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【発明の名称】 電動リール
【発明者】 【氏名】風呂本 儀幸

【要約】 【課題】内部電源を有する電動リールにおいて、電源コードが外れたことを釣り人が確実に認識できるようにする。

【解決手段】電動リールは、着脱自在な電源コード18により外部電源PSと接続可能なリールであって、リール本体1と、糸巻き用のスプール10と、モータ12と、モータ駆動回路23と、本体コネクタ部19と、コード検出部25と、液晶表示部5と、制御部20と、内部電源IPとを備えている。モータ駆動回路は、電源コードを介して外部電源から供給された電力によりモータを駆動する。本体コネクタ部は、電源コードを着脱自在に接続する。コード検出部は、本体コネクタ部に電源コードが接続されているか否かを検出するために使用される。制御部は、電源コードが外れていることをコード検出部が検出すると内部電源に切り替えるとともにその旨を示すべく液晶表示部の速度表示部5eを消灯する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】着脱自在な電源コードにより外部電源と接続可能な電動リールであって、釣り竿に装着されるリール本体と、前記リール本体に回転自在に装着された糸巻き用のスプールと、前記スプールを糸巻取方向に回転させるためのモータと、前記電源コードを介して前記外部電源から供給された電力により前記モータを駆動するモータ駆動手段と、前記電源コードを着脱自在に接続するためのコード接続手段と、前記コード接続手段に前記電源コードが接続されているか否かを検出するコード検出手段と、前記電源コードが外れていることを前記コード検出手段が検出すると動作する動作手段と、前記リール本体の内部に設けられた内部電源と、を備えた電動リール。
【請求項2】前記スプールに巻回された釣り糸の繰り出し長さ又は巻取長さを測長し測長された長さにより前記釣り糸の先端に取り付けられた仕掛けの水深を求める水深算出手段と、前記水深算出手段により算出された水深を含む各種の情報を表示するための水深表示手段とをさらに備え、前記動作手段は、前記電源コードが外れていることを前記コード検出手段が検出すると、前記外部電源からの電力に代えて前記内部電源からの電力を前記水深表示手段に供給するとともに、前記水深表示手段に前記電源コードが外れている旨を表示させる、請求項1に記載の電動リール。
【請求項3】前記モータ駆動手段及び水深表示手段を制御するための制御手段をさらに備え、前記動作手段は、前記電源コードが外れていることを前記コード検出手段が検出すると、前記外部電源からの電力に代えて前記内部電源からの電力を前記制御手段に供給する、請求項2に記載の電動リール。
【請求項4】前記モータをオンオフするモータオンオフスイッチをさらに備え、前記動作手段は、前記電源コードが外れていることを前記コード検出手段が検出すると、前記モータオンオフスイッチを前記水深表示手段のオンオフスイッチとして機能させる、請求項3に記載の電動リール。
【請求項5】前記内部電源は、前記リール本体の前記釣り糸繰り出し側かつ前記釣り竿に接近する側に配置されている、請求項1から4のいずれかに記載の電動リール。
【請求項6】前記内部電源は、前記外部電源からの電力により充電可能な電源である、請求項1から5のいずれかに記載の電動リール。
【請求項7】前記内部電源の充電量に関する情報を前記水深表示手段に表示させる充電量表示手段をさらに備える、請求項6に記載の電動リール。
【請求項8】音を発する発音手段をさらに備え、前記動作手段は、前記電源コードが外れていることを前記コード検出手段が検出すると、前記発音手段からその旨を示す音を発生させる、請求項1から7のいずれかに記載の電動リール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動リール、特に、着脱自在な電源コードにより外部電源と接続可能な電動リールに関する。
【0002】
【従来の技術】電動リールには、スプールの糸巻取方向の回転させるためのモータが設けられており、通常、蓄電池等の外部電源から電源コードを介してモータに電力が供給されている。モータには、船などで電源が容易に得られ速度を可変に制御しやすい直流モータが使用され、モータは、モータ駆動回路により速度可変に駆動されている。また、電動リールのリール本体の上部には、液晶ディスプレイからなる水深表示部を有するカウンタケースが設けられている。カウンタケース内には、水深表示部やモータ駆動回路を制御するためのマイクロコンピュータからなる制御部が設けられている。この制御部や水深表示部にも電源コードを介して外部電源から電力が供給されている。リール本体には、電源コードを電気的に接続するための本体コネクタ部が設けられており、電源コードには、本体コネクタ部に着脱自在に装着されるコードコネクタ部が設けられている。
