| 【発明の名称】 |
ルアー |
| 【発明者】 |
【氏名】稲田 博史
【氏名】▲台▼田 望
【氏名】三木 智宏
【氏名】坪井 均
【氏名】今井 貴也
|
| 【要約】 |
【課題】視覚的に小型化を図ることによって、低活性時の魚の捕食性を高め、しかも、十分な飛距離及び潜行深度を得ることが可能なルアーを提供する。
【解決手段】ルアーA、B、Cは、ルアー本体1、11、21と、その前方に設けられたリップ4、14、24とを有している。ルアー本体1、11、21は、疑餌表面2a、12a、22aを有する疑餌成形体2、12、22と、その後部に、疑餌成形体の長さの少なくとも4分の1の長さをもって後方に向かって突出した疑餌表面を有さない突出部3、13、23とから構成されている。突出部3、13、23は、透明又は半透明であってもよく、また、弾性変形可能であってもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ルアー本体と、前記ルアー本体の前方に設けられたリップとを有するルアーにおいて、前記ルアー本体が、疑餌表面を有する疑餌成形体と、前記疑餌成形体の後部に、前記疑餌成形体の長さの少なくとも4分の1の長さをもって後方に向かって突出した疑餌表面を有さない突出部とから構成されていることを特徴とするルアー。 【請求項2】 前記突出部が透明又は半透明であることを特徴とする請求項1に記載のルアー。 【請求項3】 前記突出部が弾性変形可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のルアー。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ルアー、特に、クランクベイト等に代表されるリップを有するディープダイビンクルアーに関する。 【0002】 【従来の技術】通常、魚は、その活性が低い場合には、大型の餌よりも小型の餌を捕食する傾向がある。このことに鑑み、ルアー釣りにおいて、このような低活性時には、大型のルアーよりもむしろ、小型のルアーを使用することによって、捕食性を高めることが望ましい。 【0003】クランクベイト等のディープダイビングルアーにおいて、ルアーの潜行深度は、ルアー本体の全長と、リップの長さとによって大きな影響を受ける。また、ルアーのキャスティング性は、その重量によって大きな影響を受け、ルアーの重量を増加すれば、キャスティング性が向上し、ルアーを容易且つ確実に目標着水ポイントにキャストでき、しかも、十分な飛距離が得られる。 【0004】このような事実に鑑みて、開発され使用されているディープダイビング型の従来のルアーを、図6及び図7を参照しながら以下に説明する。従来のルアーDは、図6及び図7に示すように、ルアー本体31と、リップ34と、一対のトレブルフック36、37とから構成されている。ルアー本体31は、その全体に亘って、小魚を模倣した模様や、様々な色彩パターンを施すことによって得られる疑餌表面31aを有している。リップ34は、ルアー本体31の前方に取り付けられており、リップ34の上面には、釣糸を連結するためのアイ35が設けられている。トレブルフック36、37は、ルアー本体31の下面側における前方及び後方の部分に、スプリットリング38、39を介してそれぞれ取り付けられている。ここで、リップ34が、透明又は半透明な場合には、疑餌表面31aを有するルアー本体31そのものの大きさを有する餌として魚に認識され、一方、リップ34が不透明な場合には、上記ルアー本体31及びリップ34の結合体としての大きさを有する餌として魚に認識されると思われる。 【0005】従って、上述した構造を有する従来のルアーDにおいて、十分な潜行深度が得られ、且つ、キャスティング性に優れたディープダイビングルアーを得ようとすれば、ルアー本体31及びリップ34のそれぞれの長さを長くして、ルアー全体を大型化する必要があり、その結果、上述したように低活性時に捕食性を高めるためのルアーとしては不適切なものになる傾向があった。 【0006】一方、ルアーの動きを改善することによって、低活性時の捕食性をある程度高めることができる。このようなルアーの動きの改善に関して、実開平4−16559号公報(以下、「先行技術」という)は、ルアー本体の前方のみならず、その後方にもリップを有するルアーを開示している。先行技術のルアーによれば、ルアーの遠投性能を高めるためにその重量を著しく増加させても、ルアー本体の後方に設けられたリップによって、ルアーの動きが改善され、これにより、実際の小魚のような軽快で機敏な動作を模倣できる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技術においては、ルアーの大きさに拘わらず、その動きの改善はある程度確保されるが、先行技術の開示範囲内において、十分な潜行深度が得られ、且つ、キャスティング性に優れたディープダイビングルアーを得ようとすれば、ルアー全体の大型化を余儀なくされ、その結果、低活性時に捕食性を高めるためのルアーとしては不適切なものになる。 