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【発明の名称】 スピニングリールの釣り糸案内機構
【発明者】 【氏名】佐藤 純

【要約】 【課題】固定軸を両端支持可能な釣り糸案内機構において、釣り糸が引っ掛かったり噛み込んだりしないようにする。

【解決手段】スピニングリールのベールアーム34は、1対のロータアーム31,32の先端に揺動自在に装着され釣り糸をスプール4に案内する機構であって、ロータアーム31,32に揺動自在に装着された1対のベール支持部材40,42と、固定軸43と、固定軸43に回転自在に支持されたラインローラ44と、アーチ部45と、固定軸カバー46と、ベール41とを備えている。このベールアーム34では、第1ベール支持部材40の先端にアーチ部45を設け、このアーチ部45の先端の軸支部45bと第1ベール支持部材40とで固定軸43の両端を支持している。この軸支部45bは、固定軸カバー46により覆われている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ロータの1対のロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着され釣り糸をスプールに案内するスピニングリールの釣り糸案内機構であって、前記ロータアームの先端にそれぞれ揺動自在に装着された1対のベール支持部材と、前記1対のベール支持部材の一方に一端が固定された固定軸と、前記固定軸に回動自在に支持され、周面に前記釣り糸を案内する案内部が形成されたラインローラと、前記一方のベール支持部材の先端から前記ラインローラの外方を経て前記固定軸の他端に向かって延びる橋絡部と、前記橋絡部の先端に一体で形成され前記固定軸の他端を支持するリング状の軸支部とを有するアーチ部と、前記固定軸の他端に前記一方のベール支持部材と間隔を隔てて設けられ、前記軸支部を外側から覆いかつ前記ラインローラの端部と重なる位置まで延びる固定軸カバーと、前記ベール支持部材の他方と前記固定軸カバーとに両端が固定され、前記スプールの周方向外方に凸に湾曲して配置され、前記固定軸カバーを介して前記釣り糸を前記ラインローラに導くためのベールと、を備えたスピニングリールの釣り糸案内機構。
【請求項2】前記橋絡部は、前記軸支部の外周面で前記軸支部に接続されており、前記固定軸カバーは、前記軸支部を前記橋絡部との接続部分を除いて実質的に全周にわたり覆い、かつ前記接続部分で前記橋絡部により回転方向の位置決めがなされている、請求項1に記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。
【請求項3】前記橋絡部は、前記一方のベール支持部材において、前記固定軸の固定位置より前方で前記固定軸の他端に向かって延びている、請求項1又は2に記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。
【請求項4】前記固定軸と固定軸カバーとは一体で切削加工により形成されている、請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。
【請求項5】前記ラインローラは、前記固定軸に軸方向に間隔を隔てて配置された2つの転がり軸受により前記固定軸に回転自在に支持されている、請求項1から4のいずれかに記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。
【請求項6】前記固定軸カバーとラインローラとの間に介装された合成樹脂製のカラー部材をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣り糸案内機構、特に、ロータの1対のロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着され釣り糸をスプールに案内するスピニングリールの釣り糸案内機構に関する。
【0002】
【従来の技術】スピニングリールには、釣り糸をスプールに案内するベールアーム(釣り糸案内機構の一例)が設けられている。ベールアームは、ロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着されており、1対のロータアームに揺動自在に装着された1対のベール支持部材と、一方のベール支持部材の先端に装着されたガイドローラとを備えている。ガイドローラは、一方のベール支持部材に片持ち支持された固定軸に回転自在に支持されている。ガイドローラの先端には固定軸カバーが固定され、固定軸カバーには、ベールの一端が固定されている。ベールの他端は他方のベール支持部材に固定されている。