【0003】この種の電動リールでは、通常は、船縁に設けられた竿支持具に釣り竿を装着した状態で操作される。そして、仕掛けに魚がかかると、手で釣り竿を支持・操作し、魚の引く力を勘案しながらモータをオンオフして釣り糸を巻き取り、魚を回収する。また、餌や仕掛けを交換するために仕掛けを回収するときには、竿支持具に釣り竿を装着したままモータをオンして釣り糸を巻き取り、仕掛けを回収する。
【0004】最近、比較的小型の電動リールが今まで手巻きで行っていたような種々な釣りに広く使用されている。このような小型の電動リールを使用する場合、たとえば、仕掛けや餌を交換するときには、モータを利用して釣り糸を高速で巻き取る。また、魚を釣り上げるときには、釣り味を楽しむために電動リールを手巻きリールとして用い、手でハンドルを回して釣り糸を巻き取る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の電動リールでは、電動リールを手巻きリールとして使用する場合、釣り竿をしゃくるときや魚の動きに合わせて船内を移動するときに電源コードがじゃまになることがある。しかし、電源コードを外すと、モータだけではなく水深表示部も動作しなくなるので、あとどのぐらい巻き上げなければならないか分からなくなりリールを使いづらい。
【0006】そこで、電源コードを外しても手巻きリールとして使用できるようにするために、電動リールの内部に内部電源を装着したものが知られている。この内部電源は、たとえば、ボタン電池、乾電池等の電池であり、リール内部に設けられているために容量が小さい。このため、水深表示部の表示及び制御を行うことはできてもモータの駆動を行うことはできない。このような内部電源を装着した電動リールでは、電源コードを外したときには、内部電源から水深表示部に電力が供給され、外部電源からの電力が供給されなくても水深表示部が動作可能になる。
【0007】しかし、従来の内部電源付きの電動リールでは、電源コードを外しても、表面的に何の変化もあらわれない。このため、電源コードが外れていることを釣り人が認識できず、モータが駆動可能な状態なのか否かを判別しにくい。
【0008】本発明の課題は、内部電源を有する電動リールにおいて、電源コードが外れたことを釣り人が確実に認識できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明1に係る電動リールは、着脱自在な電源コードにより外部電源と接続可能なリールであって、釣り竿に装着されるリール本体と、糸巻き用のスプールと、モータと、モータ駆動手段と、コード接続手段と、コード検出手段と、動作手段と、内部電源とを備えている。糸巻き用のスプールは、リール本体に回転自在に装着されている。モータは、スプールを糸巻取方向に回転させるためのものである。モータ駆動手段は、電源コードを介して外部電源から供給された電力によりモータを駆動する手段である。コード接続手段は、電源コードを着脱自在に接続するための手段である。コード検出手段は、コード接続手段に電源コードが接続されているか否かを検出する手段である。動作手段は、電源コードが外れていることをコード検出手段が検出すると動作する手段である。内部電源は、リール本体の内部に設けられた電源である。
【0010】この電動リールでは、仕掛けや餌を交換するときには、たとえば、竿支持具に釣り竿を装着した状態でモータをオンして釣り糸を巻き取り、仕掛けや餌を回収して交換する。仕掛けに魚がかかって釣り味を楽しむため手巻きリールとして使用する場合には、コード接続手段から電源コードを外して使用する。このように電源コードをリールから取り外すと、電源コードが外れていることをコード検出手段が検出する。コード検出手段が、電源コードが外れていることを検出すると、動作手段が動作して、たとえば警報を鳴らしたりランプを点灯したりする。また、水深表示が可能なリールの場合、水深表示部にこの旨を示す表示を行ってもよい。これにより、電源コードがじゃまにならずに釣りを楽しむことができるとともに、動作手段の動作により電源コードが外れたことを釣り人が確実に認識できる。
