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【発明の名称】 脈動搾乳器
【発明者】 【氏名】石丸 容司

【氏名】上原 弘之

【要約】 【課題】部品交換が容易で、使い勝手が良好な脈動搾乳器の提供。

【解決手段】陰圧発生部116と、この陰圧発生部により、その内部が陰圧となる陰圧用空間部と、この陰圧用空間部と連結されて形成されている脈動用空間部と、を有する搾乳器本体と、使用者の乳房等に設置し、使用者の母乳を吸引、貯蔵する吸引貯蔵部と、を備える脈動搾乳器において、上記陰圧用空間部118と上記脈動用空間部107とが相互に分離可能に配置されていることを特徴とする脈動搾乳器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 陰圧発生部と、この陰圧発生部により、その内部が陰圧となる陰圧用空間部と、この陰圧用空間部と連結されて形成されている脈動用空間部と、を有する搾乳器本体と、使用者の乳房等に設置し、使用者の母乳を吸引、貯蔵する吸引貯蔵部と、を備える脈動搾乳器において、上記陰圧用空間部と上記脈動用空間部とが相互に分離可能に配置されていることを特徴とする脈動搾乳器。
【請求項2】 上記脈動用空間部には、上記陰圧用空間部と連結するための連結凸部が設けられ、この陰圧用空間部には、この脈動用空間部と連結するための連結凹部が設けられ、且つ、これら脈動用空間部と陰圧用空間部相互の連結を保持させるための保持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の脈動搾乳器。
【請求項3】 上記吸引貯蔵部と上記搾乳器本体の間には、これらを接続するための接続部が設けられており、上記吸引貯蔵部の上記接続部側には、空気室が設けられており、この空気室の内部に凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脈動搾乳器。
【請求項4】 上記吸引貯蔵部は、使用者の母乳を吸引するための吸引部と使用者の母乳を貯蔵するための貯蔵部を有しており、この貯蔵部には、この吸引部で吸引された使用者の母乳を上記貯蔵部へ移動させるための弁が設けられ、この弁の略中心部が、上記吸引部側に撓んで形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の脈動搾乳器。
【請求項5】 上記搾乳器本体の両側及び上記吸引貯蔵部を載置可能に形成されているホルダ部には、このホルダ部をこの搾乳器本体に取付けるための係合部がそれぞれ備えられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の脈動搾乳器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用者が母乳を搾乳する際に用いる搾乳器に関し、特に、間欠的に母乳の吸引を行う所謂、脈動搾乳器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】搾乳器には、大きく分けて、手動式搾乳器と電動式搾乳器がある。このうち、手動式搾乳器は、使用者が自己の手等でポンプを動かし、このポンプの力で搾乳を行うものである。一方、電動式搾乳器は、モータ等の力を用い、ダイヤフラム等を動作させ、一定の空間に陰圧を形成させるようになっている。この陰圧状態は、この空間と使用者の乳房と間の存在するようになっているため、母乳は吸引され、所定のボトル内に収容されるようになっている。この電動搾乳器の陰圧を発生させるポンプユニットとしては、例えば図24に示すようなものがある。図24に示すように、ポンプユニット10は、モータ11の動力が減速ギヤ12、12、12、12を介して伝わるようになっている。具体的には、先ず、モータ11の軸には、図示しない偏心カムが装着されており、この偏心カムに図25に示すコネクションロッド13が係合するようになっている。このコネクションロッド13は、ダイヤフラム裏板15上に設けられているダイヤフラム14と接続されている。
