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【発明の名称】 散布装置
【発明者】 【氏名】松嵜 一公

【要約】 【課題】管路の保守、組立効率の向上と粒体の回収を効率的に行うことの可能な散布装置を提供する。

【解決手段】分散板19は、粒体回収蓋9の内側端部に固着され、繰出装置3から自然落下した粒体を反射散乱する。粒体回収蓋9を開ければ、分散板19が管路外部に露出する。また、分散板19下端側に開口部23を配設する。この分散板19の投入口17に対する面には、緩衝材20を被覆する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粒体を供給する粒体供給手段(1、3、5)と、該粒体供給手段(1、3、5)より粒体が投入される投入口(17)が上部に配設された管路(7)と、該投入口(17)と向かい合い、該投入口(17)を覆う広さの面積を有し、前記管路(7)内空間に所定の傾斜をもたせて配設された粒体飛散手段(19)と、該粒体飛散手段(19)により飛散された粒体を風により移送するため前記管路(7)に風を供給する風供給手段と、前記粒体飛散手段(19)が固着若しくは着脱自在に取り付けられ、前記管路(7)底部に開閉自在及び/又は着脱自在に配設された粒体回収蓋(9)と、該粒体回収蓋(9)を前記管路(7)に装着する装着手段(11、13)とを備え、前記管路(7)には前記風供給手段により移送される粒体を外部へ放出するため少なくとも一つの噴口が形成されたことを特徴とする散布装置。
【請求項2】 前記粒体飛散手段(19)には、前記投入口(17)に向かい合う以外の所定位置に開口部(23)を配設したことを特徴とする請求項1記載の散布装置。
【請求項3】 前記粒体回収蓋(9)は、前記管路(7)に着脱自在に配設され、前記粒体飛散手段(19)の面積は、前記粒体飛散手段(19)の前記管路(7)軸方向の最大長が、前記粒体回収蓋(9)の前記管路(7)軸方向の長さ以上となるように前記管路(7)軸方向に拡張されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の散布装置。
【請求項4】 前記粒体飛散手段(19)の前記投入口(17)に対する面には、緩衝材(20)が被覆されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の散布装置。
【請求項5】 前記粒体供給手段は、粒体を貯留するタンク(1)と、該タンク(1)より送出される粒体の繰出量を調節する繰出部(3、5)を備えたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の散布装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は散布装置に係わり、特に管路の保守、組立効率の向上と粒体の回収を効率的に行うことの可能な散布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の散布装置の背面斜視図を図6に示し、横断面図を図7に示す。散布装置は、水田の中を走行し、薬剤や粒状肥料や種子を散布する乗用型自走車両である。図6において、図示しない車に搭載された粒体タンク1には、粒体が入れられている。粒体は、例えば粒状肥料や粒状除草剤や粒状コーティング種子である。この粒体は、繰出装置3に内装された繰出ロータ5を回動させることにより送りの量が調節される。
【0003】繰出装置3は、4台併設されている。繰出装置3A、3Bは、繰出装置3A、3Bの下部にそれぞれ配設された図示しない投入口を介して左側管路7Aと連絡している。また、繰出装置3C、3Dについても同様に、図示しない投入口を介して右側管路7Bと連絡している。左側管路7A及び右側管路7Bの下部には、粒体散布後に左側管路7A及び右側管路7Bに残留した残剤を回収するための粒体回収蓋9A、9Bが設けられている。
【0004】粒体回収蓋9の一端は、管路7に配設された蝶番15により回動自在に支持されている。粒体回収蓋9A、9Bの外側他端には、フック11A、11Bが配設されている。また、管路7所定部には、キャッチクリップ13A、13Bが固定され、フック11A、11Bに掛止される。これにより、粒体回収蓋9A、9Bは、管路7に固定される。
【0005】管路7内に、投入口17と向かい合い、投入口17を覆うように広い面積を有する分散板19が配設されている。分散板19は、その一端が管路7にネジ21により固定されている。他端は、管路7中心部へ向けて突出し、投入口17から自然落下してくる粒体を反射散乱する。そして、図示しない送風機から送られる風によりこの粒体が運ばれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の分散板19は管路7内に固定されており、管路7内に清掃用具や修理用具を完全に入れることができず、保守、点検上の支障となっていた。また、粒体回収蓋9の上方に分散板19が配設されていたため、粒体回収蓋9を開いても分散板19が邪魔となって粒体を効率的に回収できなかった。