【0011】発明2に係る電動リールは、発明1に記載のリールにおいて、スプールに巻回された釣り糸の繰り出し長さ又は巻取長さを測長し測長された長さにより釣り糸の先端に取り付けられた仕掛けの水深を求める水深算出手段と、水深算出手段により算出された水深を含む各種の情報を表示するための水深表示手段とをさらに備え、動作手段は、電源コードが外れていることをコード検出手段が検出すると、外部電源からの電力に代えて内部電源からの電力を水深表示手段に供給するとともに、水深表示手段に電源コードが外れている旨を表示させる。この場合には、水深算出手段が算出した仕掛けの水深が電源コードの装着の有無に関わらず水深表示手段に表示されるとともに、電源コードが外れていることが水深表示手段に表示される。このため、電源コードが外れているときにも仕掛けの水深を認識できるとともに、電源コードが外れていることを表示により釣り人が確実に認識できる。
【0012】発明3に係る電動リールは、発明2に記載の両軸受リールにおいて、モータ駆動手段及び水深表示手段を制御するための制御手段をさらに備え、動作手段は、電源コードが外れていることをコード検出手段が検出すると、外部電源からの電力に代えて内部電源からの電力を制御手段に供給する。この場合には、電源コードが外れていると、制御手段に内部電源からの電力が供給されるので、水深表示手段の制御などが電源コードを外しても継続され、電源コードを外したときのリールの使い勝手が損なわれない。
【0013】発明4に係る電動リールは、発明3に記載のリールにおいて、モータをオンオフするモータオンオフスイッチをさらに備え、動作手段は、電源コードが外れていることをコード検出手段が検出すると、モータオンオフスイッチを水深表示手段のオンオフスイッチとして機能させる。この場合には、電源コードが外れているときには、モータオンオフスイッチが水深表示手段のオンオフスイッチとして機能するので、電源コードが外れているときに、モータオンオフスイッチにより水深表示手段の表示をオンオフできる。このため、スイッチを増やすことなく、水深表示手段をオンオフできるとともに、水深表示手段を不必要な時にオフすることにより内部電源の寿命を延ばすことができる。
【0014】発明5に係る電動リールは、発明1から4のいずれかに記載のリールにおいて、内部電源は、リール本体の釣り糸繰り出し側かつ釣り竿に接近する側に配置されている。この場合には、内部電源を、リール本体の釣り糸繰り出し側かつ釣り竿に接近する側、つまり、通常レベルワインド機構が装着された位置より下方の位置の比較的空間的に余裕がある位置に配置することで、リール本体を大型化することなく内部電源をリール内に装着することができる。
【0015】発明6に係る電動リールは、発明1から5のいずれかに記載のリールにおいて、内部電源は、外部電源からの電力により充電可能な電源である。この場合には、電源コードを接続している間は内部電源が充電されるので、内部電源の容量の低下が生じにくくなり、電源コードを外して手巻きリールとして使用しても長時間釣りを楽しむことができる。
【0016】発明7に係る電動リールは、発明6に記載のリールにおいて、内部電源の充電量に関する情報を水深表示手段に表示させる充電量表示手段をさらに備える。この場合には、内部電源の充電量が一目で分かるので、電源コードは外して手巻きリールとして使用しているときにも、正常に釣りをできるか否かを釣り人が簡単に認識できる。
【0017】発明8に係る電動リールは、発明1から7のいずれかに記載のリールにおいて、音を発する発音手段をさらに備え、動作手段は、電源コードが外れていることをコード検出手段が検出すると、発音手段からその旨を示す音を発生させる。この場合には、電源コードが外れていると発音手段が発音するので、電源コードが外れていることを釣り人が容易に認識できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1及び図2において、本発明の一実施形態による電動リールは、外部電源から供給された電力により駆動されるとともに、手巻きリールとして使用するときの電源を内部に有するリールである。また、電動リールは糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有するリールである。
【0019】電動リールは、釣り竿Rに装着可能なリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを主に備えている。
