| 【発明の名称】 |
釣り具 |
| 【発明者】 |
【氏名】重藤 秀俊
【氏名】桜田 司
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| 【要約】 |
【課題】優れた殺菌力、脱臭力、防汚力を長期間維持することができる釣り具を提供する。
【解決手段】コマセを握った手で触れる竿、リール等の釣り具の表面に光触媒の膜を形成する。光触媒の粒子12は、水分が存在する環境下で光に当たると水分を分解し、OH-ラジカルを発生させる。このOH-ラジカルが、釣り具付着した細菌、アンモニアやトリメチルアミン等の悪臭及び汚れのもととなる有機物を分解する。このため、細菌を殺す殺菌、においを消す脱臭、汚れを落とす防汚効果を有する釣り具が得られる。また、光触媒の粒子12は、銅や銀等の抗菌物質と異なり、溶け出すものでないので効果を長持ちさせることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に光触媒の膜を形成したことを特徴とする釣り具。 【請求項2】 前記光触媒は、ルチル型結晶の酸化チタン(TiO2)の微粉末を低温溶射法により溶射して、アナターゼ型結晶20〜30重量%及びルチル型結晶70〜80重量%に形成されることを特徴とする請求項1に記載の釣り具。 【請求項3】 前記光触媒は、酸化チタン(TiO2)のアナターゼ型結晶微粒子20〜50重量%及びルチル型結晶微粒子50〜80重量%と、金属微粒子と、吸着剤としてのセラミック微粒子をバインダー中に混入せしめた塗料又は印刷インキを塗布又は印刷することで形成されることを特徴とする請求項1に記載の釣り具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿、リール、ウキ、ルアー、コマセを入れるバッカン、コマセを取り扱うコマセミキサー、コマセ杓、コマセカゴ等の釣り具に関する。 【0002】 【従来の技術】魚釣り時においては、釣竿あるいはリールを取り付けた釣竿を操作しながら、コマセを握ったり、餌の付け替えを行ったり、魚の取り込みを行う。このため、釣竿やリールの表面には、コマセや餌や釣り魚等の有機物が付着・浸透する。この付着した有機物が、腐敗したり、カビを生じるのみならず、腐敗時に発生するアンモニアやトリメチルアミン、イソ吉草酸が異臭を放つという問題があった。この問題の解決策として、釣り人は釣行後に釣り具を洗浄するが、これらの釣り具の表面に付着・浸透した有機物を完全に除去するのは困難であった。 【0003】また、最近は釣り具の構成部品の素材中に銅や銀等の抗菌物質を混入したり、釣り具の表面に銅や銀等の抗菌物質を混入した塗料を塗布したものが提案されている(特開平9−9825号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銅や銀等の抗菌物質は、溶出することで腐敗やカビの発生を抑える抗菌力を発揮するものである。このため、長期間にわたって使用すると溶出する抗菌物質が乏しくなり、抗菌作用を長く維持することができない。また、銅や銀等は、溶出して人体や環境に悪影響を与えるおそれがある。さらに、抗菌物質は菌の繁殖を抑える程度のもので、菌を殺すこと、臭いを消すこと及び汚れを落とすことができず、上述の問題の完全なる解決が図れるものでもなかった。 【0005】そこで、本発明は、優れた殺菌力、脱臭力、防汚力を長期間維持することができる釣り具を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、表面に光触媒の膜を形成したことを特徴とする釣り具(1,8,21,22,51,52)により上述した課題を解決する。 【0007】また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る釣り具において、前記光触媒(12,14)は、ルチル型結晶の酸化チタン(TiO2)の微粉末を低温溶射法により溶射して、アナターゼ型結晶20〜30重量%及びルチル型結晶70〜80重量%に形成されることを特徴とする。 【0008】さらに、請求項3係る発明は、請求項1に記載の釣り具において、前記光触媒(12,14)は、酸化チタン(TiO2)のアナターゼ型結晶微粒子20〜50重量%及びルチル型結晶微粒子50〜80重量%と、金属微粒子と、吸着剤としてのセラミック微粒子をバインダー中に混入せしめた塗料又は印刷インキを塗布又は印刷することで形成されることを特徴とする。 