【0008】本発明の目的は、視覚的に小型化を図ることによって、低活性時の魚の捕食性を高め、しかも、十分な飛距離及び潜行深度を得ることが可能なルアーを提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、請求項1の本発明は、ルアー本体(1、11、21)と、前記ルアー本体の前方に設けられたリップ(4、14、24)とを有するルアーにおいて、前記ルアー本体(1、11、21)が、疑餌表面(2a、12a、22a)を有する疑餌成形体(2、12、22)と、前記疑餌成形体の後部に、前記疑餌成形体の長さの少なくとも4分の1の長さをもって後方に向かって突出した疑餌表面を有さない突出部(3、13、23)とから構成されていることを特徴とする。 【0010】請求項2の本発明は、請求項1のルアーにおいて、前記突出部(3、13、23)が透明又は半透明であることを特徴とする。 【0011】請求項3の本発明は、請求項1又は請求項2のルアーにおいて、前記突出部(13)が弾性変形可能であることを特徴とする。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態に係るルアーを、図1及び図2を参照して以下に説明する。このルアーAは、クランクベイトとして構成されたもので、ルアー本体1と、リップ4と、一対のトレブルフック6、7とから構成されている。 【0013】ルアー本体1は、疑餌成形体2と、この疑餌成形体2の後端に設けられた突出部3とから構成されている。疑餌成形体2は、木材、金属、合成樹脂等からほぼ卵形に成形されたもので、その全体に亘って、小魚を模倣した模様や、様々な色彩パターンを施すことによって得られる疑餌表面2aを有している。疑餌成形体2の内部には、ルアーAの重心を調整するための錘が配置されている。勿論、この錘は、ルアーAの飛行姿勢を安定させて、飛行距離を長くするために、疑餌成形体内を移動可能にしてもよく、また、この錘によって、集魚効果を有する音、所謂、ラトルサウンドを発生させることもできる。 【0014】突出部3は、不透明な合成樹脂から薄板状に形成され、疑餌成形体2の後端からほぼ水平方向に後方側に向かって伸びている。この突出部3は、疑餌成形体2の長さの少なくとも4分の1の長さを有している。この突出部3は、これが薄板状に形成されることに起因して、後述するように視覚的に捉えにくいという特性を有しており、この特性は、視覚的な面におけるルアー本体1の小型化するという効果をもたらす。突出部3の長さが疑餌成形体2の長さの4分の1未満であると、上述した効果を十分に発揮することができないことに鑑み、突出部3の長さは上述したように限定されている。 【0015】また、突出部3は、疑餌表面を有しておらず、そして、実質的に弾性変形が不可能な程度の剛性を有している。尚、この突出部3がこのような剛性を有することを条件として、その厚さを極力小さくすることが望ましい。このように、突出部3の厚さを薄くすれば、突出部3を視覚的に更に捉えにくくなり、低活性時の捕食性を高める効果を効果的に発揮できる。 【0016】上述したように、ルアー本体1は、疑餌成形体2と突出部3とから構成されているが、疑餌成形体2は疑餌表面2aを有する反面、突出部3は薄板状に形成されているため、魚には疑餌成形体2は認識されるものの、突出部3は認識され難い。従って、ルアー本体1の全長は、図1及び図2に示すように、疑餌成形体2の長さL1及び突出部3の長さL2の合計によって表されるが、視覚的に具現する部分は、上述した長さL1を有する疑餌成形体2のみである。 【0017】リップ4は、透明な合成樹脂から成形されたもので、疑餌成形体2の先端に設けられている。このリップ4の上面には釣糸を連結するためのアイ5が設けられている。このリップ4の長さは、潜行限界深度に応じて予め決定される。 【0018】前方のトレブルフック6は、スプリットリング8を介して疑餌成形体2の下面中央部に取り付けられており、一方、後方のトレブルフック7は、スプリットリング9を介して突出部3の下面後端部に取り付けられている。 【0019】上述したルアーAの変形例として、突出部3を透明な合成樹脂から成形してもよい。このような透明な合成樹脂として、例えば、シリコーン樹脂、フッ化エチレンプロピレン樹脂、アクリル樹脂等が使用される。これにより、突出部3がより一層視覚的に認識され難くなり、視覚的な面におけるルアー本体1の小型化が確保でき、低活性時における捕食性の更なる向上効果を期待できる。特に、フッ化エチレンプロピレン樹脂は、1.338という屈折率を有しており、これは水の屈折率である1.33に極めて近いため、突出部3をフッ化エチレンプロピレン樹脂で形成すれば、水中における視認性を著しく低下させることができる。 【0020】また、上述したルアーAの更なる変形例として、突出部3を弾性変形可能な材料から形成してもよい。