| 【発明の名称】 |
釣 竿 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴江 浩康
【氏名】黒川 智弘
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| 【要約】 |
【課題】使用目的や竿管の種類に応じた最適な撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性を図ることが可能な釣竿を提供する。
【解決手段】強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化合成樹脂から成るプリプレグシート18を巻回することによって構成される竿管6,8を有する釣竿において、竿管の釣糸案内領域には、所定の内径を有する超弾性合金材料から成る超弾性合金層20が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化合成樹脂から成るプリプレグシートを巻回することによって構成される竿管を有する釣竿において、前記竿管には、その釣糸案内領域に、所定の内径を有する超弾性合金材料から成る釣糸案内部が形成されていることを特徴とする釣竿。 【請求項2】 前記釣糸案内部の内径は、少なくとも1.6mm以上に設定されていることを特徴とす請求項1に記載の釣竿。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸を案内する領域に超弾性合金材料から成る釣糸案内部が形成された竿管を有する釣竿に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、撓み量の大きな箇所や局部的に変形し易い箇所において、竿管の撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性を同時に向上させることを目的として、種々の釣竿が提案されている。 【0003】例えば特開平3−236732号公報には、釣竿を構成する穂先竿管を超弾性合金材料(Ni−Ti合金)で形成することによって、穂先竿管の撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性の向上を図っている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平3−236732号公報に開示された釣竿において、超弾性合金材料は、穂先竿管のみに用いられており、他の部分(例えば、中竿管、釣糸案内ガイド部材)には用いられていないため、この釣竿の構成を例えば中通し釣竿に応用することができなかった。 【0005】中通し釣竿は、穂先竿管及び中竿管の内部に釣糸を挿通させるようになっており、上述したように穂先竿管にのみ超弾性合金材料を用いても、中竿管の撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性を向上させることができないため、その結果として、中通し釣竿全体としての撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性が低下してしまう。 【0006】つまり、従来の釣竿では、その応用範囲が限られており、あらゆる種類の釣竿にとって最適な撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性を図ることができなかった。 【0007】本発明は、このような問題を解決するために成されており、その目的は、使用目的や竿管の種類に応じた最適な撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性を図ることが可能な釣竿を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化合成樹脂から成るプリプレグシートを巻回することによって構成される竿管を有する釣竿において、前記竿管には、その釣糸案内領域に、所定の内径を有する超弾性合金材料から成る釣糸案内部が形成されている。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の釣竿について、添付図面を参照して説明する。 【0010】図1には、中通し釣竿の構成が示されている。 【0011】この中通し釣竿は、握持把持部2が形成された元竿管4と、この元竿管4の先端に連結可能な中竿管6と、この中竿管6の先端に連結可能な穂先竿管8とを備えており、元竿管4の握持把持部2には、リール10が着脱自在に取り付けられている。また、元竿管4の先端側には、釣糸導入ガイド12が取り付けられており、リール10に巻回されている釣糸14は、釣糸導入ガイド12から中竿管6内に導入され、この中竿管6及び穂先竿管8内を案内された後、穂先竿管8の先端に設けられたトップガイド16から外方へ延出させることができるようになっている。 【0012】図2には、中通し釣竿の穂先竿管8の構成が示されている。 【0013】この穂先竿管8は、その先端側に形成された超弾性管部8aと、その基端側に形成されたFRP管部8bと、その中間に形成された複合管部8cとから構成されている。 【0014】FRP管部8bは、強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシート18を巻回することによって形成されており、その内周面には、釣糸案内性を向上させるために、スパイラル状の突起部18aが形成されている。 【0015】この突起部18aの形成方法は、任意の方法を適用することが可能であるが、その一例として、まず、芯金に対して所定幅のテープを螺旋状に巻回して、芯金に凹凸部を形成した後、凹部となった部分に極薄テープを巻回する。