トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 釣用具及び釣竿
【発明者】 【氏名】小野 裕之

【要約】 【課題】装飾性のある高級感を演出すると共に耐摩耗性を維持しつつ強度及び耐久性に優れた釣用具を提供する。

【解決手段】釣糸ガイド14は、釣糸が挿通可能な内径寸法を有するガイドリング18と、このガイドリング18を支持する枠体20と、この枠体20を釣竿即ち各竿管に装着させるための装着用穴22とを備えている。このような釣糸ガイドには、装飾性のある高級感を演出すると共に耐摩耗性を維持しつつ強度及び耐久性に優れた釣用具を実現するために、装着用穴22の内周面22aに装飾被膜24が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣糸が挿通可能な内径寸法を有するガイドリングと、このガイドリングを支持する枠体と、この枠体を所定の部位に装着させるための装着部とを備えており、少なくとも枠体の表面には、装飾被膜が形成されていることを特徴とする釣用具。
【請求項2】 前記枠体は、前記装飾被膜よりも比重の軽い材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣用具。
【請求項3】 前記枠体は、透明又は半透明な材料で形成されており、前記装飾被膜は、光を一部通過させるような極薄の厚さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣用具。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1に記載した釣用具を備えており、前記装着部に装飾被膜を形成し、この装着部を竿管に着脱自在又は移動自在に装着することによって、前記ガイドリングを支持する枠体が、前記竿管の所定位置に配置される釣竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿、及び、釣竿やリール等に用いる釣糸ガイド等の釣用具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平10−248449号公報に開示されているように、釣糸ガイドとして使用されるセラミック製のガイドリングの表面にチタンコーティング層を備えることによって、装飾性のある高級感を演出すると共に耐摩耗性を維持する技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、釣糸ガイドとして使用されるセラミック製のガイドリングは、耐摩耗性に優れている反面、外部からの衝撃に弱いため(即ち、強度及び耐久性に欠けるため)、一般的に、そのガイドリングの外側に枠体を構成して、この枠体によって外部からの衝撃を受けるようにしている。
【0004】しかし、このような枠体によってガイドリングの外側を覆うと、ガイドリング表面に施された装飾性のある高級感を外部に演出することができなくなってしまうといった問題が発生する。
【0005】本発明は、このような問題を解決するために成されており、その目的は、装飾性のある高級感を演出すると共に耐摩耗性を維持しつつ強度及び耐久性に優れた釣用具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明の釣用具は、釣糸が挿通可能な内径寸法を有するガイドリングと、このガイドリングを支持する枠体と、この枠体を所定の部位に装着させるための装着部とを備えており、少なくとも枠体の表面には、装飾被膜が形成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の釣用具について、添付図面を参照して説明する。
【0008】本発明の技術的思想を適用することが可能な釣用具としては、例えば、釣竿に沿って釣糸を案内するための釣糸ガイド、釣糸の繰出時及び巻取時にリールに対して釣糸を案内するレベルワインド機構の釣糸ガイドなどが挙げられる。
【0009】本実施の形態では、その一例として、釣竿に沿って釣糸を案内するための釣糸ガイドについて説明する。
【0010】図1には、釣竿全体の構成が示されている。
【0011】この釣竿は、握持把持部2が形成された元竿管4と、元竿管4の先端に連結された第1中竿管6と、第1中竿管6の先端に連結された第2中竿管8と、第2中竿管8の先端に連結された穂先竿管10とから構成されている。
【0012】元竿管4の握持把持部2には、リール12が着脱自在に取り付けられており、各竿管4,6,8,10には、複数個の釣糸ガイド14が着脱自在又は移動自在に装着されている。
【0013】このような構成において、リール12に巻回されている釣糸16は、複数個の釣糸ガイド14によって釣竿に沿って案内された後、穂先竿管10の先端に装着された釣糸ガイド(仮に、トップガイドと言う)14から外方へ延出させることができるようになっている。
【0014】図2(a),(b)には、釣糸ガイド14の構成が示されている。
【0015】釣糸ガイド14は、釣糸16(図1参照)が挿通可能な内径寸法を有するガイドリング18と、このガイドリング18を支持する枠体20と、この枠体20を釣竿即ち各竿管4,6,8,10に装着させるための装着部とを備えている。
