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【発明の名称】 グリップ
【発明者】 【氏名】原田 孝文

【要約】 【課題】軽量でかつ汚れにくい釣竿用のグリップを提供する。

【解決手段】前グリップ2は、竿体1の周面に配置されるコア材11と、コア材11の表面を覆うように配置される表面材12とを有している。このコア材11は、無数の孔を内部に有するポリウレタン樹脂等の発泡樹脂材からなる円筒部材であり、竿体1の周面上に固定されている。一方、表面材12は、天然ゴムやシリコンゴム,スチレンゴム等の合成ゴムからなる部材であり、前グリップ2の側周面全体及び固定リングに接する軸方向端面にわたってコア材11を覆うように配置されている。コア材11を配置した竿体1を所定の型に入れて、コア材11上に直接射出成型して表面材12を成型固定することも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】釣竿の竿体に装着されるグリップであって、前記竿体外周に配置される多孔質部材からなるコア材と、前記コア材の表面を覆うように配置される非孔質部材からなる表面材とを備えたグリップ。
【請求項2】前記コア材は、発泡樹脂材,紙材若しくはコルク材である、請求項1に記載のグリップ。
【請求項3】前記表面材は消臭剤及び/または抗菌剤が含まれている、請求項1または2に記載のグリップ。
【請求項4】前記コア材は内部に中空部を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のグリップ。
【請求項5】前記表面材は熱伸縮性弾性体である、請求項1〜4のいずれかに記載のグリップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿の竿体に装着され釣人が把持するグリップに関する。
【0002】
【従来の技術】釣竿の手元側には、釣竿を把持するためのグリップが設けられている。このグリップには、別途成型したものを釣竿の竿体に嵌め込むタイプのものと、竿体と一体的に成型されるタイプのものがある。グリップは釣人が把持する部分であり、把持した際の感覚が重要視される部分である。このため、グリップにはさまざまな材料が用いられ、また様々な形状が施されて、好ましい弾力性,フィット感を提供できるように形成されている。一方、釣竿の軽量化も重要な要素の1つであり、釣竿に装着されるグリップも軽量化が必要である。
【0003】以上のような観点から、釣竿用グリップは、例えば、天然コルクを用いたものや、ウレタンゴム等の合成樹脂などによって形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の天然コルク,ポリウレタンゴム等は、部材中に無数の孔を有する多孔質材である。これらの多孔質材は軽量化及びグリップ感という点では好ましいが、グリップの表面に現れる無数の孔にゴミやほこり等が入り込んで、グリップが汚れるとともに、このゴミやほこり等から異臭が生じる恐れがある。特に、魚釣りを行い、魚に触れた手や濡れた手で把持する場合が多いグリップは、汚れやすくまた臭いがつきやすい。
【0005】本発明の課題は、軽量でかつ汚れにくい釣竿用のグリップを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1にかかるグリップは、釣竿の竿体に装着されるグリップであって、竿体外周に配置される多孔質部材からなるコア材と、コア材の表面を覆うように配置される非孔質部材からなる表面材とを備えている。
【0007】この場合には、無数の孔を有し比較的比重の小さい多孔質からなるコア材がグリップを軽量化している。一方で、コア材の表面には非孔質部材からなる表面材が配置され、釣人が直接触れる部分には孔が形成されていない。この結果、グリップ表面にゴミやほこり等がつきにくく、また魚を触れた手や濡れた手で触っても臭いがつきにくい。また、グリップを把持した際に滑りにくくグリップ感も好ましい。なお、この非硬質部材とは部材の内部及び表面に複数の孔を有さないものであり、例えば、スチレンゴム,シリコンゴム,天然ゴム等のゴム部材や、その他の合成樹脂等が挙げられる。
【0008】発明2にかかるグリップは、発明1のグリップであって、コア材は、発泡樹脂材,紙材若しくはコルク材である。この場合には、無数の孔を有し比較的比重が小さい発泡樹脂材,紙材若しくはコルク材が、グリップ全体を軽量化している。また、適度な弾性がありグリップ感にも優れる。
【0009】発明3にかかるグリップは、発明1または2のグリップであって、表面材は消臭剤及び/または抗菌剤が含まれている。この場合には、釣人が触れる表面材に混入された消臭剤及び/または抗菌剤が、不快な臭いの発生を抑える。この表面材はコア材の表面にのみ配置されており、グリップ全体に消臭剤及び/または抗菌剤を混入する必要がないので、製造コストも抑えられまた製造が容易である。
【0010】発明4にかかるグリップは、発明1〜3のいずれかに記載のグリップであって、コア材は内部に中空部を有する。この場合には、コア材内部に中空部が形成されているので、コア材の材質の弾性力に加えてこの中空部が演出する弾力性によりグリップ感がさらに向上する。
【0011】発明5にかかるグリップは、発明1〜4のいずれかに記載のグリップであって、表面材は熱伸縮性弾性体である。この場合には、コア材を竿体の外周面に配置後にそのコア材の上から表面材を配置し、表面材を熱収縮させることにより表面材とコア材とを竿材に固定可能である。表面材及びコア材を十分に竿体に固定でき耐久性に優れると共に製造も容易である。
【0012】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】図1に示すように、釣竿の元竿10は、竿体1と、竿体1の外周面に穂先側から順に配置される前グリップ2,リールシート3及び竿元グリップ4とを有している。
【0014】竿体1は、例えば炭素繊維等の強化繊維に樹脂を含浸させたシート状プリプレグをマンドレルに巻回して成型された筒状のものであり、穂先側が細いテーパ状である。竿体1の表面には塗装等によって商品イメージに合わせた着色等が施されている。
