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【発明の名称】 両軸受リールのクラッチ操作装置
【発明者】 【氏名】野田 英夫

【要約】 【課題】両軸受リールのクラッチ操作装置を簡素化する。

【解決手段】リール本体(1)の両側板(2,3)間にスプール(5)を設ける。側板(2,3)の何れか一方にハンドル(6)を設け、回転伝達機構を介しスプール(5)に駆動連結する。回転伝達機構中にクラッチ機構を設ける。クラッチ機構のクラッチを切るためのクラッチOFF操作部材(18)をリール本体(1)のスプール後方に設ける。クラッチOFF操作部材(18)の操作でOFF状態に切り換えたクラッチ機構をON状態に切り換え操作することができるように、クラッチOFF操作部材(18)にクラッチON操作部材(25)を延設する。また、クラッチOFF操作部材(18)とクラッチON操作部材(25)とを略コ字状に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体の両側板間に回転可能に支承されたスプールと、上記両側板の何れか一方に設けられたハンドルを上記スプールに駆動連結する回転伝達機構と、該回転伝達機構中に設けられたクラッチ機構と、該クラッチ機構のクラッチを切るための上記リール本体のスプール後方に設けられたクラッチOFF操作部材とを備えた両軸受リールのクラッチ操作装置において、上記クラッチOFF操作部材の操作でOFF状態に切り換えた上記クラッチ機構をON状態に切り換え操作することができるように、上記クラッチOFF操作部材にクラッチON操作部材を延設し、上記クラッチOFF操作部材と上記クラッチON操作部材とを略コ字状に配置したことを特徴とする両軸受リールのクラッチ操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両軸受リールのクラッチ機構をOFF状態からON状態に切り換え操作することができるクラッチ操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、両軸受リールはリール本体の両側の枠板又はこれに取り付けられたカバー(以下、枠板とカバーとを「側板」と総称する。)間にスプールを回転自在に保持し、両側板の何れか一方にハンドルを有する。ハンドルはスプールに回転伝達機構を介して駆動連結されており、ハンドルを操作しスプールを回転させることで釣糸をスプールに巻き取ることができる。
【0003】また、回転伝達機構中には、ハンドルからの回転をスプールに伝達したり遮断したりするクラッチ機構が設けられており、リール本体にはクラッチ機構をON・OFF操作するためのクラッチ操作装置が設けられている。クラッチ操作装置によりクラッチ機構をクラッチONに切り換えてハンドルとスプールとの間を繋ぐとハンドルの操作によりスプールに釣糸を巻き取ることができ、クラッチOFFに切り換えてハンドルとスプールとの間を遮断するとスプールから釣糸を繰り出すことができる。
【0004】クラッチ機構は、一般にスプール軸又はスプール軸とは別体の軸に摺動可能に支承され且つハンドルに駆動連結されたピニオン筒とスプール又はスプール軸との対向面上に形成される係合部を有する。クラッチ操作装置によりピニオン筒をリール本体外から摺動させ係合部を係合・離脱させることで、クラッチ機構をクラッチONとクラッチOFFとの間で切り換えることができる。
【0005】また、クラッチ機構は、係合部を係合・離脱させるため一般にクラッチカムを側板上に回動又は摺動可能に取り付けると共にクラッチカムにシフタ及びデッドポイントバネを介しピニオン筒を接触させた構成を備える。リール本体外からクラッチカムを回動又は摺動操作し、ピニオン筒をデッドポイントバネのバネ力に抗して反スプール方向に摺動させることで係合部を離反させることができ、これによるクラッチOFF状態はデッドポイントバネにより維持される。また、クラッチカムを逆向きに復帰操作しデッドポイントバネを反転動作させると共にピニオン筒をスプール方向に摺動させることで係合部を係合させることができる。このクラッチON状態は反転動作後のデッドポイントバネにより維持される。
