トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 漁網の揚網自動化装置及び操業方法
【発明者】 【氏名】李 春雨

【氏名】李 株煕

【氏名】權 炳國

【要約】 【課題】漁業における揚網作業を自動化する事により,操業人力を大幅に削減し,労働時間の短縮ができる漁網の揚網自動化装置及び操業方法を提供すること。

【解決手段】漁網112を揚網する時は,揚網綱114をV溝プーリ122のV溝に掛け駆動させて引き揚げる。この時,掛け網116は揚網綱114と一緒に引き揚げられず,掛け網誘導棒140によって分けられ,V溝プーリ122の片面に形成された鋸歯状の凸凹部130の間に入って揚網機100を通過する。さらに,揚網綱114は,揚網綱分離用ラチェット126によってV溝プーリ122から再び引き離される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体の一側面に設置され,片側に鋸歯状の凹凸部が形成されたプーリおよび前記プーリ駆動手段と,前記プーリに隣接するように設置された加圧ローラおよび揚網綱分離用ラチェットと,前記凹凸部の前面に設置された掛け網誘導棒とを備えた揚網機を用いて,漁網の端部に掛け網によって所定の間隔で連結された揚網綱を引き揚げる事を特徴とする漁網の揚網自動化装置及び操業方法。
【請求項2】 定置網に前記揚網綱と前記掛け網とを設け,前記揚網機を漁船に複数個設置してなることを特徴とする請求項1に記載の漁網の揚網自動化装置及び操業方法。
【請求項3】 旋網の魚捕部に前記揚網綱と前記掛け網とを設け,前記揚網機を漁船に複数個設置してなることを特徴とする請求項1に記載の漁網の揚網自動化装置及び操業方法。
【請求項4】 棒受け網に前記揚網綱と前記掛け網とを設け,前記揚網機を漁船に複数個設置してなることを特徴とする請求項1に記載の漁網の揚網自動化装置及び操業方法。
【請求項5】 刺し網に前記揚網綱と前記掛け網とを設け,前記揚網機を漁船に複数個設置してなることを特徴とする請求項1に記載の漁網の揚網自動化装置及び操業方法。
【請求項6】 パッチ網に前記揚網綱と前記掛け網とを設け,前記揚網機を漁船に複数個設置してなることを特徴とする請求項1に記載の漁網の揚網自動化装置及び操業方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,漁網の揚網自動化装置及び操業方法に係り,特に労働力と操業時間の短縮ができ,漁獲物の損傷と脱落を防ぐ事のできる揚網自動化装置及び操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に,定置網漁業,旋網漁業,棒受け網漁業,刺し網漁業,パッチ網漁業等で,揚網する過程は,最も多くの人力を必要とし,作業も重たい操業過程である。この操業過程のため,漁船には大勢の人が乗船しなければならないと言う問題があった。
【0003】たとえば,定置網漁業においては,現在リング網によって揚網を行うように操業しているが,このような揚網方法においては,リング網を続けて交代させながら揚網しなければならないため,操業に多くの人力と時間を要する。漁場の規模にもよるが,一度の揚網で巻かなくてはならないリング網の数は30〜50個にも達する。操業は複雑になり,特にリング網揚網の際,揚網速度が均一でないと,魚群が逃避するおそれがあるため,作業には熟練を要する。
【0004】また,旋網漁業においては,パワーブロックで本網を揚網した後,魚捕部を揚網する時は,ほとんど人力によらなくてはならず,操業時間も長くかかる。その他の揚網具類についても,上述の漁法と同様に,揚網の過程に多くの人手が必要であり,乗船員数も増えるため,非効率的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような問題点に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,漁業における揚網作業を自動化する事により,操業人力を大幅に削減し,労働時間の短縮ができる漁網の揚網自動化装置及び操業方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を達成するために本発明は,本体の一側面に設置され,片側に鋸歯状の凹凸部が形成されたプーリおよびプーリ駆動手段と,プーリに隣接するように設置された加圧ローラおよび揚網綱分離用ラチェットと,凹凸部の前面に設置された掛け網誘導棒とを備えた揚網機を用いて,漁網の端部に掛け網によって所定の間隔で連結された揚網綱を引き揚げる事を特徴とする漁網の揚網自動化装置及び操業方法である。
【0007】定置網漁業に適用する際には,漁網に揚網綱と掛け網とを設け,揚網機を漁船に複数個設置して操業するのがよい。
【0008】旋網漁業に適用する際には,旋網の魚捕部に揚網綱と掛け網とを設け,揚網機を漁船に複数個設置して操業するのがよい。
【0009】棒受け網に適用する際には,漁網に揚網綱と掛け網とを設け,張り出し竹に沿って張り,揚網機を漁船に複数個設置して操業するのがよい。
【0010】刺し網に適用する際には,漁網に揚網綱と掛け網とを設け,揚網機を漁船に複数個設置して操業するのがよい。浮き刺し網,底刺し網,旋き刺し網のいずれにも適用する事ができる。
【0011】パッチ網に適用する際には,漁網に揚網綱と掛け網とを設け,揚網機を漁船に複数個設置して操業するのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下,図面に基づいて,本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は,本発明の一実施の形態による揚網機100の全体斜視図,図2は,平面図である。本体110の一側面には,油圧モータ120が設置されており,他側面には,片面が鋸歯状に形成され,油圧によって駆動するV溝プーリ122と,加圧ローラ124,揚網綱分離用ラチェット126,掛け網誘導棒140が設置されている。
【0013】漁網112は,掛け網116により一定の間隔で揚網綱114に連結され,さらに揚網機本体110に連結される。