【0009】ここで、本発明の釣り具としては、釣竿、リール、ウキ、ルアー、コマセを入れるバッカン、コマセを取り扱うコマセミキサー、コマセ杓、コマセカゴ等を挙げることができる。光触媒は、オキアミ、コマセ用団子、釣り魚等の有機物が付着し易い部位あるいはこれらをいじった手で握る部位の表面に施される。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態における釣り具の釣竿1を示すものである。この釣竿1は、元竿2と、元竿2の先端に並継ぎや振出し可能に配置される穂先竿3と、元竿2の後部に設けられるグリップ部4とを備える。元竿2及び穂先竿3は、例えばカーボン繊維、ガラス繊維等を含んだ材料で形成される。 【0011】グリップ部4は、元竿2の後部に被せられ、元竿2の後端から前に向かって順次配置される把持部分5、リールシート6を有している。 【0012】把持部分5は、コルク、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等の握り易く手にフィットする材料で作られた筒体であり、その中空内に元竿2が挿入され、接着されている。元竿2と把持部分5の後端は揃えられており、そこには尻栓7が装着されている。 【0013】リールシート6は、固定フードと、緊締筒によって固定フードに向かって進後動する移動フードとを備える。リール8の脚は固定フードと移動フードとの間に挟まれて固定される。 【0014】リール8に巻回された釣り糸9は、ガイド10内を挿通される。釣り糸9には、ウキ21、コマセカゴ22が取り付けられている。 【0015】図2は、釣竿1に取り付けられるリール8を示したものである。リール8は、合成樹脂、アルミ合金、またはステンレス製等で形成される。このリール8は、リール本体31と、ハンドルノブ32と、回転枠33と、スプール34とを備える。ハンドルノブ32を釣り糸の巻き取り方向に回すと、その回転が回転枠33に伝達され、回転枠33上のベールアーム35は、スプール34の周りを回転する。また、ハンドルノブ32の回転はスプール34の往復直線運動に変換され、スプール34がベールアーム35の旋回域内を前後方向に往復運動する。 【0016】釣竿1、ウキ21、コマセカゴ22の表面には、光触媒の膜が形成される。また、リール本体31、ハンドルノブ32、回転枠33及びスプール34の表面にも光触媒の膜が形成される。この光触媒の膜は、低温溶射法により釣竿1等の表面にバインダーなしで付着される場合と、バインダーを含有させた塗料として付着される場合と、光触媒シートに離型紙を付着して使用ならしめる場合とがある。 【0017】図3は、釣竿1の把持部分5を示したものである。把持部分5には、元竿2に挿入するまえに、光触媒、バインダーを含有させた塗料内にどぶ付けするディッピングによって光触媒の膜が形成される。ディッピングによると、把持部分5の表面、すなわち、餌を握った手が触れる部位に確実に光触媒の膜を形成することができる。 【0018】また、リール8は、内部の回転機構に影響を与えないように、各々に分解された状態で、または、必要に応じて目隠しをした状態で塗装または低温溶射される。このリール8の餌を握った手が触れる部位にも、把持部分5と同様に、組み立てる前にディッピングによって光触媒の膜を形成してもよい。 【0019】図4は、低温溶射法により釣竿1等の表面に光触媒を低温溶射法により、付着せしめた状態を示すものであり、例えば融点が2000℃以下である酸化チタン(TiO2)の微粒子(5〜25μm)と、金属の微粒子(1〜10μm)とを酸素、アセチレン等を使用したガス溶射法により約2900〜3000℃で溶融したセラミックスを溶射したものである。溶射した状態では、光触媒の粒子12は、一方の電極として作用する酸化チタン粒子12aとこの酸化チタン粒子12aに坦持された他方の電極として作用する金属の例えば銀粒子12bとからなる。光触媒粒子12は電気化学セルをなし、溶射後は、30〜40μの粒子となり、ガスの高温により溶融しつつアンカー効果により釣竿1等の上に付着する。酸素、アセチレン等を使用するガス溶射による低温溶射法においては、溶融光触媒微粒子を噴射するガストーチと釣竿1等とを相対的に移動させて釣竿1等の表面が50℃以上に上がらないようにして行われる。しかしながら、使用原料の粉体の融点は2000℃以下に制限される。 【0020】一般に、アナターゼ結晶形態の酸化チタン(チタニア)は、強力な光触媒作用を有するが、溶射後の光触媒粒子がすべてアナターゼ結晶を有していると、その分解作用が強すぎて釣竿1等を犯してしまうので実用化できないこととなる。