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【発明の名称】 魚釣り用スピニングリール
【発明者】 【氏名】岡田 厚人

【要約】 【課題】スプールシャフトに対するスプールのガタを最小限に抑制して、スプールの円滑且つ安定した回転を実現することが可能な魚釣り用スピニングリールを提供する。

【解決手段】スピニングリールは、スプールシャフト8と、これに取り付けられるスプールS1、S2、S3、S4、S5、S6と、中央部をスプールシャフト8が貫通した状態で積層されたドラグワッシャWa、Wb、Wc、Wdを有し、スプールシャフト8の先端に設けられたドラグ機構D1、D2とを有している。ドラグワッシャWa、Wb、Wc、Wdのうちの何れか1枚のドラグワッシャ、または、スプールS1、S2、S3、S4、S5、S6が、ドラグワッシャWa、Wb、Wc、Wdを貫通し、スプールシャフト8に嵌合可能な筒状部9f、Wc1x、Wbx、Waxを備えている。筒状部9f、Wc1x、Wbx、Waxは、ドラグワッシャWa、Wb、Wc、Wdの積層厚さに実質的に対応する長さを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スプールシャフトと、前記スプールシャフトに取り付けられるスプールと、中央部を前記スプールシャフトが貫通した状態で積層された複数枚のドラグワッシャを有し、前記スプールシャフトの先端に設けられたドラグ機構とを具備した魚釣り用スピニングリールにおいて、前記複数枚のドラグワッシャのうちの何れか1枚のドラグワッシャ、または、前記スプールが、前記スプールシャフトに嵌合可能な筒状部を備えており、前記筒状部は、前記複数枚のドラグワッシャを貫通し、そして、その積層厚さに実質的に対応する長さを有していることを特徴とする魚釣り用スピニングリール。
【請求項2】 前記筒状部が前記スプールに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項3】 前記筒状部が前記複数枚のドラグワッシャのうちの前記何れか1枚のドラグワッシャに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣り用スピニングリール。
【請求項4】 前記ドラグ機構のドラグノブが、前記スプールの先端よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の魚釣り用スピニングリール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚釣り用スピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、魚釣り用スピニングリールは、例えば、実公昭60−778号公報に開示されているように、スプールシャフトと、このスプールシャフトに取り付けられるスプールと、中央部を上記スプールシャフトが貫通した状態で積層された複数枚のドラグワッシャを有し、スプールシャフトの先端に設けられたドラグ機構とを具備している(以下、「先行技術」という)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技術において、スプールシャフトへのスプールの嵌合長さが短いため、スプールシャフトに対するスプールのガタが大きい。特に、ドラグ機構における締付け力を小さく設定した場合には、スプールのガタは顕著に生ずる。
【0004】しかも、ドラグ機構における設定値を超える力で釣糸が繰り出され、これに伴ってスプールが回転する際に、スプールシャフトへのスプールの嵌合部に無理な力が作用し易く、その結果、嵌合部の摩耗、焼付きが発生し易い。
【0005】本発明の目的は、スプールシャフトに対するスプールのガタを最小限に抑制して、スプールの円滑且つ安定した回転を実現し、スプールシャフトへのスプールの嵌合部の摩耗、焼付きを防止することが可能な魚釣り用スピニングリールを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1の発明は、スプールシャフト(8)と、前記スプールシャフト(8)に取り付けられるスプール(S1、S2、S3、S4、S5、S6)と、中央部を前記スプールシャフト(8)が貫通した状態で積層された複数枚のドラグワッシャ(Wa、Wb、Wc、Wd)を有し、前記スプールシャフト(8)の先端に設けられたドラグ機構(D1、D2)とを具備した魚釣り用スピニングリールにおいて、前記複数枚のドラグワッシャ(Wa、Wb、Wc、Wd)のうちの何れか1枚のドラグワッシャ、または、前記スプール(S1、S2、S3、S4、S5、S6)が、前記複数枚のドラグワッシャ(Wa、Wb、Wc、Wd)を貫通し、前記スプールシャフト(8)に嵌合可能な筒状部(9f、Wc1x、Wbx、Wax)を備えており、前記筒状部(9f、Wc1x、Wbx、Wax)は、前記複数枚のドラグワッシャ(Wa、Wb、Wc、Wd)の積層厚さに実質的に対応する長さを有していることを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の魚釣り用スピニングリールにおいて、前記筒状部(9f)が前記スプール(S1、S2、S3、S6)に設けられていることを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の魚釣り用スピニングリールにおいて、前記筒状部(Wc1x、Wbx、Wax)が前記複数枚のドラグワッシャ(Wa、Wb、Wc、Wd)のうちの前記何れか1枚のドラグワッシャに設けられていることを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1つの魚釣り用スピニングリールにおいて、前記ドラグ機構(D2)のドラグノブ(14)が、前記スプール(S2)の先端よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の魚釣り用スピニングリール。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して本発明の第1実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE1を詳述する。
