| 【発明の名称】 |
害虫粘着捕獲シ−ト |
| 【発明者】 |
【氏名】亀田 進
【氏名】長谷川 美次
【氏名】青野 剛
【氏名】今井 貞雄
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| 【要約】 |
【課題】貝殻虫や松喰い虫の粘着捕獲に適した取扱い容易な害虫粘着捕獲シ−トを提供する。
【解決手段】表面に害虫粘着層11を有し裏面が樹木の幹部に接して巻回されるべ−スシ−ト1の表面に、少なくとも一端が開放された多数箇の空洞a,…を形成するカバ−シ−ト2を固着した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】樹木の幹部に巻回固定される害虫捕獲シ−トであり、少なくとも一端が開放された多数箇の空洞を有し、該空洞内面に害虫粘着捕獲層が設けられていることを特徴とする害虫粘着捕獲シ−ト。 【請求項2】表面に害虫粘着捕獲層を有し裏面が樹木の幹部に接して巻回されるべ−スシ−トの表面に、少なくとも一端が開放された多数箇の空洞を形成するカバ−シ−トが固着されていることを特徴とする害虫粘着捕獲シ−ト。 【請求項3】外表面に害虫粘着捕獲層を有する請求項1または2記載の害虫粘着捕獲シ−ト。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は貝殻虫や松喰い虫の捕獲に使用する害虫粘着捕獲シ−トに関するものである。 【0002】 【従来の技術】果樹、植木、観葉植物を畑、ハウス或いは鉢植え等で育成する場合、ヤノネカイガラムシ、イセリアカイガラムシ、ルビ−ロカイガラムシ、サンホ−ゼカイガラムシ等の貝殻虫が蝋質物や樹脂状物質を分泌して特有の虫体被覆物を形成し、植物に固着して寄生生活を営み、植物組織に口針をさし込んで樹液を吸汁して植物に被害を与えることが往々にして観られる。特に、モモ、ウメ、クワ、グミ等の樹木においては、担子菌が貝殻虫と共生し担子菌が貝殻虫の分泌物を栄養として発達して菌糸マットを生成し、これが幹に膏薬状に貼り付き、貝殻虫がこの菌糸マットで保護されて樹液を吸汁し、貝殻虫の吸汁害と菌による損害が複合化されるので、その被害は甚大である。 【0003】従来、上記貝殻虫の駆除には農薬の散布や天敵の注入により対処しているが、後者は環境に左右されるところが大きく、前者が主流である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、農薬使用は二次公害を惹起する蓋然性があり、近来、減農薬化乃至は無農薬化が要請されている。従来、飛翔害虫を対象とし、粘着シ−トで飛翔害虫を捕獲して飛翔害虫の発生状況を察知し、その発生状況に適応した種類や量の農薬を散布することによって作業工数及び農薬量を最小限に抑えて減農薬化、低コスト化を図ることが試みられている。 【0005】ところで、上記貝殻虫のうち、雄害虫は羽を備えているが口器を欠如し極めて短命であり雄による被害は僅かである。これに対し、雌害虫は無羽であり吸汁して樹木を枯死させる主体であるが、無羽害虫であるために従来の害虫捕獲粘着シ−トでは、「害虫の発生状況を害虫捕獲粘着シ−トを使用して察知し、その察知状況に適応した適切量の農薬の散布のもとで害虫駆除を行う」手法を適用し難い。 【0006】また、松の枯死の原因は、飛翔伝播していくマツノマダラカミキリが松の表皮を食物として噛ると共にマツノマダラカミキリに寄生したセンチュウがカミキリと一体と成って伝播して松の傷口から健全な樹体内に侵入し樹脂道を経て移動して松の成分を代謝して毒素を生産し、この毒素が松の樹脂の分泌を止めて松を乾燥枯死に至らしめることにあるが、この松の枯死にも上記の手法は適用し難い。 【0007】本発明の目的は貝殻虫や松喰い虫の粘着捕獲に適した取扱い容易な害虫粘着捕獲シ−トを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トは、樹木の幹部に巻回固定される害虫捕獲シ−トであり、少なくとも一端が開放された多数箇の空洞を有し、該空洞内面に害虫粘着捕獲層が設けられていることを特徴とする構成であり、例えば、表面に害虫粘着捕獲層を有し裏面が樹木の幹部に接して巻回されるべ−スシ−トの表面に、少なくとも一端が開放された多数箇の空洞を形成するカバ−シ−トを固着した構成とすることができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1の(イ)乃至(ハ)は本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トの異なる実施例を示している。