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【発明の名称】 釣 竿
【発明者】 【氏名】菅谷 英二

【氏名】小金井 正一

【要約】 【課題】釣糸の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けることが可能な釣竿を提供する。

【解決手段】中竿管6は、所定方向に引き揃えられた強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを巻回して形成された竿管本体22を備えており、この竿管本体22の内周面には、所定の高さ寸法を有する複数の突起部が所定のピッチで形成されていると共に、凹部Saと凸部Sbとの組み合わせから成る微少な凹凸表面Sを有し且つその内部に複数の微少な中空部26が形成された撥水性被膜28が止着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 竿管を有する釣竿であって、竿管の表面には、微少な凹凸表面を有し且つその内部に複数の微少な中空部が形成された撥水性被膜が止着されていることを特徴とする釣竿。
【請求項2】 竿管を有する釣竿であって、竿管の表面には、微少な凹凸表面を有し且つこの凹凸表面上に更に複数の微細な凹凸部が形成された撥水性被膜が止着されていることを特徴とする釣竿。
【請求項3】 竿管を有する釣竿であって、竿管の表面には、微少な凹凸表面を有し且つその内部に複数の微少な中空部が形成されていると共に、凹凸表面上に更に複数の微細な凹凸部が形成された撥水性被膜が止着されていることを特徴とする釣竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けることが可能な釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば実用新案登録第2556361号公報には、撥水性を有する薄肉厚層と、この薄肉厚層よりも突出した釣糸ガイドとを竿管内周面に設けた釣竿が開示されており、釣糸ガイドを介して薄肉厚層(竿管内周面)に対する釣糸の摩擦抵抗を低減させることによって、薄肉厚層の摩耗を防止して、この薄肉厚層の撥水性の維持を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような構成では、長期間に亘って撥水性を維持させておくことができないと言った問題がある。具体的には、撥水性を有する薄肉厚層は、その表面が僅かに摩耗するだけで、その撥水性が大きく低下して撥水効果が無くなってしまう。
【0004】本発明は、このような問題を解決するために成されており、その目的は、釣糸の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けることが可能な釣竿を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明は、竿管を有する釣竿であって、竿管の表面には、微少な凹凸表面を有し且つその内部に複数の微少な中空部が形成された撥水性被膜が止着されている。また、本発明は、竿管を有する釣竿であって、竿管の表面には、微少な凹凸表面を有し且つこの凹凸表面上に更に複数の微細な凹凸部が形成された撥水性被膜が止着されている。更に、本発明は、竿管を有する釣竿であって、竿管の表面には、微少な凹凸表面を有し且つその内部に複数の微少な中空部が形成されていると共に、凹凸表面上に更に複数の微細な凹凸部が形成された撥水性被膜が止着されている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係る釣竿について、添付図面を参照して説明する。なお、本発明の釣竿としては、例えば、並継竿、逆並継竿、インロー継竿、振出竿、そして、中通し竿、外ガイドを設けた釣竿、外ガイドの無い釣竿等が該当する。
【0007】図1には、本発明の釣竿の一例として、中通し式の振出竿が示されており、この釣竿は、元竿管2と、この元竿管2に継合部4を介して継ぎ合わされる中竿管6と、この中竿管6に継合部8を介して継ぎ合わされる穂先竿管10とから構成されている。なお、図では、1本の中竿管6を有する釣竿を示したが、これに限定されることは無く、複数本の中竿管6を有する釣竿であっても良い。また、図では、複数本の竿管を有する釣竿を示したが、これに限定されることは無く、1本の竿管のみで構成された釣竿であっても良い。