【0016】ガイドリング18は、その強度及び耐久性を確保するために、例えば、アルミナ、炭化ケイ素等の材料で形成することが好ましい。
【0017】枠体20は、ガイドリング18に比べて大きな寸法及び重量となっており、この枠体20を釣竿即ち各竿管4,6,8,10に装着したときに、釣竿全体が重くなったり魚釣操作性が悪くなるといった不具合を防止する必要がある。このため、枠体20は、釣竿全体の軽量化や釣竿の魚釣操作性を実現すると同時に、その強度及び耐久性を確保するために、例えば、エンジニアリングプラスチック等の低比重材料(具体的には、後述する装飾被膜を構成する材料よりも比重の軽い材料)で形成することが好ましい。特に、枠体20を透明又は半透明に形成する要求がある場合には、その要求に応じて、例えば、ポリカーボネイト等の透明材料、又は、例えば、ナイロン、ABS等の半透明材料を適宜選択することが好ましい。
【0018】装着部は、枠体20に形成された装着用穴22であり、この装着用穴22の内径寸法は、枠体20を装着する各竿管4,6,8,10の外径寸法に対応して設定されている。つまり、釣糸ガイド14は、その装着用穴22の内径寸法に応じて、各竿管4,6,8,10に装着する位置が異なる(図1参照)。例えば、装着用穴22内径寸法が比較的小さい場合、その釣糸ガイド14は、穂先竿管10或いは第2中竿管8に装着させるようになっており、これに対して、装着用穴22内径寸法が比較的大きい場合、その釣糸ガイド14は、第1中竿管6或いは元竿管4に装着させるようになっている。
【0019】釣竿は、その基端(元竿管4)から先端(穂先竿管10)に行くに従って連続的且つ滑らかに先細りしているため、各竿管4,6,8,10は、この先細り形状に対応して、夫々、テーパが施されている。従って、上述した釣糸ガイド14は、その装着用穴22を穂先竿管10の先端から通した後、釣竿の基端方向に移動させて行くと、装着用穴22の内径寸法と竿管の外径寸法が一致した箇所で、それ以上の移動が一時阻止される。このとき、更に釣糸ガイド14を釣竿の基端方向に移動させると、装着用穴22が竿管に圧接し、装着用穴22と竿管との間に所定の摩擦力が発生するため、釣糸ガイド14は、その装着用穴22の内径寸法に適合した外径寸法を有する竿管の部分に安定して装着されることになる。
【0020】このような作業を全ての釣糸ガイド14に対して行うことによって、図1に示すような位置に各釣糸ガイド14を装着させることができる。
【0021】このような構成を有する本発明の釣糸ガイド14には、装飾性のある高級感を演出すると共に耐摩耗性を維持しつつ強度及び耐久性に優れた釣用具を実現するために、各構成部位の表面に以下のような装飾被膜が形成されている。
【0022】図2(c)には、枠体20の装着用穴22の内周面22aに装飾被膜24が形成された状態が示されている。
【0023】図2(c)に示すように、枠体20の装着用穴22の内周面22aには、枠体20を各竿管4,6,8,10に装着した際の回り止めとして、その周方向に亘って複数の凹凸部26が形成されており、これら凹凸部26の表面を覆うように装飾被膜24が形成されている。
【0024】この場合、凹凸部26の表面に形成した装飾被膜24が剥離しないように、凹凸部26の各頂部は、緩やかな湾曲状に形成することが好ましい。凹凸部26の各頂部を緩やかな湾曲状に形成する場合、この凹凸部26の広がり角度θは、約30度〜150度、好ましくは、約30度〜90度の範囲に設定することが好ましい。このように構成することによって、凹凸部26の頂部を欠け難くすることができる。
【0025】このような装着用穴22の内周面22aに形成する装飾被膜24としては、枠体20の材料の種類に対応して、種々のタイプの装飾被膜24を選択することが好ましい。例えば、クロム、チタン及びその窒化物,炭化物、D.L.C(ダイヤモンドライクカーボン)等の材料から成る硬質被膜、クロム、チタン及びその窒化物,炭化物、D.L.C等の材料から成る耐摩耗性被膜、フッ素系の化合物、シリコン系化合物等の材料から成る撥水性被膜、D.L.C、モリブデン等の材料から成る潤滑性被膜を選択することが好ましい。
【0026】また、装着用穴22の内周面22aに装飾被膜24を形成する方法としては、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、湿式メッキ法等を選択することができる。
【0027】また、装着用穴22の内周面22aに形成する装飾被膜24の厚さは、枠体20の軽量化と共に、装着用穴22と各竿管4,6,8,10との間の装着力の向上を図ることができるように、約3μm以下、好ましくは、1μm〜0.01μmの範囲に設定することが好ましい。この場合、上述したように、特に枠体20を透明又は半透明に形成する要求がある場合には、装飾被膜24を光が一部通過するような極薄の厚さ(例えば、0.01μm〜0.1μmの厚さ)に設定することが好ましい。
【0028】また、図3には、枠体20の表面に装飾被膜28が形成された状態が示されている。
