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【発明の名称】 活魚一時貯蔵筏
【発明者】 【氏名】伊藤 誉敏

【氏名】伊藤 喜代定

【要約】 【課題】漁獲物の安定出荷と鮮度保持及び漁業労働を軽減することができる活魚一時貯蔵筏を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明の活魚一時貯蔵筏は、矩形断面としたロ字形の中央に仕切枠21を形成した枠状浮体1からなり、前記仕切枠21の中間には支柱2を挿脱出来るようにし、前記支柱2には、巻上げ用桁3を支柱2と一定角度を保つように固定し、巻上機5からの巻上げワイヤー6を前記巻上げ用桁3に沿って取り付け、巻上げ用桁3の先端から吊り下げた巻上げワイヤー6の先端にはフック18を装着し、また、前記枠状浮体1の開口部22には、骨組み枠8が嵌合され、該骨組み枠8の内面には、骨組み枠8と同形状の貯蔵用網9が設けられ、前記貯蔵用網9の底部中央には、骨組み枠8より長く形成された吊上棒17の一端が固定され、該吊上棒17の先端には、円環19が形成されて巻き上げワイヤー6のフック18が係合されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 矩形断面とした中空又は中実の密閉箱を平面形状をロ字形に形成し、該ロ字形の中央に矩形断面の仕切枠21を形成した枠状浮体1からなり、前記仕切枠21の中央には筒状の嵌合金具11を矩形断面の底部に達する如く固着し、該嵌合金具11内には支柱2を挿脱出来るようにし、前記支柱2には、上部に支索10の一端を固定し、支柱2の下部に取り付けた巻上げ用桁3を支柱2と一定角度を保つように支索10の他端を巻上げ用桁3の先端に固定し、前記巻上げ用桁3は、支柱2の下部に自在金具4を介して旋回自在に設けられると共に、該支柱2に巻上機5を装着し、巻上機5からの巻上げワイヤー6を前記巻上げ用桁3に沿って取り付け、巻上げ用桁3の先端から吊り下げた巻上げワイヤー6の先端にはフック18を装着し、また、前記枠状浮体1の開口部22には、該開口部22より一回り小さく形成された開口部23を持つ直方体の骨組み枠8が嵌合され、該骨組み枠8の上部開口部23の四隅には、枠状浮体1上に載置される支承部材16が設けられて枠状浮体1に嵌合された骨組み枠8を脱落しないように支承し、該骨組み枠8の内面には、骨組み枠8と同形状の貯蔵用網9が設けられ、該貯蔵用網9の口部は前記骨組み枠8の開口部23に固定されているが、その他の部分は骨組み枠8に固定されておらず、前記貯蔵用網9の底部中央には、骨組み枠8より長く形成された吊上棒17の一端が固定され、該吊上棒17の先端には、円環19が形成されて巻き上げワイヤー6のフック18が係合されるようになっていることを特徴とする活魚一時貯蔵筏。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海上に浮かべた網製の囲いに漁獲物を一時的に貯蔵する活魚一時貯蔵筏に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、漁獲物は大量少量に関わらず入札時間に合わせて水揚げするのが通例である。市場では鮮度を見たら活魚と箱物を選別し、市場に活魚受け入れ設備がある所では活魚とするが、受け入れ設備がない市場では全部が箱物とし安価で取引され、また活魚受け入れ設備をするにしても設備費用他維持費がかかるため出来ないのである。漁業者は少しでも高価にしようと船に生け簀を作り活魚にしようと努力し、入札時間に間に合わせるため無理な操業を繰り返しているのである。