【0008】図1に示す釣竿において、元竿管2には、リール12が着脱自在に取り付けられた握持部14が設けられており、リール12から送り出された釣糸16は、元竿管2に設けられた釣糸導入ガイド18を介して元竿管2内に導入された後、中竿管6を介して穂先竿管10の先端から外方に送り出されるようになっている。また、穂先竿管10の先端には、トップガイド20が着脱自在に取り付けられており、このトップガイド20によって、釣糸16は、穂先竿管10の先端から円滑且つ安定して外方に送り出される。
【0009】このような釣竿において、元竿管2及び中竿管6並びに穂先竿管10の内周面には、夫々、釣糸16の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けるための構成が施されている。この場合、元竿管2では、釣糸16が接触する部分に上記の構成が施される。なお、図1では、中通し式の振出竿を示したが、例えば外ガイドを設けた釣竿(釣糸16を竿管外側に沿って案内する方式の釣竿)の場合には、竿管の外周面に釣糸16の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けるための構成が施される。
【0010】上述の2つの構成は、互いに同一の構成であるため、以下の説明では、元竿管2及び中竿管6並びに穂先竿管10の内周面に、釣糸16の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けるための構成を施す場合について説明する。また、元竿管2及び中竿管6並びに穂先竿管10の内周面に施される構成は、共に同一の構成であるため、以下の説明では、その一例として、中竿管6の内周面に、釣糸16の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けるための構成を施す場合について説明を加える。
【0011】図2及び図3に示すように、中竿管6は、所定方向に引き揃えられた強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを巻回して形成された竿管本体22を備えており、この竿管本体22の内周面には、所定の高さ寸法Hを有する複数の突起部24が所定のピッチLで形成されていると共に、微少な凹凸表面Sを有し且つその内部に複数の微少な中空部26が形成された撥水性被膜28が止着されている。なお、本実施の形態において、「止着」とは、例えば、塗装(液体、粉体など)、印刷、プリプレグや樹脂フィルムの巻装、蒸着、メッキ、その他接着等によって撥水性被膜28を形成することを意味する。また、「撥水性」とは、水滴の接触角が、少なくとも100度以上、好ましくは、120度以上、更に好ましくは、140度以上あることを意味する。
【0012】複数の突起部24は、竿管本体22と一体的に成形することが可能であり、竿管本体22と同一の材料又は異なる材料を適宜選択することができる。特に、竿管本体22と異なる材料で複数の突起部24を成形する場合、その材料としては、例えば、セラミックス繊維、カーボン繊維、ガラス繊維等を用いた繊維強化樹脂、強化繊維にPET、アラミド、PTFE、PE等の有機繊維を用いたもの、或いは、合成樹脂フィルム、糸条、セラミックス材料(リング状)等を用いことができる。また、これら突起部24の高さ寸法Hは、0.1〜1mm、好ましくは、0.2〜0.6mmの範囲に設定することが好ましい。また、複数の突起部24のピッチLは、2〜20mm、好ましくは、3〜10mmの範囲に設定することが好ましい。
【0013】撥水性被膜28は、複数の突起部24の間の領域に亘って止着されており、その厚さ寸法Tは、突起部の高さ寸法Hよりも小さく設定されている。この場合、撥水性被膜28の厚さ寸法Tは、3〜30μm、好ましくは、3〜15μmの範囲に設定することが好ましい。また、撥水性被膜28は、フッ素粒子及び揮発材が分散混入された撥水材料混合物(合成樹脂、発泡性樹脂)を用いて形成することが可能であり、吹き付け塗装や注入塗装の他に、例えば後述するような被膜形成方法において、プリプレグシートを巻回して竿管本体22を形成する際に、上記撥水材料混合物を予めプリプレグシートに固着させておくことによって、竿管本体22の完成と同時に、竿管本体22の内周面に形成される。そして、竿管本体22に加熱処理を施すことによって、撥水材料混合物内に分散している揮発材が揮発し、その揮発跡に複数の微少な中空部26が形成される。また、混合物中に予め気泡を含ませておき、中空部26を形成しても良い。この場合、撥水性材料としては、フッ素、シリコン、テフロン、酸化チタン等を用いることが可能であり、これらの材料から後述するような粒子と母材を構成すれば良い。なお、撥水性被膜28は、中空でなくても良い。