【0011】図1中符号1は、リール本体であり、このリール本体1にはハンドル軸2が回転可能に保持されている。このハンドル軸2の一端にはハンドル(図示せず)が取り付けられ、その他端にはマスター歯車3が取り付けられる。
【0012】リール本体1の前部には、ベアリング5及び一方向クラッチ6を介して軸筒4が回転可能に取り付けられている。この軸筒4はロータ7に連結されており、その後端にはピニオン4aが設けられている。このピニオン4aには、上述したマスター歯車3が噛み合っている。従って、ハンドルを回転させることによって、マスター歯車3が回転すると、ロータ7も同時に回転する。
【0013】上述した軸筒4内には、スプールシャフト8が往復摺動可能に配置されている。このスプールシャフト8の先端部には、スプールS1が取り付けられており、このスプールS1から突出したスプールシャフト8の端部には、ドラグ機構D1が設けられている。上記スプールシャフト8は、スプール摺動機構10によって往復摺動する。スプール摺動機構10は、ハンドル軸2の回転運動をスプールシャフト8の往復運動に変換する。このスプール摺動機構10は、スピニングリールにおける従来のスプール摺動機構と同一であるため、その構造の説明を省略する。
【0014】上述したロータ7は、一対の腕部7a、7bを備えている。これ等腕部7a、7bの先端には、ベールアームレバー11及びベールアームホルダ12がネジ(図示せず)を介してそれぞれ回動可能に取り付けられている。ベールアームレバー11とベールアームホルダ12との間にはベールアーム13が掛け渡されている。
【0015】本発明の魚釣り用スピニングリールE1は、上述した基本的構造を有しているが、特に重要な構成要素として、スプールS1及びドラグ機構D1を以下に詳述する。
【0016】スプールS1は、図2から明らかなように、スプール本体9aと、スカート部9bと、底壁9cと、スプールリング9dと、スプールリングリテーナ9eとから構成されている。スプール本体9a、スカート部9b及び底壁9cは相互に一体的に形成されている。スプールリング9dはスプール本体9aの先端部に嵌合される。このスプールリング9dはスプール本体9aの先端部内側にねじ込まれるスプールリングリテーナ9eによって固定される。
【0017】上記底壁9cは、スプールシャフト8との嵌合部として作用するように、後方に向かって伸びる大径のボス部9gと、同様にスプールシャフト8との嵌合部として作用するように、前方に向かって伸びる小径の筒状部9fとをそれぞれ一体的に有している。この筒状部9fは、後述するように、ドラグ機構D1の複数枚のドラグワッシャWb、Wc、Wdを貫通可能であり、これらの積層長さに対応する長さを有している。
【0018】ドラグ機構D1は、中央部をスプールシャフト8が貫通した状態で積層される複数枚のドラグワッシャWa、Wb、Wc、Wdと、ドラグノブ14とから構成されている。
【0019】ドラグワッシャWaは、その外周部に、後方に向かって伸びる円筒状部分Waxを一体的に有している。この円筒状部分Waxの内周面には、回り止め溝Wayが円筒状部分Waxの軸線方向と平行な方向に伸びるように形成されている。このドラグワッシャWaは、スプールシャフト8に対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、スプールシャフト8の先端部の横断面形状を非円形にし、例えば、スプールシャフト8の外周面において相互に対向する部分を平面状に形成し、一方、上記非円形状横断面に合致する形状の挿入孔をドラグワッシャWaに形成することによって実現される。上記ドラグワッシャWaは、図2に示すように、円筒状部分WaxをスプールS1の底壁9c側に向けるようにして、スプールシャフト8に嵌合される。
【0020】ドラグワッシャWaとスプールS1の底壁9cとの間には、5枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb及びWdが、ドラグワッシャWaからスプールS1の底壁9cに向かってこの順序で配置されている。上述したスプールS1の筒状部9fは、これら5枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb及びWdの中央部を貫通している。
【0021】ドラグワッシャWbは、ドラグワッシャWaに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWbの外周の一部を外側に突出させ、この突出部をドラグワッシャWaの回り止め溝Wayに係合させることによって実現される。
【0022】ドラグワッシャWcは、スプールS1の筒状部9fに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWaにおけると同様に、ドラグワッシャWcの孔の形状と、筒状部9fの横断面形状とを、相互に合致する非円形状にすることによって実現される。
【0023】ドラグワッシャWdは、カーボンを含有する繊維、フェルト等から形成された摩擦材として作用する。
【0024】ドラグノブ14は、ベース部14aと、カバー14bと、ドラグナット15と、ドラグバネ17とからなる基本構成を有している。ベース部14aは、スプールシャフト8の先端部を収容可能である。ドラグナット15は、上記ベース部14a内に軸方向に移動可能に配置されており、そして、スプールシャフト8の先端部に螺合可能である。ドラグバネ17は、ドラグナット15と、ベース14aの後端部における内向きフランジとの間に配置されている。
【0025】従って、ドラグナット15をスプールシャフト8の先端部に螺合した状態で、ドラグノブ14を締め込むと、その締め込みに応じて、ドラグバネ17において発生する反発力がドラグワッシャWa側に作用する。尚、ベース14aとカバー14bとの間には、ドラグノブ14の回転に応じてクリック音を発生するクリック機構16が設けられている。このクリック機構16は、公知の魚釣り用スピニングリールに用いられたクリック機構と同様に構成されるため、その構成の説明を省略する。