【0020】リール本体1は、左右1対の側板7a,7bとそれらを連結する複数の連結部材7cとからなるフレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の側カバー8a,8bと、フレーム7の前部を覆う前カバー9とを有している。
【0021】ハンドル2側の側カバー8bには、ハンドル2の回転軸が回転自在に支持され、ハンドル2と逆側の側カバー8aの後部には、電源コード18の一端を接続するための本体コネクタ部19が設けられている。電源コード18の一端には本体コネクタ部19に着脱自在に装着されるコードコネクタ部18aが装着されており、他端には、たとえば12ボルトの鉛蓄電池からなる外部電源PSが接続されている。この本体コネクタ部19を介して、外部電源PSの電力がリールに供給される。
【0022】前カバー9には、図4に示すように、釣り糸通過用の横長の開口9aが形成されるとともに、開口9aの下側(リール本体1の前下部)には、後述する内部電源IP装着用の電源装着部30が形成されている。
【0023】リール本体1の内部にはハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部にはスプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動する直流駆動のモータ12が配置されている。また、リール本体の内部には、レベルワインド機構13(図4)や磁石ホイール(図示せず)や回転伝達機構(図示せず)やクラッチ機構(図示せず)等が設けられている。
【0024】レベルワインド機構13は、スプールの前方に配置された釣り糸案内部14を有している。レベルワインド機構13は、スプール10の回転に連動して釣り糸案内部14をスプール10の軸方向に移動させて、釣り糸をスプール10に均一に巻き付けるために設けられている。磁石ホイールは、スプール10に連動して回転し、スプール10の回転方向や回転数を検出するための検出子として機能する。回転伝達機構は、モータ12の回転を減速する遊星歯車機構やハンドル2の逆転を阻止する逆転防止機構やスプール10の糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構を含み、ハンドル2の回転をスプール10に伝達するとともにモータ12の回転をスプール10に伝達する。クラッチ機構は、ハンドル2及びモータ12とスプール10との駆動伝達をオンオフする。また、リール本体1のハンドル2側側面には、クラッチ機構をオンオフ操作するためのクラッチレバー11が配置されている。
【0025】リール本体1の上部には水密なカウンタケース4が固定されている。カウンタケース4には、図3に詳しく説明するように、仕掛けの水深や2つの基準で棚位置を表示するための液晶ディスプレイからなる液晶表示部5と、液晶表示部5の周囲に配置された各種の操作キー部6とが設けられている。
【0026】液晶表示部5には、表示モード(上からモードと底からモード)に応じて異なる水深を表示する水深表示部5aと、各種のモードや動作状態を表示するためのモード表示部5bと、水底の水深Sを表示するための底メモ表示部5cと、表示モードに応じて上棚位置又は底棚位置を表示するための棚メモ表示部5dと、スプール10巻き上げ時の9つの変速段を表示するための9つのドット表示からなる速度表示部5eと、内部電源IPの充電量を表示するための充電量表示部5fとが含まれている。充電量表示部5fは、たとえば複数本のバー表示で内部電源IPの充電量を表示する。
【0027】水深表示部5a、底メモ表示部5c及び棚メモ表示部5dは、たとえば正負3桁(整数2桁,小数1桁)で水深を表示可能である。動作モード表示部5bは、「上 から」と「底から」との2種の文字のいずれかで表示モードを画面上に表示する。ここで、上からモードとは、リールを基準とした水面からの仕掛けの水深を表示するモードであり、底からモードとは水底を基準とした水底から仕掛けまでの距離を表示するモードである。このため、上からモードは、「上もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適であり、底からモードは「底もの」と呼ばれる魚を釣るときに好適である。