図1において、1は支持フィルム11の表面に粘着剤層12を設けたべ−スシ−トである。2はフィルムを波付け加工したカバ−シ−トであり、べ−スシ−ト1の表面に粘着剤12により固着して多数箇の空洞a,…を設けてある。上記の波付けは、方形波〔図1の(イ)〕、三角波〔図1の(ロ)〕、正弦波〔図1の(ハ)〕に限定されるものではなく、後述するように害虫をその潜入習性で侵入させ得るものであれば適宜の波形にできる。 【0010】図1に示す各実施例において、べ−スシ−ト1の表面のみならず波付けカバ−シ−ト2の内面にも粘着剤層を設けることができる。 【0011】図2の(イ)〜図2の(ハ)に示す実施例は、図1に示す各実施例に対し波付けカバ−シ−ト2に保護シ−ト3を付設した構成であり、保護シ−ト3の内面にも粘着剤層31を設けることができる。 【0012】図3は本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トの別実施例を示し、支持フィルム11の表面に粘着剤層12を設けたべ−スシ−ト1の表面に断面櫛形の成形シ−ト2を固着した構成である。 【0013】上記の各実施例においては、べ−スシ−トの表面側にのみカバ−シ−トシ−トを固着して空洞を設けているが、例えば、図4に示すように、べ−スシ−ト1の両面にカバ−シ−トシ−ト2,2を固着してべ−スシ−ト1の両側に空洞a,…を設けることも可能である。図4において、1は支持フィルム11の両面に粘着剤層12を設けたべ−スシ−ト、2,2はべ−スシ−ト1の両面に固着した波付けカバ−シ−トである。 【0014】図5は、本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トAの使用状態を示し、樹木の幹部Bに上記空洞の長手方向を幹部の軸方向に一致させた向きでほぼ一周巻回し、巻回の合わせ目を図示していない手段(例えば、粘着テ−プやバインド線)で押さえてある。而して、地中や地面上から幹部を伝って上ってくる害虫がその習性により空洞内に隠れ蓑として侵入し、粘着剤層で粘着捕獲されていく。 【0015】上記において、空洞を構成するカバ−シ−トを透視可能とするか、べ−スシ−トからカバ−シ−トを分離可能とすることにより粘着捕獲した害虫を容易に観察できるようにしてあり、捕獲量や捕獲害虫の種類を分析のうえ散布する農薬の種類、農薬散布量、散布時期を決め、減農薬化を図ることができる。また、樹木上で産卵し、孵化し、成長する害虫を対象とし、本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トを樹幹の多数箇所に巻回固定し、害虫の潜入習性を利用して空洞内に侵入させて多量に粘着捕獲し、無農薬のもとで害虫駆除を行うことも可能である。 【0016】上記において、空洞の大きさは、例えばヤノネカイガラムシ、イセリアカイガラムシ、サンホ−ゼカイガラムシ等の貝殻虫を潜入させ得るに足る寸法とされ、通常空洞内部高さが3mm〜5mmとされる。また、この空洞は必ずしも連通構造とする必要はなく、害虫侵入方向に対する奥は閉塞しても差し支えない。また、空洞は蛇行状乃至は迷路状とすることも可能であり、この場合、カバ−シ−トにエンボスプラスチックシ−トやエア小バックを散点状に形成したプラスチックフィルム等を使用することができる。 【0017】上記において、図1の(イ)や(ロ)または図6に示すように、外表面に部分的または全面的に飛翔害虫捕獲用に粘着シ−トを貼着したり、粘着剤をチュ−ブ押出しやスプレ−により塗付することもできる。また、上記べ−スシ−トやカバ−シ−トを、粘着捕獲しようとする害虫に応じた誘因色で着色することもできる。 