| 【発明の名称】 |
筏用フロ―ト |
| 【発明者】 |
【氏名】平田 正幸
【氏名】大野 博
【氏名】山下 英樹
【氏名】藤本 真二
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| 【要約】 |
【課題】滑りにくいデッキ、フレームパイプに取りつけやすい構造を有する筏用フロ−トを提供する。
【解決手段】中空体硬質樹脂製フロート4の上面を滑り止め加工した平坦面5とし、その両側を傾斜面6として、ここに複数本の凸条8を形成する。フロートは、この凸条を位置決め部材としてフレ−ムパイプ11に、ロープ12にて締めつけらる。ロ−プはロープ固定溝に配置される。フロートには防舷部9が一体形成されており、フロートを外部衝撃から保護する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面に滑り止め加工された平坦面を有するとともに該平坦面の両側に一対の傾斜面が形成されてなる中空体のフロ一トと、上記傾斜面に水平方向に複数本形成された凸条と、上記フロートの水平方向側面周囲に突出形成された防舷部と、上記フロートの垂直方向側面周囲に形成された少なくとも2条のロープ固定溝と、を具備し、筏のフレームを構成するパイプが上記傾斜面の上記凸条の間において上記フロート本体に接触して配置され、上記ロープ固定部にロープが巻回されるとともに、該ロープにて上記フロートが上記パイプに連結固定されることを特徴とする筏用フロート。 【請求項2】 上記フロートが密封体構造であることを特徴とする請求項1記載の筏用フロート。 【請求項3】 上記フロートの下面に開口が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の筏用フロート。 【請求項4】 垂直方向断面が略6角形であり、上面及びこれに相対する下面が滑り止め加工された平坦面に形成されてなる中空密封体のフロ−トと、該1組の平坦面にそれぞれ隣接する2組の傾斜面に水平方向に複数本形成された凸条と、上記フロ一トの上記2組の傾斜面の境界部位に、水平方向側面周囲に形成された防舷部と、上記フロートの垂直方向側面周囲に形成された少なくとも2条のロープ固定溝と、を具備し、筏のフレームを構成するパイプが上記2組の傾斜面のいずれか一方の組の傾斜面の上記凸条の間において上記フロートに接触して配置され、上記ロープ固定部にロープが巻回されるとともに、該ロープにて上記フロートが上記パイプに連結固定されることを特徴とする筏用フロート。 【請求項5】 上記フロートがポリオレフィン系熱可塑性樹脂によりブロー成形にて一体形成されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筏用フロート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に魚の養殖用筏に使用して好適な筏用フロートに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、魚の養殖用筏の典型的な構造は、図5に示すように竹1を2本ずつ4角形に組んでフレ−ムを構成し、2本の竹1,1の間に、発泡スチロール製の円筒形フロート2をロ一プ3で固定し、この4角形フレームで囲まれた水域を網(図示せず)で囲んで生け簀としたものである。またフロート2として、樹脂製中空体を使用したものは、例えば特開平5‐4598号公認に記載されている。この公報には複数のフロ一ト(浮体と記載されている)を結合させて浮き島を構成した例が開示されている。またフロートを複数連結し、フロートの側面に防舷材を取りつけた浮き桟橋は、例えば特開平8一253910号公報に記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のようにフロ一ト2として、発泡スチロール製のものを使用した場合、外部衝撃或いは浸食作用により、これが徐々に粉砕されていき、その屑が海洋汚染の原因となるという問題がある。また図示のごとき養殖用筏のフロート2として使用した場合、フロート2上面が作業者の足場として使用されることから、それが荷重を受けて変形し、破損するという問題がある。また発泡スチロールは滑りやすく、かつ軟らかいことから姿勢が不安定になりやすく、実際には、フロ一ト2上に簀の子状の木製足場を組むことが多い。 【0004】上記公報(特開平5‐4598号)に開示のフロートは、フロート同士を直接連結するものであり、これのみでは安定性が悪く、筏として使用するには不適当である。