【0028】操作キー部6には、液晶表示部5の右側に上下に並べて配置された速度調整スイッチSK及びモータオンオフスイッチPBと、左側に上下に並べて配置されたさそいボタンIB、棚メモボタンTB及び底メモボタンSBとが設けられている。速度調整スイッチSKは、上下2つのスイッチSK1,SK2と中立位置とからなるシーソー型のものであり、上スイッチSK1を押すと変速段が押している時間だけ徐々に高速側に移行し、下スイッチSK2を押すと低速側に移行する。また、押すのを止めると中立位置に復帰してそのときの変速段を維持する。モータオンオフボタンPBは、通常はモータ12をオンオフするスイッチとして機能するとともに、電源コード18が外れたときに液晶表示部5をオンオフするスイッチとして機能する。
【0029】さそいボタンIBは、仕掛けを棚近傍でさそい上げるさそいモードをセットしたり、さそい学習を行ったり、さそいモードを解除する際に使用されるボタンである。棚メモボタンTBは、上からモードのときの上棚位置や底からモードのときの底棚位置を設定するためのボタンである。なお、棚メモボタンTBを3秒以上押し続けると、水深表示が0セットされる。底メモボタンSBは、水底の水深を設定するためのボタンである。また、底メモボタンSBを3秒以上押し続けると、表示モードを上からモードと底からモードとの間で切り替えできる。
【0030】カウンタケース4の内部には、磁石ホイールを検出してスプール10の回転方向及び回転数を検出するための2つのリードスイッチ21a,21bからなるスプールセンサ21と、各種警報を出力するブザー22とが設けられている。
【0031】またカウンタケース4の内部には、図5に示す制御部20が設けられている。制御部20は、カウンタケース4内に配置されたCPU,RAM,ROM,I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを備えており、制御プログラムに従って後で説明する各種の制御動作を実行する。制御部20には、液晶表示部5と、モータオンオフスイッチPBと、速度調整スイッチSKと、スプールセンサ21と、ブザー22と、操作キー部6の他のボタンやクラッチオン用のソレノイド(図示せず)等を含む他の入出力部とが接続されている。
【0032】また、制御部20には、モータ12を駆動するためのモータ駆動回路23と、各種の制御データを記憶する不揮発メモリからなる記憶部24と、電源コード18が本体コネクタ部19に接続されているか否かを検出するためのコード検出部25と、スイッチ回路27と、充電量検出回路28と、過渡期用電源29とが接続されている。
【0033】モータ駆動回路23にはモータ12が接続されており、モータ12に与える電流を制御部20からの制御信号によりパルス幅変調することでモータ12を速度可変に駆動する。モータ駆動回路23には、外部電源PSから供給された、たとえば12ボルトの電力がコード検出部25及びスイッチ回路27を介して供給される。
【0034】記憶部24は、たとえばEEPROM(電気的に書き換え可能な不揮発メモリ)からなり、記憶部24には、棚位置等の表示データや実際の糸長とスプール回転数との関係を示す学習データを含む種々のデータが記憶されている。この記憶部24は、内部電源IPが消耗しても種々のデータが保存できるように設けられている。
【0035】コード検出部25は、たとえば外部電源PSの電圧が0ボルトか否かを検出する電圧検出回路からなり、電圧が0ボルトであると電源コード18が外れているとことを検出し、その旨を示す信号を制御部20に出力する。
【0036】スイッチ回路27には、コード検出部25と、変圧回路32と、内部電源IPとが接続されている。スイッチ回路27は、制御部20からの制御信号により動作する、たとえばスイッチングトランジスタにより構成された3つのスイッチ部27a〜27cを有している。スイッチ部27aは、コード検出部25とモータ駆動回路23との間に配置され、モータ駆動回路23への電力の供給をオンオフするスイッチである。スイッチ部27bは、スイッチ部27aと液晶表示部5との間に配置され、液晶表示部5へ供給する電力をオンオフするスイッチである。スイッチ部27cは、2入力1出力の切換スイッチであり、内部電源IPと外部電源PSとを切り替えるためのスイッチである。スイッチ回路27は、モータオンオフスイッチPBに連動してモータ駆動回路23及び液晶表示部5に与える電力の供給をオンオフするとともに、電源コード18の装着の有無により、モータ駆動回路23に与える電力をオンオフしかつ制御部20及び液晶表示部5に与える電力を変圧回路32を介して変圧された外部電源PSからの電力と内部電源IPからの電力との間で切り替える。