【0003】このような構成の従来のベールアームでは、引きが強い魚を釣るための大型のスピニングリールの場合、固定軸が一方のベール支持部材に片持ち支持されているだけであると強度が充分ではない。そこで、大型のスピニングリールでは、固定軸を両端支持しているものが知られている(実開平3−117462号等)。前記公報に開示されたベールアームでは、ベール支持部材の先端から固定軸カバーに向けて延びる橋絡部と橋絡部の先端に一体で形成されたリング部とを設け、このリング部に固定軸カバーをはめ込むことで固定軸の他端を支持し固定軸を両端支持している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の釣り糸案内機構では、固定軸カバーとリング部との間に環状の溝又は突起が生じ、この部分にベールから案内された釣り糸が引っ掛かったり噛み込んだりすることがある。また、固定軸カバーは、固定軸と兼用されたボルトによりベール支持部材に中心部で固定されているだけであり回り止めされていないので、ベールの位置が安定せず、ロータ全体の回転バランスが安定しない。
【0005】本発明の課題は、固定軸を両端支持可能な釣り糸案内機構において、釣り糸が引っ掛かったり噛み込んだりしないようにすることにある。本発明の別の課題は、固定軸を両端支持可能な釣り糸案内機構において、ロータの回転バランスを安定させるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、ロータの1対のロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢とに揺動自在に装着され釣り糸をスプールに案内する機構であって、1対のベール支持部材と、固定軸と、ラインローラと、アーチ部と、固定軸カバーと、ベールとを備えている。1対のベール支持部材は、ロータアームの先端にそれぞれ揺動自在に装着された部材である。固定軸は、1対のベール支持部材の一方に一端が固定された軸である。ラインローラは、固定軸に回動自在に支持され、周面に釣り糸を案内する案内部が形成されたローラである。アーチ部は、一方のベール支持部材の先端からラインローラの外方を経て固定軸の他端に向かって延びる橋絡部と、橋絡部の先端に一体で形成され固定軸の他端を支持するリング状の軸支部とを有している。固定軸カバーは、固定軸の他端に一方のベール支持部材と間隔を隔てて設けられ、軸支部を外側から覆いかつラインローラの端部と重なる位置まで延びるカバーである。ベールは、ベール支持部材の他方と固定軸カバーとに両端が固定され、スプールの周方向外方に凸に湾曲して配置され、固定軸カバーを介して釣り糸をラインローラに導くためのものである。
【0007】このスピニングリールの釣り糸案内機構では、キャスティング時等に糸開放姿勢から糸案内姿勢に復帰させロータを回転させると、釣り糸がベールに接触しながら固定軸カバーを経てラインローラに案内され、さらにスプールに案内され巻き付けられる。この固定軸カバーは、軸支部を外側から覆いかつラインローラの端部と重なる位置まで延びているので、軸支部に釣り糸が接触することがない。このため、固定軸カバーの糸接触部分を滑らかにすることで、釣り糸がベールからラインローラに案内される際に引っ掛かったり噛み込んだりしにくくなる。
【0008】発明2に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1に記載の機構において、橋絡部は、軸支部の外周面で軸支部に接続されており、固定軸カバーは、軸支部を橋絡部との接続部分を除いて実質的に全周にわたり覆い、かつ接続部分で橋絡部により回転方向の位置決めがなされている。この場合には、橋絡部が軸支部の外周部に接続され、この接続部分で橋絡部により固定軸カバーが回転方向の位置決めがなされているので、固定軸カバーが軸芯回りに回らなくなり、ロータの回転バランスが安定する。しかも、固定軸カバーが接続部分を除いて軸支部を実質的に全周にわたり覆っているので、固定軸カバーからラインローラに案内される釣り糸がより引っ掛かったり噛み込みんだりしにくくなる。
【0009】発明3に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1又は2に記載の機構において、橋絡部は、一方のベール支持部材において、固定軸の固定位置より前方で固定軸の他端に向かって延びている。この場合には、橋絡部が釣り糸が案内される面と逆側に配置されるので、釣り糸をラインローラに案内するうえで橋絡部がじゃまにならない。