【0026】尚、図2において、符号19は、スプールS1のボス部9gの後方側において、スプールシャフト8に回転不可能に取り付けられたクリックプレートであり、符号18は、上記ボス部9gとクリックプレート19との間に配置されたクリックワッシャであり、符号20はクリック爪、符号21は、クリック爪21のためのバネをそれぞれ示す。このクリック爪20及びその上述した関連部材はクリック機構を構成し、ドラグ機構D1における設定値を超える力で釣糸が繰り出され、これに伴ってスプールS1が回転する際にクリック音を発生する。このクリック機構もまた、公知の魚釣り用スピニングリールに用いられたクリック機構と同様に構成されるため、その構成の詳細な説明を省略する。
【0027】上述した第1実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE1において、ドラグノブ14の締め込み量に応じて、ドラグノブ14側からドラグワッシャWa、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdに作用する押圧力を変化させて、スプールS1に回転に対する抵抗力を調整し、このようにして、ドラグ機構D1の設定値を任意の値に決定できる。
【0028】ここで、スプールS1は、筒状部9fを一体的に有しており、この筒状部9fは、ドラグ機構D1の複数枚のドラグワッシャWb、Wc、Wdの積層長さに対応する長さを有しており、そして、これらのワッシャを貫通するようにして、スプールシャフト8に嵌合されている。従って、スプールS1のスプールシャフト8への嵌合部分において、その軸方向方向におけるこれら両者の接触長さを十分にとることができ、その結果、スプールS1の円滑且つ安定した回転を確保できる。
【0029】また、ドラグワッシャWaは、その外周部に円筒状部分Waxを一体的に有しており、この円筒状部分Waxは、他のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb及びWdを覆っているため、これらドラグワッシャの防水性が向上する。尚、このような防水性が要求されない場合には、円筒状部分Waxの代わりに、ドラグワッシャWbの回り止め機能を有する、図6に示した形状と同様の一対のストッパ片を設けてもよい。この場合には、ドラグワッシャWaの構造の簡略化及び軽量化を図ることができる。
【0030】次に、図3を参照して本発明の第2実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE2を詳述する。
【0031】このスピニングリールE2は、異なる形状を有するスプールS2が使用されていること、及び、ドラグワッシャWaの円筒状部分Waxの長さを更に延長して、その内部に9枚のドラグワッシャを配置したことを除き、第1実施形態に係るスピニングリールE1と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0032】スプールS2は、図2に示したスプールS1のボス部9gに対応する構成要素を有していない。即ち、スプールS2においては、底壁9cをスカート部9bの先端部に対応する位置付近まで、後方にずらして配置している。これにより、ドラグワッシャWaとスプールS2の底壁9cとの間の空間を拡大することが可能になる。
【0033】上記空間の拡大に伴って、スプールS2の底壁9cに設けられた筒状部9fの長さを、9枚のドラグワッシャを貫通するように延長させている。
【0034】一方、ドラグワッシャWaにおける円筒状部分Waxの長さも同様に、9枚のドラグワッシャを覆うように延長させている。
【0035】ドラグワッシャWaとスプールS1の底壁9cとの間には、9枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdが、ドラグワッシャWaからスプールS1の底壁9cに向かってこの順序で配置されている。上述したように、スプールS1の筒状部9fは、これら9枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdの中央部を貫通している。
【0036】これら9枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdの取付状態は、第1実施形態において、ドラグワッシャWaとスプールS1の底壁9cとの間に配置された5枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb及びWdの取付状態と同一である。
【0037】即ち、ドラグワッシャWbは、ドラグワッシャWaに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWbの外周の一部を外側に突出させ、この突出部をドラグワッシャWaの回り止め溝Wayに係合させることによって実現される。
【0038】ドラグワッシャWcは、スプールS2の筒状部9fに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWaにおけると同様に、ドラグワッシャWcの孔の形状と、筒状部9fの横断面形状とを、相互に合致する非円形状にすることによって実現される。
【0039】ドラグワッシャWdは、カーボンを含有する繊維、フェルト等から形成された摩擦材として作用する。
【0040】上述した第2実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE2においても、第1実施形態におけると同様に、スプールS2のスプールシャフト8への嵌合部分において、その軸方向方向におけるこれら両者の接触長さを十分にとることができ、その結果、スプールS2の円滑且つ安定した回転を確保できる。
【0041】しかも、スプールS2を大型化することなく、多数のドラグワッシャWa、Wd、Wc、Wd、Wb、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdを組み込むことができ、それぞれのドラグワッシャの面圧を下げることができ、耐久性を向上させることが可能である。更に、ドラグワッシャの使用枚数の増加に伴って、ドラグ力が向上し、ドラグ性能を著しく向上することができる。