しかしながら、ルチル結晶粒子の粒径、溶射温度、保湿体表面温度及び使用加熱源をそれぞれ5〜25μm、約2900〜3000℃、40〜50℃及びガスに調整選択することにより、アナターゼ結晶20〜30%の膜を形成することができる。すなわち、アナターゼとルチルとの変態点である約750℃を越えれば結晶は全てルチル型結晶になるが、上述の低温溶射法によれば、全てルチル結晶の粒子を準備してこれを溶射しても、溶射後に20〜30%のアナターゼ結晶が生成され、残りがルチル結晶となる。種々の実験によれば、溶射後のアナターゼ対ルチルの重量比は1:3が好適であることがX線分析の結果判明した。 【0021】また、光触媒粒子12にアパタイト、ゼオライト、活性炭等の菌、有害物質、臭い等を吸着する吸着材料13を混合して溶射すれば、釣竿1等を犯さないようにアナターゼ結晶の量を調整することによって光触媒作用が弱められた点が補強される。 【0022】すなわち、溶射後のハイドロキシアパタイトは、雰囲気中の菌、有害物質、臭い等の処理対象を吸着保持し、この吸着保持した処理対象を20〜30重量%のアナターゼ結晶を有する光触媒粒子12が分解するので、光触媒作用が補強されることとなる。光触媒作用を強めるためには、粒子が対象物に触れる接触面積を増やす必要があるが、低温溶射法によれば、プラズマ溶射に比較して粒子が細かく表面積の大なる膜が形成されるので好ましい。 【0023】光半導体粉末としては、TiO2の他、CdS、CdSe、WO3、Fe2O3、SrTiO3、KNbO3等を挙げることができる。電極を形成する金属粉末としては、銀の他、金、白金、銅等の種々の金属粉末を用いることができる。光触媒としての金属粉末には、光触媒が本来的な機能を発揮するための不可欠な要素の一つとして水分が要求されるため、水の存在下で経時変化がなく安定していることが必要となることから、前記の金属粉末の中でも白金が最も好ましいが、経済性を考慮し、更に前記特性を具備しており、無毒でそれ自体も殺菌性を有しているため銀が好ましい。また、電極としては、必ずしも金属には限定されず、これら金属の代わりに例えば、ケイ素Siが使用可能であることが判明し、このケイ素電極によっても電子の移動が生じる。銀、金、白金等は価格が高くケイ素の使用は経済的に大きな効果を果たすものである。 【0024】前記吸着材料13は、細菌、ウィルス、かびのほか、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸着、保持するためのものである。かかる吸着材料13としては、アパタイト(リン灰石)、ゼオライト又はセピオライト等のセラミック粉末、活性炭及び絹繊維含有物によりなる群から選ばれる1以上を上げることができ、これらは必要に応じて2以上を組み合わせて用いることができる。ここでアパタイトとしては、細菌、ウィルス、かび等の蛋白質を選択的に吸着するハイドロキシアパタイト[Ca10(PO4)6(OH)2]が好ましい。また、絹繊維含有物としては、絹繊維粉末のほか、顆粒状に成形したものやゲル状物等も含まれる。これらの吸着材料(絹繊維含有物は粉末の場合)の粒径はより大きな表面積を確保するとともに、良好な被着作業性を考慮すると0.001〜1.0μmが好ましく、特に0.01〜0.05μmが好ましい。光半導体粉末と吸着材料の混合割合は、殺菌、脱臭作用等を好適に発揮するためには、光半導体粉末100重量部に対して吸着材料13が1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重量部が好ましい。 【0025】ハイドロキシアパタイトを混合した溶射皮膜の原料は、1例としてTiO280重量%、Ag10重量%、ハイドロキシアパタイト10重量%が好適である。 【0026】図5は、光触媒粒子14がバインダーを含有させた塗料として付着された被膜状態を示すものであり、前記光触媒粒子14は酸化チタン粒子14aとこれに坦持された銀粒子14bとからなる。光触媒粒子14は、図4に示した低温溶射法の場合の粒子と同一構造とすることができる。すなわち、金属電極としてはケイ素Siも使用可能である。 【0027】なお、これら光触媒粒子14は吸着剤としてのハイドロキシアパタイト15に被覆され、更にバインダー16によって保湿体の表面に付着されている。 【0028】全てがアナターゼ結晶形態の酸化チタン(TiO2)はその酸化力が極端に強く釣竿1等をぼろぼろにしてしまうので、塗料においても、原料である酸化チタン粒子のアナターゼとルチルの重量比は20〜50%:50〜80%が好ましく、アナターゼがこれ以下の比率だと光触媒作用が弱いし、これ以上の比率だと光触媒作用が強すぎてバインダー16を分解して塗料がすぐに剥がれてしまうこととなる。