【0014】撥水性被膜28の微少な凹凸表面Sは、凹部Saと凸部Sbとが組み合わされて形成されている。この場合、「微少」という概念は、撥水性被膜28を平面上に見たときに、凹部Saと凸部Sbとの組み合わせ個数が、単位面積(例えば、1mm2 )当たりに換算して、5000個以上、好ましくは、5万〜10万個形成されていることを意味する。また、別の言い方をすると、「微少」という概念は、凹部Saと凸部Sbとの高低差Dが、10μm以下、好ましくは、1〜5μmであって、且つ、凹部Saと凸部Sbとの間のピッチWが、10μm以下、好ましくは、1〜5μmに設定されていることを意味する。
【0015】また、撥水性被膜28の内部に形成された複数の微少な中空部26は、後述するような被膜形成方法において、被膜内部に分散している揮発材が加熱処理によって揮発した跡に残った空洞である。この場合、「微少」という概念は、撥水性被膜28の断面における単位面積(例えば、10μm2 )当たりに、中空部26が、30〜300個、好ましくは、70〜150個形成されていることを意味する。
【0016】なお、これら中空部26が竿管本体22側に密集していると、竿管本体22と撥水性被膜28との間の止着(密着)面積が小さくなり、その結果、竿管本体22に対する撥水性被膜28の止着性(密着性)が低下する場合があるため、複数の中空部26は、撥水性被膜28の表面側及びその近傍に集中させることが好ましい。このように複数の中空部26を撥水性被膜28の表面側及びその近傍に集中させることによって、竿管本体22と撥水性被膜28との境界面は、中空部26が少ないか或いは殆ど無い状態にすることができるため、竿管本体22と撥水性被膜28との間の止着(密着)面積を大きくすることができる。この結果、竿管本体22に対する撥水性被膜28の止着性(密着性)を向上させることができる。
【0017】ここで、被膜形成方法について説明する。被膜形成方法は、多数の方法が考えられるが、ここでは、その一例を示す。
【0018】まず、芯金(図示しない)に対して凹凸形成用テープ(図示しない)を装着した後、この凹凸形成用テープの表面に極薄テープ(図示しない)を巻き付ける。なお、凹凸形成用テープには、撥水性被膜28の微少な凹凸表面Sを形成するための微少な凹凸部(図示しない)と複数の突起部24を形成するための凹部(図示しない)とが施されている。次に、凹部内に突起部24の材料を充填した後、プリプレグシートを巻回する。このとき、このプリプレグシートには、フッ素粒子及び揮発材が分散混入された撥水材料混合物(合成樹脂、発泡性樹脂)を予め固着させておく。プリプレグシートの巻回が終了した後、芯金及び凹凸形成用テープ並びに極薄テープを取り外すと、凹凸形成用テープの微少な凹凸が、プリプレグシート上の撥水材料混合物に転写される。そして、この撥水材料混合物に加熱処理を施すことによって、撥水材料混合物内に分散している揮発材が揮発し、その揮発跡に複数の微少な中空部26が形成される。この結果、微少な凹凸表面Sを有し且その内部に複数の微少な中空部26が形成された撥水性被膜28が竿管本体22の内周面に止着形成される。
【0019】このように本実施の形態によれば、複数の突起部24を所定のピッチLで形成し、且つ、これら複数の突起部24の間の領域に、微少な凹凸表面Sを有し且つその内部に複数の微少な中空部26が形成された撥水性被膜28を設けたことによって、釣糸16の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けることが可能な釣竿を提供することができる。即ち、例えば海水や水等が釣竿{本実施の形態では、中竿管6(竿管本体22)の内周面}に被った場合でも、微少な凹凸表面Sによって水滴等を素早く除去するできるため、撥水性被膜28上に水滴等が付着することを防止できる。つまり、撥水性被膜28上に水滴等が付着すると、この水滴等によって釣糸16が撥水性被膜28に引き寄せられ、釣糸16と撥水性被膜28との接触状態が増大する。しかし、微少な凹凸表面Sが在ることによって、撥水性被膜28上への水滴等の付着を防止することができるため、撥水性被膜28に対する釣糸16の接触を少なくして撥水性被膜28の保護を図ることができる。更に、仮に撥水性被膜28の凹凸表面Sが摩耗しても、その内部の複数の微少な中空部26が外部に露出して、新たに微少な凹凸表面Sが形成されるため、撥水性被膜28の表面は、常に、微少な凹凸表面Sが維持される。