【0003】このため、モータ11の軸の回転が図で示す上下運動となり、ダイヤフラム14を上下に動かすことになる。このダイヤフラムの弁14aは、図25に示すシャーシ16の陰圧空間部16aに設けられた孔と接続されている。したがって、ダイヤフラムの弁14aの動きによって、この陰圧空間部16aには、陰圧空間が形成されることになる。次に、上記陰圧空間部16aの上には、2つの脈動用空間部16b、16bが、この陰圧空間部16aと一体に形成されている。そして、これら2つの脈動用空間部16b、16bの低部には、それぞれ孔が設けられ、陰圧空間部16aとこの孔を介して連通して形成されている。これら2つの脈動用空間部16b、16bには、図25に示すコントロール軸17、17が、それぞれ上部の開口より挿入され、これらコントロール軸17、17の下端部には、図示しないコントロール弁が取り付けられることになる。このコントロール弁は、コントロール軸17が図において下方向に移動すると、上記脈動用空間部16bの低部に設けられた孔を塞ぎ、その下に設けられている陰圧空間部16aとの連通状態を遮断することになる。また、このコントロール弁が、コントロール軸17が図において下方向に移動すると、この脈動用空間部16bの上部の開口部を開口状態にすることになる。
【0004】このような働きをするコントロール弁付きコントロール軸17、17は、図25に示すシーソー18と係合している。そして、このシーソー18は、図24に示す減速ギヤ12、12、12、12と歯合している図示しないコントロールギヤにより、揺動させられることになる。このシーソー18の揺動により、上記2つのコントロール軸17、17は、交互に上下運動を行うことになる。ところで、上記2つの脈動用空間部16b、16bは、図24に示すノズル19、19と連通しており、このノズル19、19は、図示しない母乳収容用ボトルとホース等で接続されている。この母乳収容用ボトルには、使用者の乳房に密着させる碗状の母乳受け部が設けられている。このように構成される電動搾乳器のポンプユニット10を動作させると、モータ11の回転により、ダイヤフラム14が動き、陰圧空間部16aを陰圧とする。一方、モータ11の回転により、上記コントロールギヤが回転し、シーソー18を揺動させ、2つのコントロール軸17、17を交互に上下動させることになる。このコントロール軸17が下に動いた、一方の脈動用空間部16bは、陰圧空間部16aとの連通が遮断され、陰圧ではなく開放状態になる。また、コントロール軸17が上に動いた、一方の脈動用空間部16bは、陰圧状態となる。
【0005】ここにおいて、上記母乳収容用ボトルを、ホースにて、一方のノズル19(図24参照)と接続させて、使用する場合、この母乳収容用ボトルと連通している脈動用空間部16bは、一方のみであるため、一方のコントロール軸17の上下動によって、陰圧状態と開放状態が繰り返えされることになる。これにより、連続的な吸引ではない、乳幼児が行う吸引に近い状態、すなわち脈動状態の吸引が可能となり、より効果的な搾乳ができることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような脈動搾乳器のモータユニット10のシャーシ16を形成する陰圧空間部16aと脈動用空間部16bは、脈動搾乳器の吸引力となる陰圧を効果的に発生させるための重要な部品である。したがって、僅かな不具合がこれらの部品に発生しても、脈動搾乳器の吸引力に大きな影響を与えるため、不具合が生じた部品は取り替える必要があった。この不具合は、シャーシ16の陰圧空間部16a又は脈動用空間部16bの何れか一方にのみ生じる場合が多いが、この場合でも、これら陰圧空間部16aと脈動空間部16bが上述のように一体に形成されているため、シャーシ16全体を取り替える必要がるという問題があった。
【0007】本発明は、以上の点に鑑み、部品交換が容易で、使い勝手が良好な脈動搾乳器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によれば、陰圧発生部と、この陰圧発生部により、その内部が陰圧となる陰圧用空間部と、この陰圧用空間部と連結されて形成されている脈動用空間部と、を有する搾乳器本体と、使用者の乳房等に設置し、使用者の母乳を吸引、貯蔵する吸引貯蔵部と、を備える脈動搾乳器において、上記陰圧用空間部と上記脈動用空間部とが相互に分離可能に配置されていることを特徴とする脈動搾乳器により達成される。
【0009】上記構成によれば、上記陰圧用空間部と上記脈動用空間部とが相互に分離可能に配置されているので、何れか一方のみを分離して交換することができる。