【0010】発明4に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1から3のいずれかに記載の機構において、固定軸と固定軸カバーとは一体で切削加工により形成されている。この場合には、固定軸と固定軸カバーとが一体であるので、固定軸の強度がさらに強くなる。しかも切削加工されているので、表面が滑らかで精度よく仕上がる。
【0011】発明5に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1から4のいずれかに記載の機構において、ラインローラは、固定軸に軸方向に間隔を隔てて配置された2つの転がり軸受により固定軸に回転自在に支持されている。この場合には、ラインローラが2つの転がり軸受により支持されているので、ラインローラの回転がスムーズになり、釣り糸を巻き取るときの巻取抵抗が減少する。
【0012】発明6に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1から5のいずれかに記載の機構において、固定軸カバーとラインローラとの間に介装された合成樹脂製のカラー部材をさらに備える。この場合には、固定軸カバーとラインローラとの間にカラー部材が介装されるので、固定軸カバーからラインローラに案内される釣り糸が両者の間により噛み込みにくくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】〔全体構成及びリール本体の構成〕図1及び図2において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、たとえば、8号の釣り糸を200m程度巻き付け可能な大型のスピニングリールである。スピニングリールは、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0014】ハンドル1は、T字状の把手部1aと、先端に把手部1aが回転自在に装着されたL字状のクランクアーム1bとを有している。クランクアーム1bは、基端側においてワンタッチで折れ曲がり可能である。なお、ハンドル1は、リール本体2に対して、図1及び図2に示す右側と逆の左側との左右どちらにも装着可能である。
【0015】リール本体2は、側部に開口を有するリールボディ2aと、リールボディ2aから斜め上前方に一体で延びるT字状の竿取付脚2bとを有している。リールボディ2aは、図2に示すように、内部に機構装着用の空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。
【0016】ロータ駆動機構5は、ハンドル1が回転不能に装着されたハンドル軸10と、ハンドル軸10とともに回転するマスターギア11と、このマスターギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ハンドル軸10の両端は、軸受を介してリールボディ2aに回転自在に支持されている。ハンドル軸10の両端にはネジ方向及び径が異なる雌ネジ部がそれぞれ形成されており、両雌ネジ部にハンドル1が回転不能に装着可能である。
【0017】ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部はロータ3の中心部を貫通しており、ナット33によりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受を介してリール本体2に回転自在に支持されている。オシレーティング機構6は、スプール4を前後方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の略直下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23は、ピニオンギア12に噛み合っている。
【0018】〔ロータの構成〕ロータ3は、ピニオンギア12に固定された円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアーム31,32と、釣り糸をスプール4に案内するための釣り糸案内機構としてのベールアーム34とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは、たとえばアルミニウム合金製であり一体成形されている。円筒部30の先端中心部分が前述のようにナット33によりピニオンギア12の先端部に回転不能に固定されている。
【0019】〔ベールアームの構成〕ベールアーム34は、両ロータアーム31,32の先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。ベールアーム34は、ロータアーム31,32の先端にそれぞれ揺動自在に装着された第1及び第2ベール支持部材40,42を有している。第1ベール支持部材40は、第1ロータアーム31の外側に揺動自在に装着され、第2ベール支持部材42は、第2ロータアーム32の内側に装着されている。