【0020】ところで、上述した実施の形態において、例えば図4に示すように、互いに連結性を有する複数の撥水性粒子30,32と、これら撥水性粒子30,32間に形成される複数の中空部26とによって撥水性被膜28を構成しても同様の作用効果を実現することができる。
【0021】この場合、撥水性粒子30,32は、互いに異なる材料或いは互いに同一の材料を適宜選択して用いることが可能であり、いずれにしても撥水性粒子30,32としては、例えば、フッ素樹脂粒子、酸化チタン粒子にシリコン樹脂を付着させる等の連結性を有する材料を適宜選択することが好ましい。
【0022】このような撥水性粒子30,32を用いた撥水性被膜28の被膜形成方法は、例えば上述した実施の形態と同様に、揮発材及び撥水性粒子30,32が分散混入された撥水材料混合物をプリプレグシートに予め固着させておいて、そのプリプレグシートを巻回して竿管本体22を形成した後、撥水材料混合物に加熱処理を施して揮発材を揮発させることによって、その結果として、撥水性粒子30,32自体の組み合わせ形状に対応した微少な凹凸表面Sが形成され、且つ、その内部に複数の微少な中空部26が形成される。
【0023】他の被膜形成方法としては、例えば、竿管本体22を完成させた後に、揮発材及び撥水性粒子30,32が分散混入された撥水材料混合物を竿管本体22の内周面に積層(吹き付け、注入、塗装)し、その撥水材料混合物に加熱処理を施しても良い。
【0024】また、上述した実施の形態において、例えば図5に示すように、複数の粒子34を樹脂36で相互に連結することによって微少な凹凸表面S及び複数の中空部26を構成した撥水性被膜28を用いても同様の作用効果を実現することができる。
【0025】この場合、粒子34としては、例えば、PTFEなどのフッ素化合物、PDMSなどのシリコーン化合物等の材料を用いることが可能であり、また、樹脂36としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の材料を用いることが可能である。
【0026】このような複数の粒子34及び樹脂36を用いた撥水性被膜28の被膜形成方法は、例えば上述した実施の形態と同様に、揮発材及び複数の粒子34が分散混入された撥水材料混合物(樹脂36)をプリプレグシートに予め固着させておいて、そのプリプレグシートを巻回して竿管本体22を形成した後、撥水材料混合物(樹脂36)に加熱処理を施して揮発材を揮発させることによって、その結果として、複数の粒子34が樹脂36で連結された形状に対応した微少な凹凸表面Sが形成され、且つ、その内部に複数の微少な中空部26が形成される。
【0027】また、上述した実施の形態(図3〜図5参照)において、撥水性被膜28の撥水性を更に向上させるために、例えば図7に示すように、撥水性被膜28の微少な凹凸表面S上に、更に、複数の微細な凹凸部Zを形成しても良い。
【0028】図7に示した微細な凹凸部Zは、図3〜図5に示された撥水性被膜28の微少な凹凸表面Sに対して所定の表面処理(例えば、バフ加工、研磨加工)を施すことによって形成することが可能である。
【0029】具体的には、凹凸表面Sに所定の表面処理を施すと、その凹凸表面Sには、所定サイズの凹部Zaが複数形成され、この表面処理が施されなかった箇所には、所定サイズの凸部Zbが複数形成される。その結果、撥水性被膜28の微少な凹凸表面Sには、複数の凹部Zaと凸部Zbとの組み合わせによって複数の微細な凹凸部Zが形成される。この場合、「微細」という概念は、凹凸表面Sの単位面積(例えば、1mm2 )当たりに換算して、凹凸部Zが、数千〜数千万個、好ましくは、50万〜5000万個形成されていることを意味する。
【0030】このように、撥水性被膜28の微少な凹凸表面Sに複数の微細な凹凸部Zを更に形成することによって、凹凸表面Sの表面積を更に拡大させることが可能となり、その結果、撥水性被膜28の撥水性を更に向上させることができると共に、凹凸表面Sの表面積が拡大することによって、釣糸16との摩擦抵抗を更に小さくすることができる。この結果、釣糸16の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けることが可能な釣竿を実現することが可能となる。
【0031】或いは、上述した実施の形態(図3〜図5参照)において、撥水性被膜28の撥水性を更に向上させるために、例えば図8に示すように、撥水性被膜28の微少な凹凸表面S上に、更に、複数の微細な凹凸部Kを形成しても良い。