【0042】次に、図4乃至図6を参照して本発明の第3実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE3を詳述する。図4は、スピニングリールE3におけるスプールS2及びドラグ機構D2を示す垂直縦断面図であり、図5は、上記スプールS2及びドラグ機構D2を示す水平縦断面図であり、図6は、ドラグワッシャWbの斜視図である。
【0043】このスピニングリールE3は、ドラグワッシャWa、Wbが異なる形状を有していること、ドラグワッシャ全体の枚数が異なること、及び、異なる形状を有するドラグ機構D2が使用されていることを除き、第2実施形態に係るスピニングリールE2と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】ドラグワッシャWbは、その外周部の対応する2箇所の位置において、ドラグワッシャWbの平面と直交する方向に伸びる一対のストッパ片Wbx、Wbyを有している(図6参照)。
【0045】一方、ドラグワッシャWaは、外周部における対応する位置に上記ドラグワッシャWbの一対のストッパ片Wbx、Wbyに係合する一対の係合溝をWax、Wayを有している。
【0046】ドラグワッシャWbのストッパ片Wbx、Wbyの先端部に係合溝を形成し、一方、これら係合部に係合可能な突起をドラグワッシャWaに形成してもよい。
【0047】上述したドラグワッシャWaとスプールS2の底壁9cとの間には、5枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb及びWdがドラグワッシャWaからスプールS2の底壁9cに向かってこの順序で配置されている。勿論、上記スプールS2の底壁9cは、十分な強度が得られる厚さTを有している。
【0048】ドラグワッシャWaは、スプールシャフト8に対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、スプールシャフト8の先端部の横断面形状を非円形にし、例えば、スプールシャフト8の外周面において相互に対向する部分を平面状に形成し、一方、上記非円形状横断面に合致する形状の挿入孔をドラグワッシャWaに形成することによって実現される。
【0049】ドラグワッシャWbは、ドラグワッシャWaに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWbの一対のストッパ片Wbx、Wbyが、ドラグワッシャWaの一対の係合溝Wax、Wayに係合させることによって実現される。
【0050】ドラグワッシャWcは、スプールS2の筒状部9fに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWaにおけると同様に、ドラグワッシャWcの孔の形状と、筒状部9fの横断面形状とを、相互に合致する非円形状にすることによって実現される。
【0051】ドラグワッシャWdは、カーボンを含有する繊維、フェルト等から形成された摩擦材として作用する。
【0052】ドラグ機構D2は、全面に凹部14cを形成することによって、中央の突起を内側に引っ込めたドラグノブ14を有している。その他の構成は、図2に示したドラグ機構D1と同一であるため、その説明を省略する。
【0053】上述した第3実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE3においても、スプールS2の円滑且つ安定した回転の確保に関して、第1実施形態におけると同一の効果がもたらされる。この第3実施形態においては、ドラグノブ14がスプールS2の先端よりも内側に配置されるため、ベールアームを釣糸巻取状態または釣糸放出状態に切り替える際に、ベールアームの軌跡とドラグノブ14との間の隙間を十分に確保できる。従って、ベールアームを小さくすることができる。また、ドラグノブ14に釣糸が絡まったり、ドラグノブ14とスプールS2との間に釣糸が入り込んだりすることを防止できる。しかも、ドラグワッシャWbは、図2に示したドラグワッシャWaと異なり、円筒状部分ではなく、一対のストッパ片Wbx、Wbyを備えているので、ドラグワッシャWbの構造の簡略化及び軽量化を図ることができ、その安価な製造が可能になる。
【0054】次に、図7を参照して本発明の第4実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE4を詳述する。
【0055】このスピニングリールE4は、ドラグワッシャ全体の枚数が異なること、及び異なる形状を有するドラグ機構D1が使用されていることを除き、第3実施形態に係るスピニングリールE3と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】第3実施形態に係るスピニングリールE3においては、ドラグワッシャWaと、スプールS2の底壁9cに隣接するドラグワッシャWdとの間に、4枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd及びWbが配置されているが、第4実施形態に係るスピニングリールE4においては、これら4枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd及びWbに加えて、更に4枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd及びWbが、ドラグワッシャWa側からスプールS2の底壁9cに隣接するドラグワッシャWd側に向かってこの順序で更に配置されている。
【0057】ドラグ機構D1は、第3実施形態におけるドラグ機構D2と異なっているが、第1及び第2実施形態におけるドラグ機構D1と同一である。従って、その説明を省略する。
