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【発明の名称】 蜂の巣箱
【発明者】 【氏名】丹羽 康徳

【氏名】村瀬 芳紀

【氏名】山田 朋克

【要約】 【課題】蓋を開放する作業を必要とせずに、ある特定の期間のみ蜜蜂に品質の安定した餌を容易かつ確実に供給することができ、また、蜜蜂の交配能力を向上させることができるともに、交配作業に要する経費の節約を図ることができる蜂の巣箱提供する。

【解決手段】餌袋33の内端のシール部33aには、引張り部材35の一端が取付けられている。引張り部材35が取付けられた餌袋33は巣箱本体11内の巣枠27の上に配置されるとともに、巣枠27上に固定されている。餌袋33に取付けられた引張り部材35の一端の両側の餌袋33にはスリットが設けられている。引張り部材35の他端は蓋体38の挿通孔39から蜂の巣箱46の外へ引き出されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 巣門と通気口とを有し、蜂を収容する巣箱本体と、前記巣箱本体内に収容される巣枠と、巣箱本体の上部開口部を閉塞可能な蓋体と、前記巣枠と蓋体との間に配置され、蜂の餌を密封して収容する収容体とよりなり、前記収容体を外部より操作して開封する開封手段を備えた蜂の巣箱。
【請求項2】 前記収容体を袋状に形成して餌袋とし、巣箱本体又は蓋体に挿通孔を形成するとともに、前記開封手段は餌袋の一部に、餌袋を破り取る引張り部材の一端を取り付け、前記挿通孔から引張り部材の他端を外部へ引き出したものである請求項1に記載の蜂の巣箱。
【請求項3】 前記引張り部材の一端を餌袋の内端に取り付けた請求項2に記載の蜂の巣箱。
【請求項4】 前記引張り部材の一端を餌袋の内端に取り付けるとともに、引張り部材の一端の少なくとも一側の餌袋に、餌袋を破り取るためのガイド手段を設けた請求項2又は請求項3に記載の蜂の巣箱。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、養蜂箱、特に交配用蜜蜂の巣箱として使用される蜂の巣箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、蜜蜂を利用して蜂蜜を得る養蜂は、女王蜂を中心とする数万匹の群を用いて行われている。そして、近年は、果物、野菜等のハウス栽培において、それらの交配のための受粉は蜜蜂を利用して行われ、その蜜蜂を保存するために蜂の巣箱が使用されている。この交配方法は、例えば、イチゴの場合、その交配期間の6ヶ月の間、イチゴのハウス内に蜂の巣箱を配置して数千匹単位の蜜蜂を放ち、蜜蜂によりイチゴを受粉させるものである。また、蜂の巣箱内には、糖液を必要に応じて供給することができる餌箱と、蜜蜂の群生を維持させ、交配能力を向上させるために、タンパク質を主原料とした餌を封入した餌袋とが配置される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、イチゴの交配期間の6ヶ月のはじめから餌袋を開封して蜂の巣箱内に配置しておくと、その餌は約1ヶ月で蜜蜂に食べられてしまう。そのため、タンパク栄養源が不足する時期に、蜜蜂にその餌を食べさせるために新たに別の餌を蜂の巣箱内に配置しなければならなかった。このとき、蜂の巣箱の蓋を再び開放する必要が生じ、蜂の巣箱内から飛び出した蜜蜂に作業者が刺されてしまうという問題があった。
【0004】また、ハウス内に花が咲いているときには、その花粉をタンパク栄養源として活用することができるが、花が少なくなると蜜蜂の群生が弱くなる。そのため、最初から餌袋が開封されていると餌の品質が低下し、また、必要とされるとき以外に餌が消費されてしまうため、自然のタンパク栄養源が不足してしまう。その結果、蜜蜂による交配能力が低下するとともに、新たに餌を必要とし、交配作業に要する経費が嵩むという問題もあった。
