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【発明の名称】 家畜舍の床敷料
【発明者】 【氏名】山田 房雄

【氏名】清水 定雄

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 家畜舍の床面に5ミリから35ミリの範囲に形成した繊維質塊体を敷設したことを特徴とする家畜舎の床敷料。
【請求項2】 繊維質塊体はヤシガラチップであることを特徴とする請求項1に記載の家畜舍の床敷料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、牛、馬、豚等の家畜舍の床面に敷設するヤシガラチップに関し、水分保持力及び透水性が良くさらさらした感じを維持し、また虫等が付かず発酵もし難く、更に家畜の糞は堆肥化し尿との分離が容易で繰り返し使用が可能なヤシガラチップ等の繊維質塊体を家畜舎に敷設し、家畜の尿の排出処理を簡便に行えるようにするとともに家畜の成長促進と健康状態を維持することが出来る低廉な床敷料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来家畜舍の床面に敷設する敷料としては、オガクズ、籾殻、稲藁等が通常用いられている。これらの敷料は、手軽に且つ安価に入手出来るために広く使われていた。ところが近年木材、稲作等の生産量の減少及びオガクズに対する需要の増加即ちキノコの菌床或いは長芋、海老等の出荷用保護材料として使用される量が増加していることから供給量が年々減少傾向にあるため入手困難となってきており、したがって、これら物品の価格は年々値上がり傾向にあることは否めない。しかもこれらの物品を敷料として使用するには下記に示すように、それぞれ問題点をかかえているのが実情である。オガクズにおいては、敷料として床面に使用した場合、粒体が5ミリ以下と小さいことから5日間程度で家畜の糞尿とオガクズが混ざりあってどろどろの状態となるとともに、尿の水分が浮きあがって来るため、飼育している家畜が滑り易い危険な状態となる。このためオガクズと糞尿の混合物がドロドロになって来た状態を見てショベルロ−ダ−にてこれらを舎外に掻き出し堆肥置き場に搬出している。しかしどろどろの状態のためシヨベルロ−ダ−から漏れる量が多く畜舎からの全量除去に多大の労力と時間を要する。またオガクズと糞尿の混ざり合った敷料は通常90%以上の水分を含んでいるため堆肥化処理が困難となるので水分を70%以下にして堆肥化を促進させるため乾燥装置を利用したりゼオライト等の水分調整材を用いたりして水分調整を行う等の煩わしさを有し、更にオガクズと糞尿の混合物は腐敗し始めると悪臭を発するとともにハエが大量に飛来して蛆虫発生の原因となり、またオガクズ自体も糞尿と一緒に発酵して堆肥化してしまうため、オガクズを繰り返し使用することは出来ない。また、オガクズは消毒及び熱処理を施さずに床敷料として使用しているため、オガクズには寄生虫の卵が存在していることが多く例えば牛に対して突然死を招く乳頭糞線虫、コクシジウム等が存在し、牛の皮膚や蹄環部から経皮的に進入する事により元気な子牛が何の前触れもなく突然死亡してしまう事例があり、豚の場合は豚べん虫及び豚回虫の存在する敷料を食べることにより内臓に繁殖し、死亡する事例が多い等の問題点を有する。従ってオガクズの場合は、1回使用のみでしかも短時間で交換処分することになるため敷料の費用のみならずオガクズと糞尿とのどろどろした混合物処理のための労務費用が嵩みコスト高となる欠点を有し、更に家畜が寄生虫の存在による死亡事故が多発する等の多くの欠点を有するものである。籾殻は、吸水量が高いため利用されているが、籾殻中に珪酸が含まれているために非常に固くざらざらして使い難いので、籾殻を粉砕して柔らかくした粉砕籾殻が利用されている。しかし粉砕籾殻を得るためには籾殻を粉砕機で粉砕しなければならないが籾殻が非常に固いため籾殻を粉砕する際に粉砕機の刃の磨耗がひどく刃の交換費用が嵩んで採算が取れないことから現在では殆ど供給されていないのが現状である。稲藁は、敷料としては好ましい材料であるが飼料としても需要が多いので、高価であるとともに生産量の減少から入手難となつてきているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】 本発明は、上記した従来の家畜飼育における家畜舎の床面に敷設する敷料の問題点を解決するために、製品コストが安くしかも繰り返し使用することが可能な敷料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明の家畜舎の床敷料は、家畜舎の床面に5ミリから35ミリの範囲に形成した繊維質塊体を50ミリ以上に重ねて敷設したことを特徴とし、請求項2に記載の発明は、繊維質塊体はヤシガラチップであることを特徴とする家畜舎の床敷料である。