【0007】更に、分散板19を管路7内に取り付けるとき、狭い開口部22から手を入れ取り付けるため組立の効率が悪かった。本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、管路の保守、組立効率の向上と粒体の回収を効率的に行うことの可能な散布装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため本発明(請求項1)は、粒体を供給する粒体供給手段(1、3、5)と、該粒体供給手段(1、3、5)より粒体が投入される投入口(17)が上部に配設された管路(7)と、該投入口(17)と向かい合い、該投入口(17)を覆う広さの面積を有し、前記管路(7)内空間に所定の傾斜をもたせて配設された粒体飛散手段(19)と、該粒体飛散手段(19)により飛散された粒体を風により移送するため前記管路(7)に風を供給する風供給手段と、前記粒体飛散手段(19)が固着若しくは着脱自在に取り付けられ、前記管路(7)底部に開閉自在及び/又は着脱自在に配設された粒体回収蓋(9)と、該粒体回収蓋(9)を前記管路(7)に装着する装着手段(11、13)とを備え、前記管路(7)には前記風供給手段により移送される粒体を外部へ放出するため少なくとも一つの噴口が形成されたことを特徴とする。
【0009】粒体供給手段(1、3、5)により投入口(17)から投入された粒体は、粒体飛散手段(19)に衝突後反射散乱する。粒体飛散手段(19)は、投入された粒体を受け止め管路(7)底部に落とさず、風供給手段より繰り出された風により効率的に運ばれるように、投入口(17)より広い面積を有する。
【0010】そして、粒体の飛散効果を高めるために、管路(7)内空間に所定の傾斜をもたせて配設する。粒体飛散手段(19)は、平板状でもよいが、U字形や逆U字形等としてもよい。
【0011】粒体飛散手段(19)は粒体回収蓋(9)の内側端部に固着又は着脱自在に取り付けてもよいし、粒体回収蓋(9)の内側で端部にいたるまでの途中に固着又は着脱自在に取り付けてもよい。
【0012】粒体飛散手段(19)と粒体回収蓋(9)を一体化して構成したことにより、粒体回収蓋(9)を開くと粒体飛散手段(19)が管路(7)外部に露出する。
【0013】従って、管路(7)内に清掃用具等を障害なく入れられるので、管路(7)の保守の向上が図られる。また、粒体飛散手段(19)を管路(7)の狭い開口部(22)から手を入れて取り付けなくてもよいので、組立効率の向上が図られる。
【0014】また、本発明(請求項2)は、前記粒体飛散手段(19)には、前記投入口(17)に向かい合う以外の所定位置に開口部(23)を配設したことを特徴とする。
【0015】ここで、開口部(23)は、粒体飛散手段(19)下端側で投入口(17)に向かい合う以外の所定位置に長方形に配設されるのが望ましいが、粒体の飛散効果に支障がなければ粒体飛散手段(19)の他の箇所に、他の形状で配設してもよい。
【0016】以上により、粒体回収蓋(9)の開放時に粒体飛散手段(19)上に粒体が残留することはなくなる。また、粒体飛散手段(19)が障害とならずに、粒体の回収を効率的に行える。
【0017】更に、本発明(請求項3)は、前記粒体回収蓋(9)は、前記管路(7)に着脱自在に配設され、前記粒体飛散手段(19)の面積は、前記粒体飛散手段(19)の前記管路(7)軸方向の最大長が、前記粒体回収蓋(9)の前記管路(7)軸方向の長さ以上となるように前記管路(7)軸方向に拡張されたことを特徴とする。
【0018】粒体飛散手段(19)の面積が拡張されることにより、軽い粒体が落下時に風により投入口(17)より風の方向に流された場合でも、粒体飛散手段(19)がその粒体を受け止めることが出来る。
【0019】また、粒体の種類や形状によっては、投入口(17)からの投入方向が一様ではないことも考えられるので、風下方向にだけ面積を拡張するのではなく、風上方向にも拡張するのが望ましい。以上により、粒体の反射散乱効果を一層高められる。
【0020】更に、本発明(請求項4)は、前記粒体飛散手段(19)の前記投入口(17)に対する面には、緩衝材(20)が被覆されたことを特徴とする。
【0021】粒体が風により管路(7)内を効率的に運ばれるよう、反射散乱の程度は粒体の比重等に応じて異ならせるのが望ましい。このため、緩衝材(20)を粒体飛散手段(19)に被覆する。この緩衝材(20)は交換可能とするのが望ましい。また、粒体飛散手段(19)と一体に交換してもよい。
【0022】以上のように、緩衝材(20)の交換により粒体の反射散乱の程度を調節できる。また、コーティング種子を散布する場合における、種子の破砕を回避出来、種子を無駄にすることがないので経済的である。
【0023】更に、本発明(請求項5)は、前記粒体供給手段は、粒体を貯留するタンク(1)と、該タンク(1)より送出される粒体の繰出量を調節する繰出部(3、5)を備えたことを特徴とする。
【0024】タンク(1)に貯留された粒体は繰出部(3、5)を通って、管路(7)内に投入される。このため、調量された所定量の粒体を安定して供給することが出来る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態の斜視構成図を図1に示す。また、図2は本発明の実施形態の横断面図を示す。図1及び図2において、粒体タンク1は粒体を貯留するようになっている。繰出装置3は粒体タンク1の下部に配設されている。