この場合、対象魚がルアーの後方から、即ち、突出部3側から食いついた場合に、突出部3が変形して、後方のトレブルフック7へのフッキングが容易に行なわれ、従って、フッキング率が向上する。 【0021】次に、本発明の第2実施形態に係るルアーを、図3を参照して以下に説明する。このルアーBは、突出部13が弾性変形可能であること、及び、後方のトレブルフック17の取り付け位置が異なることを除き、上述したルアーAと同一である。従って、同一の構成要素についての説明を省略する。尚、図3において、符号11乃至19を付した構成要素は、図1において、符号1乃至9を付した構成要素にそれぞれ対応する。 【0022】突出部13は、弾性変形可能な合成樹脂から成形されている。従って、第1実施形態と異なり、後方のトレブルフック17は、突出部13ではなく、疑餌成形体12の下面後端部に取り付けられている。 【0023】このように、突出部13を弾性変形可能にすることにより、対象魚がルアーBの後方から、即ち、突出部13側から食いついた場合に、突出部13が変形して、後方のトレブルフック17へのフッキングが容易に行なわれ、従って、フッキング率が向上する。 【0024】次に、本発明の第3実施形態に係るルアーを、図4及び図5を参照して以下に説明する。このルアーCは、突出部23が異なる形状を有していることを除き、上述したルアーAと同一である。従って、同一の構成要素についての説明を省略する。尚、図4及び図5において、符号21乃至29を付した構成要素は、図1及び図2において、符号1乃至9を付した構成要素にそれぞれ対応する。 【0025】突出部23は、透明な合成樹脂からほぼ円錐形状に成形されたもので、疑餌成形体22の後端部に、これと連続した湾曲面を形成するように設けられている。即ち、第3実施形態においては、ルアー本体21の形状そのものは、図6及び図7に示した従来のルアーDにおけるルアー本体31の形状と同一である。但し、このルアー本体21においては、疑餌表面22aを有する疑餌成形体2は視覚的に容易に認識可能であるが、突出部23は透明であるため、その視認性は著しく低い。換言すれば、ルアー本体21の全長は、図4及び図5に示すように、疑餌成形体22の長さL1及び突出部23の長さL2の合計によって表されるが、視覚的に具現する部分は、上述した長さL1を有する疑餌成形体22のみである。 【0026】突出部23を形成するための透明な合成樹脂として、上述したルアーAの変形例におけると同様のシリコーン樹脂、フッ化エチレンプロピレン樹脂、アクリル樹脂等が使用される。 【0027】尚、上述した第3実施形態において、突出部23を、本発明の第2実施形態におけると同様に、弾性変形可能に構成することもできる。また、第3実施形態においては、図4に示すように、後方のトレブルフック27は、突出部23の後端に取り付けられているが、図3に示した第2実施形態におけると同様に、後方のトレブルフック27を、疑餌成形体22の後端部に取り付けてもよい。 【0028】次に、本発明のルアーの実施例を以下に説明する。 【0029】先ず、図1及び図2に示した第1実施形態に係るルアーAに基づいて、大きさの異なる3種類のルアー(以下、それぞれ「本発明供試体No.1乃至No.3」という)を準備した。本発明供試体No.1乃至No.3の各々についての、疑餌成形体の長さL1、突出部の長さL2及びその合計値(即ち、ルアー本体の全長)L1+L2を表1に示す。 【0030】 【表1】
【0031】表1から明らかなように、本発明供試体No.1乃至No.3について、疑餌成形体の長さL1は相互に同一の4cmであったが、突出部の長さL2は、1cm、2cm、3cmとそれぞれ異なり、従って、ルアー本体の全長L1+L2も相互に異なっていた。 【0032】本発明供試体No.1乃至No.3の各々について、潜行テストを行い、その潜行深度を測定した。その測定値を表1に併せて示す。表1から明らかなように、本発明供試体No.1乃至No.3の潜行深度は、それぞれ、3.0m、3.7m、4.3mであった。 【0033】このことから、ルアー本体の全長L1+L2と潜行深度とは相関関係を有しており、ルアー本体の全長L1+L2を増加させるに従って、潜行深度も増加することが理解される。 【0034】一方、比較のために、図6及び図7に示した従来のルアーDに基づいて、大きさの異なる4種類のルアー(以下、それぞれ「比較用供試体No.1乃至No.4」という)を準備した。比較用供試体No.1乃至No.4の各々のルアー本体の長さL1を表2に併せて示す。 【0035】 【表2】
