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【発明の名称】 魚介類育成容器
【発明者】 【氏名】大和 始

【要約】 【課題】魚介類育成容器内に収納されている魚介類の入替えが容易であり、魚介類育成容器内に収納されている魚介類が魚介類育成容器内で移動し難い魚介類育成容器を提供する。

【解決手段】底板1及び周囲の側板2の全面に多数の透孔11、21が設けられ、側板2の上端部及び下端部付近からそれぞれ上鍔縁22及び下鍔縁23が突設され、積み重ねることができるようにされた浅形箱状の魚介類育成容器において、上鍔縁22及び下鍔縁23に奥広がりの切欠部221、231が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底板及び周囲の側板の全面に多数の透孔が設けられ、側板の上端部付近又は下端部付近の少なくともいずれか一方から鍔縁が突設され、積み重ねることができるようにされた浅形箱状の魚介類育成容器において、鍔縁に奥広がりの切欠部が設けられていることを特徴とする魚介類育成容器。
【請求項2】 底面に凹凸が設けられていることを特徴とする請求項1記載の魚介類育成容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、牡蠣、帆立て貝等の育成に使用して好適な魚介類育成容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実公平3−24042号公報等に記載されているように、底板及び周囲の側板の全面に多数の透孔が設けられ、側板の上端部及び下端部付近からそれぞれ上鍔縁及び下鍔縁が突設され、積み重ねることができるようにされた浅形箱状の魚介類育成容器が知られている。
【0003】このような魚介類育成容器においては、複数個の魚介類育成容器同士を積み重ね、各魚介類育成容器の上鍔縁及び下鍔縁同士をボルト等の結束具を貫通させたり、各魚介類育成容器の上鍔縁及び下鍔縁に設けられた透孔同士にロープを通すことにより結束するようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の魚介類育成容器のように、複数個の魚介類育成容器同士を積み重ね、各魚介類育成容器の上鍔縁及び下鍔縁同士をボルト等の結束具を貫通させたり、各魚介類育成容器の上鍔縁及び下鍔縁に設けられた透孔同士にロープを通すことにより結束するものにおいては、各魚介類育成容器内に収納されている魚介類を入れ換える際には、ボルト等の結束具やロープの取り外しに手間がかかり生産性が悪いものであった。
【0005】又、従来の魚介類育成容器においては、底面が滑らかであるため、魚介類育成容器内に収納された魚介類が移動し、片寄り易くなっている問題もあった。
【0006】本発明は、従来の魚介類育成容器における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記の問題を解決し、魚介類育成容器内に収納されている魚介類の入替えが容易であり、魚介類育成容器内に収納されている魚介類が魚介類育成容器内で移動し難い魚介類育成容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1記載の本発明の魚介類育成容器は、底板及び周囲の側板の全面に多数の透孔が設けられ、側板の上端部付近又は下端部付近の少なくともいずれか一方から鍔縁が突設され、積み重ねることができるようにされた浅形箱状の魚介類育成容器において、鍔縁に奥広がりの切欠部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】又、請求項2記載の本発明の魚介類育成容器は、請求項1記載の魚介類育成容器において、底面に凹凸が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】本発明において、魚介類育成容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂やアルミニウム、ステンレス鋼等の金属等が使用できる。
【0010】本発明において、鍔縁は側板の上端部付近及び下端部付近の双方に設けられていてもよく、いずれか一方に設けられていてもよい。
【0011】〔作用〕請求項1記載の本発明の魚介類育成容器においては、鍔縁に奥広がりの切欠部が設けられているので、複数個の魚介類育成容器同士を積み重ねてロープにより結束する場合には、ロープの弾性変形性を利用して切欠部の側方から押し込むことによりロープを奥広がりの切欠部の奥部に収納できる。
【0012】又、魚介類育成容器内の魚介類の交換のために積み重ねられた複数個の魚介類育成容器を解体する場合には、奥広がりの切欠部の奥部に収納されたロープをロープの弾性変形性を利用して側方に引っ張るだけでロープを切欠部から離脱できる。
【0013】又、請求項2記載の本発明の魚介類育成容器においては、底面に凹凸が設けられているので、魚介類育成容器内に収納されている魚介類は底面の凹凸に妨げられ、容易に移動しない。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の魚介類育成容器の一例を示す斜視図、図2は図1のII−II線における断面図である。
【0015】図1、2において、Aは本発明の魚介類育成容器であり、魚介類育成容器Aはポリエチレンのような合成樹脂を使用して射出成形方法により一体的に成形されている。1は魚介類育成容器Aの底板であり、底板1は多数の斜めの高い線条体11、11・・及び多数の斜めの低い線条体12、12・・が格子状に交差されることにより構成され、格子の各線条体11、12間に多数の角形の透孔13、13・・が形成されている。底板1には高い線条体11、11・・と低い線条体12、12・・とにより凹凸面が形成されている。