特にアナターゼ対ルチルとの重量比が約3対7が最も好ましい。 【0029】塗料は、光半導体粉末、金属粉末及び吸着材料に加えて、少なくともバインダー16としての塗膜形成成分及び分散剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含有するものである。 【0030】塗膜形成成分としては、セルロース誘導体、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エマルジョン、水溶性樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。分散剤としては、石油系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、セルソルブ系溶剤、水等を挙げることができる。なお、粉体塗料にする場合には、分散剤としての溶剤は不要となる。また、その他の成分としては、顔料、例えば、二酸化チタン、黄鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、ハンザイエロー、ノバパームオレンジ、キナクリドンバイオレット、銅フタロシアニン等の有機顔料、沈降性炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、ホワイトカーボン等の体質顔料、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等の防食顔料に代表される特殊機能顔料等を挙げることができる。更に、上記成分以外にも、補助材料として、塗膜乾燥促進性の付与を目的とする乾燥剤、顔料分散剤、フラッディング防止剤、顔料沈降防止剤、塗料の流動性の調節を目的とする増粘剤、チキソトロピック剤、たれ止め剤、塗面の調整を目的とするレベリング剤、泡消し剤、はじき防止剤、フローティング防止剤のほか、可塑剤、皮張り防止剤、静電塗装助剤、すり傷防止剤、ブロッキング防止剤、紫外線防止剤、防染剤、防腐剤、防かび剤等を配合することができる。これらの各成分の配合割合には特別なものはなく、通常販売されている塗料と同じ配合割合を適用することができる。 【0031】塗料における光半導体粉末、金属粉末及び吸着材料の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を発揮し、適度な塗装性を確保するため、塗料全量中3〜55重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。 【0032】なお、光半導体粉末及び金属粉末(Ag)対吸着材料(ハイドロキシアパタイト)の重量比は、70〜80重量%対10〜20重量%が好適である。 【0033】このような塗料の塗装方法は特に制限されるものではなく、刷毛塗り、エアスプレー塗装、静電塗装、粉体塗装、電着塗装、カーテンフロー塗装、ロール塗装等の方法を適用することができる。 【0034】本件出願人が使用している塗料の成分割合は以下の通りである。 1)アクリルラッカー塗料【0035】 【表1】
【0036】2)液ウレタン塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分70%。 【0037】 【表2】
【0038】塗工の際には、主剤:硬化剤4:1にて混合。 3)焼付アクリル塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分70%。 【0039】 【表3】
【0040】4)水性アクリル塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒50%、バインダー固形分50%。 【0041】 【表4】