【0005】この発明は、このような従来技術に存在する問題に着目してなされたものである。その目的とするところは、蓋を開放する作業を必要とせずに、ある特定の期間のみ蜜蜂に品質の安定した餌を容易かつ確実に供給することができ、また、蜜蜂の交配能力を向上させることができるともに、交配作業に要する経費の節約を図ることができる蜂の巣箱を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の蜂の巣箱は、巣門と通気口とを有し、蜂を収容する巣箱本体と、前記巣箱本体内に収容される巣枠と、巣箱本体の上部開口部を閉塞可能な蓋体と、前記巣枠と蓋体との間に配置され、蜂の餌を密封して収容する収容体とよりなり、前記収容体を外部より操作して開封する開封手段を備えたものである。
【0007】請求項2に記載の蜂の巣箱は、請求項1に記載の発明において、前記収容体を袋状に形成して餌袋とし、巣箱本体又は蓋体に挿通孔を形成するとともに、前記開封手段は餌袋の一部に、餌袋を破り取る引張り部材の一端を取り付け、前記挿通孔から引張り部材の他端を外部へ引き出したものである。
【0008】請求項3に記載の蜂の巣箱は、請求項2に記載の発明において、前記引張り部材の一端を餌袋の内端に取り付けたものである。請求項4に記載の蜂の巣箱は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記引張り部材の一端を餌袋の内端に取り付けるとともに、引っ張り部材の一端の少なくとも一側の餌袋に、餌袋を破り取るためのガイド手段を設けたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。図1及び図2に示すように、木製の巣箱本体11は、一対の相対向する長壁12aと一対の相対向する短壁12bとそれらの下端部を閉塞する図示しない底板とにより四角箱状に形成され、一対の長壁12a及び一対の短壁12bの上端縁により上面開口部が構成されている。四角板状をなす一対の支持板13は一対の短壁12b側の底板の裏面に取り付けられている。当接板14は巣箱本体11の上面開口部よりやや下方位置に、巣箱本体11の全周にわたって突設され、一対の係止板15は前記一対の短壁12bの内側面の対向位置に接合されている。
【0010】図3に示すように、通気口16は一方の短壁12bの中央位置にそれを貫通して四角形状に形成され、その貫通部分には蜜蜂が巣箱本体11から外へ逃げ出せない程度の大きさの網目を有する網17が張着されている。そして、その通気口16から巣箱本体11内の通気を行うことができるようになっている。図3及び図4に示すように、四角板状をなす木製の開閉蓋18は、前記通気口16の外形に対応する大きさに形成されている。そして、開閉蓋18の下端縁に粘着テープ19を貼着することにより、開閉蓋18が通気口16に開閉可能に取り付けられている。
【0011】付勢部材としての所要の弾性を有する付勢テープ20は、所定長さのテープをその中心から2つに折り曲げるとともに、両端を重ね合わせ、その重ね合わせ部20aが開閉蓋18の裏面に取付け固定されている。このとき、折り曲げられた部分のテープ同士は密着せずに隙間が形成され、付勢力を発現する。
【0012】そのため、開閉蓋18により通気口16を閉鎖したとき、開閉蓋18と網17との間に付勢テープ20が介在され、付勢テープ20の折り曲げ部分が通気口16の網17に当接するとともに、開閉蓋18をその開放方向へ常に付勢するようになっている。また、開閉蓋18により通気口16を閉鎖したとき、短壁12bの外面と開閉蓋18の表面とはほぼ面一になるようになっている。
【0013】巣門21は一方の短壁12bの下端中央に形成され、そこから蜜蜂が巣箱本体11に出入りするようになっている。木製の回動扉22は、ほぼ矩形状をなし、その一端を貫通して一方の短壁12bに固定された支持軸23により回動可能に支持されている。そして、支持軸23を中心に回動扉22を図4において反時計方向へ回動させることにより、巣門21を開放することができ、時計方向へ回動させ、その下端面を前記支持板13の上面に当接させることにより巣門21を閉鎖することができるようになっている。
【0014】また、開閉蓋18により通気口16を閉鎖し、回動扉22を反時計方向へ回動させたとき、回動扉22は開閉蓋18の表面に係合する。このとき、開閉蓋18の裏面に固定された付勢テープ20の付勢力により開閉蓋18は、その開放方向へ常に付勢される。そのため、開閉蓋18により回動扉22を押圧固定して回動扉22が時計方向又は反時計方向へ回動するのを防止して、巣門21の開放状態を維持することができるようになっている。
