| 【発明の名称】 |
気化装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂下 敦
【氏名】渋谷 勝治
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| 【要約】 |
【課題】液体の揮散量が安定した信頼性の高い気化装置を提供することを目的とする。
【解決手段】気化装置において、発熱体素子21に一対の電極板22を貼り付けたヒータコアの外周面を包み込むようにしてシリコンゴム樹脂製の伝熱体24と一体成形したヒータユニット25を、金属ケース37に設けた収納部32に圧挿入した構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気化芯挿入部と収納部を設けた金属ケースと、この金属ケースの収納部に収納された発熱体素子に一対の端子板を貼り付けたヒータコアと、金属ケースを取付ける取付板を備えた気化装置において、前記ヒータコアはシリコン樹脂製の伝熱体を介して収納部の内壁に接するように収納され、更に収納部内に設けた凹部に取付板を挿入しその両端を金属ケース外に引き出すと共にその一方の端部に取付孔を設けた気化装置。 【請求項2】 ヒータコアの外周を包み込むようにして伝熱体を一体成形した請求項1に記載の気化装置。 【請求項3】 伝熱体を金属ケースの収納部の内面に圧挿入した請求項1または請求項2に記載の気化装置。 【請求項4】 ヒータコアの端子板の先端部に離形剤を塗布しヒータコアを伝熱体と一体成形した請求項1または請求項2に記載の気化装置。 【請求項5】 金属ケース外に引き出した取付板の一端側を金属ケースの端面に沿って折り返して金属ケースに固定し、取付板の中央部に切起こし部を設け、この切起こし部を取付板の他端側の金属ケースの外部に引き出して端面に沿って折り返し金属ケースに固定した請求項1または請求項4に記載の気化装置。 【請求項6】 取付板の切起こし部の角孔部が収納部の内壁に接するように取付板を配置した請求項1、請求項4または請求項5のいずれか一つに記載の気化装置。 【請求項7】 取付板の厚さを収納部の凹部の深さより薄くした請求項1または請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の気化装置。 【請求項8】 収納部の外壁部に溝加工を施し、この溝の一部から収納部の内壁面に突起が生じるように凹部を形成し、収納部の内壁面に生じた突起を介し伝熱体を収納部に固定した請求項1または請求項3に記載の気化装置。 【請求項9】 収納部の内壁面の突起をヒータコアを形成する発熱体素子の外方に設けた請求項1、請求項3または請求項8のいずれか一つに記載の気化装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は液体を浸透させた棒状の気化芯を外周から加熱して液体を揮散させる気化装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】以下に従来の気化装置として、発熱体素子に正特性サーミスタ素子を用いたものを例に図を参照して説明する。 【0003】図5は正特性サーミスタ素子を用いた気化装置の構成部品の分解斜視図、図6は同気化装置のB−B’断面図を示す。 【0004】先ず、図5に示すように両主平面に電極(図示せず)を形成したチタン酸バリウムを主成分とする正特性サーミスタ素子からなる発熱体素子1の電極面にステンレス製の電極板2をシリコン系接着剤(図示せず)で電気的、機械的に接着を行いヒータコア4を構成する。 【0005】次に、アルミナ製の金属ケース5の収納部6の底部に樹脂製の下部ケース8を取付けた状態で、ヒータコア4を収納部6に挿入した後、収納部6の内面とヒータコア4との空間にシリコン系の充填樹脂12を充填し加熱硬化してヒータコア4を固定する。 【0006】次いで、収納部6の上部に樹脂製の上部ケース9を装着し、収納部6より突出した端子部3を端子板孔10から導き出して気化装置を完成させる。 【0007】尚、金属ケース5には棒状の気化芯を挿入する気化芯挿入部7が設けられ、上部ケース9には気化装置の取付孔11が設けられている。 【0008】以上のように構成された気化装置の端子部3間に電圧を印加すると、発熱体素子1が発熱し、発生した熱は充填樹脂12を介して金属ケース5に伝えられ気化芯挿入部7を加熱する。この熱で、液体を含浸させた気化芯を加熱し液体を大気中に揮散させることができる。 【0009】また、周知のようにチタン酸バリウムを主成分とした発熱体素子1は自己温度制御作用があり安全で信頼性の高い熱源として用いられる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記の従来の構成では、気化装置毎に金属ケース5の気化芯挿入部7の温度のバラツキが大きく、その結果液体の揮散量がバラツクという問題点があった。これは、金属ケース5の収納部6の内面とヒータコア4との空隙に充填する充填樹脂12の量を一定に管理することが難しく、また硬化した充填樹脂12の内部には気泡が含まれることから、気化装置毎に気化芯挿入部7の温度がバラツク原因となっていた。 【0011】本発明は前記課題を解決するもので、気化装置毎の金属ケースの気化芯挿入部の温度のバラツキを低減させ、液体揮散量の安定した気化装置を供給することを目的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために本発明は、ヒータコアの外周を包み込むようにシリコン樹脂製の伝熱体で一体成形したものを金属ケースの収納部に圧挿入する構成としたものである。 