【0058】上述した第4実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE4においては、ドラグワッシャの枚数の増加に伴って、スプールS2の筒状部9fの長さを長くしているため、スプールS2の円滑且つ安定した回転の確保に関して、第3実施形態におけるよりも優れた効果がもたらされる。この第3実施形態においては、ドラグワッシャの使用枚数の増加に伴って、ドラグ力が向上し、ドラグ性能を著しく向上することができる。
【0059】次に、図8及び図9を参照して本発明の第5実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE5を詳述する。
【0060】このスピニングリールE5は、ドラグワッシャWaが異なる形状を有していること、2枚のドラグワッシャWcがスプールS2に対して回転不可能に保持されていることを除き、第2実施形態に係るスピニングリールE2と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0061】第5実施形態においては、スプールS2のスプール本体9aの内周面には、回り止め溝9axがスプール本体9aの軸線方向と平行な方向に伸びるように形成されている。
【0062】一方、ドラグワッシャWaは、スプールS2における筒状部9fの外周に嵌合可能な円筒状部分Waxを有している。この円筒状部分Waxの内周面には、回り止め溝Wayが円筒状部分Waxの軸線方向と平行な方向に伸びるように形成されている。
【0063】ドラグワッシャWaとスプールS2の底壁9cとの間には、9枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdが、ドラグワッシャWaからスプールS2の底壁9cに向かってこの順序で配置されている。ドラグワッシャWaの円筒状部分Waxは、スプールS2の筒状部9fの外側において、これら9枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdの中央部を貫通している。
【0064】ここで、図9に示すように、2枚のドラグワッシャWc、Wcは、その外周部をスプールS2の回り止め溝9axに係合させることによって、スプールS2に対して回転不可能に保持されている。一方、2枚のドラグワッシャWb、Wbは、その内周部をドラグワッシャWaにおける円筒状部分Waxの回り止め溝Wayに係合させることによって、ドラグワッシャWaに対して回転不可能に保持されている。
【0065】勿論、ドラグワッシャWaは、ドラグワッシャWbの回り止め機能を有していればよく、上述した円筒状部分Waxの代わりに、図6に示したストッパ片Wbx、Wbyと同様のストッパ片を設けてもよい。
【0066】上述した第5実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE5においても、スプールS2の円滑且つ安定した回転の確保に関して、第2実施形態におけると同一の効果がもたらされる。
【0067】しかも、第5実施形態においては、2枚のドラグワッシャWcをスプールS2に回り止め保持し、2枚のドラグワッシャWbをドラグワッシャWaに回り止め保持していることに起因して、ドラグ力が向上し、ドラグ性能を著しく向上することができる。
【0068】尚、第5実施形態においては、ドラグワッシャWaの前方面、即ち、円筒状部分Waxが形成された側と反対側の面に、環状溝14aを有する環状突起23が形成されている。この環状溝14a内にパッキン22を嵌合し、このパッキン22の先端部周縁をスプールリングリテーナ9eの内周面に接触させている。これによって防水手段が確保され、従って、ドラグワッシャWaとスプールS2の底壁9cとの間への水の侵入を確実に防止でき、水の侵入に起因するドラグ性能の低下を未然に回避できる。このような防水手段は、第1乃至第4実施形態においては示されていないが、これら実施形態において必要に応じて、同様の防水手段を設けてもよい。
【0069】次に、図10を参照して本発明の第6実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE6を詳述する。
【0070】このスピニングリールE6は、スプールS1がスプール受け24を介してスプールシャフト8に取り付けられていることを除き、第1実施形態に係るスピニングリールE1と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0071】第6実施形態においては、筒状のスプール受け24がスプールシャフト8に固定されている。これら両者の固定は、図10に示すように固定ピン25によって確保される。このスプール受け24の後端には、クリック機構を構成するクリックプレート19が一体的に設けられている。
【0072】従って、スプールS1の筒状部9f及びボス部9gは、上記スプール受け24の外周に嵌合されている。勿論、ドラグワッシャWaも、このスプール受け24の先端部に取り付けられている。
【0073】尚、第6実施形態においては、ドラグワッシャWaに、第5実施形態におけると同様のパッキン22から構成される防水手段が設けられている。
【0074】上述した第6実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE6においても、スプールS1の円滑且つ安定した回転の確保に関して、第1実施形態におけると同一の効果がもたらされる。この第6実施形態においては、スプールS1がスプール受け24を介してスプールシャフト8に取り付けられているため、スプール受け24の素材を適宜選択して、スプールS1の回転をより一層円滑にし、且つ、摩耗を防止することも可能である。
【0075】次に、図11及び図12を参照して本発明の第7実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE7を詳述する。