【0006】クラッチ操作装置は、両側板間のスプール後側に掛け渡したりハンドル側の側板に設けたりするクラッチOFF操作部を備える。このクラッチOFF操作部を操作しクラッチカムを一方向に回動又は摺動させて係合部を離反させることで、クラッチ機構を釣糸の繰り出しが可能なクラッチOFF状態にすることができる。また、ハンドル軸とクラッチカムとの間には、ハンドル軸を釣糸巻取り方向に回すことでクラッチカムをそのクラッチOFF位置からクラッチON位置へとデッドポイントバネのバネ力に抗して自動的に切り換えるためのリンク装置が設けられている。これにより、クラッチ機構がクラッチOFF状態にある時に、ハンドルを釣糸巻取り方向に回転させると、クラッチ機構はクラッチカム、デッドポイントバネ等の反転動作によりクラッチON状態に自動的に復帰する。
【0007】このような両軸受リールを用いて近年流行のルアー釣りを行うには、まず釣竿を握った利き手でクラッチOFF操作部を操作しクラッチ機構をクラッチOFF状態にすると共にスプールを利き手の親指でサミングしながらルアーを目的のポイントに投擲する。ルアーが着水すると他方の手でハンドルを回転させてクラッチ機構をクラッチOFF状態からクラッチON状態に復帰させる。クラッチ機構がクラッチONになるとハンドルがスプールに駆動連結されるので、スプールからの釣糸の繰り出しが停止し、更にハンドルを回すことでリーリングを開始することができる。
【0008】しかし、例えばルアーの着水直後に当たりを感じてフッキングを行おうとすると、前述のように釣竿を握った利き手は振り出した位置にあるので、この振り出した位置にある両軸受リールに対して他方の手を移動させてハンドルを回転させる必要があり、迅速なフッキングができずに獲物を逃がしてしまうという問題がある。
【0009】このような問題点を解決する手段として、実公平4−46550号公報、特開平7−39285号公報及び特開平10−295234号公報は、クラッチカムを回動復帰又は摺動復帰させるクラッチON操作部を両側板間のスプール上方に掛け渡したり両側板の対向面の少なくとも一方に設けたりする旨開示する。クラッチON操作部を釣竿を握った手で操作することができるようにして、クラッチ機構をクラッチOFF状態からクラッチON状態に速やかに復帰させようというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実公平4−46550号公報、特開平7−39285号公報、特開平10−295234号公報が開示するクラッチ操作装置は、何れもクラッチON操作部とクラッチOFF操作部とが別個にクラッチカムに連結されているために構成部品が増加し、構造が複雑になり、製造が煩雑になり、また各操作部とクラッチカムとの連結部において駆動ロスが生じ迅速な切り換え操作ができなくなるという問題を有する。
【0011】また、これらのクラッチ操作装置は増大した構成部品の設置位置や各構成部品の作動エリアを確保する必要があるため、側板上の設置スペースを拡張しなければならず、従ってリール本体の大型化と重量増大を招くという問題もある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、リール本体(1)の両側板(2,3)間に回転可能に支承されたスプール(5)と、上記両側板(2,3)の何れか一方に設けられたハンドル(6)を上記スプール(5)に駆動連結する回転伝達機構(8,9等)と、該回転伝達機構(8,9等)中に設けられたクラッチ機構(12等)と、該クラッチ機構(12等)のクラッチを切るための上記リール本体(1)のスプール後方に設けられたクラッチOFF操作部材(18)とを備えた両軸受リールのクラッチ操作装置において、上記クラッチOFF操作部材(18)の操作でOFF状態に切り換えた上記クラッチ機構(12等)をON状態に切り換え操作することができるように、上記クラッチOFF操作部材(18)にクラッチON操作部材(25)を延設し、上記クラッチOFF操作部材(18)と上記クラッチON操作部材(25)とを略コ字状に配置した両軸受リールのクラッチ操作装置を採用する。