【0016】2は魚介類育成容器Aの周囲の側板であり、側板2には多数の角形の透孔21、21・・が設けられている。22は側板2の上端部に突設された上鍔縁、23は側板2の上端部に突設された下鍔縁、24は上鍔縁22のやや下方に突設された中途鍔縁である。
【0017】上鍔縁22及び下鍔縁23の隅角部付近にそれぞれ図3の(イ)に拡大して示すような鍵孔形の奥広がりの切欠部221、231が設けられている。中途鍔縁24の隅角部付近には図3の(ホ)に示すような開口部から奥にほぼ同一幅の切欠部241が設けられている。尚、図3の(イ)に示す奥広がりの切欠部221、231の奥部の幅W1は10mm、入口部の幅W2は6mmである。又、魚介類育成容器Aの側板2の内面の一辺の長さは450mm、高さは150mmである。
【0018】上鍔縁22及び下鍔縁23に設ける奥広がりの切欠部221、231は図3(イ)に示すように切欠部221、231の開口部入口に角部を備えた形状とする代わりに、図3(ロ)に示すように切欠部221a、231aの開口部入口の角部が面取りされた形状としてもよく、図3(ハ)に示すように切欠部221b、231bの開口部入口の角部を備え奥部が円形のものとしてもよく、図3(ニ)に示すように切欠部221c、231cの開口部入口の角部が面取りされた形状とし奥部が円形のものとしてもよい。
【0019】中途鍔縁24に設ける切欠部241は図3の(ホ)に示すように開口部入口に角部を備えた形状とする代わりに、図3の(へ)に示すように、切欠部241aの開口部入口の角部が面取りされた形状としてもよい。
【0020】底板1の下方周囲には枠状リブ14が突設され、枠状リブ14の外径は周側板2の上端内径よりも若干小さくされており、図4に示すように、下段の魚介類育成容器Aの開口部内に上段の魚介類育成容器Aの枠状リブ14を挿入嵌合することにより積み重ねることができるようになっている。図4において、Bは格子状の蓋であり、蓋Bはポリエチレンのような合成樹脂を使用して射出成形方法により一体的に成形されている。蓋Bの隅角部にも鍵孔形の奥広がりの切欠部B1が設けられている。
【0021】図1、2に示す本発明の魚介類育成容器Aにおいては、叙上の構造を備えでいるので、使用に際しては、図5に示すように、3個の魚介類育成容器Aの内部に図示しない牡蠣貝等の魚介類を収納し、魚介類育成容器A、A、A同士を積み重ね、上段の魚介類育成容器Aの開口部に蓋Bを被せ、蓋Bの切欠部B1並びに魚介類育成容器Aの上鍔縁22、中途鍔縁24及び下鍔縁23の切欠部B1、221、241、231に外径7mmφのロープRを側方から押し込むことによりロープRは各切欠部B1、221、241、231に挿入される。
【0022】蓋Bの切欠部B1並びに魚介類育成容器Aの切欠部B1、221、231は奥広がりであるから一旦切欠部B1、221、231内に挿入されたロープRは切欠部B1、221、231から容易に離脱することなく、各蓋Bや各魚介類育成容器A、A、AはロープRにより結束されるので、安定した状態で海底に沈めて魚介類を育成することができる。
【0023】魚介類育成容器Aの底板1には高い線条体11、11・・と低い線条体12、12・・とにより凹凸面が形成されているので、魚介類は底板1上を容易に移動しない。
【0024】各魚介類育成容器A、A、A内の魚介類を交換する場合には、ロープRにより各魚介類育成容器A、A、Aを引き上げ、ロープRを側方に引っ張ることによりロープRは各切欠部B1、221、241、231から容易に離脱される。
【0025】以上、本発明の実施の形態を図により説明したが、本発明の構成は図示の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲の設計変更は本発明に含まれる。
【0026】例えば、底板1及び側板2に設ける多数の透孔は図示の実施例のように角形とする代わりに円形としてもよく三角形としてもよい。いずれにしても、透孔の大きさは牡蠣貝等の成長により透孔の周辺を損傷する所謂「目喰い」現象を起こさない適宜な大きさとする必要がある。
【0027】又、本発明の魚介類育成容器の用途としては、牡蠣、帆立て貝、あさり貝等の育成のみならず活魚保管等の用途にも使用できる。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の魚介類育成容器においては、複数個の魚介類育成容器同士を積み重ねてロープにより結束する場合には、ロープの弾性変形性を利用して切欠部の側方から押し込むことによりロープを奥広がりの切欠部の奥部に収納できるので、作業性に優れている。
【0029】又、魚介類育成容器内の魚介類の交換のために積み重ねられた複数個の魚介類育成容器を解体する場合には、奥広がりの切欠部の奥部に収納されたロープをロープの弾性変形性を利用して側方に引っ張るだけでロープを切欠部から離脱できるので、魚介類育成容器内に収納されている魚介類の入替えが容易であり、作業性に優れている。
【0030】又、請求項2記載の本発明の魚介類育成容器においては、魚介類育成容器内に収納されている魚介類は底面の凹凸に妨げられ、容易に移動しないので、魚介類が片寄ることがなく、安定性に優れている。
【出願人】 【識別番号】000241946
【氏名又は名称】北海道積水工業株式会社
【出願日】 平成11年6月14日(1999.6.14)
【代理人】 【識別番号】100102956
【弁理士】
【氏名又は名称】九十九 高秋
【公開番号】 特開2000−354433(P2000−354433A)
【公開日】 平成12年12月26日(2000.12.26)
【出願番号】 特願平11−166683