【0018】さらに、上記の実施例において、べ−スシ−トに、樹木の凹凸面に添わせ易くするためにギャザ−処理を施すこともでき、この場合、ギャ−ザ−の皺の凹部に害虫が隠れ蓑として潜り込むので捕獲効率の向上が期待できる。 【0019】上記べ−スシ−トの支持基材やカバ−シ−トや保護シ−トには可撓性や耐候性に優れたプラスチックフィルム(厚みは数10μm〜数100μm程度。例えば、ポリプロピレンフィルムを使用できる)、紙を使用できる。また、空洞を形成するための波付けシ−トや断面櫛形のシ−トには、押出し成形品を使用することもできる。 【0020】上記粘着剤には耐候性に優れたもの、例えばブチルゴムにポリブテンを配合したもの、SISに石油樹脂と液状ポリブテンと液状イソプレンゴムを配合したもの、ゴム状ビスタネックに液状ビスタネックを添加して水飴状にしたもの等を使用できる。 【0021】本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トにおいては、害虫粘着捕獲シ−トの長尺物を製作し、これを所望長さに切断して使用すること、数種類の定尺品を製作し、樹木の幹部径に応じたものを選択して使用することの何れの形態でも使用でき、寸法は通常、巾80mm〜400mm、長さ(樹木幹部の周方向に対する長さ)300mm〜1000mmとされる。 【0023】本発明の上記実施例の中、図1〜図3に示す実施例においては、長尺の片面粘着シ−ト及び長尺の波付けカバ−シ−トをそれぞれ定尺切断し、ベ−スシ−トとしての定尺片面粘着シ−トの片面に定尺波付けカバ−シ−トを固着し、更に定尺波付けカバ−シ−トに保護シ−トとしての定尺片面粘着シ−トを固着する一連の組立て作業を現場で行うことにより実施することもできる。また、図4に示す実施例においても、長尺の剥離紙付き両面粘着シ−ト及び長尺の波付けカバ−シ−トをそれぞれ定尺切断し、その定尺両面粘着シ−トの両面の剥離紙を除去し、各粘着面に定尺波付けカバ−シ−トを固着する一連の組立て作業を現場で行うことにより実施することができる。 【0024】本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トは、リンゴ、ミカン、桃、ウメ、クワ、グミ等の樹木の幹部に巻回固定して地中や地表面から幹部を伝って這い上がってくる貝殻虫を捕獲するのに好適に使用できる。また、松の幹部の数箇所に巻回固定して幹を伝って移動する松喰い虫を捕獲するのにも好適に使用できる。更に、植木、観葉植物を畑、ハウス或いは鉢植え等で育成する場合、ヤノネカイガラムシ、イセリアカイガラムシ、サンホ−ゼカイガラムシ等の貝殻虫の粘着捕獲にも使用できる。 【0025】 【発明の効果】本発明に係る害虫粘着捕獲シ−トによれば、樹木等の幹部に巻回固定することにより、地中から幹部を伝って這いあがっり、または幹部を伝って這行する貝殻虫や松喰い虫をその潜入習性を利用してスム−ズに粘着捕獲でき、果樹、植木、観葉植物の貝殻虫による被害や松喰い虫による松の枯死をよく防止できる。更に樹木の幹部への取付けが容易であり、使用済後は焼却処理でき、取扱いも簡単である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003964 【氏名又は名称】日東電工株式会社 【識別番号】598093152 【氏名又は名称】九州日東電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月29日(1998.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097308 【弁理士】 【氏名又は名称】松月 美勝
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| 【公開番号】 |
特開2000−135044(P2000−135044A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月16日(2000.5.16) |
| 【出願番号】 |
特願平10−324489 |
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