次に、この極薄テープの上からガイド部材(例えば、金属、合成樹脂、有機繊維、セラミックス、カーボン束など)を巻回した後、プリプレグシート18を巻回する。そして、脱芯した後に、テープ及び極薄テープを取り除くことによって、FRP管部8bの内周面に、ガイド部材から成るスパイラル状の突起部18aを形成することができる。 【0016】プリプレグシート18を構成する強化繊維としては、その弾性率が、0.5tonf/mm2 〜95tonf/mm2 の例えばカーボン、ボロン、ガラス、有機繊維等を用いることが可能であり、また、この強化繊維に含浸させる合成樹脂としては、例えばエポキシ樹脂等を用いることが可能である。 【0017】超弾性管部8aには、例えば、Ni−Ti、Ni−Ti−Fe、Ni−Ti−Cu、Ni−Ti−Cr系等の超弾性合金材料から成る超弾性合金層20が形成されており、この超弾性合金層20は、穂先竿管8の先端に向かうに従って先細りテーパ形状を成している。また、釣糸案内部としての機能を持たせるために、超弾性管部8a即ち超弾性合金層20の内径は、少なくとも1.6mm以上に設定することが好ましい。この場合、超弾性合金層20の弾性率は、0.5tonf/mm2 〜30tonf/mm2 の範囲に設定することが好ましい。 【0018】複合管部8cは、上述したプリプレグシート18と超弾性合金層20との間に補強部材22を介挿して構成されている。補強部材22としては、その弾性率が、0.5tonf/mm2 〜5tonf/mm2 の例えばエポキシ系の接着剤等の材料を用いることが好ましい。なお、接着面は、表面荒しを行うことが好ましい。 【0019】このような図2の構成によれば、穂先竿管8の先端側に超弾性合金層20を設けたことによって、撓み性及び強度並びに釣糸の案内性に優れた中通し釣竿の穂先竿管8を実現することができる。 【0020】図3には、中通し釣竿の穂先竿管8及び中竿管6の構成が示されている。 【0021】これら穂先竿管8及び中竿管6は、その内周側に竿管全体に亘って超弾性合金材料から成る超弾性合金層20が形成され、この超弾性合金層20の外周に強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシート18が巻装されている。なお、プリプレグシート18及び超弾性合金層20の構成は、上述した図2のものと同様であるため、同一符号を付して、その説明は省略する。 【0022】このような図3の構成によれば、撓み性及び強度並びに釣糸の案内性に優れた中通し釣竿の穂先竿管8及び中竿管6を実現することができるだけで無く、これら竿管の製造プロセスが簡略化できるため、釣竿の製造コストを削減することが可能となる。 【0023】図4には、中通し釣竿の穂先竿管8の構成が示されている。 【0024】この穂先竿管8は、その先端領域にのみ超弾性合金層20が形成されている。具体的には、穂先竿管8は、その基端から先端に亘ってプリプレグシート18から構成されており、このプリプレグシート18の先端(即ち、トップガイド16に隣接した領域)の内周面にのみ部分的に超弾性合金層20が設けられている。なお、プリプレグシート18及び超弾性合金層20の構成は、上述した図2のものと同様であるため、同一符号を付して、その説明は省略する。 【0025】このような図4の構成によれば、最も小径となっている穂先竿管8の先端領域に超弾性合金層20を配置したことによって、特にその強度が弱くなりがちな先端領域を補強することができる。このため、例えば結び目やゴミ等が付着した状態で釣糸が穂先竿管8の先端に案内された場合であっても、この先端領域における裂け割れ等の破損を防止することが可能となる。更に、穂先竿管8の先端領域を撓み性及び強度並びに釣糸の案内性に優れたものとすることができる。 【0026】図5には、中通し釣竿の穂先竿管8及び中竿管6の構成が示されている。 【0027】これら穂先竿管8及び中竿管6は、超弾性合金層20を複数の箇所(図面上では、先端、基端、中間の3箇所)に配置して構成されている。この場合、超弾性合金層20の個数や配置は、釣り人の力量及び使用目的や竿管の種類に対応して任意に増減及び変更することが可能である。なお、プリプレグシート18及び超弾性合金層20の構成は、上述した図2のものと同様であるため、同一符号を付して、その説明は省略する。 【0028】このような図5の構成によれば、超弾性合金層20の個数や配置を増減変更することによって、釣り人の力量及び使用目的や竿管の種類に対応した所望の撓み性及び強度並びに釣糸の案内性を図ることができる。 【0029】図6には、穂先竿管8と中竿管6との連結部P1(図1参照)、及び、中竿管6と元竿管4との連結部P2(図1参照)に、夫々、超弾性合金層20を配置した構成が示されている。 【0030】これら連結部P1,P2は、特に、歪みが集中する箇所であると共に、竿管内を挿通される釣糸が引っ掛かり易い箇所でもある。従って、このような箇所に超弾性合金層20を配置することによって、連結部P1,P2の撓み性及びその強度並びに釣糸案内性を向上させることが可能となる。なお、プリプレグシート18及び超弾性合金層20の構成は、上述した図2のものと同様であるため、同一符号を付して、その説明は省略する。 【0031】ここで、上述した超弾性合金層20を竿管の釣糸案内領域に形成する方法について説明する。 【0032】図8には、超弾性合金材料から成る超弾性強化繊維によって超弾性合金層20を竿管の釣糸案内領域に形成する方法が示されている。 【0033】同図(b)には、強化繊維が軸長方向に引き揃えられたプリプレグ24に織布26を裏打ちして構成したプリプレグシート28が示されている。