また一部の市場で設備されている活魚受け入れ設備は、大がかりな設備であるが、価格調整するための一時貯蔵は困難とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、漁獲物の安定出荷と鮮度保持及び漁業労働を軽減することができる活魚一時貯蔵筏を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決するために、本発明の活魚一時貯蔵筏は、矩形断面とした中空又は中実の密閉箱を平面形状をロ字形に形成し、該ロ字形の中央に矩形断面の仕切枠21を形成した枠状浮体1からなり、前記仕切枠21の中間には筒状の嵌合金具11を矩形断面の底部に達する如く固着し、該嵌合金具11内には支柱2を挿脱出来るようにし、前記支柱2には、上部に支索10の一端を固定し、支柱2の下部に取り付けた巻上げ用桁3を支柱2と一定角度を保つように支索10の他端を巻上げ用桁3の先端に固定し、前記巻上げ用桁3は、支柱2の下部に自在金具4を介して旋回自在に設けられると共に、該支柱2に巻上機5を装着し、巻上機5からの巻上げワイヤー6を前記巻上げ用桁3に沿って取り付け、巻上げ用桁3の先端から吊り下げた巻上げワイヤー6の先端にはフック18を装着し、また、前記枠状浮体1の開口部22には、該開口部22より一回り小さく形成された開口部23を持つ直方体の骨組み枠8が嵌合され、該骨組み枠8の上部開口部23の四隅には、枠状浮体1上に載置される支承部材16が設けられて枠状浮体1に嵌合された骨組み枠8を脱落しないように支承し、該骨組み枠8の内面には、骨組み枠8と同形状の貯蔵用網9が設けられ、該貯蔵用網9の口部は前記骨組み枠8の開口部23に固定されているが、その他の部分は骨組み枠8に固定されておらず、前記貯蔵用網9の底部中央には、骨組み枠8より長く形成された吊上棒17の一端が固定され、該吊上棒17の先端には、円環19が形成されて巻き上げワイヤー6のフック18が係合されるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】海上の適宜位置に錨により係留された枠状浮体1には、あらかじめ枠状浮体1の開口部22に嵌合された骨組み枠8が海中に位置しており、漁獲された魚は、枠8内の貯蔵用網9に放流され、貯蔵される。出荷時には、枠状浮体1の一方の開口部22を作業蓋20で覆い、作業蓋20上が魚の選別作業場となるようにして、巻き上げワイヤー6を緩めて吊上棒17の円環19にフック18をひっかけて巻上機5を回して巻き上げワイヤー6を巻き取ると、吊上棒17に固定されている貯蔵用網9の底部中央が引き揚げられる。こうして、貯蔵用網9の底部中央のみが引き揚げられることにより、貯蔵用網9の深さは浅くなると共に貯蔵されている魚は中央部から周辺部へ移動させられるので、タモ網ですくい上げた魚は、作業場となっている作業蓋20上で選別され、活魚用タンクに入れられ船積みされて、市場へ出荷される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。本発明の活魚一時貯蔵筏は、図1に示すように、矩形断面とした中空又は中実の密閉箱を平面形状をロ字形に形成し、該ロ字形の中央に矩形断面の仕切枠21を形成した枠状浮体1からなる。なお、中空又は中実の密閉箱、すなわち枠状浮体1は、海上に浮かべて人が乗って作業しても沈まないように適度の浮力を持った材料から形成される。また、枠状浮体1の仕切り枠21は一個に限らず、二個にして田の字形にして交差点に支柱2を設けたり、適宜設計変更できるものである。
【0007】前記仕切枠21の中央には底面方向に穴を明け、該穴に嵌合金具11の筒体13を矩形断面の底部に達する如く固着し、該嵌合金具11内には支柱2を挿脱出来るようにする。図2に示すように、嵌合金具11は、筒体13の開口部周辺にフランジ12を有し、該フランジ12には適宜個所にボルト穴を形成し、該ボルト穴にボルト14及びナット15により締付け、仕切り枠21に固定するようになっているが、これに限らず接着剤などを使用して固定することもできる。
【0008】前記支柱2には、上部に支索10の一端を固定し、支柱2の下部に取り付けた巻上げ用桁3を支柱2と一定角度を保つように、支索10の他端を巻上げ用桁3の先端に固定する。前記巻上げ用桁3は、支柱2の下部に自在金具4を介して旋回自在に設けられると共に、該支柱2に巻上機5を装着し、巻上機5からの巻上げワイヤー6を前記巻上げ用桁3に沿って取り付け、巻上げ用桁3の先端から吊り下げた巻上げワイヤー6の先端にはフック18を装着する。