【0014】水中に投網された漁網112を揚網する時は,揚網綱114をV溝プーリ122のV溝に掛け,油圧モータ120を駆動させる。揚網綱114はV溝プーリ122と加圧ローラ124により引き揚げられるが,この時,掛け網116は揚網綱114と一緒に引き揚げられず,掛け網誘導棒140によって分けられ,V溝プーリ122の片面に形成された鋸歯状の凸凹部130の間に入って揚網機100を通過する。さらに,揚網綱114は,揚網綱分離用ラチェット126によってV溝プーリ122から再び引き離される。
【0015】このように,本発明の一実施の形態によれば,一條に連結された揚網綱114を揚網機100で巻き上げていくので,大幅に労働力と作業時間の削減ができる。定置網におけるリング網の巻入れ,巻出し等の煩雑さも無くなり,また,均一な速度で揚網できるので,魚群の逃避も防ぐ事ができる。
【0016】揚網機は,漁具の種類及び大きさ,漁場の水深等の条件にもよるが,一隻の漁船に2〜8機を使えば良い。
【0017】以下,漁法の種類別に具体的に説明する。図3,図4は本発明の一実施の形態による揚網機を,定置網漁業に用いた時の動作を示す図である。揚網機を,操業舷側に,漁具の規模や漁場の水深によって3〜5台設置し,揚網綱114をV溝プーリ122に掛けて揚網すればよく,既存のリング網の付いていた所に揚網網114を掛け網116を通して漁網112に連結すればよい。定置網の揚網は,船上に引っ張り上げるのではなく,水面上までだけ引き上げながら漁網の中に入って来た魚を魚捕部の方へ追い込んで行けばいいので,揚網機は図3のように漁船の舷側の外に配置されるようにする。
【0018】次に,図5,図6を参照しながら本発明の一実施の形態による揚網機を,旋網漁業に適用するときの動作について説明する。旋網漁業の操業過程は,投網過程と揚網過程とで成るが,投網過程は漁船の航走に伴い漁網が海中に投入されていくので,ほとんど人力を必要としない。揚網過程は,本網と魚捕部とに分かれ,大型の本網は主に船尾にある揚網機あるいはパワーブロックによってすでに機械化されている。魚捕部の揚網は舷側に設置されたサイドローラ等によって人力で行われて来たが,本発明の一実施の形態による揚網機を用いる事により,労働力と時間の大幅な削減が可能になる。
【0019】図5に示したように,揚網機100を操業舷側に,漁具と漁船の規模に応じて2〜4台ずつ設置し,本網の揚網が終わると揚網綱114をV溝プーリ122に掛け,漁網112を船上に揚網すればよい。漁網112に連結される揚網綱114と,掛け網116は,図6に示したように配置するといい。
【0020】次に,図7を参照しながら本発明の一実施の形態による揚網機を,棒受け網漁業に適用するときの動作について説明する。棒受け網の揚網は,先ず揚網綱を引っ張って魚群を包囲してから,舷側に設置したサイドローラ等によって人力で行われて来たが,本発明の一実施の形態による揚網機を用いる事により,労働力と時間の大幅な削減が可能になる。
【0021】棒受け網の揚網綱114は図示したように張り出し竹に沿って本網の方へ伸ばし,向竹に連結させればよい。
【0022】次に,図8を参照しながら本発明の一実施の形態による揚網機100を,刺し網漁業に適用するときの動作について説明する。刺し網の揚網過程は,海中に投入した漁具を船上に引き揚げる作業であり,一部機械化されているが,揚網の際は,漁獲物が網目に絡まったまま揚網する為,損傷が多く,重労働を要するものであった。
【0023】図示したように,浮き刺し網で揚網綱114を設置しておき,この二條の揚網綱114を両側から引っ張ると,網は自動的に揚網されるので,労働力と時間の大幅な削減が可能になる。また,漁獲物のかかっている網の部分は,力を大きく受けずに船上に引き揚げられるので,漁獲物の損傷や脱落を大きく減らす事ができる。底刺し網についても,同様に適用する事ができる。
【0024】次に,図9を参照しながら本発明の一実施の形態による揚網機100を,汽船パッチ網漁業に適用するときの動作について説明する。図示したように,汽船パッチ網漁業において,荒手網と神網は揚網用ドラムによって容易に揚網できるが,袋網は二隻の船が互いに近寄って網を裏返すように揚網するので,これもまた多くの労働力を必要するものであった。
【0025】図示したように,揚網機100を船の向かい合った舷側に設置し,揚網綱114を,両方の船から2〜3本ずつ引っ張り上げると,袋網はついて上がって来るので,労働力と時間の大幅な削減が可能になる。
【0026】以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる漁網の揚網自動化装置及び操業方法の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかでありそれについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0027】
【発明の効果】以上,詳細に説明したように本発明によれば,漁業における揚網作業を自動化する事により,操業人力を大幅に削減し,労働時間の短縮ができる漁網の揚網自動化装置及び操業方法を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】500232134
【氏名又は名称】李 春雨
【識別番号】500232145
【氏名又は名称】李 株煕
【識別番号】500232156
【氏名又は名称】權 炳國
【識別番号】500232167
【氏名又は名称】エルシーテック株式会社
【識別番号】500232178
【氏名又は名称】大漁産業株式会社
【出願日】 平成12年5月22日(2000.5.22)
【代理人】 【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明 (外3名)
【公開番号】 特開2000−350535(P2000−350535A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願2000−150117(P2000−150117)