この場合、プリプレグ24及び織布26の少なくとも一方を超弾性強化繊維で構成し、この超弾性強化繊維が釣糸案内面となるように、プリプレグシート28を芯金30(同図(a)参照)に巻回することによって、図2〜図6に示すように超弾性合金層20を竿管の釣糸案内領域に形成することができる。 【0034】同図(c)には、超弾性合金材料から成る強化繊維が軸長方向に引き揃えられたプリプレグ32から成るプリプレグシート34が示されている。この場合、このプリプレグシート32を芯金30に巻回することによって、図2〜図6に示すように超弾性合金層20を竿管の釣糸案内領域に形成することができる。 【0035】同図(d)には、強化繊維が軸長方向に引き揃えられたプリプレグ36に、強化繊維が周方向に引き揃えられたプリプレグ38を裏打ちして構成したプリプレグシート40が示されている。この場合、2つのプリプレグ36,38の少なくとも一方を超弾性強化繊維で構成し、この超弾性強化繊維が釣糸案内面となるように、プリプレグシート40を芯金30に巻回することによって、図2〜図6に示すように超弾性合金層20を竿管の釣糸案内領域に形成することができる。 【0036】また、この超弾性合金層20の外周には、釣り人の好み或いは使用目的や竿管の種類に応じて、図9に示すように、複数層から成るプリプレグシート18を巻装させることも可能であり、このような構成でも、釣竿の最適な撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性を図ることができる。 【0037】また、釣竿を構成する超弾性合金層20とプリプレグシート18の配置及び組み合わせについても、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のように種々変更することが可能である。 【0038】例えば図10(a)に示すように、肉厚及び直径が一定の超弾性合金層20の外周に、テーパが施されたプリプレグシート18を巻装させても良い。このような構成によれば、テーパ状のプリプレグシート18によって釣竿としての最適な撓み性を図りつつ、肉厚及び直径が一定の超弾性合金層20によって釣竿としての最適な強度及び釣糸案内性を図ることができる。 【0039】例えば図10(b)に示すように、肉厚及び直径が一定の超弾性合金層20の端部20aを覆うように、テーパが施されたプリプレグシート18を巻装させても良い。この場合、端部20aは、面取りを施すことが好ましい。このような構成によれば、超弾性合金層20の端部20aに面取りを施したことによって、この端部20aに応力集中が生じるのを防止することができるため、実釣時の撓み具合を釣竿全体に亘って連続的に且つ滑らかに変化させることができる。なお、その他の効果は、上述した図10(a)の構成と同様であるため、その説明は省略する。 【0040】例えば図10(c)に示すように、テーパが施されたプリプレグシート18の内周面に、肉厚及び直径が一定の超弾性合金層20を配置させても良い。この場合、端部20aは、面取りを施すことが好ましい。このような構成によれば、竿管内を案内される釣糸が端部20aに摺接した場合でも、テーパ状の端部20aに沿って釣糸を滑らかに案内することができるため、釣竿としての最適な釣糸案内性を図ることができる。なお、その他の効果は、上述した図10(a),(b)の構成と同様であるため、その説明は省略する。 【0041】例えば図10(d)に示すように、テーパが施されたプリプレグシート18の外側に、超弾性合金層20を巻装させても良い。この場合、プリプレグシート18に隣接する超弾性合金層20の端部20aは、面取りを施すことが好ましい。このような構成によれば、超弾性合金層20の端部20aに面取りを施したことによって、この端部20aに応力集中が生じるのを防止することができるため、実釣時の撓み具合を釣竿全体に亘って連続的に且つ滑らかに変化させることができる。 【0042】また、上述した実施の形態は、全て、中通し釣竿について説明したが、本発明の技術的思想は、例えば図7に示すような竿管42の外側に釣糸ガイド44が設けられ、この釣糸ガイド44によって釣糸46を案内するタイプの釣竿にも適用することが可能である。 【0043】この釣竿には、その先端に釣糸ガイドユニット48が外付けされており、釣糸ガイド44によって案内された釣糸46は、釣糸ガイドユニット48内を通った後、トップガイド50から外方に延出されるようになっている。この場合、釣糸ガイドユニット48を超弾性合金材料で形成することによって、釣糸の案内性の向上を図ることができる。 【0044】上述(図1〜図10参照)したように、本発明の釣竿によれば、使用目的や竿管の種類に応じて適宜所望の位置に超弾性合金層20を配置することができるため、最適な撓み性及び強度並びに釣糸の案内性を図ることができる。 【0045】 【発明の効果】本発明によれば、使用目的や竿管の種類に応じた最適な撓み性及びその強度並びに釣糸の案内性を図ることが可能な釣竿を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月20日(1998.11.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−152732(P2000−152732A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月6日(2000.6.6) |
| 【出願番号】 |
特願平10−330758 |
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