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施の形態1>図1に示すように、この両軸受リールのリール本体1はその左右両側に側板2,3を有する。各側板2,3は枠板2a,3aと枠板2a,3aに取り付けられたカバー2b,3bとで形成される。リール本体1の下部にはこの両軸受リールを釣竿上に固定するための脚4が設けられている。
【0014】左右両側板2,3間にはスプール5が回転自在に保持されている。右側板3にはスプール5を回転させるためのハンドル6が取り付けられる。ハンドル6は左側板2に取り付けてもよい。
【0015】図2乃至図4に示すように、ハンドル6はスプール5と一体のスプール軸5aに回転伝達機構を介して駆動連結される。
【0016】すなわち、ハンドル6はハンドル軸6aの一端に固定され、ハンドル軸6aはスプール軸5aと平行に右側板3に回転可能に支持される。ハンドル軸6a上にはドラッグ装置7を介してマスター歯車8が取り付けられる。一方、スプール軸5aのハンドル軸6aと平行に伸びた個所にはピニオン筒9が取り付けられており、このピニオン筒9の歯にマスター歯車8の歯が噛み合っている。ハンドル6の回転はハンドル軸6a、マスター歯車8、ピニオン筒9、スプール軸5aを経てスプール5へと伝達され、スプール5は釣糸巻取り方向に回転して釣糸を巻き取る。また、ハンドル軸6aにはラチェット車10がハンドル6と共回り可能に取り付けられ、ラチェット車10の歯にハンドル軸6aの釣糸巻取り方向への回転のみを許容する逆転止め爪11が噛み合っている。逆転止め爪11とラチェット車10との噛合い作用によりスプール5は釣糸巻取り方向に回転可能であるが、釣糸繰出し方向への回転は阻止される。
【0017】回転伝達機構中には、ハンドル6の回転をスプール5に伝達したり遮断したりするクラッチ機構が設けられている。クラッチ機構は、スプール軸5aに摺動可能に支承されたピニオン筒9の一端とスプール軸5a上の段差部との間に形成される係合部12を有する。この係合部12は次に述べるクラッチ操作装置によりピニオン筒9をスプール軸5a上で摺動させることで係脱させることができ、これによりクラッチ機構をクラッチONとクラッチOFFとの間で切り換える。
【0018】クラッチ操作装置は、ピニオン筒9に形成された環状溝に嵌まり込む板状のシフタ13を有する。シフタ13は右枠板3a上にスプール軸5aと平行に植設された複数本の案内棒14上をスライド可能である。シフタ13と右枠板3aとの間には板状のクラッチカム15が設けられている。クラッチカム15はスプール軸5aの回転軸芯に対して同一軸芯となるように右枠板3aに形成されたボスに回転可能に嵌め込まれている。クラッチカム15にはシフタ13に接離可能なカム片15aが設けられている。シフタ13は案内棒14に装着された圧縮コイルバネ16によりクラッチカム15の方へ常時付勢される。また、シフタ13と右枠板3aとの間にはデッドポイントバネ17が介装されており、このデッドポイントバネ17によりクラッチカム15はそのカム片15aがシフタ13から離反する位置(図3中実線位置)とシフタ13に接触する位置(図4中実線位置)との二位置間で振り分け付勢される。クラッチカム15が図3中時計方向に回って図4に示すようにそのカム片15aがシフタ13に接触すると、シフタ13は図2中右方へスライドし、これによりクラッチ機構は係合部12が分離したクラッチOFF状態になる。また、このクラッチOFF状態がデッドポイントバネ17により保持される。逆にクラッチカム15が図4に示す位置から図3に示す位置に復帰しそのカム片15aがシフタ13から離れると、シフタ13は図2中左方へスライドし、これによりクラッチ機構は係合部12が係合したクラッチON状態になる。このクラッチON状態は反転したデッドポイントバネ17により保持される。