【0013】この構成により従来の充填樹脂とは異なり、一定形状で内部に気泡を含まない伝達体を介してヒータコアを収納することができ、その結果、気化装置毎の気化芯挿入部の温度のバラツキが低減され、安定した液体揮散量の気化装置を得ることができるものである。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、気化芯挿入部と収納部を設けた金属ケースと、この金属ケースの収納部に収納された発熱体素子に一対の端子板を貼り付けたヒータコアと、金属ケースを取付ける取付板を備えた気化装置において、前記ヒータコアはシリコン樹脂製の伝熱体を介して収納部の内壁に接するように収納され、更に収納部内に設けた凹部に取付板を挿入し、その両端を金属ケース外に引き出すと共にその一方の端部に取付孔を設けた構成の気化装置であり、ヒータコアを伝熱体を介して収納することによって伝熱体の重量、形状は一定となり、伝熱体を金属ケースの収納部内に隙間がなく装着することができ、しかも伝熱体の内部に気泡を含まないため、ヒータコアで発生した熱が効率良く気化芯挿入部に伝熱されるという作用を有するものである。また取付板を金属ケースに付設して取付けているため、気化装置を容易に機器に取付けることが可能となる。 【0015】本発明の請求項2に記載の発明は、ヒータコアの外周を包み込むようにして伝熱体を一体成形した請求項1に記載の気化装置であり、ヒータコアの外周を取り囲むように伝熱体で包み込み一体成形することによって伝熱体の重量、形状は一定となり、伝熱体を金属ケースの収納部内に隙間がなく装着することができ、しかも伝熱体の内部に気泡を含まないため、ヒータコアで発生した熱が効率良く気化芯挿入部に伝熱されると共に、ヒータコアが外部環境から保護するという作用を有するものである。 【0016】本発明の請求項3に記載の発明は、伝熱体を金属ケースの収納部の内面に圧挿入した請求項1または請求項2に記載の気化装置であり、ヒータコアと一体成形した重量、形状が一定な伝熱体を金属ケースの収納部内に圧挿入することで、金属ケースの収納部と伝熱体との間の熱伝導損失をより小さくすることができるという作用を有するものである。 【0017】本発明の請求項4に記載の発明は、ヒータコアの端子板の先端部に離形剤を塗布しヒータコアを伝熱体と一体成形した請求項1または請求項2に記載の気化装置であり、一体成形する伝熱体の樹脂が電極板の先端部に付着することを防止すると共に、先端部に塗布した離型剤が成形時に消失し伝熱体と先端部との間に生じた空隙が通気路となり空気を流入し、発熱体素子が酸欠状態になるのを阻止するという作用を有するものである。 【0018】本発明の請求項5に記載の発明は、金属ケース外に引き出した取付板の一端側を金属ケースの端面に沿って折り返して金属ケースに固定し、取付板の中央部に切起こし部を設け、この切起こし部を取付板の他端側の金属ケースの外部に引き出して端面に沿って折り返し金属ケースに固定した請求項1または請求項4に記載の気化装置であり、取付板の両端を金属ケースの外部に引き出し、一方の端部と切起こし部を金属ケースの端面に沿って折り返すことにより、取付板を金属ケースとより確実に固定させることができるという作用を有するものである。 【0019】本発明の請求項6に記載の発明は、取付板の切起こし部の角孔部が収納部の内壁に接するように取付板を配置した請求項1、請求項4または請求項5のいずれか一つに記載の気化装置であり、切起こし部を外部に取出した後に生じた角孔部を収納部の内壁に接するように取付板を取付けることによって、角孔部が抵抗となり伝熱体の熱を取付板の取付孔付近の温度を低くするという作用を有するものである。 【0020】本発明の請求項7に記載の発明は、取付板の厚さを収納部の凹部の深さより薄くした請求項1または請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の気化装置であり、これによって伝熱体と取付板との間に空隙を設け取付板への伝熱量をより小さくするという作用を有するものである。 【0021】本発明の請求項8に記載の発明は、収納部の外壁部に溝加工を施し、この溝の一部から収納部の内壁面に突起が生じるように凹部を形成し、収納部の内壁面に生じた突起を介し伝熱体を収納部に固定した請求項1または請求項3に記載の気化装置であり、これは気化装置を長期間繰返し使用することで、シリコン樹脂製の伝熱体が熱収縮し、収納部の内壁との間に隙間ができ熱伝導が低下するのを防止するため、突起で伝熱体を外部から収納部の内壁に押しつけより密着させることができる。 【0022】本発明の請求項9に記載の発明は、収納部の内壁面の突起をヒータコアを形成する発熱体素子の外方に設けた請求項1、請求項3または請求項8のいずれか一つに記載の気化装置であり、これにより伝熱体と一体成形したヒータコアの発熱体素子に必要以上の機械的応力を付加せず、しかも伝熱体を収納部の内壁と密着性を良くさせるという作用を有するものである。 【0023】以下、本発明の一実施の形態について添付図面を用いて説明する。図1に本発明の気化装置の斜視図、図2に気化装置の構成部品の分解斜視図、図3に金属ケースの上面図を示し、図4に前記図1におけるA−A’断面図を示した。 