【0026】繰出ロータ5は、繰出装置3内に収納され、粒体タンク1から繰出装置3内を経て、管路7に投入される粒体の量を調節出来るようになっている。粒体タンク1、繰出装置3及び繰出ロータ5は、粒体供給手段に相当する。
【0027】繰出装置3の下部には、管路7が配設されている。この管路7上部には投入口17が配設され、繰出装置3から粒体が自然落下により投入されるようになっている。
【0028】また、粒体回収蓋9が、管路7底部に配設されている。粒体回収蓋9の一端は蝶番15により管路7に回動自在に支持されている。図1に示すように、蝶番15は固定としてもよいが、図3に示すようにこの蝶番15は、軸支している固定ピン16を外すことにより、着脱自在とすることも可能である。
【0029】また、粒体回収蓋9の他端は管路7所定部に配設されたキャッチクリップ13を、粒体回収蓋9外側端部に配設されたフック11に掛止することにより、管路7に固定されるようになっている。フック11及びキャッチクリップ13は、装着手段に相当する。
【0030】管路7内には、図示しない送風機から風が送られるようになっている。送風機は、風供給手段に相当する。管路7は水平方向に延長可能であり、この管路7には図示しない複数個の噴口が形成されている。
【0031】分散板19は、粒体回収蓋9の内側端部に固着され、繰出装置3から自然落下した粒体を反射散乱するようになっている。分散板19は、粒体飛散手段に相当する。分散板19は、投入口17から落下した粒体を受けるため、投入口17より広い面積を有し、一定の傾斜を持っている。また分散板19の下端側には、開口部23が配設されている。そして分散板19の投入口17に対する面には、緩衝材20が被覆されている。
【0032】次に、本発明の実施形態の動作を図2及び図4を用いて説明する。図2に粒体回収蓋9閉時の様子を示す。図2において、投入口17より自然落下した粒体は、分散板19に衝突し管路7内全体へ反射散乱する。反射散乱した粒体は、送風機から送風された風により管路7内を運ばれ、各噴口から均一に散布される。
【0033】分散板19は、管路7全体に粒体が均一に飛散するように一定の傾斜を持っている。分散板19は、粒体の種類、比重、形状や風の強度等により傾斜の角度を変更してもよい。なお、分散板19の形状は、平板状でもよいし粒体の反射散乱の状況によりU字形や逆U字形等としてもよい。分散板19の投入口17に対する面には、緩衝材20を被覆する。この緩衝材20は、ゴムや樹脂等とする。
【0034】緩衝材20は、材質を適度に変えることにより、投入口17から自然落下した粒体の反発の程度を変えられる。また、緩衝材20は粒体衝突時の衝撃を緩和し、コーティング種子等の破砕を防止する効果がある。このため、粒体を無駄にしないで済むので経済的であり、また、発芽率も向上する。
【0035】また、図4に、粒体回収蓋9開時の様子を示す。分散板19は、粒体回収蓋9の内側端部に固着され、一体として外部に露出する。従って、管路7の保守、点検、装置組立の効率を向上出来る。外部に露出した分散板19は、容易に取り外し可能のため、新しい製剤が発売されても、後付けでその剤型に合った分散板19と交換することができる。
【0036】粒体散布後、粒体タンク1内に残った粒体は、繰出装置3を通じて投入口17より管路7内に吐出され、開口部23を通じて、外部に吐出される。開口部23を分散板19の下端側に配設したのは、開口部23は投入口17から投入された粒体が衝突しない部分であり、反射散乱に影響しないからである。また、粒体回収時に粒体回収蓋9を開いた時、分散板19が支障とならずに粒体が外部に排出できる。従って、粒体を効率的に回収することができる。
【0037】また、図5に、分散板19を管路7軸方向の左右に面積を拡張した様子を示す。分散板19の面積を左右に拡張することにより、風に流された粒体が反射することを可能にしている。また、投入口17からの投入方向が一様ではない粒体にも対応する。このように、左右に面積を拡張すると、粒体回収蓋9開時において分散板19を外部に露出させることができなくなる。
【0038】この場合、粒体回収蓋9の蝶番15は、固定ピン16で取り外し可能とし、管路7と着脱自在とする。これにより分散板19は、管路7外部に引き出すことができる。以上のように、分散板19を管路7軸方向の左右に面積を拡張したことにより、管路7内において反射散乱効率を一層高められる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、粒体飛散手段(19)を粒体回収蓋(9)に固着若しくは着脱自在に取り付けたので、管路(7)の保守、組立効率の向上と粒体の回収効率を向上出来る。また、粒体飛散手段(19)の所定位置に開口部(23)を設けたことにより、粒体の回収効率を一層向上出来る。
【出願人】 【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
【出願日】 平成11年2月5日(1999.2.5)
【代理人】 【識別番号】100105201
【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 正利
【公開番号】 特開2000−224948(P2000−224948A)
【公開日】 平成12年8月15日(2000.8.15)
【出願番号】 特願平11−28184