また上記公報(特開平8−253910号)に開示の発明にあっては、フロートに、防舷材が別部材として取りつけられるものであるため、その取付け作業は面倒なものと予想される。 【0005】本発明は、このような問題を解決すべくなされたもので、特に魚の養殖用筏に使用して好適な筏用フロートを提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)に係る筏用フロートは、上面に滑り止め加工された平坦面を有するとともに該平坦面の両側に一対の傾斜面が形成されてなる中空体のフロートと、上記傾斜面に水平方向に複数本形成された凸条と、上記フロートの水平方向側面周囲に突出形成された防舷部と、上記フロ一トの垂直方向側面周囲に形成されたロープ固定溝と、を具備し、筏のフレームを構成するパイプが上記傾斜面の上記凸条の間において上記フロートに接触して配置され、上記ロープ固定溝にロープが巻回されるとともに、該ロープにて上記フロートが上記パイプに連結固定されてなるものである。 【0007】かかる構成において、滑り止め加工された平坦面は人が移動し或いは作業する際の足場として使用される。凸条は、フレームを構成するパイプがその間に配置されることにより、フレームに対するフロートの位置を決めるという作用をなす。また傾斜面は、このパイプが位置することにより、ロープをロ一プ固定溝に巻いたとき、フロ一トを確実に締結する作用をなす。 【0008】また本発明(請求項2)に係る筏用フロートは、上記フロートが密封体構造とされたものである。かかる構造であれば、大きい荷重が加わっても、大きな浮力が得られる。 【0009】また本発明(請求項3)に係る筏用フロートは、上記フロートの下面に開口が形成されたものである。かかる構造であれば、フロート内部の空気圧と水圧とが常に等しくなり、この圧力差によりフロートが変形することはない。 【0010】また本発明(請求項4)に係る筏用フロートは、垂直方向断面が略6角形であり、上面及びこれに相対する下面が滑り止め加工された平坦面に形成されてなる中空体のフロートと、該1組の平坦面にそれぞれ隣接する2組の傾斜面に水平方向に複数本形成された凸条と、上記フロートの上記2組の傾斜面の境界部位に、水平方向側面周囲に形成された防舷部と、上記フロートの垂直方向側面周囲に形成された少なくとも2条のロープ固定溝と、を具備し、筏のフレームを構成するパイプが上記2組の傾斜面のいずれか一方の組の傾斜面の上記凸条の間において上記フロートに接触して配置され、上記ロープ固定部にロープが巻回されるとともに、該ロープにて上記フロートが上記パイプに連結固定されてなるものである。 【0011】かかる構成であれば、フロートは、防舷部を境界として、上下対称な同一構造となる。かかるフロートは、定期的に上下逆転して使用される。ある期間海水に浸かるうちに浸漬面に海草、貝殻等が付着すると、上下ひっくり返して使用し、海草等が付着した面を天日にさらし、海草等を除去するとともに、海草等が付着していない面を水中に漬けるのである。 【0012】また本発明(請求項5)に係る筏用フロートは、フロ一トがポリオレフィン系熱可塑性樹脂によりブロー成形にて形成されたものとすることができる。ポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、化学的に極めて安定であるから、長期間日光に晒され或いは海中に浸潰されても耐久性が維持され、また貝殻、海草等海洋生物の付着が抑制される。また中空体は、ブロ一成形により形成することができるから、密封性のよい中空体が得られる。 【0013】 【発明の実施の形態】図1,2において、4は、上面に平坦面5を有するとともに、この平坦面5の両側に形成された1組の傾斜面6,6を有する中空体のフロートであり、平坦面5には、多数の凹凸7が形成され、滑り止め加工されている。この平坦面5は、作業者が歩行し、或いは作業する足場となるデッキの作用をなす。8,8,……は、1組の傾斜面6,6に複数本、例えばそれぞれ4本水平方向に等間隔で形成された凸条、9は、フロートの水平方向側面、例えば傾斜面6,6の下端部位の周囲に突出して形成された防舷部、10,10は、フロート4の垂直方向側面周囲に、所定間隔を隔てて、形成された2条のロ一プ固定溝である。フロ−ト4の防舷部下方は、断面略矩形に形成されている。なお、フロート4は、水圧に対する強度をあげるため、防舷部下方に位置する各面は、わずか外側方向へ湾曲せしめられている。 【0014】11,11は養殖筏のフレームを構成する金属製パイプで2本ずつ平行に配置され、図5に示す筏と同様に4角形に組まれている。フロート4は、口−プ12にてこのパイプ11に連結される。