【0015】また、回動扉22を時計方向へ回動させて巣門21を閉鎖すると同時に、開閉蓋18が付勢テープ20の付勢力により自動的に通気口16の開放方向へ回動する。このとき、開閉蓋18の上端面は回動扉22の上端面に係合し、回動扉22を下方へ押圧固定して回動扉22が回動するのを防止するようになっている。
【0016】木製のロック部材24は、四角板状をなし、その一端側が前記回動扉22の他端側に支軸25により、回動可能に取り付けられている。そして、回動扉22の下端面を支持板13の上面に当接させて巣門21を閉鎖し、開閉蓋18を通気口16の開放方向へ回動させて、開閉蓋18の上端面を回動扉22の上端面に係合させる。このとき、支軸25を中心にロック部材24の他端側を図3において反時計方向又は時計方向へ回動させる。その結果、ロック部材24の他端部が開閉蓋18に係合して開放状態の開閉蓋18を回動不能に固定するようになっている。
【0017】一対の保護板26は四角板状をなし、開閉蓋18を開放方向へ回動させたとき、開閉蓋18の両側に位置するように、一方の短壁12bの下方両側に接合されている。このとき、保護板26の厚みは開閉蓋18の厚みと同じになっている。そのため、開放状態の開閉蓋18の両側に障害物等が当たり、ロック部材24が損傷を受けたり、開閉蓋18を貼着している粘着テープ19が剥がれたり、ずれたりして開閉機能が損なわれるのを防止するようになっている。
【0018】図2に示すように、巣枠27は四角枠状の木製の基枠28に、四角形状のハニカム板29を張着して構成されている。一対の係止片30は巣枠27の基枠28の上端部両側に突出形成され、巣枠27を巣箱本体11内に収容したとき、係止片30が巣箱本体11内の一対の係止板15にそれぞれ係合して巣枠27を巣箱本体11内の所定位置に保持するようになっている。一対の突片31は、基枠28の上部側面の対角線上に位置するように設けられている。そして、複数枚の巣枠27を巣箱本体11内に収容したとき、突片31が隣接する巣枠27の上部側面に当接して巣枠27間に所定間隔を保持するようになっている。
【0019】木製の餌箱32は巣枠27とほぼ同じ幅を有する四角箱状に形成され、上面が開口されている。一対の係止片30は餌箱32の上端部両側に突出形成され、餌箱32を巣箱本体11内に収容したとき、巣箱本体11内の一対の係止板15にそれぞれ係合して餌箱32を巣箱本体11内の所定位置に保持するようになっている。各一対の突片31は餌箱32の上部両側の対向する位置に突出形成されている。そして、餌箱32を巣箱本体11内に収容したとき、餌箱32と巣枠27との間及び餌箱32と巣箱本体11との間に所定間隔を保持するようになっている。また、餌箱32を巣箱本体11内に収容したとき、開口からその内部に糖液等の餌が収容される。
【0020】収容体としての餌袋33はポリエチレン又はポリプロピレンにより四側周縁が加熱溶融によりシールされた袋状に形成され、その内部にはタンパク質や糖液等を混合してパテ状に形成された餌34が充填されている。図8及び図9に示すように、引張り部材35はポリ塩化ビニルにより帯状に形成され、その一端が前記餌袋33の内端側のシール部33aにステープラーの止め針36により固定されている。
【0021】餌袋33を破り取るためのガイド手段としてのスリット37は、餌袋33の内端側の前記引張り部材35が接合された部分の両側に設けられている。そして、図8の2点鎖線に示すように、引張り部材35を餌袋33の他端側方向へ引っ張ることにより、餌袋33の内端側のスリット37から餌袋33をその中心線に沿って餌袋33の他端側方向へ破ることができる。
【0022】図2に示すように、木製の蓋体38は四角形状をなし、その下端縁が巣箱本体11の上端縁に嵌合して巣箱本体11の上部開口部を閉塞するようになっている。また、巣箱本体11内に巣枠27及び餌箱32を収容して、蓋体38により巣箱本体11の上部開口部を閉塞したとき、図1に示すように、蓋体38の下端縁は巣箱本体11の当接板14の上面に当接して、蓋体38を巣箱本体11の所定位置に保持させるようになっている。そのため、蓋体38の内上面と巣枠27及び餌箱32の上端との間に隙間が形成され、その隙間を蜜蜂が行き来することができるようになっている。