【0024】先ず、チタン酸バリウムを主成分とするスイッチング温度190℃の正特性サーミスタ素子からなる発熱体素子21の両電極面に、ステンレス製の電極板22をシリコン系接着剤(図示せず)で貼合せてヒータコアを作製する。 【0025】次に、ヒータコアの電極板22の端子部23に、シリコン製の離型剤を塗布した後、ヒータコアの外周全体を包み込むようにしてシリコン樹脂製の伝熱体24で一体成形を行いヒータユニット25を作製する。 【0026】次いで、アルミニウム製の金属ケース37の収納部32の内面に設けた凹部33に、金属板からなる取付板31を挿入し一方の端部27と、取付板31の中央部に形成した切起こし部28で金属ケース37の端面部に折り曲げ固定すると共に、先端部に取付孔30を設けたもう一方の端部26を金属ケース37の外方に引き出す。この時、取付板31の中央部の角孔29が収納部32の凹部33の内壁部と接するようにし、また取付板31の厚さは凹部33の深さより薄い板材を用いた。 【0027】続いて、ヒータユニット25を収納部32の内部に圧挿入した後、収納部32の外壁に形成した溝34のほぼ中央部を先端が尖った治具(図示せず)で、収納部32の内面に突起が出るようにカシメて凹部35を形成する。収納部32の内面に生じた突起でヒータユニット25を収納部32に強固に保持させ気化装置を完成させた。尚、収納部32の外側面の溝34は、ヒータユニット25の発熱体素子21に応力を与えないように発熱体素子21の外方に対応する位置に形成している。 【0028】以上のように構成した気化装置の気化芯挿入部36に、液体容器(図示せず)の液体を含浸させた気化芯38を挿入し、端子部23間に100Vの電圧を印加すると、ヒータユニット25の発熱体素子21が発熱し、発生した熱が金属ケース37の収納部32から気化芯挿入部36に伝わり、その熱で気化芯38に含浸した液体を大気中に揮散させることができる。 【0029】得られた本発明の気化装置と、従来の気化装置各10台に100Vの電圧を10分間印加し、ヒータユニット25の温度を安定状態にした後、気化芯挿入部36の内面温度の測定を行いその結果を(表1)に示した。また、本発明のヒータユニット25の重量と、従来のヒータユニットの重量(収納部6内部のヒータコア4と充填樹脂12の重さ)の測定およびヒータユニット25のシリコン樹脂を切断し、その断面の気泡の有無を調査しその結果も併せて(表1)に示した。 【0030】 【表1】
【0031】(表1)から明らかなように、本発明の気化装置は気化芯挿入部36の内面温度が153±2℃に対し、従来品は151±4℃と内面温度が低く、しかもバラツキ幅が大きくなっている。本発明品の平均温度が高いのは、ヒータコアを伝熱体24で一体成形を行った一定形状、一定重量のヒータユニット25を、収納部32に圧挿入したために収納部32の内面とヒータユニット25間の熱抵抗が低下したためであり、バラツキが小さいのは収納部32の内面とヒータユニット25間の熱抵抗が減少すると共に、ヒータユニット25の内部に気泡が発生していないため収納部32への熱伝導のバラツキが小さくなった結果であると思われる。従って得られた本発明の気化装置は液体の揮散量のバラツキを低減することが可能となることが分かる。 【0032】以上の結果から、本発明のヒータコアの外周を包み込むようにシリコン樹脂製の伝熱体24を用い、成形金型で一定重量、一定形状に一体成形を行ったヒータユニット25を、金属ケース37の収納部32に圧挿入し、更に金属ケース37の外方からカシメることによって、収納部32の内壁面とのヒータユニット25間の熱抵抗が低下し、ヒータユニット25に発生した熱を効率良く気化芯挿入部36に伝えることができ、各気化装置毎の液体の揮散量の安定した信頼性の高い気化装置を提供することができる。 【0033】また、データとして示していないが、取付板31の厚さを収納部32の内面に設けた凹部33の深さより薄く、しかも中央部の角孔29を凹部33壁面に接するように構成したため、取付孔30の温度を低い温度に抑制することが可能となり、気化装置をPPS等の安価な樹脂ケース部材に取付けることができる。更に、ヒータコアの電極板22の端子部23に離形剤を塗布して一体成形を行ったため、電極板22の端子部23に伝熱体24の樹脂の付着が発生しなくなると共に、一体成形で離形剤が気化した端子部23と伝熱体24との隙間を介して発熱体素子21に酸素が供給され、ヒータユニット25の内部が還元状態になることも防止され、気化装置の長期間の使用にも耐えられることが確認されている。 【0034】 【発明の効果】以上本発明の気化装置は、金属ケースに設けた収納部に、ヒータコアをほぼ包み込むようにシリコン樹脂の伝熱体を介して接するように挿入する構成により、金属ケースに設けた気化芯挿入部の内面温度のバラツキが低減され、気化芯から液体の揮散量を安定して揮散できる信頼性の高い気化装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月30日(1998.10.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−135045(P2000−135045A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月16日(2000.5.16) |
| 【出願番号】 |
特願平10−310021 |
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