【0036】表2から明らかなように、比較用供試体No.1乃至No.4について、疑餌成形体の長さL1は、4cm、5cm、6cm、7cmと相互に異なっていた。比較用供試体No.1乃至No.4は、本発明供試体No.1乃至No.3と異なり、突出部を有しておらず、その長さは零である。従って、疑餌成形体の長さL1は、ルアー本体の全長L1+L2に一致する。 【0037】比較用供試体No.1乃至No.4の各々について、潜行テストを行い、その潜行深度を測定した。その測定値を表2に併せて示す。表2から明らかなように、比較用供試体No.1乃至No.4の潜行深度は、それぞれ、2.3m、3.0m、3.7m、4.3mであった。このことは、ルアー本体の全長を増加させるに従って、潜行深度も増加するという上述した傾向を示している。 【0038】表1及び表2に示すように、本発明供試体No.1乃至No.3におけるルアー本体の長さは、比較用供試体No.2乃至No.4におけるルアー本体の長さとそれぞれ同一であり、前者の3種類の供試体と後者の3種類の供試体についての潜行深度は同一であった。 【0039】ここで重要な点は、本発明供試体No.1乃至No.3においては、ルアー本体の長さは、それぞれ、5cm、6cm、7cmであるが、魚に認識され易い疑餌表面を有する疑餌成形体の長さL1はすべて4cmであり、一方、L2の長さの突出部は疑餌表面を有することなく、薄板状に形成され、その結果、魚に認識され難いことである。従って、本発明供試体No.1乃至No.3によれば、比較用供試体No.2乃至No.4と同一の潜行深度が得られるが、これら本発明供試体No.1乃至No.3においては、ルアー本体の全長L1+L2に対する疑餌成形体の長さL1の比率、即ち、4/5、4/6、4/7の割合で視覚的に認識可能な範囲において、ルアーの小型化が図れる。これにより、低活性時における魚の捕食性を向上させることが期待される。 【0040】また、突出部の長さL2を3cmに不変的に設定した状態で、疑餌成形体の長さL1を徐々に増加させたところ、潜行深度も徐々に増加した。 【0041】従って、疑餌成形体の長さL1又は突出部の長さL2を増加させれば、潜行深度も増加するという事実に鑑み、疑餌成形体の長さL1を小さくして、視覚的に認識可能な範囲において、ルアーの小型化を図り、一方、突出部の長さL2を大きくすることによって、深い潜行深度を確保でき、低活性時に深い領域で使用するのに適したルアーが得られることが認識された。 【0042】上述した結果から、特に、対象魚に対して、餌である小魚としてのアピール度を増加させることに鑑み、疑餌成形体の長さL1を1cmから5cmの範囲内に維持し、そして、ルアー本体の全長L1+L2を7cmから15cmの範囲内に維持することが望ましいことが認識された。尚、疑餌成形体2の長さL1と突出部3の長さL2との合計が15cmを超えると、水中での引張り抵抗が著しく増加して、実用的でないことが認識された。上述した望ましい範囲の条件に加えて、突出部の長さL2を3cm以上に設定すれば、上述したように視覚的に認識可能な範囲においてルアーの小型化を図る一方、4m以上の潜行深度を確保することができ、しかも、水中での引張り抵抗を極端に増加させることがなく、低活性時に4m以上の比較的深い領域をトレースするルアーとして好適であることも認識された。 【0043】また、本発明の第2及び第3実施形態に係るルアーB及びCに基づいて、上述と同様の供試体を準備し、これについて潜行テストを行なったところ、本発明供試体No.1乃至No.3と同様の結果がもたらされた。 【0044】 【発明の効果】請求項1に記載した本発明によれば、ルアー本体が、疑餌表面を有する疑餌成形体と、疑餌成形体の後部に、疑餌成形体の長さの少なくとも4分の1の長さをもって後方に向かって突出した疑餌表面を有さない突出部とから構成されているので、視覚的に小型化を図ることによって、低活性時の魚の捕食性を高めることができ、しかも、十分な飛距離及び潜行深度を得ることができる。 【0045】請求項2に記載したように、請求項1のルアーにおいて、突出部を透明又は半透明にすれば、突出部を視覚的に更に認識し難くなり、ルアーの視覚的な小型化が確実になされる。 【0046】請求項3に記載したように、請求項1又は請求項2のルアーにおいて、突出部を弾性変形可能にすれば、対象魚がルアーの後方から食いついた場合に、突出部が変形して、フッキングが容易に行なわれ、従って、フッキング率が向上する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006943 【氏名又は名称】リョービ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年4月14日(1999.4.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083839 【弁理士】 【氏名又は名称】石川 泰男
|
| 【公開番号】 |
特開2000−295942(P2000−295942A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月24日(2000.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−106454 |
|