λになるので、処理槽2の水位Lは約12cmになる。今回は、振幅の最小になる点を3λに設定して、処理槽2の水位を決定したが、これは、一例であり、要は処理水の上面に振動の節がくればよい。水位センサーが所定の水位Lを検出すると、第1計時手段の計時は終了し、第1駆動手段はポンプの動作を停止させ、処理水の汲み上げを停止する。次に、第2計時手段10が計時を開始し、発振手段を動作させ、超音波素子3駆動する。超音波素子3で発生した振動が、処理槽2内の処理水に伝えられると、キャビテーション現象が生じ、小さな気泡が処理水内に発生する。これは、処理水に伝えられた超音波振動が縦の振動をしており、押す、引くという振動が繰り返す度に負圧が生じ、気泡は発生するわけである。この気泡が破裂したときに生じる衝撃波がボウフラなどの害虫の体表面にあたり、節や呼吸管などの弱い部分を物理的に破壊する。これにより、ボウフラは死滅するわけである。第2計時手段7の計時が終了すると、発振手段10の発振は停止し、超音波素子3の振動も停止する。次に、第3計時手段8が計時を開始し、第2駆動手段11は第2ポンプ401を動作させる。処理槽2内のボウフラなどの害虫の死骸を含んだ処理水を第2ホースを介して再び処理池に戻す。なお、本実施例は、貯水池に害虫を駆除させる例を示したが、ビルの湧水ピットや側溝、水処理場など、害虫を含んだ処理水が本装置に導入でき、再び排出できればどこでも同様の効果が得られる。
【0013】次に、本発明の第2の実施例を図4をもとに説明する。なお、上記第1の実施例と同一構成部品には同一符号を付し、その説明を省略する。図において超音波素子3は固有振動数の異なる第1超音波素子301、第2超音波素子302、第3超音波素子303より構成されている。発振手段10もそれぞれの素子に適した振動数を発振可能になっている。
【0014】次に、上記害虫駆除装置の動作について述べる。処理槽2の底に設けられた第1超音波素子301の振動数は、処理水の水位がLの時に、水面に振動の節がくるように設定されている。これは、水面での反射による、振動の減衰を防止するのが目的である。しかしながら、水面での反射がないということは、処理槽2内で、振動の腹と節の位置が定まってしまい、いわゆる定在波が発生する。このとき、振動の節付近にいる害虫には、キャビテーションの破裂による衝撃波が伝わらない。第2計時手段は一定時間毎に発振手段10の発振周波数を変更し、第1超音波素子301、第2超音波素子302、第3超音波素子303を交互に駆動するので、処理槽2内にはサイクル的に異なった振動数の超音波振動が伝えられる。処理槽2の水位はLなので、第2超音波素子302、第3超音波素子303のときは、水面での若干の反射があるが、3つの振動数を組合わせることにより、定在波の発生を押さえ、全体として、害虫の死滅の効率がよくなるものである。なお、3つの超音波素子を使用する例を示したが、個数は3つにこだわるものではなく、いくつでもよい。また、1つの超音波素子で複数の周波数を発振させても良い。
【0015】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかな通り、請求項1記載の発明によれば、害虫を含んだ処理水を処理槽に導いて、超音波振動を害虫を含んだ処理水に与えるようにしたことにより、超音波振動を効率よく害虫にあたえることができる。
【0016】請求項2記載の発明によれば、害虫を含んだ処理水を第1ポンプに導く経路にボウフラやユスリカの幼虫などの害虫のみを通過させる穴を有したフィルターを配置したことにより、害虫以外の異物を第1ポンプ、処理槽に流入するのを防いだことにより、異物によるつまりなどを防止し、また、メダカなどの益虫を死滅させることを防止することが可能になる。
【0017】請求項3記載の発明によれば、第1計時手段、第2計時手段、第3計時手段の計時に従って、順に第1ポンプ、発振手段、第2ポンプを動作させることにより、確実に処理池に含まれる害虫を死滅させることができる。
【0018】請求項4の発明によれば、複数の超音波振動を処理水に与えることができ、定在波の発生を防止し、処理槽内の害虫を効果的に死滅させるものである。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年2月15日(1999.2.15)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−232840(P2000−232840A)
【公開日】 平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願番号】 特願平11−35334