【0005】
【発明の実施の形態】 本発明のヤシガラチップよりなる家畜舎の床敷料は、水分保持力及び透水性が良いのでさらさらしている感じを維持し、更に家畜が排出する尿の水分との分離が容易なヤシガラに着目し、このヤシガラを5ミリから35ミリの大きさの塊状に成形したヤシガラチップを形成し、このヤシガラチップを家畜舍の床面に50ミリ以上重ねあわせて敷設し家畜の飼育に用いるように構成しているので、家畜の尿との分離排出が簡便に行えるとともに、このヤシガラチップにはフエノ−ルやタンニン酸等が含まれているため虫がつきにくくまた発酵もし難く、飼育している家畜の爪の乾燥状態を維持して家畜の成長促進及び健康が保持され、更に使用済の糞とヤシガラの混合物を堆肥置き場に堆積した翌日からヤシガラチップと糞の混合物は40℃以上に発熱して虫の飛来を防止するとともにヤシガラチップが吸収した尿の水分は堆肥化促進に好ましい50%から60%に保たれているのでヤシガラチップに付着した糞尿の堆肥化が速やかに進み、更に40℃以上の温度に発熱した状態で発酵して堆肥化しているため早期に糞そのものが繊維状に変化して乾燥してしまうので、使用済のヤシガラチップと糞の混合物は使用後においても再度床敷料として繰り返し使用できる利点を有する安価でかつ優れた家畜舎の床敷料を提供するものである。
【0006】
【実施例】 以下本発明の実施例について詳しく説明すると、本発明になるヤシガラチップで構成される床敷料は、家畜舎の床面に密に敷設して飼育する牛、馬、豚等の家畜の生活環境を良くするとともに家畜が排出する尿の流下蒸発促進とヤシガラに付着した糞の堆肥化を速やかに図り、しかも繰り返し使用することが出来る床敷料に関するものであり、床敷料として用いるヤシガラチップよりなる繊維質塊体は、入手したヤシガラを5ミリから35ミリの範囲内に入るように分割するとともに柔らかい感じの塊状に成形したヤシガラチップを形成し、この塊状のヤシガラチップをベルトコンベヤ等の移動手段を用いて移動させつつ蒸気により3分間乃至5分間130℃程度の高温殺菌処理を施したものを、牛、馬、豚等の家畜を飼育している家畜舍の床面に50ミリ以上に重ねて敷設し床敷料として用いるものである。ヤシガラチップには、フエノ−ルやタンニン酸等が含まれているので、虫が付きにくく、発酵もしにくい性質を有する。しかもヤシガラチップは適度の弾力があるとともに空隙を有する繊維質の柔軟な塊で構成されているので、水分保持力が高いにもかかわらず透水性が良く水分はすぐ流下してしまうこと及び蒸発も同時に進行するのであたかも乾燥しているようなさらさらの感じを維持する優れた性質を有する。柔らかい感じの塊状のヤシガラチップは、上記のとおり透水性が良くさらさらした感じの敷料なのでこれを家畜に用いると、家畜の蹄に抵抗感を与えずに使用することが出来るばかりでなく家畜の蹄は当然乾燥した状態を長く維持するので家畜舎の生活環境が良くなり、家畜の生育と健康管理に好ましい良い効果をもたらす。特に牛の畜舎に適用した場合、蹄が乾燥している状態を持続出来るので生育が良く、太りやすくかつ肉質も大幅に向上するので家畜舎の床敷料として用いるのに適した敷料である。なおヤシガラチップから流下した尿は併せて蒸発するが大部分は下面に流出するので、家畜舎の床面は少し傾斜させて尿が排出溝に向かって流れるように形成したほうが好ましいことは言う迄もない。また、塊状のヤシガラチップを敷料として用いた後付着した糞と併せて堆肥化処理した場合、糞尿に好気性放線菌や嫌気性細菌が繁殖するのですぐに発熱して翌日には40度C以上の温度になる。すなわち堆肥化処理を始めた翌日あたりから家畜の糞は堆肥化が進み1週間程度で一時発酵が終了する。