【0037】変圧回路32は、外部電源PSから供給された、たとえば12ボルトの電力を制御部20や液晶表示部5で必要とされる、たとえば3ボルトの電力に変圧する。変圧回路32の出力はスイッチ部27cの一入力端子に与えられる。変圧回路32には充電回路33も接続されており、変圧回路32の出力は充電回路33にも与えられる。
【0038】充電回路33には内部電源IPが接続されており、変圧された外部電源PSの電力により内部電源IPを充電する。
【0039】内部電源IPは、たとえば3ボルトの起電力を有する充電可能かつ着脱自在なリチウムイオン電池から構成されている。内部電源IPの出力はスイッチ部27cの他入力端子に与えられる。内部電源IPは、図4に示すように、前カバー9に設けられた電池装着部30に着脱自在に装着されている。内部電源IPと電源装着部30との間には、パッキン31が装着されており、電源装着部30のパッキン装着部分より奥側は水密になっている。この電源装着部30の位置は、開口9aの下側であるため、レベルワインド機構13の前下方(リール本体1の前下部)に位置する。この位置は、リール本体1内で比較的あいた空間となっている。このため、ここに内部電源IPを装着してもリール本体1が大型化しない。
【0040】充電量検出回路28は、内部電源IPと制御部20との間に配置され、内部電源IPの充電量をたとえば電圧により検出し、その検出信号を制御部20に出力する。この検出結果が充電量表示部5fに表示される。
【0041】過渡期用電源29は、スイッチ部27cの出力端子と制御部20との間に配置されている。過渡期用電源29は、たとえばコンデンサからなり、電源コード18を外した時にスイッチ回路27が切り替わる過渡期や電源コード18が外れた状態で内部電源IPを交換する過渡期において、制御部20に電力を供給して制御がリセットされないようにするために設けられている。
【0042】これらの制御系の各部のうち、前述したように内部電源IPがリール本体1の前下部に装着されており、残りの各部はカウンタケース4の内部に収納されている。
【0043】次に、制御部20によって行われる制御処理を図6〜図9に示す制御フローチャートに従って説明する。
【0044】電動リールに外部電源PSが電源コード18を介して接続されると、その電力がコード検出部25、変圧回路32,スイッチ回路27及び過渡期用電源29を介して制御部20に供給され、図6のステップS1において初期設定が行われる。ここでは、水深表示を「0」にしたり、変速段を1速にセットしたり、表示モードを上からモードに設定したり、各種フラグをリセットする。また、初期設定時にスイッチ回路27のスイッチ部27bがオンして液晶表示部5に電力を供給する。
【0045】ステップS2では、電源コード18が装着されているか否かを判断する。この判断は、コード検出部25からの信号により行う。電源コード18が装着されている場合には、ステップS3に移行して電源コード18装着の判断を初めてしたかを示すフラグCFが「0」にセットされているか否かを判断する。このフラグCFが「0」にセットされている場合には、すでに電源コード18が装着されていることを判断したことになる。まだ電源コード18が装着されていることを判断していない場合にはステップS3からステップS4に移行する。ステップS4では、フラグCFを「0」にセットする。ステップS5では、スイッチ回路27のスイッチ部27cを外部電源PS側、つまり変圧回路32側に切り替える。
【0046】電源コード18が外れている場合には、ステップS6に移行する。ステップS6では、フラグCFが「1」にセットさているか否かを判断する。フラグCFが「1」にセットされている場合には、すでに電源コード18が外れていることを判断したことになる。まだ電源コード18が装着されていることを判断していない場合にはステップS6からステップS7に移行する。ステップS7では、フラグCFを「1」にセットする。ステップS8では、スイッチ回路27のスイッチ部27cを内部電源IP側に切り替える。ステップS9では、コード外れ信号を液晶表示部5に出力する。この信号は、釣り人にコードが外れていることを表示するために使用される。ステップS10では、ブザー22を所定時間鳴らす信号を出力して釣り人に電源コード18が外れていることを報知する。
【0047】ステップS3でフラグCFが「0」にすでにセットされている場合、ステップS6でフラグCFが「1」にすでにセットされている場合及びステップS5又はステップS11での処理が終了した場合にはステップS12に移行する。