【0010】好ましくは、請求項1の構成において、上記脈動用空間部には、上記陰圧用空間部と連結するための連結凸部が設けられ、この陰圧用空間部には、この脈動用空間部と連結するための連結凹部が設けられ、且つ、これら脈動用空間部と陰圧用空間部相互の連結を保持させるための保持部が設けられていることを特徴とする脈動搾乳器である。
【0011】上記構成によれば、上記脈動用空間部には、上記陰圧用空間部と連結するための連結凸部が設けられ、この陰圧用空間部には、この脈動用空間部と連結するための連結凹部が設けられているので、これら連結凸部と連結凹部を組み合わせることで容易に脈動用空間部と陰圧用空間部を連結することができる。また、上記脈動用空間部と上記陰圧用空間部相互の連結を保持させるための保持部が設けられているので、脈動用空間部と陰圧用空間部との連結をより強固にすることができる。
【0012】好ましくは、請求項1又は請求項2の構成において、上記吸引貯蔵部と上記搾乳器本体の間には、これらを接続するための接続部が設けられており、上記吸引貯蔵部の上記接続部側には、空気室が設けられており、この空気室の内部に凹凸部が形成されていることを特徴とする脈動搾乳器である。
【0013】上記構成によれば、上記吸引貯蔵部の上記接続部側には、空気室が設けられているので、母乳が上記接続部へ流入するのを防ぐことができる。また、この空気室の内部に凹凸部が形成されているので、この空気室の内部面積が増加し、より母乳の水蒸気が、この空気室の内部に付着するので、母乳が上記接続部へ流入するのをより防ぐことができる。
【0014】また、好ましくは、請求項1乃至請求項3の何れかの構成において、上記吸引貯蔵部は、使用者の母乳を吸引するための吸引部と使用者の母乳を貯蔵するための貯蔵部を有しており、この貯蔵部には、この吸引部で吸引された使用者の母乳を上記貯蔵部へ移動させるための弁が設けられ、この弁の略中心部が、上記吸引部側に撓んで形成されていることを特徴とする脈動搾乳器である。
【0015】上記構成によれば、上記弁の略中心部が、上記吸引部側に撓んで形成されているので、この弁が閉じる方向に撓まされることになる。これにより陰圧状態がより確実になる。
【0016】なお、好ましくは、請求項1乃至請求項4の何れかの構成において、上記搾乳器本体の両側及び上記吸引貯蔵部を載置可能に形成されているホルダ部には、このホルダ部をこの搾乳器本体に取付けるための係合部がそれぞれ備えられていることを特徴とする脈動搾乳器である。
【0017】上記構成によれば、上記搾乳器本体の両側及び上記吸引貯蔵部を載置可能に形成されているホルダ部には、このホルダ部をこの搾乳器本体に取付けるための係合部がそれぞれ備えられているので、このホルダ部を上記搾乳器本体の両側又は片側に容易に取り付けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態を図1乃至図23を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】図1は、本発明の実施の形態に係る脈動搾乳器100を示す図である。脈動搾乳器100は、搾乳器本体であるポンプユニット110と、その両側に配置されているホルダ部であるボトルホルダ120、120を有している。また、脈動搾乳器100は、吸引貯蔵部であるボトルユニット130、130を例えば2つ備えている。さらに、脈動搾乳器100は、上記ボトルユニット130とポンプユニット110を接続するための接続部である吸気チューブ140、140が2本備えられている。また、上記ポンプユニット110の表面には、図1に示すように、電源スイッチ110aと吸引圧調節ダイヤル110bが配置されている。図2は、上記ポンプユニット110とボトルホルダ120、120を、図1の裏側より見た図である。図2に示すように、ポンプユニット110には、吸気チューブ140、140を接続するためのノズル110d、110dが例えば2つ設けられている。また、このポンプユニット110には、電源である例えば電池を収納するための電池収納部110cが設けられている。また、電源としてAC電源を用いることもできる。この場合、図2に示すAC電源用接続端子110eにAC電源を接続して使用しすることになる。このポンプユニット110は、使用者である母親の母乳を吸引するための吸引圧を発生させるものであるため、以下、詳細に説明する。
