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【発明の名称】 蟹捕獲用網および蟹捕獲方法
【発明者】 【氏名】伊波 孫茂太

【要約】 【課題】安価に構成が可能で、投入の際に距離をだすことが可能な蟹捕獲用網および蟹捕獲方法を提供する。

【解決手段】蟹捕獲用網を、誘引餌40を仕込む袋状網30Aと、この袋状網に取り付ける錘72とで構成する。そして、誘引餌40を仕込んだ袋状網30Aに錘72を取り付けて水中に沈め、誘引餌に抱き付いた状態の蟹を引き上げて捕獲する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 誘引餌を仕込む袋状網と、この袋状網に取り付ける錘とを備えたことを特徴とする蟹捕獲用網。
【請求項2】 前記錘の重量を調整可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の蟹捕獲用網。
【請求項3】 前記袋状網は、複数の袋状網を重ねて構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の蟹捕獲用網。
【請求項4】 誘引餌を仕込む袋状網と、この袋状網と道糸との間に介在させる猿環と、錘とを備えたことを特徴とする蟹捕獲用網のセット。
【請求項5】 前記袋状網は、複数の袋状網を重ねて構成したことを特徴とする請求項4に記載の蟹捕獲用網のセット。
【請求項6】 誘引餌を仕込んだ袋状網に錘を取り付けて水中に沈め、前記誘引餌を仕込んだ袋状網に抱き付いた状態の蟹を引き上げて捕獲することを特徴とする蟹捕獲方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蟹捕獲用網および蟹捕獲方法に関し、特に、安価な材料で構成した網を使用し、蟹の習性を巧みに利用して蟹を捕獲するようにした蟹捕獲用網および蟹捕獲方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の蟹捕獲用の網は、モジャモジャとしたツリー状網を吹流し状に構成し、道糸を介して錘を付けたものであって、この網に蟹が接触すると甲羅、脚の刺状物が引っ掛かり、離脱し難くした状態で蟹を捕獲するようにしたものである。また、蟹を篭の中に誘い込んで蟹を捕獲する蟹篭もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の蟹捕獲用網は、水底が岩場であるとツリー状網が根掛かりして(岩場に引っ掛かってしまい)、網をとられてしまい、一投毎に高価な網代の損害を蒙むるおそれがあった。更に、蟹の捕獲量を上げるには、例えば海岸から離れた海中に蟹捕獲用網を投入する必要があるが、従来のツリー状網ではリール竿で投入する際に、空気抵抗が多く、遠くへ飛ばすことが困難であった。その上、従来のツリー状網に絡まれた蟹を網から外す場合、蟹が暴れて蟹に挟まれたりして怪我をするおそれがあり、夜間にそれを行えば一層危険が伴う。また従来の蟹捕獲用網は、錘が網と一体となり、錘の重さを調節することができない。
【0004】一方、前述の蟹捕獲用の蟹篭は、前日にポイントに仕掛けて、翌日に回収するという仕組みのため、時間がかかり、最悪の場合は捉えた蟹と共に蟹篭が盗難に遭うこともあり、更に所定の免許を所持した者でないと、蟹篭を使用できないという不便さもある。
【0005】そこで本発明の課題は、安価に構成が可能で、投入の際に距離をだすことが可能な蟹捕獲用網および蟹捕獲方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明は、誘引餌を仕込む袋状網と、この袋状網に取り付ける錘とを備えたことを特徴とする。
【0007】また、誘引餌を仕込んだ袋状網に錘を取り付けて水中に沈め、前記誘引餌を仕込んだ袋状網に抱き付いた状態の蟹を引き上げて捕獲することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
(1)本発明の概念本発明は、蟹が餌を食べる際の習性に着目したものである。即ち、図1(A)に示すように、例えば、わたり蟹、のこぎりがざみ等の蟹10が餌(秋刀魚等)20を食べる際に、餌20を左右の脚11で抱え込むようにして甲羅12の内側に押さえ付け、一旦抱きかかえた餌はなかなか離さない、という習性に着目したものである。
【0009】そして、図1(B)に示すように、袋状網30の内部に誘引餌(秋刀魚,鯵の切り身等)40を仕込んで袋の入口側を玉結び31にして餌入り網50を構成する。釣り人は、この餌入り網50を、道糸を介してつり竿(図4の75)に繋いで、例えば海底に沈めておく。すると、図1(C)に示すように、蟹10は誘引餌40の入った餌入り網50を抱え込み、誘引餌40を食べようとする。蟹は抱きかかえた餌はなかなか離さないので、この抱え込んでいる状態のままで、餌入り網50を蟹ごと、そーっと、ゆっくり引上げ、水面近くまできたら、たも網等ですくい取る。