【0029】この装飾被膜28も、上述した装飾被膜24(図2(c)参照)と同様に、枠体20の材料の種類に対応して、種々のタイプ(硬質被膜、耐摩耗性被膜、撥水性被膜、潤滑性被膜など)の装飾被膜28を選択することが好ましい。なお、この装飾被膜28の形成方法、及び、その厚さについては、上述した装飾被膜24の場合と同様であるため、その説明は省略する。
【0030】更に、図4には、ガイドリング18の表面(少なくとも釣糸16(図1参照)が接触する部分、特に、枠体20にガイドリング18が嵌め込まれた状態において外部に露出する部分)に装飾被膜30が形成された状態が示されている。
【0031】ガイドリング18の表面に形成する装飾被膜30としては、ガイドリング18の材料の種類に対応して、種々のタイプの装飾被膜30を選択することが好ましい。特に、このガイドリング18には、直接、釣糸16(図1参照)が接触するため、装飾被膜30は、釣糸16との間の摩擦抵抗が小さくなると共に、釣糸16によって容易に損傷することの無い材料で構成することが好ましい。この場合、例えば、D.L.C、SiC、チタンアルミ等の材料を用いることが好ましい。なお、摩擦抵抗や損傷に関する条件を全て満足するものであれば、上述したような種々のタイプ(硬質被膜、耐摩耗性被膜、撥水性被膜、潤滑性被膜など)の装飾被膜を選択しても良い。
【0032】更に、ガイドリング18の表面には、微小な凹部(ピンホールなど)18aが多数形成されているため、ガイドリング18の表面に装飾被膜30を形成する場合、多数の凹部18aによって装飾被膜30の表面が粗面状にならないように、装飾被膜30の厚さを調節することが好ましい。具体的には、ガイドリング18の表面に形成する装飾被膜30の厚さは、約1μm以下、好ましくは、0.05μm〜0.5μmの範囲に設定することが好ましい。
【0033】このように被膜の種類及び厚さを設定することによって、釣糸16との間の摩擦抵抗が小さくなると共に、釣糸16によって容易に損傷することも無く、その表面が平滑面に維持された装飾被膜30を形成することができる。更に、ガイドリング18の多数の凹部18a内に装飾被膜30を充分に入り込ませることができるため、装飾被膜30が摩耗してガイドリング18の表面が露出しても、多数の凹部18a内に入り込んでいる装飾被膜30によって、その表面の平滑性を維持させておくことができる。
【0034】また、この装飾被膜30の形成方法については、上述した装飾被膜24の場合と同様であるため、その説明は省略する。
【0035】なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のように種々変更することが可能である。
【0036】上述した装飾被膜24,28,30は、いずれも単層から成る被膜を前提としているが、例えば下地層と被膜層から成る多層構造の装飾被膜にしても良い。
【0037】また、上述した実施の形態では、ガイドリング18の表面、枠体20の装着用穴22の内周面22a、枠体20の表面に対して、個別に装飾被膜を形成する場合について説明したが、装飾被膜は、釣糸ガイド14に対して一体的且つ連続的に形成しても良い。特に、枠体20にガイドリング18を嵌め込んだ状態で装飾被膜を一体的且つ連続的に形成すると、ガイドリング18と枠体20との間に装飾被膜が一部入り込むことによって、ガイドリング18と枠体20と間の支持力を向上させることができると共に、ガイドリング18の表面平滑性の向上と同時にガイドリング18と枠体20と境界部分の外観を向上させることができる。
【0038】また、図5に示すように、ガイドリング18を枠体20に嵌め込む前に、枠体20の表面(装着用穴22の内周面22a、ガイドリング18を支持するための支持穴32の内周面32aを含んだ枠体20の表面)にのみ、装飾被膜(図示しない)を形成し、その後、ガイドリング18を支持穴32に嵌め込むようにしても良い。なお、ガイドリング18には、被膜形成処理が施されていない。
【0039】この場合、装飾被膜としては、ガイドリング18よりも軟質の被膜であって、且つ、枠体20とガイドリング18との中間程度の硬度を有する被膜を選択することが好ましい。
【0040】この図5に示すような構成によれば、ガイドリング18を枠体20の支持穴32に堅牢に固定することができる。更に、装飾被膜の厚さを厚くしたり、高い硬度の装飾被膜を用いても、装飾被膜を形成する箇所は、枠体20の表面だけであるから、ガイドリング18の表面(特に、釣糸が接触する面)の釣糸案内性能には、一切影響を与えることは無い。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、装飾性のある高級感を演出すると共に耐摩耗性を維持しつつ強度及び耐久性に優れた釣用具を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成10年11月20日(1998.11.20)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
【公開番号】 特開2000−152734(P2000−152734A)
【公開日】 平成12年6月6日(2000.6.6)
【出願番号】 特願平10−330756