【0020】図3は、図1及び図2に示す上記ポンプユニット110のケーシングを外し、ポンプユニット110の中枢部であるポンプユニットの中枢部を示した図である。また、図4は、図3に示すポンプユニットの中枢部110を分解して示した分解斜視図である。図4に示すように、モータ112は、モータプレート113に収容されている。このとき、モータ112のモータ軸112aは、モータプレート113のモータプレート孔113aに挿入され、その先端に偏心カム114が取り付けられる。この偏心カム114の先端には、ギヤ114aが設けられている。この偏心カム114は、陰圧発生部であるダイヤフラム116と接続されているコネクションロッド115と係合されている。また、このダイヤフラム116は、ダイヤフラム裏板117上に載置されるようになっている。なお、このコネクションロッド115は、陰圧用空間部であるシャーシ118に設けられている丸穴に挿入された状態で、偏心カム114と係合することとなる。
【0021】一方、上記ギヤ114aは、減速ギヤ114bと歯合し、さらに2枚の減速ギヤ114b、114bが歯合状態で連なっている。さらに、この減速ギヤ114bと歯合されているのが、コントロールギヤ114cであり、このコントロールギヤ114cと係合しているのがシーソー119である。なお、上記減速ギヤ114b、114b、114bとコントロールギヤ114cは、ステンレス棒109、109により支持されている。また、上記シーソー119は、2つのコントロール軸108、108と係合されており、この2つのコントロール軸108、108は、脈動用空間部であるシーソーベース107の上部に設けられた開口部より下方向に挿入されることにより、ノズル用開口部107d、107d内に予め配置されているコントロール弁108a、108aに取り付けられることになる。このシーソーベース107の下部には、上記シャーシ118と接続するための連結凸部であるシーソーベース連結部107aが2個設けられている。このシーソーベース連結部107a、107aにOリング106が装着することになる。一方、シャーシ118の上部には、連結凹部であるシャーシ連結部118aが2つ設けられている。したがって、このシャーシ連結部118a、118aに上記シーソーベース連結部107a、107aを挿入することで、シーソーベース107とシャーシ118は一体的に連結されることになる。このとき、シーソーベース連結部107a、107aには、Oリング106が装着されているため、気密性を維持しつつ接続される。
【0022】また、シャーシ118には、シャーシ開口部118bが設けられており、このシャーシ開口部118bに対応するように、図4に示すバルブ103及びOリング106が配置されている。このバルブ103とOリング106は、シャーシカバー104の吸引圧調節用孔104aを介して図示しない留め具でリーフスプリング102に固定されている。そして、このシャーシカバー104には、吸引圧調整ダイヤル110bが配置されている。この吸引圧調整ダイヤル110bには、溝が設けられており、この溝に当接して配置されているのが調節ピン105である。この調節ピン105は、吸引圧調整ダイヤル110bの回転によって、図において左右方向に移動するようになっている。ところで、保持部であるシャーシカバー104は、シャーシ118に押しつけられ、固定されることになる。このとき、シャーシカバー104は、シャーシ118のみならずシーソーベース107をも押さえるように配置されるため、シーソーベース107とシャーシ118との連結状態がより強固になる。ところで、このシャーシカバー104には、板金製のリーフスプリング102が配置されている。このリーフスプリング102の一端部は、リーフスプリング押さえ102aによって固定されている。しかし、このリーフスプリング102の他端部は、固定されておらず、リーフスプリング102自体の有する弾性によって、シャーシカバー104の表面に押しつけられている。また、このリーフスプリング102の他端部には、上述の調整ピン105の先端が当接しているため、この調整ピン105の移動により、リーフスプリング102が移動し、これと接続されているバルブ103がシャーシ118のシャーシ開口部118bに対して移動することになる。