【0015】前グリップ2は、竿体1の外周面に固定される穂先側がやや小径になるように形成された先細りテーパ状の円筒部材である。前グリップ2の軸方向前後には、竿体1にはめ込まれた金属または硬質合成樹脂からなる固定リングRが配置されている。また、図2に詳しく示すように、この前グリップ2は、竿体1の周面に配置されるコア材11と、コア材11の表面を覆うように配置される表面材12とを有している。
【0016】コア材11は、無数の孔を内部に有するポリウレタン樹脂等の発泡樹脂材からなる円筒部材であり、竿体1の周面上に固定されている。例えば、所定の形状に形成したものを竿体1にはめ込んで接着固定するほかに、竿体1の外周面に直接射出成型等によって成型固定してもよい。
【0017】表面材12は、天然ゴムやシリコンゴム,スチレンゴム等の合成ゴムからなる部材である。例えば、アクティマー(商標),レオストマー(商標)等のスチレンブロック系樹脂やサントプレーン(商標),ラバロン(商標)等のゴム性樹脂を用いることができる。この表面材12は前グリップ2の側周面全体及び固定リングに接する軸方向端面にわたってコア材11を覆うように配置されている。コア材11を配置した竿体1を所定の型に入れて、コア材11上に直接射出成型して表面材12を成型固定することも可能である。
【0018】なお、竿元グリップ4も前グリップ2と同様に、コア材11及び表面材12の2層から構成されている。このように構成された前グリップ2は、無数の孔を有し比較的比重の小さい多孔質からなるコア材11が前グリップ2全体を軽量化している。一方で、釣人が直接触れる部分であるコア材11の表面の表面材12には孔が形成されていない。この結果、前グリップ2の表面にはゴミやほこり等がつきにくく、また魚を触れた手や濡れた手で触っても臭いがつきにくい。また、グリップを把持した際に滑りにくく、コア材が優れた弾性を演出するのでグリップ感も好ましい。
【0019】[第2実施形態]以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の第2実施形態を採用した前グリップ20は、図3に示すように、竿体1の外周面に固定される穂先側がやや小径になるように形成された先細りテーパ状の円筒部材である。前グリップ20の軸方向前後には、竿体1にはめ込まれた金属または硬質合成樹脂からなる固定リングRが配置されている。この前グリップ20は、竿体1の周面に配置されるコア材21と、コア材21の表面を覆うように配置される表面材22とを有している。
【0020】コア材21は、無数の孔を内部に有するポリウレタン樹脂等の発泡樹脂材またはコルク材からなる円筒部材であり、竿体1の周面上に固定されている。また、このコア材21は内部に中空部23が形成されている。中空部23は竿体1の周方向に連続して形成され、また軸方向にも連続して形成されている。また、表面材22は、第1実施形態と同様に、天然ゴムやシリコンゴム,スチレンゴム等の合成ゴムからなる部材である。これらのゴム材中には消臭剤や抗菌剤が配合されている。
【0021】このように構成された前グリップ20は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、釣人が触れる表面材22に混入された消臭剤や抗菌剤が、不快な臭いの発生を抑える。この表面材22はコア材21の表面にのみ配置されており、前グリップ20全体に消臭剤や抗菌剤を混入する必要がないので、製造コストも抑えられまた製造が容易である。さらに、コア材21中の中空部23がコア材21の材質による弾性に加えてさらに良好な弾力性を演出し、グリップ感を向上させる。
【0022】[第3実施形態]以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の第3実施形態を採用した前グリップ30は、図4に示すように、竿体1の外周面に固定される穂先側がやや小径になるように形成された先細りテーパ状の円筒部材である。前グリップ30の軸方向前後には、竿体1にはめ込まれた金属または硬質合成樹脂からなる固定リングRが配置されている。この前グリップ30は、竿体1の周面に配置されるコア材31と、コア材31の表面を覆うように配置される表面材32とを有している。
【0023】コア材31は、比較的硬質のボール紙等からなる円筒部材であり、竿体1の周面上に固定されている。また、このコア材31は内部に竿体1の軸方向に区分された複数の中空部33が形成されている。コア材31の厚みに対応して穂先側の中空部33ほど竿体1の径方向の高さは小さくなっている。また、表面材32は、第1実施形態と同様に、天然ゴムやシリコンゴム,スチレンゴム等の合成ゴムからなる部材である。コア材31を固定した竿体1を型に入れてコア材31上に直接射出成形等によって成形固定することも可能である。
【0024】このように構成された前グリップ30は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、コア材31中の中空部33がコア材31の材質による弾性に加えてさらに良好な弾力性を演出し、グリップ感を向上させる。特に、複数の中空部33がコア材31内において区分されて形成されているので、グリップ感が好ましい。
【0025】[他の実施形態]
(a)グリップの形状は円筒型に限定されるものではなく、竿体に装着可能なものであればどのような形状でもよい。
(b)コア材は上記実施形態に限定されるものではなく、多孔性の比重の小さい軽い部材であればよい。
(c)表面材として熱収縮性弾性体を用いることにより、以下のような製法が可能になる。コア材を竿体の外周面に配置後にそのコア材の上から表面材を配置し、表面材を熱収縮させることにより表面材とコア材とを竿材に固定する。この結果、より製造が容易になると共に耐久性がさらに向上する。
【0026】
【発明の効果】本発明にかかるグリップはコア材と表面材との2層構造であり、軽量でかつ汚れにくい。
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成11年1月19日(1999.1.19)
【代理人】 【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−209984(P2000−209984A)
【公開日】 平成12年8月2日(2000.8.2)
【出願番号】 特願平11−10499