その後2週間程度で二次発酵が完了すると堆肥として利用出来るようになる。ヤシガラチップは発酵も起こらず腐敗もしない性質を有しているので、悪臭も発生しない優れた性質を有するものである。家畜舍に敷設するヤシガラチップの塊の大きさは、通常5ミリから35ミリの範囲内に入るように成形して用いるが、家畜によってはヤシガラチップが小粒であると糞と一緒に踏み固めてしまう場合もあり、また家畜より発生する糞とヤシガラチップとの混合物を堆肥化させるとさらさらした粉状に変化するので堆肥として用いる場合は良いが繰り返し使用する場合は、ヤシガラチップの大きさを5ミリ以上の大きさの塊状に成形して用いた方が再度使用する場合及び排出処理作業も簡単に行えるので好ましい。以下実施例について述べる。1区画、18坪で肉牛13頭飼育のフリ−スト−ル牛舎の床に約20ミリの塊体に成形したヤシガラチップの敷料を適当位置に数カ所山盛りに敷設し様子を見たところ、牛はこのヤシガラチップを足でもってその周囲に適当な厚さに掻きだして寝床を作成し寝ころんでいた。また肉牛が排泄する尿に対して、ヤシガラチップは透水性が良いので尿は吸水される分を除いて速やかに流下しつつ蒸発するためその表面はすぐ自然乾燥することにより、湿った感じは受けない。従って肉牛は喜んで寝床として利用していた。5日間程度使用した使用済のヤシガラチップと糞の混合物は堆肥処理場にシヨベルロ−ダ−等により移送して堆積したが、ヤシガラチップと混練りされた糞は、糞に存在する好気性放線菌と嫌気性細菌の作用にて40度C以上に発熱していたのでハエ等の虫は飛来せずうじむしも発生しない。またヤシガラチップは腐敗しないので堆積した翌日から糞のみの堆肥化が始まり、1週間程度で1次発酵が終了する。その後2週間程度で2次発酵が完了すると堆肥として利用できる様になった。この堆肥が付着したヤシガラチップから悪臭は発生せず、また60日経ってもヤシガラチップは腐敗はしていなかった。またヤシガラチップと堆肥化した糞の混合物はさらさらした繊維状の塊となっていたので再度床敷料として使用してみたが特に問題は無く継続して使用することが出来た。なおヤシガラチップは殺菌処理を施しているため寄生虫は存在していないので家畜に対し安心して使用することが出来た。
【0007】
【比較例】 オガクズを実施例と同様に家畜舎の床に敷設して様子をみたところ5日たつとオガクズと糞と尿が混ざりあってどろどろの状態となるとともに家畜の汚れがひどいのでやむを得ず排出したが、オガクズと糞尿の混ざり合ったどろどろの状態の混練物を舎外の堆肥置き場に搬出する排出作業は極めて作業性が悪く、家畜舎からのオガクズと糞尿の混練物の搬出作業は非常に困難を極め多大の労力を要した。
【0008】以上述べたとおり本発明は、水分保持力及び透水性が良いのでさらさらしている感じを維持し、更に尿との分離が容易なヤシガラに着目し、このヤシガラを5ミリから35ミリの範囲の柔らかい塊状に成形したヤシガラチップを蒸気により高温殺菌を施して形成し、このヤシガラチップを家畜舎の床面に50ミリ以上に重ねあわせて敷設し家畜の飼育に用いるように構成しているので、家畜の尿との分離や排出処理が簡便に行えるとともに、このヤシガラチップにはフエノ−ルやタンニン酸等が含まれているため虫が付きにくくまた発酵もし難く飼育している家畜の爪の乾燥状態を維持して家畜の成長促進及び健康状態が保持され、更に糞尿に含まれる好気性放線菌と嫌気性細菌の作用でヤシカラチップと糞尿の混練物は発熱して糞尿の堆肥化の促進がはかれる利点を有し、尿はヤシガラチップ内を流下し且つ同時に蒸発もするため、糞のみがヤシガラチップに残留して堆肥化するとともにヤシガラチップに付着した糞はさらさらした繊維状に変化し、ヤシガラチップと混在していても敷料として繰り返し使用することが出来る等多くの優れた利点を有するものである。
【出願人】 【識別番号】596008116
【氏名又は名称】太平物産株式会社
【出願日】 平成10年7月9日(1998.7.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−23584(P2000−23584A)
【公開日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【出願番号】 特願平10−208569