【0023】挿通孔39は蓋体38の一側面を横長のスリット状に貫通して形成されている。そして、巣箱本体11内に収容された巣枠27の上に、引張り部材35を取付けた餌袋33を配置し、蓋体38により巣箱本体11の上部開口部を閉塞したとき、その挿通孔39から引張り部材35を巣箱本体11の外へ引き出すことができるようになっている。
【0024】図5〜図7に示すように、木製の介装板40は四角板状に形成され、蓋体38の長手方向へ延びるように蓋体38の表面の一側縁部に接合されている。前記介装板40と同じ大きさで厚さの厚い木製の案内板41は、蓋体38を介して前記介装板40に対向するように蓋体38の裏面に接合されている。給餌口42は介装板40、蓋体38及び案内板41を長孔状に貫通して形成され、案内板41の裏面には濾過網43が張着されている。
【0025】前記介装板40及び案内板41と相似形をなす木製の回動蓋44は、その一端部に取り付けられた回動軸45により、介装板40上に回動可能に取り付けられている。そして、回動蓋44を回動させることにより、給餌口42を開放又は閉鎖することができるようになっている。
【0026】巣箱本体11内に巣枠27及び餌箱32を収容して、蓋体38により巣箱本体11の上部開口部を閉塞したとき、餌箱32の開口と前記給餌口42とが対応するようになっている。そして、回動蓋44を給餌口42の開放方向へ回動させることにより、給餌口42を開放することができ、そこから巣箱本体11内の餌箱32内へ糖液等の餌を供給することができるようになっている。また、回動蓋44を給餌口42の閉鎖方向へ回動させることにより、給餌口42を閉鎖することができ、給餌口42から餌箱32内に雨水等が侵入するのを防止することができるようになっている。
【0027】さらに、給餌口42から餌を供給したとき、蓋体38の裏面には所定の厚みを有する案内板41が接合されている。そのため、給餌口42から供給された糖液等を餌箱32内へ確実に案内させることができるようになっている。
【0028】そして、上記巣箱本体11、巣枠27、餌袋33、蓋体38等により蜂の巣箱46が構成される。次に、蜂の巣箱46の使用方法及び作用について説明する。
【0029】まず、回動扉22を垂直位置から時計方向へ回動させ、図3に示すように、その下端面を支持板13の上面に当接させて巣門21を閉鎖する。開閉蓋18を通気口16の開放方向へ回動させて通気口16を開放し、開閉蓋18の上端面を回動扉22の上端面に係合させるとともに、一対の保護板26の間に開閉蓋18を係合させる。さらに、ロック部材24を時計方向又は反時計方向へ回動させて開閉蓋18に係合する。その結果、開閉蓋18により下方へ押圧固定された回動扉22により巣門21が閉鎖され、その開閉蓋18がロック部材24により回動不能に固定される。
【0030】次いで、3枚の巣枠27を巣箱本体11内に収容し、その係止片30を巣箱本体11内の一対の係止板15にそれぞれ係合させて巣枠27を巣箱本体11内の所定位置に保持する。さらに、餌箱32を巣枠27と巣箱本体11の長壁12aとの間に収容し、係止片30を巣箱本体11内の一対の係止板15にそれぞれ係合させて餌箱32を巣箱本体11内の所定位置に保持する。
【0031】次に、図8に示すように、3枚の巣枠27の上に、引張り部材35の一端が餌袋33の内端側のシール部33aに取付けられた餌袋33を配置する。さらに、引張り部材35が取付けられた餌袋33の両側を、ステープラーの止め針36により巣枠27上に固定する。
【0032】最後に、巣箱本体11内に蜜蜂を収容し、蓋体38の挿通孔39が餌袋33の他端側になるように配置する。次いで、引張り部材35の他端側を挿通孔39を通して蓋体38の外側へ出して、蓋体38により巣箱本体11の上部開口部を閉塞する。このとき、図9に示すように、蓋体38の内上面と餌袋33の上面との間には隙間が形成される。この状態で、蜂の巣箱46を保管又はハウス等へ輸送する。
【0033】そして、給餌口42から餌箱32内へ糖液等の餌を供給する。このとき、蓋体38の上面には介装板40が接合され、下面には案内板41が接合されていることから、給餌口42の深さが深くなっている。そのため、給餌口42に供給された糖液等が給餌口42から外へ漏れ出すのが防止される。