【0042】次に、一定の寸法の光触媒シートに離型紙を付着して使用ならしめる場合について説明する。例えば、図6に示すように、シート状基材としてのポリエステル不織布40等に低温溶射法、塗料または印刷インキにより光触媒皮膜41を形成し、この裏側に粘着剤42を有する離型紙43を貼付け、現場で離型紙43を剥がして釣り具に貼り付けたりする。基材としてはPET不織布のみならず、例えば、100μ程度の厚さのステンレス板でもよい。 【0043】シート状基材上に光触媒膜を形成する方法としては、上述のように、低温溶射法、塗料として付着する方法、印刷により形成する方法があるが、低温溶射法の場合は、バインダーが不要であり、アパタイトのように吸着剤を混合する場合もあるし、混合しない場合もある。塗料あるいは印刷インキの場合は、バインダーが必要となるので、光触媒粒子がバインダー中に埋もれて処理対象に接する光触媒粒子が小さくなるので、触媒作用がバインダーなしの低温溶射法に比較して弱くなる。したがって、その弱点を補うためにアパタイト等の吸着剤が必要となる。 【0044】低温溶射法及び塗料によって、シート状基材上に光触媒膜を形成する場合については上述の説明の通りであるので、ここでは、印刷によって光触媒膜を形成する場合について説明する。印刷インキは、光半導体粉末、金属粉末及び吸着材料に加えて、少なくとも色料及びバインダー16(図5参照)としてのビヒクルを含有し、必要に応じてその他の成分を含有するものである。 【0045】色料としては、一般に印刷インキの色料として用いるもの、例えば、無機顔料、有機顔料のほか、油溶染料、分散染料等の染料を上げることができる。ビヒクルとしては、油、例えばアマニ油等の乾性油、大豆油等の半乾性油、ヒマシ油等の不乾性油を挙げることができ、樹脂、例えば、ロジン、変性ロジン、ギルソナイト等の天然樹脂又は天然樹脂誘導体、フェノール樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、環化ゴム、セルロース誘導体、反応性樹脂をあげることができ、そのほかにも可塑剤を挙げることができる。また、その他の成分としては、天然ロウ又は合成ロウのロウ成分、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、橋かけ剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、つや消し剤、消泡剤、色分かれ防止剤、光重合開始剤、かび防止剤等を挙げることができる。これらの各成分の配合割合には特別なものはなく、通常市販されている印刷インキと同じ配合割合を適用することができる。 【0046】印刷インキにおける光半導体粉末、金属粉末及び吸着材料の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を発揮し、適度な印刷性を確保するため、印刷インキ全量中3〜55重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。 【0047】このような印刷インキの形態及び種類は特に制限されるものではなく、ペーストインキ、ソルベントインキ又は無溶剤インキとし、それらを平版印刷インキ、凸版印刷インキ、グラビア印刷インキ、スクリーン印刷インキ、凹版印刷インキ、特殊印刷インキとして適用することができる。これらの中でも本発明の目的を最も効果的に達成するためには、紙用スクリーンインキ、プラスチック用スクリーンインキ、ガラス用スクリーンインキ、布地用スクリーンインキ等のスクリーン印刷用インキが好ましい。 【0048】一般に、光触媒は非溶出系であり、光半導体粉末に坦持される金属は電極として作用し、それが液中に溶出して殺菌するわけではなく、水の存在下で発生するOH-ラジカルにより殺菌効果を発揮するものである。これに対して、従来の溶出系抗菌剤、例えば、抗菌性を有する銀、銅、亜鉛等の金属を坦持したゼオライトからなる抗菌剤とバインダーとの混合物を必要個所に塗布し乾燥したようなものは、図7に示すように前記金属が直ちに液中に溶出して即効性を示すが、短時間でその効果は減少し、しかも金属が溶出した部分が細菌の巣となり却って害を及ぼすこととなる。 【0049】本発明の光触媒機能体は、図7に示すように、即効性については、従来の抗菌剤より劣る場合があるが、非溶出型であるため、殆ど、液中に溶け出すことはなく、その効果が長時間持続することとなる。 【0050】したがって、従来の抗菌剤、例えば、抗菌作用を有する金属イオン(Ag、Cu、Zn)を坦持したゼオライト微粒子を光触媒粒子(TiO2+Ag)と混合させて低温溶射するとか、前記従来の金属イオンを坦持したゼオライト微粒子をバインダー中に混合して印刷インキ又は塗料として使用すれば、即効性があり、かつ持続性のある抗菌、殺菌剤とすることができる。 【0051】次に、光触媒使用時に対象物によっては、光触媒作用の強弱をコントロールする必要がある場合があるが、光触媒機能を弱める因子としては、各種金属イオン又は高級脂肪酸がある。すなわち、処理液中に銀イオン等の金属イオンを投入したり、金属イオンが電離しているミネラル水等を注入すると光触媒機能が減少する。 