【0023】図4に示すポンプユニットの中枢部111は、以上のように構成されて、以下のように動作する。先ず、使用者が図1に示す電源スイッチ110aをON状態にすると、図2に示す電池収納部110cに収納されている電池を電源として、モータ112が回転を始める。このモータ112の回転により、偏心カム114が偏心状態で回転することになる。この偏心カム114は、ダイヤフラム116に接続されているコネクションロッド115と係合しているため、コネクションロッド115が上下運動することになる。この状態を示したのが、図5である。図5の矢印Aに示すように、ダイヤフラム116は上下運動を行い、これにより、矢印Bに示すような空気の流れが生じる。このときダイヤフラム116のダイヤフラム弁116aの近傍にあるダイヤフラム孔116bは、シャーシ118のダイヤフラム用連結孔118cと接続されているので、シャーシ118内に陰圧を発生させることになる。このダイヤフラム用連結孔118cを示したのが、図6である。図6は、シャーシ118の底面図を示した図である。図6に示すように、シャーシ118の底面にダイヤフラム用連結孔118cが設けられている。このダイヤフラム用連結孔118cは、図7に示すシャーシ118のシャーシ開口部118bの図において底部に設けられてるため、このシャーシ開口部118とダイヤフラム孔116bは、連通していることになる。
【0024】このシャーシ開口部118には、図7に示すようにシャーシ連結部118a、118aに繋がる部分か2つに分かれて形成されており、シャーシ118の平面図である図8を見ると、このシャーシ連結部118a、118aが開口状態になっているのが分かる。このように、シャーシ118は、シャーシ開口部118b、ダイヤフラム連結用孔118c及びシャーシ連結部118a、118a以外の部分は、閉空間となっている。そして、シャーシ開口部118bは、上述のように、シャーシカバー104で塞がれてしまうため、ダイヤフラム116によってシャーシ118の内部は、陰圧状態となる。このシャーシ118の陰圧状態は、上記シーソベース107のシーソベース連結部107a、107aを介して、シーソベース107の内部にも陰圧状態を惹起することとなる。ところで、上記モータ112が回転すると、偏心カム114以外に図4に示すギャ114aも回転を始め、このギヤ114aと歯合している減速ギヤ114bにより減速されることになる。そして、3枚目の減速ギヤ114bと歯合しているコントロールギヤ114cが回転を始めることとなる。このコントロールギヤ114cは、図4に示すように特有の溝が形成されており、この溝の一部にシーソー119が係合することとなる。
【0025】この状態を示したのが、図9である。図9に示すように、コントロールギヤ114cの下部の設けられた円弧状の溝部にシーソ119のシーソー凸部119aが係合することになる。このコントロールギヤ114cの円運動は、この溝部によりシーソー119の揺動に変化することになる。なお、このシーソー119の揺動の支点は、図4に示すシーソーの支点119bであり、このシーソーの支点119bは、シーソーベース107のシーソー受け部107bに挿入されることになる。また、このシーソー119には、図4に示す2つのコントロール軸108が取り付けられることになる。この状態を示したのが図10である。図10に示すように、2つのコントロール軸108、108は、シーソー119の両側にある切り欠き部に係合されることになる。また、このコントロール軸108、108は、上述のように、シーソーベース107内に挿入され、その下部にコントロール弁108a、108aが取付けられることになる。図11は、このシーソーベース107を示す正面図であり、図12は、シーソーベース107の平面図である。図12に示すようにシーソーベース107には、コントロール軸108を挿入するためのコントロール軸用孔107cが2つ形成されている。そして、このコントロール軸用孔107cは、図11に示すノズル用開口部107dと連通している。