【0032】図8に示した微細な凹凸部Kは、図3〜図5に示された撥水性被膜28の微少な凹凸表面Sに、複数の微細な凸部(具体的には、粒子体)Kaを配置することによって形成することが可能である。
【0033】具体的には、凹凸表面Sに複数の微細な凸部(粒子体)Kaを配置すると、この粒子体Kaが配置されなかった箇所に、複数の微細な凹部Kbが形成される。その結果、撥水性被膜28の微少な凹凸表面Sには、複数の微細な凸部(粒子体)Kaと凹部Kbとの組み合わせによって複数の微細な凹凸部Kが形成される。この場合、凸部(粒子体)Kaとしては、例えば、PTFEなどのフッ素化合物、PDMSなどのシリコーン化合物等の撥水性材料を用いることが好ましい。また、「微細」という概念は、凹凸表面Sの単位面積(例えば、1mm2 )当たりに換算して、凹凸部Kが、50万〜5000万個、好ましくは、100万〜5000万個形成されていることを意味する。また、別の言い方をすると、「微細」という概念において、凸部(粒子体)Kaは、その外径寸法が、0.05〜2μm、好ましくは、0.1〜1μmの範囲に設定されることを意味する。
【0034】このような凸部(粒子体)Kaを用いた撥水性被膜28の被膜形成方法は、例えば上述した実施の形態と同様に、揮発材及び複数の凸部(粒子体)Kaが分散混入された撥水材料混合物(合成樹脂、発泡性樹脂)をプリプレグシートに予め固着させておいて、そのプリプレグシートを巻回して竿管本体22を形成した後、撥水材料混合物に加熱処理を施して揮発材を揮発させることによって、複数の凸部(粒子体)Kaを露出させ、その結果として、複数の凸部(粒子体)Kaと凹部Kbとの組み合わせ形状に対応した微少な凹凸表面Sを形成し、且つ、その内部に複数の微少な中空部26を形成する。
【0035】他の被膜形成方法としては、例えば、竿管本体22を完成させた後に、揮発材及び複数の凸部(粒子体)Kaが分散混入された撥水材料混合物を竿管本体22の内周面に積層(吹き付け、塗装)し、その撥水材料混合物に加熱処理を施しても良い。また、混合物中に予め気泡を含ませておき、中空部26を形成しても良い。
【0036】なお、図8に示した構成の効果は、上述した図7の構成の効果と同様であるため、その説明は省略する。
【0037】また、上述した実施の形態(図1〜図5、図7及び図8参照)において、例えば図9に示すように、縦横に引き揃えられた複数本の強化繊維38,40によって微少な凹凸表面S上に更に複数の微細な凹凸部Rが形成された撥水性被膜28を構成しても同様の作用効果を実現することができる。
【0038】この場合、強化繊維38,40としては、例えば、フッ素、シリコン、ポリプロピレン等の撥水性材料を用いることができる。
【0039】また、撥水性被膜28の被膜形成方法としては、例えば複数本の強化繊維38を竿管本体22と平行に敷き沿わし、この強化繊維38を横断するように複数本の強化繊維40を巻回する。この結果、これら複数本の強化繊維38,40自体の輪郭形状に対応して、凹部Saと凸部Sbとが組み合わされた微少な凹凸表面S上に更に凹部Raと凸部Rbとが組み合わされた複数の微細な凹凸部Rが形成される。
【0040】また、上述した実施の形態(図1〜図5、図7〜図9参照)では、竿管本体22上に直接撥水性被膜28を形成したが、例えば図9に示すように、竿管本体2と撥水性被膜28との間に中間層42を介在させても良い。
【0041】この場合、中間層42としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの密着性に優れた材料を用いることが好ましい。
【0042】このような中間層42を介在させることによって、竿管本体2に対する撥水性被膜28の密着性を向上させることができるため、撥水性被膜28を堅牢且つ安定して竿管本体22に止着させることが可能となる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、釣糸の摩擦抵抗を低減すると共に、長期間に亘って優れた撥水性を維持し続けることが可能な釣竿を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成11年4月28日(1999.4.28)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
【公開番号】 特開2000−308437(P2000−308437A)
【公開日】 平成12年11月7日(2000.11.7)
【出願番号】 特願平11−121602