【0034】次に、蜂の巣箱46を例えばイチゴのハウス内に配置する。そして、図4に示すように、ロック部材24を時計方向又は反時計方向へ回動させて、開閉蓋18とロック部材24との係合を解除し、開閉蓋18を通気口16の閉鎖方向へ回動させて通気口16を閉鎖する。さらに、回動扉22を反時計方向へ回動させるとともに、回動扉22を開閉蓋18の表面に係合させ、開閉蓋18の閉鎖状態を回動扉22により押圧固定する。このとき、開閉蓋18の裏面と通気口16の網17との間に介在する付勢テープ20の付勢力により開閉蓋18がその開放方向へ常に付勢されている。そのため、開閉蓋18により回動扉22を押圧固定して回動扉22が時計方向へ回動するのを防止して、巣門21の開放状態を維持することができる。その結果、蜜蜂が巣門21からハウス内へ開放される。
【0035】交配期間の6ヶ月の間、蜂の巣箱46をハウス内に放置し、受粉活動を行わせる。そして、群生が弱くなり、交配能力が低下しはじめたとき、タンパク質や糖液等が添加された餌34を供給する。まず、蓋体38の挿通孔39から蜂の巣箱46の外へ引き出された引張り部材35を把持する。そして、図9に示すように、その引張り部材35を引張る。すると、引張り部材35の一端が取り付けられた餌袋33の内端側のシール部33aが引張られる。
【0036】このとき、餌袋33の内端側のシール部33aの両側はステープラーの止め針36により巣枠27上に固定されているとともに、引張り部材35の一端の両側の餌袋33にはガイド手段としてのスリット37が設けられている。そのため、両スリット37から餌袋33の内端が破られ、さらに引張り部材35を引張ることにより、図8及び図9の2点鎖線に示すように、餌袋33がその内端側から他端側方向へ中心線に沿って破られ、餌袋33内の餌34が露出される。
【0037】従って、蜂の巣箱46の蓋体38を開放して餌袋33を破る必要がなく、作業者が蜜蜂に刺されるのを防止することができる。そして、その品質の安定した餌34を食べた蜜蜂により、群生は維持されて交配能力が向上し、長期間にわたってイチゴの交配を確実に行わせることができる。
【0038】以上のように、この実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 実施形態の蜂の巣箱46によれば、巣箱本体11内に収容された巣枠27上には、引張り部材35の一端が餌袋33の内端側のシール部33aに取付けられた餌袋33が配置され、引張り部材35の両側の餌袋33がステープラーの止め針36により固定されている。そして、引張り部材35の他端は挿通孔39から蜂の巣箱46の外へ引き出されている。
【0039】その結果、引張り部材35を引張ることにより、餌袋33の中心線に沿って餌袋33を破り、餌34を露出させることができる。従って、蓋体38を開放することなく、外部からの操作により餌袋33を破ることができ、作業者が蜜蜂に刺されるのを防止することができる。また、品質の安定した餌34を所望とする時期に蜜蜂に供給することができ、蜜蜂の群生を維持させて、その交配能力を向上させることができる。さらに、交配作業に要する経費の節約を図ることができる。
【0040】・ 実施形態の蜂の巣箱46によれば、引張り部材35は巣枠27に固定された餌袋33の内端側のシール部33aに取り付けられている。そのため、引張り部材35を餌袋33の他端側方向へ引っ張ったとき、餌袋33の中心線に沿って確実に破ることができ、餌34の露出面積を大きくすることができる。
【0041】・ 実施形態の蜂の巣箱46によれば、引張り部材35の一端が取り付けられた餌袋33の両側には餌袋33を破り取るためのガイド手段としてのスリット37が設けられているため、スリット37から餌袋33を容易に破ることができる。
【0042】・ 実施形態の蜂の巣箱46によれば、回動扉22は支持軸23により回動可能に取り付けられ、巣門21を開閉させることができる。また、回動扉22により巣門21を閉鎖したとき、開閉蓋18が自動的に通気口16の開放方向へ回動する。このとき、開閉蓋18の上端面は回動扉22の上端面に係合して回動扉22を下方へ押圧固定するため、回動扉22が反時計方向へ回動するのを防止して巣門21が開放状態になるのを防止することができる。