【0076】このスピニングリールE7は、筒状部9fがスプール本体9aと別体に形成された異なる形態のスプールS3が使用されていること、スプールS3の筒状部9fがベアリング27、27を介してスプールシャフト8に取り付けられていること、及び、一方のドラグワッシャWb2がベアリング28を介して上記筒状部9fに取り付けられていることを除き、第2実施形態に係るスピニングリールE2と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】第7実施形態に係るスピニングリールE7においては、スプールS3のスプール本体9aは、底壁を構成する内向きフランジ9axを一体的に有している。一方、筒状部9fは、上記スプール本体9aとは別体として形成され、上記内向きフランジ9axに重ねて配置される外向きフランジ9fxを一体的に有している。上記内向きフランジ9ax及び外向きフランジ9fxはネジ26によって相互に連結されている。
【0078】上述した筒状部9fは、一対のベアリング27、27を介してスプールシャフト8に回転可能に取り付けられている。これらベアリング27、27は、筒状部9fの先端部及び後端部に相互に間隔をあけて配置され、このように相互に離された位置において、筒状部9fをスプールシャフト8上に支持している。
【0079】第7実施形態において、ドラグワッシャWb1及びドラグワッシャWb2は、図3に示した第2実施形態において、前方側に配置されたドラグワッシャWb及び後方側に配置されたドラグワッシャWbにそれぞれ対応するが、このドラグワッシャWb2は、ベアリング28を介してスプールS3の筒状部9f上に回転可能に取り付けられている。
【0080】上述した第7実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE7においては、スプールS3の筒状部9fが間隔をあけて配置された一対のベアリング27、27を介してスプールシャフト8に取り付けられているため、より円滑且つより安定したスプールS3の回転が確保できる。しかも、ベアリング27、27を相互に間隔をあけて配置することにより、スプールシャフト8の中心軸線に対して直交する方向において、筒状部9fを支持することができ、換言すれば、ベアリング27、27に荷重が斜めに作用することを回避でき、その寿命を伸ばすことが可能である。
【0081】更に、筒状部9fがスプール本体9aと別体に形成されているため、スプールS3の構成部材の成形性が改善される。
【0082】次に、図13及び図14を参照して本発明の第8実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE8を詳述する。
【0083】このスピニングリールE8は、ドラグワッシャWaの円筒状部分Waxが、一対のベアリング29、29を介して、スプールS2の筒状部9fに回転可能に取り付けられていることを除き、第5実施形態に係るスピニングリールE5と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0084】第8実施形態に係るスピニングリールE8においては、スプールS2の筒状部9fとドラグワッシャWaの円筒状部分Waxとの間に一対のベアリング29、29が配置されている。これらベアリング29、29は、筒状部9fの先端部及び後端部に相互に間隔をあけて配置され、このように相互に離された位置において、円筒状部分Waxを筒状部9f上に支持している。
【0085】上述した第8実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE8においても、スプールS2の円滑且つ安定した回転の確保に関して、第5実施形態におけると同一の効果がもたらされる。この第8実施形態においては、一対のベアリング29、29によって、ドラグワッシャWaの円筒状部分Waxに対するスプールS2の筒状部9fの回転がより円滑になり、より一層優れたドラグ性能が発揮される。しかも、ベアリング29、29を相互に間隔をあけて配置することにより、スプールシャフト8の中心軸線に対して直交する方向において、円筒状部分Waxを筒状部9f上に支持することができ、換言すれば、ベアリング29、29に荷重が斜めに作用することを回避でき、その寿命を伸ばすことが可能である。
【0086】次に、図15及び図16を参照して本発明の第9実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE9を詳述する。
【0087】このスピニングリールE9は、ドラグワッシャWaの円筒状部分Waxが、ベアリングを介することなく、スプールS2の筒状部9fに回転可能に直接取り付けられていることを除き、第8実施形態に係るスピニングリールE8と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0088】即ち、第9実施形態に係るスピニングリールE9は、第8実施形態に係るスピニングリールE8から一対のベアリング29、29を省略することによって得られる。
【0089】上述した第9実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE9においても、スプールS2の円滑且つ安定した回転の確保に関して、第8実施形態におけると同一の効果がもたらされる。但し、この第9実施形態においては、第8実施形態におけるような一対のベアリング29、29を使用していないため、構造を簡略化でき、これに起因して製造コストを低廉にすることができる。
【0090】次に、図17及び図18を参照して本発明の第10実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE10を詳述する。
【0091】このスピニングリールE10は、スプールS4が、筒状部を有していない代わりに、ドラグワッシャWc1が筒状部Wc1xを有していることを除き、第2実施形態に係るスピニングリールE2と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0092】第10実施形態において、ドラグワッシャWc1及びドラグワッシャWc2は、図3に示した第2実施形態において、前方側に配置されたドラグワッシャWc及び後方側に配置されたドラグワッシャWcにそれぞれ対応する。