【0020】さらに、ベールアーム34は、図3から図5に示すように、両支持部材40,42を連結するベール41と、第1ベール支持部材40に先端が固定された固定軸43と、固定軸43に支持されたラインローラ44と、固定軸43の基端を支持するためのアーチ部45と、アーチ部45の一部を覆う固定軸カバー46とを有している。
【0021】第1ベール支持部材40は、第1ロータアーム31に揺動自在に装着されたアーム部40aと、アーム部40aの先端に一体形成されたリング状の装着部40bとを有している。装着部40bには貫通孔40cが形成されており、貫通孔40cには、固定軸43の先端を支持するための円板状の支持部51がはめ込まれている。支持部51は、貫通孔40cに形成されたネジ孔に螺合する蓋部材50により装着部40bに回転不能に固定されている。この蓋部材50の外側面には、硬貨により回転させるためのコイン溝50aが形成されている。支持部51にはボルト貫通孔51aが中心に形成されている。ボルト貫通孔51aには、固定軸43を第1ベール支持部材40に固定するための固定ボルト52が貫通している。
【0022】ベール41は、第2ベール支持部材42及び固定軸カバー46に両端がかしめ固定された針金状の部材であり、スプール4の周方向外方に凸に湾曲して配置されている。ベール41は、ベールアーム34が糸開放姿勢から糸案内姿勢に復帰したときに釣り糸を固定軸カバー46を介してラインローラ44に導くためのものである。
【0023】固定軸43は、固定軸カバー46と一体で切削加工により製作された部材である。固定軸43は、固定軸カバー46と一体の基端から第1ベール支持部材40に向かって延びており、先端が支持部51に固定ボルト52により固定されている。ラインローラ44は、ローラ本体44aと、ローラ本体44aの内周側に両端からそれぞれはめ込まれた1対の鍔付きカラー44b,44cとを有している。ローラ本体44aは、外周面に釣り糸を案内する環状の釣り糸案内溝44dが形成された筒状の部材であり、その内周面にカラー44b,44cが圧入されている。カラー44b,44cの内周部には、2つの転がり軸受47a,47bが軸方向に間隔を隔てて配置されており、ラインローラ44は、この2つの軸受47a,47bを介して固定軸43に回動自在に支持されている。
【0024】アーチ部45は、第1ベール支持部材40の装着部40bの先端部からラインローラ44の外方を経て固定軸43の基端に向かって延びる橋絡部45aと、橋絡部45aの先端に一体で形成され固定軸43の基端を支持するリング状の軸支部45bとを有している。橋絡部45aは、第1ベール支持部材40において、固定軸43の固定位置より前方でかつスプール4に向いた位置から固定軸43の基端に向かってアーチ状に湾曲して延びている。また、橋絡部45aは、軸支部45bの外周面で軸支部45bに接続されている。
【0025】固定軸カバー46は、固定軸43の基端に第1ベール支持部材40の装着部40bと間隔を隔てて設けられている。固定軸カバー46は、リング状の軸支部45bを外側から覆いかつラインローラ44の端部と重なる位置まで延びている。固定軸カバー46は、軸支部45bを橋絡部45aとの接続部分を除いて実質的に全周にわたり覆い、かつ接続部分で橋絡部45aにより回転方向の位置決めがなされている。
【0026】すなわち、固定軸カバー46は、頂点が中心からずれた略円錐形状の部材であり、固定軸43の中心を基準にしてリールの後方でかつスプール4の径方向外方に頂点が向いている。固定軸カバー46の頂点より釣り糸案内側に偏倚してベール41がかしめ固定されている。固定軸カバー46の頂点と逆側の面には、リング状のローラ収納空間46aが形成されており、この空間にアーチ部45の軸支部45bとラインローラ44の一端とが収納されている。そして、このローラ収納空間46aの先細り円筒状の外壁部46bの一部に切欠き部46cが形成されており、この切欠き部46cにアーチ部45の橋絡部45aの先端が係合している。この係合により固定軸カバー46の回り止めがなされる。