【0019】クラッチ操作装置は、図1、図3及び図4に示すように、クラッチON状態にあるクラッチ機構をクラッチOFF状態に切り換えるためのクラッチOFF操作部材であるクラッチOFF操作レバー18を備えている。
【0020】クラッチOFF操作レバー18は、リール本体1におけるスプール5の後方に配置される。クラッチOFF操作レバー18は水平軸18aに固定され、水平軸18aの両端は左右両枠板2a,3aに夫々穿設された上下方向に伸びる長孔19,20に挿入される。水平軸18aの左端は、左枠板2aとの間に設けられる引張コイルバネ21により下方向に引張られる。水平軸18aの右端は、右枠板3aにピン22aを介し支持された連動レバー22の一方の腕に連結される。連動レバー22の他方の腕はクラッチカム15にピン23及び図示しない長孔を介し連結されている。これによりクラッチOFF操作レバー18が図3の位置から図4の位置へと押し下げられると、水平軸18aの右端が連動レバー22を図3中ピン22aの回りで反時計方向に回転させ、この連動レバー22の回転に連動してクラッチカム15は図3中スプール軸5aの回りを時計方向に回転する。その際デッドポイントバネ17が反転し、クラッチ機構はクラッチON状態からクラッチOFF状態に切り換えられ、クラッチOFF状態に保持される。
【0021】クラッチ機構は、クラッチOFF操作レバー18の操作により切り換えられたクラッチOFF状態を再びクラッチON状態に復帰させるために、復帰機構と、クラッチON操作部材とを備える。
【0022】復帰機構は、図3及び図4に示すように、クラッチカム15上に突設されたキックボス24を有する。キックボス24はクラッチカム15がデッドポイントバネ17の作用でクラッチON位置に保持される時はラチェット車10の歯から離脱し(図3参照)、クラッチカム15がデッドポイントバネ17の作用でクラッチOFF位置に反転保持される時はラチェット車10の歯と係合する(図4参照)ように設けられている。これによりクラッチOFF状態においてハンドル6が釣糸巻取り方向に回されると、ラチェット車10が図4中時計方向に回転しキックボス24を介してクラッチカム15をそのクラッチOFF位置(図4参照)からクラッチON位置(図3参照)へとデッドポイントバネ17のバネ力に抗して復帰させる。
【0023】クラッチON操作部材であるクラッチON操作レバー25は、上記クラッチOFF操作レバー18の操作でOFF状態に切り換えたクラッチ機構をON状態に切り換え操作することができるように、クラッチOFF操作部材であるクラッチOFF操作レバー18上に延設される。
【0024】クラッチON操作レバー25は、クラッチOFF操作レバー18の右端から右枠板3aの後縁に沿ってリール本体1上方へと伸びる連結腕26の上端に設けられ、連結腕26の上端から左枠板2aの方へと片持ち状に突出している。この結果図1に示すようにクラッチON操作レバー25はクラッチOFF操作レバー18及び連結腕26と共に略コの字型部材を構成し、合成樹脂等により一体成形される。また、連結腕26の上端にはピン状の突起27が設けられ、この突起27が右枠板3a上にその周縁に沿うよう形成された案内孔28に挿入されている。連結腕26は、この突起27と案内孔28との係合及び上記クラッチOFF操作レバー18の水平軸18aと左右両枠板2a,3a上の長孔19,20との係合により右枠板3aの後縁に沿って上下にスライド可能である。このスライド量は案内孔28又は長孔20の長さにより規制される。図3に示すクラッチON状態においてクラッチOFF操作レバー18を押し下げるように操作すると、水平軸18a及び突起27が長孔20及び案内孔28に沿ってスライドすることから連結腕26は右枠板3a上を図3の位置から図4の位置へと右枠板3aの周縁に沿うように降下する。これにより上述の如くクラッチ機構はON状態からOFF状態に切り換わりこのOFF状態がデッドポイントバネ17により保持されるが、クラッチOFF操作レバー18、連結腕26及びクラッチON操作レバー25もクラッチOFF側に反転したデッドポイントバネ17により図4の降下位置に保持される。