【0026】しかし、これら2つのノズル用開口部107d、107d及び2つのコントロール軸用孔107c、107cは、相互に連通されておらず、それぞれが別々にシーソーベース連結部107a、107aと連通されている。このような、コントロール軸用孔107c、107c内にコントロール軸108、108は、それぞれ、配置される。この状態で、上記シーソー119が揺動運動を行うと、図10に示すようにコントロール軸108、108が交互に上下運動を行うことになる。このコントロール軸108が、下方向に動き、図11に示すノズル用開口部107d,107dの底部まで達すると、このコントロール軸108に付いているコントロール弁108aによりシーソー連結部107aが塞がれることになる。このとき、塞がれたシーソーベース107の内部空間には、上述のシャーシ118の陰圧状態が伝わらず、むしろシーソーベース107のコントロール軸用孔107cに生じるコントロール軸108との隙間によって大気開放状態となる。一方、コントロール軸108が、上方向に動くと、このコントロール軸108に付いているコントロール弁108aと、シーソー連結部107aの間に空間が生じると共に、このコントロール弁108aの上端がコントロール軸用孔107cの下端を塞ぐことになる。したがって、上述のシャーシ118内の陰圧状態が、このシーソーベース107内にも生じることになる。このように陰圧状態と大気開放状態を、コントロール軸108、108の動きによって交互に生じさせることで、後述する脈動が生じることになる。
【0027】ところで、このシーソーベース107に設けられた2つのノズル用開口部107d、107dは、図4に示すようにシャーシカバーの104のノズル110d、110dとそれぞれ対応して配置され、このノズル110d、110dには、図1に示すように吸気チューブ140、140が接続されることになる。また、母親がシャーシ118の内部に生じている陰圧を調整するには、図4に示す吸引圧調整ダイヤル110bを、母親が操作することにより行う。すなわち、吸引圧調整ダイヤル110bは、具体的には、図13に示すようになっている。図13(1)に示すように、吸引圧調整ダイヤル110bには、螺旋状に厚みのことなる溝が設けられており、この溝に調整ピン105が当接するようになっている。この吸引圧調整ダイヤル110bは、図1に示すようにポンプユニット110の外部から母親が操作できるようになっている。そこで、母親がこの吸引圧調整ダイヤル110bを操作して、回すと調整ピン105が当接している吸引圧調整ダイヤル110bの溝の厚みが変化する。ここにおいて、例えば、溝の厚みが厚くなる場合、調整ピン105が図13(2)のようにリーフスプリング102を押すことになる。このリーフスプリング102と図4に示すバルブ103とは、上述のように接続されているため、このバルブ103もシャーシ118のシャーシ開口部118bから離反する方向に動き、陰圧(吸引圧)は小となる。逆に、吸引圧調整ダイヤル110bの溝の厚みが薄くなれば、バルブ103は、シャーシ開口部118bの内部に押し込まれることになり、陰圧(吸引圧)は大となる。このようにして母親は、陰圧を調整することになる。
【0028】以上のようにポンプユニット110は、構成され動作するが、このポンプユニット110と吸気チューブ140を介して接続されているボトルユニット130について以下、説明する。図14は、ボトルユニット130の分解斜視図である。図示のようにボトルユニット130は、母親の母乳を吸引するための吸引部と、母乳を貯蔵するための貯蔵部とを有している。この吸引部を構成するものとしては、搾乳キャップ133、円板134、中栓135、円筒136及びブレストシールド137が挙げられる。このうち、ブレストシールド137は、その一部に母親が自己の乳房に装着させる部分である母乳受け部137aを有している。この母乳受け部には、図示しない別体の滑り止め部を用いても良い。すなわち、母親の乳房に当接する部分に凹凸部が配置されるように滑り止め部を、母乳受け部の内面に装着する場合である。このブレストシールド137の断面は、図15に示すようになっている。形成したをこのおり、その断面は、図15に示すようになっている。すなわち、図15に示すように、ブレストシールド137の内部では、母乳受け部137aの内部空間と連通されており、図において上方及び下方に導くように形成されている。