【0048】ステップS12では、表示処理を行う。表示処理では、液晶表示部5での水深表示等の各種の表示を行う。ここで、上からモードのときには、水深表示部5aに上からの水深が、底からモードのときには水底からの距離が表示される。また、棚位置がセットされると、上からモードのときには棚メモ表示部5dに上棚位置が、底からモードのときには底棚位置が表示される。また、電源コード18が外れておりステップS9でコード外れ信号が出力されている場合には、速度表示部5eの変速段を示す9つのドット表示すべてを消灯して電源コード18が外れていることを釣り人に報知する。さらに、充電量検出回路28の出力結果を取り込み、内部電源IPの充電量を充電量表示部5fに表示する。
【0049】ステップS14では、操作キー部6の各種キーの押圧によるキー入力がなされているか否かが判断される。ステップS16では、スプール10が回転しているか否かが判断される。この判断は、スプールセンサ21の出力により判断する。ステップS18では、他の指令がなされたか否かを判断する。
【0050】キー入力がなされているとステップS14からステップS20に移行し、図7に示すキー入力処理を行う。スプール10が回転していると判断するとステップS16からステップS22に移行し、各モード処理を実行する。各モード処理では、スプールの回転方向に応じて仕掛けまでの釣り糸の繰り出し長さ(巻取長さ)を算出して水深表示用のデータを算出するとともに、棚位置に仕掛けが到達するとその位置で釣り糸の繰り出しを停止するなどの種々の処理を実行する。他の指令がなされるとステップS18からステップS24に移行し、指令に応じた他の処理を行う。
【0051】ステップS20のキー入力処理では、図7のステップS30でモータオンオフスイッチPBが押されているか否かを判断する。ステップS32では速度調整スイッチSKの上スイッチSK1が押されているか否かを判断する。ステップS34では速度調整スイッチSKの下スイッチSK2が押されているか否かを判断する。ステップS36では、底メモボタンSBや棚メモボタンTBやさそいボタンIB等の他のキー入力がなされたか否かを判断する。
【0052】モータオンオフスイッチPBが押されていると、ステップS30からステップS38に移行する。ステップS38では、電源コード18が装着されているか否かを判断する。電源コード18が装着されている場合には、ステップS40に移行し、スイッチ回路27のスイッチ部27aがすでにオンしているか否かを判断する。スイッチ部27aがオンしている場合には、モータ12を停止するためにモータオンオフスイッチPBが押されたと判断できるので、ステップS42に移行する。ステップS42では、スイッチ部27aをオフしてモータ駆動回路23への電力を供給を停止する。スイッチ部27aがオフしている場合には、モータ12を起動するためにモータオンオフスイッチPBが押されたと判断できるので、ステップS44に移行する。ステップS44では、スイッチ部27aをオンしてモータ駆動回路23へ電力を供給してモータ12を回転させる。
【0053】電源コード18が外れていると判断するとステップS38からステップS46に移行する。ステップS46では、スイッチ回路27のスイッチ部27aをオフしてモータ12側への電力の供給を遮断する。ステップS48では、スイッチ回路27のスイッチ部27bがすでにオンしているか否かを判断する。ここで、電源コード18が外れている場合には、モータオンオフスイッチPBを液晶表示部5のオンオフスイッチとして機能させるためにこのような判断を行う。スイッチ部27bがオンしている場合には、液晶表示部5をオフするためにモータオンオフスイッチPBが押されたと判断できるので、ステップS50に移行する。ステップS50では、スイッチ部27bをオフして液晶表示部5への電力を供給を停止する。スイッチ部27bがオフしている場合には、液晶表示部5をオンするためにモータオンオフスイッチPBが押されたと判断できるので、ステップS52に移行する。ステップS52では、スイッチ部27bをオンして液晶表示部5へ電力を供給して液晶表示部5をオンする。これにより水深表示等の各種情報が表示される。
【0054】ここでは、電源コード18が装着されている場合には、モータオンオフスイッチPBをモータ12のオンオフスイッチとして機能させ、電源コード18が外れている場合には、モータオンオフスイッチPBを液晶表示部5のオンオフスイッチとして機能させている。このため、スイッチを増やすことなく、液晶表示部5をオンオフできるとともに、液晶表示部5を不必要な時にオフすることにより内部電源IPの寿命を延ばすことができる。