すなわちロ−プ12は、ロープ固定溝10を通して、パイプ11に締めつけ固定されるのである。 【0015】フロート4は、高密度ポリエチレン樹脂等ポリオレフィン系熱可塑性樹脂のブロー成形法にて成形することができ、その大きさの一例をあげると、平坦面5の幅aは30cm、傾斜面6の幅bは、15cm、高さcは27cm、防舷部9の幅dは、6cm、高さeは3cm、防舷部9より下方部分の長さfは、27cm、水平方向の長さgは、lm、ロープ固定溝10の間隔hは70cm、その幅5cm、深さ3cmとすることができる。フロート本体4の平均的肉厚を、10mmとしたとき、その重量は、約25kgとなる。かかる構造のフロートにあっては、約250kgの浮力を得ることができる。凸条8の幅は、2cm、高さは2cm、長さは60cm、凸条8,8間の間隔は3cmとすることができる。ブロ一成形に際し、平坦面4及び防舷部9を、他の部分より僅か厚く成形することも可能である。なお、13は、ブロー成形の際、エア吹き込み孔に形成されたネジ構造のキャップである。このキャップ13の締め付けによりフロート4内は密封構造に維持される。 【0016】フレ−ムを構成するパイプ11は、傾斜面6が形成する3角形領域(上記例では、傾斜面と水平方向の幅(15cm)及び垂直方向の高さ(27cm)とで構成される3角形領域)に入る直径を有するものが使用される必要がある。ロープ12を確実にロープ固定溝10内に位置させて、フロート4をパイプ11に締めつけるためである。パイプ11は、4本の凸条8,8,……の間に位置せしめられて、フロ一ト4との位置決めがなされ、かつその移動が阻止される。また、パイプ11のフロート4に対する位置は、4本の凸条8,8,……間領域(3か所)を選択することによって、フロ一ト4に対し、上下方向の調節がなされる。 【0017】上記構造のフロート4は、金属製パイプ11にて4角形(又は多角形)に組まれたフレームに固定されて、筏が形成される。平坦面5はデッキとして機能し、作業者はこの上を移動し、これを足場として作業する。フロ一トは上記のごとき高強度の硬質樹脂にて構成されるから、作業者の体重にも十分耐えることができ、これが変形、破損するおそれはない。防舷部9は、フロ−ト4の外側に突出しているから、舟艇がフロート4に接触したときは、この防舷部9にあたり、その衝撃からフロート4を保護する。かかるフロ一トは、魚類の養殖筏或いはかき養殖筏のフロートとして適してしいる。 【0018】図3は、上記実施の形態にかかるフロ−トの変形構造を示し、フロート14の下面中央に、直径約10cmの円形の開口15を空けたものである。なおかかる構造の場合、フロート14の下面14aは水平面に対し傾斜(θ=約5度)せしめられており、その最下端に、開口15が位置している。該開口15はフロート14内への海水の浸入を最小限とするためである。かかる構造の場合、フロート14にかかる荷重が大きくなるとフロート14の喫水は上がり、フロ一ト14に加わる水圧上昇に伴って、フロート14内に海水が入り、フロート14内の空気圧と水圧とは常に等しくなる。すなわち、フロート14の壁面に内外から加わる圧力は、常に等しいから、壁面が圧力差により変形することはない。ちなみに前述の密封体構造のフロート4(図1)では、内部の空気圧は一定であるから、外部から加わる水圧が上昇すると、フロ一ト本体壁面には、内側へ凹まされる方向の力が加わり、歪み、変形或いは破損の原因となるが、上記構造ではかかる問題は生じないのである。それ故、フロ一ト14の壁面の厚さを薄くすることができ、例えば厚さ約5mm程度とすることができ、この場合、前述の密封体構造のフロート4とほぼ同一の形状としたとき、その重量は、約10kgとなり、1/2.5に軽量化される。フロ一ト14のその他の構造はフロート4と同一とすることができる。 【0019】図4は、他の実施の形態にかかるフロ一ト本体16の形状を示し、垂直方向断面が、略6角形形状を有し、6角形の1辺をなす面が上面、かつこれに相対する面が下面とされ、それぞれ滑り止め加工された平坦面17,18に形成されている。19,19,……は、これら1組の平坦面17の両側にそれぞれ隣接する2組の傾斜面(6角形の他の辺に対応)20,20,21,21に、水平方向に複数本形成された凸条である。22は、2組の傾斜面の境界部位(6角形の角部に対応)に、水平方向側面周囲に形成された防舷部である。23は、フロート16の垂直方向側面周囲に形成された2本のロープ固定溝である。かかる構造のフロート16は、前述のフロート4,14と同様、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂にてブロ−成形法により成形される。