【0093】図18から明らかなように、スプールS4において、底壁9cは、第2実施形態における筒状部9fを有しておらず、その代わりに、ドラグワッシャWc1が筒状部Wc1xを一体的に有している。この筒状部Wc1xの後端部は回り止め溝Wc1yを有しており、これはスプールS4の底壁9cの中央部に係合している。従って、筒状部Wc1xは、スプールシャフト8の軸方向に移動可能であるが、上記底壁9cに対しては回転不可能である。
【0094】上述した第10実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE10においては、ドラグ機構D1を締め付けることによって、ドラグワッシャWa、Wd、Wc1、Wd、Wb、Wd、Wc2、Wd、Wb及びWdがスプールS4の底壁9cに押圧される。ここで、ドラグワッシャWc1は、スプールシャフト8に嵌合可能な筒状部Wc1xを有しており、この筒状部Wc1xは、ドラグワッシャWb、Wc2、Wdの積層厚さに実質的に対応する長さを有している。従って、スプールS4の円滑且つ安定した回転が確保される。
【0095】上記第10実施形態において、ドラグワッシャWaの円筒状部分Waxとスプール本体9aの内周面との間にベアリングを設ければ、スプールS4の円滑且つ安定した回転を更に改善できる。
【0096】次に、図19を参照して本発明の第11実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE11を詳述する。
【0097】このスピニングリールE11は、異なる形状を有するスプールS5が使用されていること、異なる形状を有するドラグワッシャWa、Wb及びWcが使用されていることを除き、第1実施形態に係るスピニングリールE1と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0098】第11実施形態において、スプールS5は、図2に示したスプールS1の筒状部9fに対応する構成要素を有していないこと、及び、スプール本体9aの内周面に、回り止め溝9axがスプール本体9aの軸線方向と平行な方向に伸びるように形成されていることを除き、図2に示したスプールS1と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】ドラグ機構D1のベース部14aとスプールS5の底壁9cとの間には、6枚のドラグワッシャWa、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdが、上記ベース部14aから上記底壁9cに向かってこの順序で配置されている。
【0100】ドラグワッシャWbは、スプールシャフト8に嵌合可能な筒状部Wbxを有している。この筒状部Wbxは、ドラグワッシャWbの前方側に突出する長尺部分と、その後方側に突出する短尺部分とから構成されている。筒状部Wbxの上記長尺部分は、ドラグワッシャWbよりも前方側に配置される4枚のドラグワッシャWa、Wd、Wc及びWdの中央部を貫通している。筒状部Wbxの上記短尺部分は、ドラグワッシャWbよりも後方側に配置される1枚のドラグワッシャWdの中央部を貫通している。従って、この筒状部Wbxは、ドラグワッシャの積層厚さに実質的に対応する長さを有している。上述した筒状部Wbxは、スプールシャフト8に対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、筒状部Wbxの孔の形状と、スプールシャフト8の横断面形状とを、相互に合致する非円形状にすることによって実現される。
【0101】ドラグワッシャWaは、筒状部Wbxに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、第2実施形態におけるドラグワッシャWaにおけると同様に、ドラグワッシャWaの孔の形状と、筒状部9fの横断面形状とを相互に合致する非円形状にすることによって実現される。
【0102】ドラグワッシャWcは、筒状部Wbxに対して、軸方向に移動可能であるが、スプールS5に対して回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWcの外周の一部を外側に突出させ、この突出部をスプールS5の回り止め溝9axに係合させることによって実現される。
【0103】ドラグワッシャWdは、カーボンを含有する繊維、フェルト等から形成された摩擦材として作用する。
【0104】上述した第11実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE11においては、ドラグ機構D1を締め付けることによって、ドラグワッシャWa、Wd、Wc、Wd、Wb及びWdがスプールS5の底壁9cに押圧される。ここで、ドラグワッシャWbは、スプールシャフト8に嵌合可能な筒状部Wbxを有しており、この筒状部Wbxは、ドラグワッシャWa、Wb、Wc、Wdの積層厚さに実質的に対応する長さを有している。従って、スプールS5の円滑且つ安定した回転が確保される。
【0105】次に、図20を参照して本発明の第12実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE12を詳述する。
【0106】このスピニングリールE12は、ドラグワッシャWbが筒状部を有していない代わりに、ドラグワッシャWaが筒状部Waxを有していることを除き、第11実施形態に係るスピニングリールE11と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0107】第10実施形態において、ドラグワッシャWaに設けられた筒状部Waxは、スプールシャフト8の外周に嵌合されており、この筒状部Waxは、5枚のドラグワッシャWd、Wc、Wd、Wb及びWdの中央部を貫通している。このドラグワッシャWaの筒状部Waxは、スプールシャフト8に対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、筒状部Waxの孔の形状と、スプールシャフト8の横断面形状とを、相互に合致する非円形状にすることによって実現される。