【0043】・ 実施形態の蜂の巣箱46によれば、案内板41は給餌口42に対応するように蓋体38の下面に接合され、所定の厚みを有している。また、蓋体38の上面には介装板40が接合されている。そのため、給餌口42が深く形成され、糖液等は給餌口42内へ確実に収容され、蓋体38上に漏れ出るのを防止することができる。
【0044】尚、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図10(a)に示すように、収容体としての餌袋33内にパテ状の餌34を封入して、その四側周縁を加熱溶融してシールし、餌袋33の表面に、餌34の外形に対応するようにガイド手段としてのミシン目47を形成すること。また、餌袋33の上部に位置するように、蓋体38の一部に所要の弾性変形可能なゴム板により形成した押圧板48を蓋体38を貫通して取り付けること。
【0045】そして、餌袋33を破るときは、図10(b)に示すように、押圧板48を押圧変形させて、餌袋33の上面を押圧板48を介して押圧する。その結果、餌34が押圧されてへこむとともに、ミシン目47から餌袋33が破られ、内部の餌34を露出させることができる。従って、蓋体38を開放することなく、餌34を所望とする時期に蜜蜂に供給することができる。
【0046】・ 図11(a)に示すように、蓋体38の内面に収容体としての餌34の収容箱49を形成し、その底面をスライド板50により閉塞すること。また、前記スライド板50は蓋体38の側面に形成された横孔51から抜き出し可能に構成されている。
【0047】このように構成した場合、図11(a)に示すように、スライド板50上に餌34を配置しておき、餌34が必要となったときに、図11(b)に示すように、スライド板50を蓋体38の外方へスライドさせる。その結果、収容箱49の底面が開放されて餌34が巣箱本体11内の巣枠27上に落下し、蜜蜂に餌34を供給することができる。従って、蓋体38を開放することなく、餌34を所望とする時期に蜜蜂に供給することができる。
【0048】・ 蓋体38の所定位置に蜜蜂が出入りできない程度の切り込みを形成しておくこと。そして、巣枠27上に餌袋33を配置し、前記切り込みが餌袋33の上部に位置するように蓋体38により巣箱本体11の上部開口部を閉塞すること。
【0049】このように構成した場合、餌34が必要となったとき、蓋体34に形成された前記切り込みからナイフ等の刃を挿入し、切り込みに沿って刃を移動させることにより、餌袋33を切断することができるとともに、その内部の餌34を露出させることができる。従って、蓋体38を開放することなく、餌34を所望とする時期に蜜蜂に供給することができる。
【0050】・ 挿通孔39を巣箱本体11に形成し、餌袋33に取付けられた引張り部材35の他端をその挿通孔39から巣箱本体11の外部へ引き出すこと。このように構成した場合も、引張り部材35を引っ張ることにより、蓋体38を開放せずに、餌袋33を破ることができる。
【0051】・ 引張り部材35を挿通孔39から蜂の巣箱46の外部へ引き出せるようなひも、糸、針金、銅線、板材等に変更すること。このように構成した場合も、挿通孔39から蜂の巣箱46の外部へ引き出された引張り部材35を引張ることにより、餌袋33を破ることができる。
【0052】・ 複数本の引張り部材35を餌袋33の内端部に取り付け、それら全てを蓋体38又は巣箱本体11に形成した挿通孔39から蜂の巣箱46の外部へ引き出すこと。又は複数本の引張り部材35それぞれに対応するように挿通孔39を複数箇所に形成して引張り部材35を蜂の巣箱46の外部へ引き出すこと。このように構成した場合、複数本の引張り部材35を引張ることにより、一度の作業で餌袋33からの餌34の露出面積を大きくすることができ、蜜蜂に餌34を確実に供給することができる。
【0053】・ 餌袋33を破り取るためのガイド手段としてのスリット37を引張り部材35の一端が取り付けられた餌袋33の内端側及びその対向する餌袋33の他端側にも形成すること。また、ガイド手段をミシン目に変更すること。このように構成した場合、引張り部材35を引張ったとき、ガイド手段としてのスリット37又はミシン目により餌袋33を確実に破ることができる。