クラッチ機構がクラッチOFFに切り換えられた状態においてクラッチON操作レバー25に指を掛けて図4の位置から図3の位置へと押し上げるようにすると、クラッチON操作レバー25、連結腕26及びクラッチOFF操作レバー18は一体で図4の位置から図3の位置へと上方向にスライドし、水平軸18a、連動レバー22等を介してクラッチカム15を図4中反時計方向に回転させる。クラッチカム15はデッドポイントバネ17の付勢力に抗して図3のクラッチON位置へと反転する。これによりクラッチ機構はクラッチON状態に復帰し、このクラッチON状態が反転したデッドポイントバネ17により保持され、クラッチON操作レバー25、クラッチOFF操作レバー18及び連結腕26も同じくデッドポイントバネ17により図3の降下位置に保持される。
【0025】なお、クラッチON操作レバー25、連結腕26等は右側板3aに限らず左側板2aに設けても良い。
【0026】上記構成の両軸受リールを用いて釣りを行うには、まず釣竿29を握った利き手でクラッチOFF操作レバー18を操作しクラッチ機構をクラッチOFF状態にする。すなわち、クラッチOFF操作レバー18を下方に押し下げると、その水平軸18aの軸端が連動レバー22を介しクラッチカム15を図3のクラッチON位置から図4のクラッチOFF位置へと時計方向に回転させる。これによりクラッチカム15はそのカム片15aでシフタ13を枠板3aから離れる方向に押し退ける。このシフタ13の移動に伴いピニオン筒9はスプール軸5a上を同方向にスライドし、係合部12は離反する。係合部12が離反することによるクラッチOFF状態はクラッチカム15の回転と同時に反転するデッドポイントバネ17により保持される。これによりスプール5はフリー回転可能になる。
【0027】また、クラッチカム15がクラッチOFF位置に回転すると同時にキックボス24がラチェット車10の方に移動し、ラチェット車10の歯と歯の間に侵入する。
【0028】クラッチ機構がクラッチOFFになったところでスプール5を利き手の親指でサミングしながらルアー等の仕掛けを目的のポイントに投擲する。
【0029】仕掛けが着水すると他方の手でハンドル6を回転させてクラッチ機構をクラッチOFF状態からクラッチON状態に復帰させる。すなわち、ハンドル6を釣糸の巻取り方向に少しばかり回転させると、ハンドル軸6aと一体で回転するラチェット車10がキックボス24を介してクラッチカム15を図4中反時計方向へ回転させる。クラッチカム15のカム片15aはシフタ13から離反し、シフタ13は案内棒14上の圧縮コイルバネ16の付勢力によりピニオン筒9を伴ってスライドする。これによりピニオン筒9とスプール軸5aとの間の係合部12が係合し、クラッチ機構はクラッチON状態になる。クラッチ機構がクラッチONになるとハンドル6がスプール5に駆動連結されるので、スプール5からの釣糸の繰り出しが停止し、更にハンドル6を回すことでリーリングを開始することができる。
【0030】また、ルアー等の仕掛けの着水直後に当たりを感知してフッキングを行おうとする場合は、クラッチON操作レバー25を操作して迅速にクラッチONに復帰させる。すなわち、釣竿29を握った利き手の指でクラッチON操作レバー25を押し上げるようにする。クラッチON操作レバー25、連結腕26及びクラッチOFF操作レバー18は図4のクラッチOFF位置から図3のクラッチON位置へと一体でスライドし、クラッチカム15をクラッチOFF位置からクラッチON位置へと押し戻す。これにより、係合部12が係合し、スプール5はハンドル6に連動してフリー回転を阻止される結果、フッキングが可能になる。さらにハンドル6を釣糸の巻取り方向に回転させることでリーリングが可能である。
【0031】<実施の形態2>図5及び図6に示すように、この実施の形態2におけるクラッチOFF操作レバー18、クラッチON操作レバー25及び連結腕26は、実施の形態1におけると同様に略コの字形に一体形成されているが、連結腕26の中央部から水平方向に突出する連結腕26と一体の支点ピン30が枠板3aに枢着されることにより、支点ピン30を支点にして揺動可能である。