【0052】逆に、光触媒機能を強める因子としては、過酸化水素(H2O2)、オゾン(O3)及び紫外線が存在する。処理対象にこれらの因子を加えるとラジカル(OH-)が加速度的に発生して触媒作用を著しく強化せしめる。すなわち、H2O2又はO3を処理対象に1%〜数ppm加えるのみで光触媒作用が加速する。また、H2O2又はO3を発生させる物質を光触媒とともに、処理対象内に設けても良い。例えば、PbO2や貴金属若しくは貴金属酸化物(これらは通常溶出しない)を陽分極し、表面上でH2O2、O3を発生させれば、処理対象に強い光触媒作用を与えることができる。 【0053】更に、溶射又は塗料、インクの形態の光触媒に石こう粒子(CaSO4)を混合させた皮膜を形成すると、エチレンガス(C2H4)の分解に有効である。 【0054】なお、光触媒の場合、基材が金属板である場合には電極としての金属は必ずしも必要でない。 【0055】次に、上述のように構成した釣竿1、リール8等釣り具の作用について説明する。コマセを握ったり、餌の付け替えを行ったり、魚の取り込みを行った手で、釣竿1、リール8等を握ると、釣竿1、リール8等の表面には、コマセや餌や釣り魚等の有機物が付着する。光触媒の粒子12は、水分が存在する環境下で光に当たると水分を分解し、OH-ラジカルを発生させる。このOH-ラジカルは強い酸化力を有するので、釣り具に付着した細菌、アンモニアやトリメチルアミン等の悪臭及び汚れのもととなる有機物を酸化分解する。このため、菌を殺す殺菌、においを消す脱臭、汚れを落とす防汚効果を有する釣り具が得られる。 【0056】図8は、本発明の第2の実施形態における釣り具のコマセを入れるバッカン51、コマセを掬うコマセ杓52を示したものである。バッカン51、コマセ杓52、コマセを扱うコマセミキサー(図示せず)には、コマセとなるオキアミやアミなどによって、特に強い臭いが付着し、水で洗浄しても汚れが落ちにくい。バッカン51の表裏面、コマセ杓52、コマセミキサーの全体に上述の低温溶射法、またはバインダーを用いた塗装等によって光触媒の膜を形成することによって、これらの釣り具に殺菌、消臭、防汚効果を持たせることができる。 【0057】 【発明の効果】以上に説明したように、請求項1の発明によれば、釣り具の表面に光触媒の膜を形成したので、釣り具に付着した細菌、アンモニアやトリメチルアミン等の悪臭及び汚れのもととなる有機物はOH-ラジカルによって分解される。このため、脱臭、抗菌、防汚効果を有する釣り具が得られる。また、光触媒は、溶け出すことがないのでこれらの効果を長持ちさせることができる。 【0058】また、請求項2の発明によれば、前記光触媒がルチル型結晶の酸化チタン(TiO2)の微粉末を低温溶射法により溶射して、アナターゼ型結晶20〜30重量%及びルチル型結晶70〜80重量%に形成されるので、光触媒の粒子が釣り具を分解して犯すことなく、良好な殺菌、脱臭、防汚効果を有する釣り具が得られる。 【0059】さらに、請求項3に係る発明によれば、前記光触媒が酸化チタン(TiO2)のアナターゼ型結晶微粒子20〜50重量%及びルチル型結晶微粒子50〜80重量%と、金属微粒子と、吸着剤としてのセラミック微粒子をバインダー中に混入せしめた塗料又は印刷インキを塗布又は印刷することで形成されるので、光触媒の粒子が釣り具を分解して犯すことなく、良好な殺菌、脱臭、防汚効果を有する釣り具が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006943 【氏名又は名称】リョービ株式会社 【識別番号】000146571 【氏名又は名称】株式会社信州セラミックス
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| 【出願日】 |
平成11年4月13日(1999.4.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083839 【弁理士】 【氏名又は名称】石川 泰男
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| 【公開番号】 |
特開2000−295944(P2000−295944A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月24日(2000.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−104977 |
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