【0054】・ 餌袋33の内端側のシール部33aの両側及び他端側のシール部33aの両側をステープラーの止め針36により巣枠27上に固定すること。このように構成した場合も、餌袋33を巣枠27上に固定することができ、引張り部材35を引張ったとき、餌袋33が巣枠27上に確実に固定されているため、餌袋33を容易に破ることができる。
【0055】・ 引張り部材35の一端を餌袋33の中央、側縁のシール部33aの内側等に取り付け、取付部分の両側又は一側にガイド手段を設けること。このように構成した場合、引張り部材35を引張ることにより、餌袋33を破ることができる。
【0056】・ 開閉蓋18の開閉機構を蝶番等に変更すること。このように構成した場合も、開閉蓋18を開閉可能に支持して通気口16の開閉を行うことができる。
・ 開閉蓋18の裏面に設けられた付勢部材を板バネ、スポンジ、ゴム板等に変更すること。このように構成した場合、付勢部材により開閉蓋18を通気口16の開放方向へ常に付勢することができる。
【0057】・ 巣箱本体11、蓋体38、巣枠27の基枠28の材質を段ボール、ハードボード、合成樹脂材料等に変更すること。さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
【0058】・ 前記餌袋の少なくとも一端を巣枠上に固定した請求項2〜4のいずれかに記載の蜂の巣箱。このように構成した場合、引張り部材を引張ったとき、餌袋が移動するのを防止して引張り部材を容易に引張ることができるとともに、餌袋を容易に破ることができる。
【0059】・ 前記巣門を開閉可能な回動扉を巣箱本体の外面に回動可能に取り付けるとともに、通気口を開閉可能な開閉蓋を通気口の一側縁に回動可能に取り付け、前記回動扉を巣門の閉鎖方向へ回動させ、開閉蓋を通気口の開放方向へ回動させてその上端部を回動扉の上端部に係合させた請求項1〜4のいずれかに記載の蜂の巣箱。
【0060】このように構成した場合、開閉蓋の上端部と回動扉の上端部との係合により、回動扉の移動を防止して、巣門の閉鎖状態と通気口の開放状態を維持することができる。
【0061】・ 前記蓋体の両面に板材を対向するように接合し、両板材及び蓋体を貫通する給餌口を形成するとともに、その給餌口を閉鎖する回動蓋を蓋体の上面に接合された板材上に回動可能に取り付けた請求項1〜4のいずれかに記載の蜂の巣箱。
【0062】このように構成した場合、蓋体の両面に接合された板材により給餌口が深く形成され、糖液等は給餌口内へ確実に収容され、蓋体上に漏れ出るのを防止することができる。また、給餌口から餌箱内に餌を確実に供給することができる。さらに、給餌口を回動蓋により閉鎖して雨水等が侵入するのを防止することができる。
【0063】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の蜂の巣箱によれば、蓋を開放する作業を必要とせずに、ある特定の期間のみ蜜蜂に品質の安定した餌を容易かつ確実に供給することができ、また、蜜蜂の交配能力を向上させることができるともに、交配作業に要する経費の節約を図ることができる。
【0064】請求項2に記載の発明の蜂の巣箱によれば、請求項1に記載の発明の効果をより確実に発揮させることができる。請求項3に記載の発明の蜂の巣箱によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、餌袋を一端から他端にわたって破ることができるとともに、餌の露出面積を大きくすることができる。
【0065】請求項4に記載の発明の蜂の巣箱によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加え、引張り部材を引張ったとき、ガイド手段に沿って餌袋を容易に破ることができる。
【出願人】 【識別番号】591045471
【氏名又は名称】アピ株式会社
【出願日】 平成10年8月7日(1998.8.7)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開2000−50760(P2000−50760A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平10−224956