【0032】また、クラッチOFF操作レバー18の水平軸18aの一端を案内し規制する枠板3a上の長孔20は、支点ピン30を中心とする円弧状に形成される。
【0033】また、支点ピン30の先端には連動レバー22の一端が固着され、連動レバー22の他端がクラッチカム15にピン23及び長孔を介し連結されている。
【0034】図5に示すクラッチON状態においてクラッチOFF操作レバー18をリール前方へ押し込むように操作すると、クラッチOFF操作レバー18、連結腕26及びクラッチON操作レバー25は支点ピン30を支点にして反時計方向に回動する。この回動量は水平軸18aを案内する長孔20により規制される。このクラッチOFF操作レバー18の操作によりクラッチ機構はON状態(図5)からOFF状態(図6)に切り換わりこのOFF状態がデッドポイントバネ17により保持され、クラッチOFF操作レバー18、連結腕26及びクラッチON操作レバー25もクラッチOFF側に反転したデッドポイントバネ17により図6の位置に保持される。図6に示すように、クラッチOFF操作レバー18は左右両側板2,3間をスプール5側へと入り込み、クラッチON操作レバー25は左右両側板2,3間からリール後方に突出する。
【0035】クラッチ機構がクラッチOFFに切り換えられた状態においてクラッチON操作レバー25に指を掛けて図6の位置から図5の位置へと押し込むようにすると、クラッチON操作レバー25、連結腕26及びクラッチOFF操作レバー18は一体で支点ピン30の回りを図6中時計方向に回動し、連動レバー22等を介してクラッチカム15を図6中反時計方向に回転させる。クラッチカム15はデッドポイントバネ17の付勢力に抗して図5のクラッチON位置へと反転する。これによりクラッチ機構はクラッチON状態に復帰し、このクラッチON状態は反転したデッドポイントバネ17により保持され、クラッチON操作レバー25、クラッチOFF操作レバー18及び連結腕26も同じくデッドポイントバネ17により図5の両側板2,3間に収まった位置に保持される。
【0036】なお、上記各実施の形態においては、クラッチカム15を側板上で回動させるクラッチ機構を用いたが、本発明のクラッチ操作装置はクラッチカムを側板に沿ってスライドさせるクラッチ機構にも適用することができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、クラッチOFF操作部の操作でOFF状態に切り換えたクラッチ機構をON状態に切り換え操作することができるように、クラッチOFF操作部のクラッチOFF操作レバーにクラッチON操作部のクラッチON操作レバーを延設し、クラッチOFF操作部材とクラッチON操作部材とを略コ字状に配置したことから、次のような効果を得ることができる。
【0038】■ クラッチ操作装置は、従来のものと操作部材の形状が相違するのみでカム板に対する操作部材の連結も従来と同様に一ケ所のみであるために構成部品の増大を招かず、構造も複雑にしないので生産性を損なわない。
■ 操作部材とクラッチカムとの連結部は一ケ所のみであるために駆動ロスが生じず、迅速なクラッチの切り換え操作ができる。
■ 構成部品は従来と同様のためにリール本体の大型化や重量増大を招かず、従来のリールにも操作部材を変えるのみで容易に実施できる。
■ 枠板への取付孔を最小に抑えることができるので、該取付孔から側板内への塩水や塵等の浸入を最小に抑えることができ、装置の耐久性も損なわない。
【出願人】 【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
【出願日】 平成11年6月10日(1999.6.10)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2000−350537(P2000−350537A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願平11−164017