【0009】前記枠状浮体1の開口部22には、該開口部22より一回り小さく形成された開口部23を持つ直方体の骨組み枠8が嵌合され、図3に示すように、該骨組み枠8の上部開口部23の四隅には、枠状浮体1上に載置される扇形の支承部材16が設けられ、枠状浮体1に嵌合された骨組み枠8を脱落しないように支承する。なお、前記骨組み枠8は直方体形状を保ち貯蔵用網9の変形を防止するためのもので、金属製又は合成樹脂製などから形成され、骨組み枠8の底面及び側面を補強するために各面に複数の補強用桟を設けても良い。また、骨組み枠8は枠状浮体1上に載置されているものであるから、移動の際には巻上機5により骨組み枠8を簡単に引き揚げることができる。
【0010】さらに、骨組み枠8の内面には、該骨組み枠8と同形状の貯蔵用網9が設けられ、該貯蔵用網9の口部は前記骨組み枠8の開口部23に固定されているが、その他の部分は骨組み枠8に固定されていない。そして、貯蔵用網9の底部中央には、骨組み枠8より長く形成された吊上棒17の一端が固定され、該吊上棒17の先端には、円環19が形成されて巻き上げワイヤー6のフック18が係合されるようになっている。なお、吊上棒17は、支柱2側の枠状浮体1の開口部22のコーナーに立て掛けた状態で保持され、使用時には巻上げ用桁3を水平回転させて巻き上げワイヤー6のフック18を簡単に吊上棒17の円環19に係合させることが出来る。
【0011】枠状浮体1の四隅近傍には、リング又はきのこ状の係船用金具7が設けられ、該係船用金具7は、荒天時などで枠状浮体1を移動するときに係船用金具7に牽引ロープを固定して魚船で牽引したり、また枠状浮体1を海上に固定するために錨を結びつけて係留したり、枠状浮体1上で作業時に魚船をロープで固定したりするができる。
【0012】次に、本発明の活魚一時貯蔵筏の使用例について述べると、図4(a)に示すように、海上の適宜位置に錨により係留された枠状浮体1には、あらかじめ枠状浮体1の開口部22に嵌合された骨組み枠8が海中に位置しており、漁獲された魚は、骨組み枠8内部の貯蔵用網9に放流され、貯蔵されている。
【0013】出荷時には、図4(b)に示すように、枠状浮体1の一方の開口部22を作業蓋20で覆い、作業蓋20上で魚の選別作業を行うことができるようにする。そして、巻き上げワイヤー6を緩めて吊上棒17の円環19に巻上げワイヤー6のフック18をひっかけて巻上機5を回して巻上げワイヤー6を巻き取ると、吊上棒17に固定されている貯蔵用網9の底部中央が上方に引き揚げられる。
【0014】このようにして、貯蔵用網9の底部中央のみが引き揚げられることにより、貯蔵用網9の深さは浅くなると共に貯蔵されている魚は中央部から周辺部へ移動させられるので、タモ網で魚をすくい上げやすくなる。タモ網ですくい上げた魚は、選別場となっている作業蓋20上で選別され、活魚用タンクに入れられ船積みされて、市場へ出荷される。
【0015】
【効果】このように、本発明の活魚一時貯蔵筏は、骨組み枠が単に枠状浮体の開口部に挿通されているだけであり、巻上機を使用して骨組み枠、貯蔵用網とも簡便に巻上げられ、荒天時の移動等も敏速に行える。さらに、本発明の活魚一時貯蔵筏は、枠状の浮体に形成されているため、波浪による影響を受けず、作業中に筏の揺れもなく、安全に保たれる。
【出願人】 【識別番号】599081680
【氏名又は名称】株式会社 八戸マリン商会
【出願日】 平成11年6月11日(1999.6.11)
【代理人】 【識別番号】100110537
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 繁 (外1名)
【公開番号】 特開2000−350532(P2000−350532A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願平11−165555