【0055】速度調整スイッチSKの上スイッチSK1が押されているとステップS32からステップS54に移行して増速処理を行う。この増速処理では、上スイッチSK1を押している間、変速段を一段ずつ上昇させる設定を行い、設定された変速段に応じた速度にスプール10の回転速度が上昇するまでデューティ比を大きくする制御を行う。
【0056】速度調整スイッチSKの下スイッチSK2が押されていると、ステップS34からステップS56に移行し減速処理を行う。この減速処理では、下スイッチSK2を押している間、変速段を一段ずつ下降させる設定を行い、設定された変速段に応じた速度にスプール10の回転速度が下降するまでデューティ比を小さくする制御を行う。
【0057】棚メモボタンTB等の他のキーが押されるとステップS36からステップS58に移行し、押されたキーに応じた他のキー処理を実行する。
【0058】このような制御が行われる電動リールを使用して釣りを行う場合、たとえば船縁に取り付けられた竿支持具に釣り竿を装着して置き竿の状態で仕掛けの投入や回収を行うときには、電源コード18をリールに装着する。これにより、外部電源PSからの電力によりモータ12が回転させるとともに、制御部20や液晶表示部5が動作する。
【0059】そして、仕掛けに魚がかかって合わせを行うとき等には電源コード18を外して釣り味を楽しむために手巻きリールとして使用する。このとき、電源コード18が外れると、ステップS2でそのことが判断され、スイッチ回路27のスイッチ部27cが内部電源IP側に切り替わる。それとともに、液晶表示部5の速度表示部5eが9つのドットすべてが消灯するとともにブザー22が所定時間鳴り、現在電源コード18が外れていることを釣り人に知らせる。この状態では、電源コード18が外れているので、釣り人は自由に船内を移動できるとともに、釣りのしゃくり動作などを行っても電源コードがじゃまにならず、楽しく釣りを行える。
【0060】〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、電圧により電源コードの着脱を検出したが、図8に示すように、リミットスイッチなどのアクチュエータ40a付きのスイッチ40を本体コネクタ部19に装着し、コードコネクタ部18aの接続の有無を物理的に検出してもよい。この場合、スイッチ40を切替接点(c接点)で構成すれば、電源コード18の接続の有無の検出と、それに応じた2つの電源の切替とを1つのスイッチで実現できる。
【0061】(b) 前記実施形態では、内部電源IPを二次電池で構成したが、内部電源IPを一次電池やコンデンサで構成してもよい。一次電池で構成すれば、内部電源IPのコストが安くなる。また、コンデンサで構成すれば、コンデンサは小型のため、内部電源IPを水密なカウンタケース4内に収納可能になり、防水性能を向上を図ることができる。
【0062】(c) 前記実施形態では、内部電源IPを外部電源PSから電力を供給して充電するように構成したが、図9に示すように、内部電源PSを充電するための太陽電池42を有する充電装置43を、たとえば、カウンタケース4に装着してもよい。この場合には、内部電源IPが消耗しにくくなり、電源コード18を外して手巻きリールとして使用しても液晶表示部5を長時間表示させることができる。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る電動リールでは、電源コードをリールから取り外すと、電源コードが外れていることをコード検出手段が検出し、動作手段が動作して、たとえば警報を鳴らしたりランプを点灯したりする。このため、電源コードがじゃまにならずに釣りを楽しむことができるとともに、動作手段の動作により電源コードが外れたことを釣り人が確実に認識できる。
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成10年12月9日(1998.12.9)
【代理人】 【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−166443(P2000−166443A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−349475