【0029】このブレストシールド137の上部の開口部137bには、図14に示す円筒136と円板134を伴った中栓135が挿入されることになる。この中栓135等が挿入された状態を示すのが図15のAの部分である。この中栓135等の構造を具体的に示したのが、図16である。図16に示すように、円板134の中心部に、円板孔134aが設けられており、この円板孔134aは、中栓135の中栓孔135a、135aを介して、図15のブレストシールド137内に連通している。また、中栓135の中栓本体135bは、図において上下方向に移動可能となっており、上方向に中栓本体135bが移動して、中栓135の中栓凸部135c、135cが、円板134に当接すると、この移動が止まると共に、上記円板135の円板孔134aと中栓本体135の中栓孔135aとの間が連通状態でなくなることになる。また、この中栓135等の上には、図14に示すように、空気室である搾乳口キャップ133が設けられている。この搾乳キャップ133の構造を示すのが、図17である。図17に示すように搾乳口キャップ133の上部には、図1に示す吸気チューブ140を接続するための吸気チューブ用孔133aが設けられている。また、搾乳キャップ133の内周部133bには、凹凸部が設けられている。
【0030】この凹凸部の形成は、例えば腐食加工により行う。この腐食加工は、搾乳キャップ133の内周部133bに、化学薬品を用いてエッチングし、不要部分を取り除く等して凹凸部を形成するものである。また、凹凸部を形成する他の方法としては、金型に砂等を吹き付けることにより、金型に傷を付けるブラスト処理の方法等もある。このように、その内周部133bに凹凸部を設けられた搾乳口キャップ133は、図14に示すブレストシールド137に対して固定される。一方、母乳を貯蔵するための貯蔵部を構成するものとしては、図14に示すボトル本体131、弁132及びチェックバルブ139等が挙げられる。このチェックバルブ139は、図15に示すブレストシールド137の下端に差し込むように装着される。このチェックバルブ139の下端には、弁132が取り付けられている。この弁132は、図18に示すように、可動片132aが可動することにより弁132を閉状態にしたり、開状態にしたりするものである。また、図19は、この弁132の断面を示した図である。図19に示すように弁132の両側の上端部は、それ以外の部分と比べ肉厚に構成されている。このため、この弁132を、上記チェックバルブ139に取り付けると、上記肉厚の部分が外側に広がることになる。その結果、この弁132の略中心部である可動片132aが、図において上方向に撓むこととなる。そして、このように弁132の可動片132aが上方に撓むと、この可動片132aは、弁132を閉状態に保持する方向に配置されることになる。
【0031】以上のように構成されているボトルユニット130の動作等を以下、説明する。先ず、図1に示すように、ポンプユニット130の搾乳口キャップ133に吸気チューブ140を取付ける。そして、2つのボトルユニット130のブレストシールド137、137の母乳受け部137a、137aを、図20に示すように、それぞれ使用者である母親の両方の乳房に密着させる。この状態で、ポンプユニット110の電源スイッチ110aをON状態にすると、上述のように、ポンプユニットの中枢部111が動き出すことになる。このポンプユニットの中枢部111の動作により、ポンプユニット110の2つノズル110d、110dは、交互に吸引と大気開放を繰り返すことになる。この2つノズル110d、110dにおける吸引と大気開放は、吸気チューブ140、140を介してボトルユニット130、130に伝わることになる。すなわち、吸引状態の場合は、吸引圧が吸気チューブ140を通り、搾乳口キャップ130を介し、図16に示す円板孔134aを通り、中栓孔135aを通って、図15に示すブレストシールド137内に達することになる。
【0032】ところで、このブレストシールド137の下端部には弁132を有するチェックバルブ139が設けられているため、この吸引圧によって、図19の弁132の可動片132aは図において上方に引っ張られることになり、これにより、弁132が閉状態に保持されることになる。このとき、たとえ吸引圧が若干、小さくても、弁132の可動片132aが、上述のように上方に向かって撓んで保持されているため、可動片132aが下方向に移動して、吸引圧を弱めてしまうことがない。このようにブレストシールド137の下端部は、弁132によって閉状態となっているため、ブレストシールド137内の吸引圧は、母乳受け部137aに達し、そこに配置されている母親の乳房を吸引することになる。この吸引圧によって搾乳された母乳は、図15に示す母乳受け部137aに沿ってブレストシールド137内に流れ込み、チェックバルブ139を通り、弁132に達することになる。このとき、脈動により吸引が止まるのとほぼ同時に、母乳が弁132近傍で溜まると、その重みで弁132の可動片132aが下方向に動き、母乳をボトル本体131内に落下させることになる。