【0027】またローラ収納空間46aには、カラー部材48が装着されている。カラー部材48は、図4から図6に示すように、たとえばポリアセタール樹脂製等の合成樹脂製の筒状の部材であり、固定軸カバー46からラインローラ44に案内される釣り糸が両者の間に噛み込むのを防止するために設けられている。カラー部材48は、固定軸43にはめ込まれる内筒部48aと、外壁部46bの内周面にはめ込まれる外筒部48bと、両筒部48a,48bを連結する円板状の連結部48cと、外筒部に立設された埋込部48dとを有している。内筒部48aの先端は転がり軸受47aの内輪に当接している。なお、転がり軸受47aの内輪と転がり軸受47bの内輪との間には、筒状のスペーサ49が配置されており、転がり軸受47bの内輪は支持部51に当接している。外筒部48bの先端は、外壁部46bの先端まで延びている。連結部48cは、アーチ部45の軸支部45bに接して配置されている。埋込部48dは、橋絡部45aの軸支部45bとの接続部分と固定軸カバー46の切欠き部46cとの隙間を埋めるために設けられており、その外周縁は固定軸カバー46と面一になっている。この埋込部48dを設けることが糸ふけ等により釣り糸が固定軸カバー46の前側に接触しても釣り糸が引っ掛かりにくくなる。また、固定軸カバー46と橋絡部45aとの隙間が小さくなるので、固定軸カバー46の位置決めを確実に行え、固定軸カバー46がぐらつきにくい。
【0028】スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端部にスプール4の中心部がドラグ機構60を介して連結されている。
〔リールの操作及び動作〕このスピニングリールでは、キャスティング時等の糸繰り出し時にはベールアーム34を糸開放姿勢に倒す。これにより第1及び第2ベール支持部材40,42は揺動する。この結果、釣り糸は仕掛けの自重によりスプール4の先端側から順に繰り出される。
【0029】糸巻取時には、ベールアームを糸巻取姿勢側に戻す。これは、ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、図示しないベール反転機構の働きにより自動的に行われる。ハンドル1の回転力は、ハンドル軸10及びマスターギア11を介してピニオンギア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達された回転力は、その前部からロータ3に伝達されるとともにピニオンギア12に噛み合う中間ギア23によりオシレーティング機構6に伝達される。この結果、ロータ3が糸巻取方向に回転するとともにスプール4が前後に往復移動する。
【0030】この巻き初めの時にベール41に接触した釣り糸は、ベール41により固定軸カバー46に案内される。固定軸カバー46に案内された釣り糸は、ラインローラ44に案内され、さらにラインローラ44で方向が変えられスプール4外周に巻き取られる。このとき、固定軸カバー46がラインローラ44に重なり合うように配置されかつ固定軸カバー46が軸支部45bを覆っているので、釣り糸が引っ掛かったり噛み込んだりしにくくなる。しかも、固定軸カバー46とラインローラ44との間にカラー部材48を介装しているので、さらに両者の間に釣り糸が噛み込みにくい。また、固定軸43の基端が軸支部45bに支持され先端が支持部51に支持される両端支持により固定されているので、大型の魚が仕掛けに掛かった場合のようにラインローラ44に大きな負荷が作用しても固定軸43が強固に支持され撓みにくくなる。このため、大きな負荷が作用してもラインローラ44の回転は滑らかでありスムーズに釣り糸を巻き取ることができる。
【0031】〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、フロントドラグ型のスピニングリールを例に説明したが、リアドラグ型のスピニングリールやドラグを有さないスピニングリールやレバードラグ型のスピニングリール等の全てのスピニングリールに本発明は適用できる。
【0032】(b) 前記実施形態では、橋絡部で固定軸カバーを回り止めしたが、固定軸を第1ベール支持部材で回り止めし、さらに固定軸カバーと固定軸とを回り止めしてもよい。
(c) 前記実施形態では、固定軸と固定軸カバーとを一体で形成したが、別体で形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、固定軸カバーが軸支部を外側から覆いかつラインローラの端部と重なる位置まで延びているので、軸支部に釣り糸が接触することがない。このため、固定軸カバーの糸接触部分を滑らかにすることで、釣り糸がベールからラインローラに案内される際に引っ掛かったり噛み込んだりしにくくなる。
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成10年8月24日(1998.8.24)
【代理人】 【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−60374(P2000−60374A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−237180