【0108】ドラグワッシャWbは、筒状部Waxに対して、軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWbの孔の形状と、筒状部Waxの横断面形状とを相互に合致する非円形状にすることによって実現される。
【0109】ドラグワッシャWcは、筒状部Waxに対して、軸方向に移動可能であるが、スプールS5に対して回転不可能である。このような構造は、ドラグワッシャWcの外周の一部を外側に突出させ、この突出部をスプールS5の回り止め溝9axに係合させることによって実現される。
【0110】ドラグワッシャWdは、カーボンを含有する繊維、フェルト等から形成された摩擦材として作用する。
【0111】上述した第12実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE12においては、第11実施形態におけると同一の効果がもたらされる。
【0112】次に、図21及び図22を参照して本発明の第13実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE13を詳述する。
【0113】このスピニングリールE13は、異なる形状を有するスプールS6が使用されていること、筒状部9fが前方側のみならず、後方側にも伸びていること、後方側に伸びた筒状部9fにもドラグワッシャWd、Wb2、Wd、Wc及びWdが配置されていること、スプールS6の底壁9cの前方及び後方にそれぞれ配置されたドラグワッシャWc、Wcが筒状部9fにそれぞれ回り止め保持されていること、並びに、異なる形態のドラグ機構D1が使用されていることを除き、第3実施形態に係るスピニングリールE3と同一である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0114】図22から良く理解されるように、筒状部9fは、スプールS6の底壁9cの前方側のみならず、後方側にも伸びている。この筒状部9fの前後端における外周面には、回り止め溝9fx、9fyが筒状部9fの軸線方向と平行な方向に伸びるようにそれぞれ形成されている。
【0115】スプールS6の底壁9cよりも前方に配置されたドラグワッシャWcは、その内側部分を回り止め溝9fxに係合させることによって、筒状部9fに対して軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。尚、図22に示したドラグワッシャWb1は、図4に示した第3実施形態におけるドラグワッシャWbに対応する。
【0116】後方側に伸びる筒状部9fの後端よりも後方の位置において、スプールシャフト8にはクリックプレート30が、スプールシャフト8と一体回転するように取り付けられている。このクリックプレート30は前方側に伸びるストッパ片30aを有しており、このストッパ片30aの後端部は、クリック爪20と係合可能である。
【0117】図22に示すように、スプールS6の底壁9cと上記クリックプレート30との間には、5枚のドラグワッシャWd、Wb2、Wd、Wc及びWdが、上記底壁9cからクリックプレート30に向かってこの順序で配置されている。
【0118】上記ドラグワッシャWb2は、その外周部をクリックプレート30のストッパ片30aに係合させることによって、筒状部9fの軸線方向に移動可能であるが、クリックプレート30に対しては回転不可能である。
【0119】一方、上記ドラグワッシャWcは、その内側部分を回り止め溝9fyに係合させることによって、筒状部9fの軸方向に移動可能であるが、回転不可能である。
【0120】ドラグワッシャWdは、上述した他の実施形態におけるように、カーボンを含有する繊維、フェルト等から形成された摩擦材として作用する。
【0121】第13実施形態において使用されたドラグ機構D1は、図4に示した第3実施形態におけるドラグ機構D2と同一ではなく、図2に示した第1実施形態におけるドラグ機構D1と同一である。従って、その説明を省略する。
【0122】上述した第13実施形態に係る魚釣り用スピニングリールE13においては、スプールS6の筒状部9fが、図4に示した第3実施形態におけるスプールS2の筒状部9fの約2倍の長さを有しているため、スプールS6の円滑且つ安定した回転の確保に関して、第3実施形態におけるよりも優れた効果がもたらされる。しかも、この第13実施形態においては、ドラグワッシャの使用枚数の増加に伴って、ドラグ力が向上し、ドラグ性能を著しく向上することができる。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、請求項1に記載したように、複数枚のドラグワッシャのうちの何れか1枚のドラグワッシャ、または、スプールが、複数枚のドラグワッシャを貫通し、スプールシャフトに嵌合可能な筒状部を備えており、筒状部は、複数枚のドラグワッシャの積層厚さに実質的に対応する長さを有しているので、スプールシャフトに対するスプールのガタを最小限に抑制して、スプールの円滑且つ安定した回転を実現し、スプールシャフトへのスプールの嵌合部の摩耗、焼付きを防止することが可能な魚釣り用スピニングリールを提供できる。
【0124】上記筒状部が設けられる位置を特定した請求項2及び請求項3の発明によっても、上述と同一の効果がもたらされる。
【0125】請求項1乃至請求項3の何れかの魚釣り用スピニングリールにおいて、ドラグ機構のドラグノブを、スプールの先端よりも内側に配置すれば、ベールアームを釣糸巻取状態または釣糸放出状態に切り替える際に、ベールアームの軌跡とドラグノブとの間の隙間を十分に確保でき、その結果、ベールアームを小さくすることができる。また、ドラグノブに釣糸が絡まったり、ドラグノブとスプールとの間に釣糸が入り込んだりすることも防止できる。
【出願人】 【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
【出願日】 平成11年2月3日(1999.2.3)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2000−224944(P2000−224944A)
【公開日】 平成12年8月15日(2000.8.15)
【出願番号】 特願平11−26609