【0010】(2)構成図2(A)に袋状網30を示す。袋状網30はナイロンやテトロン等の細くて強靭な化学繊維からなり、小さな網目のものを使用する。袋状網30の全体形状は細長であって、長手方向の一方に誘引餌を挿脱する開口部32を形成し、他の3辺は閉じておく。袋状網30としては、例えばスーパーマーケット等で数個の夏みかん等を入れた状態で販売している袋状網を流用してもよい。
【0011】そして、図2(B)に示すように、例えば3枚の袋状網30a,30b,30cを重ねた状態で重ね袋状網30Aを構成する。このようにすれば、袋状網の強度が増す。例えば、もずくがに、川蟹のような小さな蟹を捕獲するときは網を一重にする。海蟹のうち、わたり蟹のような中位の蟹を捕獲するときは二重の網を使用し、のこぎりがざみのような大型の蟹を捕獲するときは三重の網を使用する。また、捕獲対象の蟹の大中小に応じて、袋状網の大きさも大中小を用意してもよい。
【0012】(3)使用方法次に袋状網の使用方法を説明する。図3(A)に示すように、人の手60を袋状網30Aの底部33にまで挿入する。次いで、図3(B)に示すように、誘引餌40を手60で掴み、袋状網30Aを反転させて誘引餌40に被せる。このようにすれば、誘引餌40が背鰭や突起物を持っていたとしても、容易に袋状網30Aに奥深く仕込むことができる。
【0013】次に、図4に基づいて仕掛けを説明する。図4に示すように、餌入り網50の玉結び31の2箇所31a、31bに安全ピン71を刺し通し、結び目が外れないように固定する。この安全ピン71に海流等を考慮した最適な重量の錘72を取り付ける。この場合、安全ピン71の輪の部分に錘のリング部72aを挿通するので、錘の重量調整を容易に行うことができる。安全ピン71に猿環73の一端を取付け、他端に道糸74の先端を結び付ける。75はリール竿である。
【0014】なお、猿環73と安全ピン71との間に、強度の弱い先糸を取り付けてもよい。このようにすれば、餌入り網50等が岩場等に引っ掛かった場合に、先糸の部分が切断するので、道糸やリール竿を保護することができる。
【0015】(4)釣りの具体例■船釣りの場合以上の如く構成した仕掛けを用い、釣り舟に乗って蟹捕獲のポイントで仕掛けを投入する。この場合、蟹の種類,海の深さ,流れ,風等を考慮して誘引餌や錘や道糸の種類を最適のものを選択する。そして、仕掛けを投入した後、誘引餌に誘われた蟹は餌入り網50を抱き込み(図1(C)参照)、蟹の当りがあった場合には、そーっと、ゆっくり仕掛けを引き上げ、水面近くまで引き寄せて、たも網等を用いて蟹を下からすくい上げる。
【0016】■海岸等からの投げ釣りの場合図4に示した仕掛けを用意し、海岸等から一般のリール竿の用法に従いできるだけ遠方の海中に餌入り網50を投入する。この投入の際に、本実施例の餌入り網50は、従来例のようなツリー状の網ではなく、且つ紡錘形状または略球形(誘引餌として切り身を用いた場合)をしているので、空気抵抗が少なく、狙い通りのポイントに投入することが可能となる。
【0017】なお、前記袋状網30と錘72と猿環73とをセットにして販売すれば、このセットを購入した人は、たとえ蟹捕獲の素人であったとしても、短時間に、簡単且つ容易に、大量の蟹を捕獲することができる。
【0018】また、本発明の袋状網は一般に市販されている袋状網を使用することができ、錘や猿環も市販品を使用するので、前記セットを安価に提供することができ、たとえ根掛かりにより錘や袋状網を失っても、損害額は小さくて済む。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、誘引餌を仕込む袋状網と錘とにより餌入り網を構成するようにし、蟹の習性に着目して蟹が餌入り網を抱え込んだ状態で捕獲するので、安価な材料を用いて簡単に蟹を捕獲することができ、また前記餌入り網を例えば紡錘体状に形成することができるので、遠方まで餌入り網を投げることができる。
【0020】また、本発明の蟹捕獲用網は、蟹は自ら袋状網に抱き付いているだけであるから、簡単に網から離脱し、従来のツリー状網のように、蟹が網に絡まって、蟹を網から外すときに蟹が暴れて怪我をしたりする危険性がなく、夜間でも安心して使用できる。
【出願人】 【識別番号】397013883
【氏名又は名称】伊波 孫茂太
【出願日】 平成11年4月28日(1999.4.28)
【代理人】 【識別番号】100093838
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋川 洋二
【公開番号】 特開2000−308436(P2000−308436A)
【公開日】 平成12年11月7日(2000.11.7)
【出願番号】 特願平11−121959