かかるフロート16において、平坦面17,18、傾斜面20,21の形状は、前述のフロート4と同様とすることができる。 【0020】フロ一ト16は、防舷部22を境界として、上下同一構造とされ、上下逆さまにして使用できる。すなわち、海水中に長期間浸潰されていると、海草、貝殻等水棲生物が付着し、フロート16の浮力が低減するおそれがある。これに対処するため、数カ月ごとに、フロート16を上下ひっくり返して使用するのである。かくすれば、水棲生物が付着した下面を、上にして大気及び日光にさらして水棲生物を死滅、除去し、何も付着していない上面を下面として水中に漬けることにより、フロ−ト16への水棲生物の付着を防ぎ、その浮力を維持するのである。かかるフロート16は、前述のフロート4と同様フレームを構成するパイプにロープにて連結されて筏が構成される。なお上記構造のフロート16は、上下逆転して使用されるため、密封体構造のみで使用される。 【0021】 【発明の効果】本発明(請求項1)によれば、上面が平坦面とされ、かつ滑り止め加工されているから、作業者がこの上を歩行し或いはこれを足場として作業する際、安全にこれを行うことができる。通常この部分は、給餌作業により、餌に含まれる油分がフロートに付着して、滑りやすくなることが多い。また雨天時或いは波により筏が揺動する場合には、作業は危険なものとなるため、滑り止め加工を施すことは極めて有効である。 【0022】また本発明によれば、傾斜面に形成された凸条にあわせて、フレームを構成するパイプを固定することにより、フレームに対するフロートの位置決めを正確なものとすることができる。また凸条は傾斜面に形成されるから、この位置にパイプが配置されても、ロ一プ固定溝にロープを回して、フロートを締めつけた状態でパイプに連結することができる。 【0023】また本発明によれば、防舷部がフロートの水平方向側面周囲に突出形成されるから、船艇等が、フロートに衝突したとき、フロートを保護することができる。また防舷部は、フロートと一体成形されるから、別途防舷部をフロートに取りつけるという面倒な作業は不要である。 【0024】また本発明(請求項2)によれば、フロートが密封体構造とされるから、フロートに大きな荷重かかかっても、一定の浮力を維持することができる。 【0025】また本発明(請求項3)によれば、フロートの下面の開口が空けられ、水の浸入が可能とされるから、フロートに加わる荷重が大きい場合、フロ−ト内に水が入って、フロート内部の空気圧と、水圧とが常に等しく保たれるから、フロート壁面にこれを変形させようとする力は加わることはない。それ故フロート壁面の強度は水圧を考慮する必要はなく、従来の密封体構造のフロートより、その厚さを薄くでき、軽量化が可能となり、運搬、取り扱い作業がしやすいものとすることができる。 【0026】さらに本発明(請求項4)によれば、防舷部を境界として上下同一構造であるから、フロートを定期的に上下逆転して使用することができる。それ故、海水浸漬面に付着した水棲生物を定期的に除去することができ、フロートの浮力を長期間維持することができると同時に、フロ−トを清潔な状態に保つことができる。 【0027】さらに本発明(請求項5)によれば、フロートの材料としてオレフィン系熱可塑性樹脂を使用することにより、長期間海面に浮揚させた場合においても、耐久性が損なわれることはなく、また貝殻等の海洋生物の付着が抑制される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000138244 【氏名又は名称】株式会社モルテン
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| 【出願日】 |
平成11年1月13日(1999.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083231 【弁理士】 【氏名又は名称】紋田 誠
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| 【公開番号】 |
特開2000−201566(P2000−201566A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月25日(2000.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−6038 |
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