【0033】また、搾乳量が多く、母乳が自重でボトル本体131内に落下する前に、母乳がブレストシールド137内に溜まってしまう場合は、その溜まった母乳が図16に示す円筒136を押し上げ、この円筒136の上昇で、中栓本体135bを押し上げ、中栓凸部135cが円板134に当たって、中栓本体135bより下方の空間との円板134より上方の空間の連通を遮断することになる。この遮断でポンプユニット110の吸引圧は、円板134部分と途切れるため、それ以上、ポンプユニット110側に母乳が移動することはなく、ポンプユニット110側へ母乳が流入することが防げることになる。このように、ポンプユニット110へ母乳が流入することが防ぐことで、ポンプユニット110の故障も防ぐことができる。また、この中栓135等の上には搾乳口キャップ133が配置され、この搾乳口キャップ133の内周部133b(図17参照)に凹凸部が設けられているため、この凹凸部によって表面積が増し吸着量が増すことにより、母乳の水蒸気等が保持され、ポンプユニット110へ水蒸気等が流れ込むのが有効に防止されることになる。さらに、搾乳口キャップ133の吸気チューブ用孔133aが、図17に示すように搾乳口キャップ133の上端に付いているため、より母乳の影響を受け難い位置となっている。
【0034】一方、ポンプユニット110が大気開放と成っている場合は、ボトルユニット130において搾乳は、行われないことになる。このように、本実施の形態のポンプユニット110及びボトルユニット130等を用いれば、両方の乳房を同時に搾乳するすることができると共に、この搾乳は、吸引と大気開放を繰り返す所謂、脈動で行うことができる。また、ポンプユニット110のシャーシ118とシーソーベース107が分離可能に成っているため、いずれか一方が壊れても、他方のみを交換できるため、コストダウンが図れ、使い勝手が向上する。以上のようにポンプユニット110とボトルユニット130等を用いて搾乳を行った後、この2つのボトルユニット130、130を載置する場所として、ホルダ部であるボトルホルダ120が、図1に示すようにポンプユニット110の両側に設けられている。したがって、搾乳を終わった母親は、2つのボトルユニット130,130を、これらのボトルホルダ120、120に載置することができるようになっている。また、このボトルホルダ120、120は、ポンプユニット110に容易に取り付けられ、且つ、容易に取り外すことができるようになっている。具体的には、図21に示すように、ポンプユニット110の両側にはボトルホルダ120を取り付けるための係合凸部110e、110eが設けられている。この係合凸部110eは、図22に示すように半楕円形を成している。
【0035】一方、ボトルホルダ120には、図23に示すように、この係合凸部110eに対応するようにボトルホルダ係合凹部120aが設けられている。したがって、このボトルホルダ係合凹部120aに、ポンプユニット110の係合凸部110eを差し込むことにより、ポンプユニット110にボトルホルダ120が取付けられることになる。また、使用者である母親が1つのボトルユニット130のみを使用する場合は、1つのボトルホルダ120をポンプユニット110の何れか一方に取り付ければよく、脈動搾乳器100を置いておくスペースが少なくて済む。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、部品交換が容易で、使い勝手が良好な脈動搾乳器を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
【出願日】 平成11年6月9日(1999.6.9)
【代理人】 【識別番号】100096806
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎 (外1名)
【公開番号】 特開2000−350527(P2000−350527A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願平11−163044