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【発明の名称】 育生トレー洗浄装置
【発明者】 【氏名】岡本 茂樹

【要約】 【課題】人手を要することなく、能率良く、細部に至るまで、均一な洗浄が可能な育生トレー洗浄装置を提供する。

【解決手段】育生トレー2を縦置き状態に載置して搬送する走行ベルト1と、該走行ベルト1上の上記育生トレー2の表面24を洗浄する第1洗浄ノズル3と、上記育生トレー2の裏面25側から該育生トレー2を掛止する掛止片42を具備して上記走行ベルト1の上流側に配設される入側送りベルト4と、上記走行ベルト1上の上記育生トレー2の裏面25を洗浄するために上記第1洗浄ノズル3の下流側に配設される第2洗浄ノズル5と、上記育生トレー2の表面24の側から該育生トレー2を掛止する掛止片62を具備して上記走行ベルト1の下流側に配設される出側送りベルト6と、洗浄終了後の上記育生トレー2を乾燥させるために上記出側送りベルト6よりも下流側に配設されるブロア7,7と、を具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 育生トレー2を縦置き状態に載置してその下端縁を受けて該育生トレー2を搬送するための走行ベルト1と、該走行ベルト1上に載置された上記育生トレー2の表面24を洗浄するための第1洗浄ノズル3と、上記育生トレー2の裏面25側から該育生トレー2を掛止するための掛止片42を具備して上記走行ベルト1の上流側に配設される入側送りベルト4と、上記走行ベルト1上に載置された上記育生トレー2の裏面25を洗浄するために上記第1洗浄ノズル3の下流側に配設される第2洗浄ノズル5と、上記育生トレー2の表面24の側から該育生トレー2を掛止するための掛止片62を具備して上記走行ベルト1の下流側に配設される出側送りベルト6と、洗浄終了後の上記育生トレー2を乾燥させるために上記出側送りベルト6よりも下流側に配設されるブロア7,7と、を具備したことを特徴とする育生トレー洗浄装置。
【請求項2】 上記第1洗浄ノズル3が、回転円錐ノズルである請求項1記載の育生トレー洗浄装置。
【請求項3】 上記第2洗浄ノズル5が、扇形ノズルである請求項1又は2記載の育生トレー洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育生トレー洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、モヤシの水耕栽培では、モヤシのひげ(根)を植設するための多数の小径(2mm程度)の孔を具備したモヤシ育生箱が用いられる。このようなモヤシ育生箱は、繰り返し使用に供されるが、その使用の前後には、衛生上の観点から、洗浄されていた。
【0003】その場合、従来では、モヤシ育生箱を横一列状態に並べて、高圧温水洗浄機に接続した手持ち式の噴射ガンで、順次、高圧温水を吹き付けるような洗浄方法が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近時は、農業分野に於ても、衛生面での国際的な規格が重要視されるようになったが、上述したような従来の洗浄方法では、人手を要して能率が低い上に、細部に至るまで均一に洗浄するのは難しく、洗浄むらが生じたり、また、人手が接触しやすい等の問題があり、衛生面でも充分ではなかった。このような問題は、モヤシ育生箱に限られることなく、例えば、カイワレ大根の育生箱等に於ても発生していた。
【0005】そこで、本発明は、人手を要することなく、能率よく、細部に至るまで、均一な洗浄が可能な育生トレー洗浄装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明の育生トレー洗浄装置は、育生トレーを縦置き状態に載置してその下端縁を受けて該育生トレーを搬送するための走行ベルトと、該走行ベルト上に載置された上記育生トレーの表面を洗浄するための第1洗浄ノズルと、上記育生トレーの裏面側から該育生トレーを掛止するための掛止片を具備して上記走行ベルトの上流側に配設される入側送りベルトと、上記走行ベルト上に載置された上記育生トレーの裏面を洗浄するために上記第1洗浄ノズルの下流側に配設される第2洗浄ノズルと、上記育生トレーの表面の側から該育生トレーを掛止するための掛止片を具備して上記走行ベルトの下流側に配設される出側送りベルトと、洗浄終了後の上記育生トレーを乾燥させるために上記出側送りベルトよりも下流側に配設されるブロアと、を具備している。
【0007】また、上記第1洗浄ノズルが、回転円錐ノズルであるも好ましい。さらに、上記第2洗浄ノズルが、扇形ノズルであるも好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0009】図1は、本発明の育生トレー洗浄装置の基本的な構成を示し、同図にて、1は矢印A方向に転動する走行ベルト、2は育生トレー(図7,8,9参照)で、例えば、モヤシ31の根32を差し込むための多数の小孔21…を有する基板22と、格子状に差し渡された桟23…等を具備し、洗浄時には、走行ベルト1の搬入側12に縦置き状態に載置される。
【0010】3は、育生トレー2の表面24に向けて高圧温水を噴射する第1洗浄ノズル、4は入側送りベルトで、そのベルト本体41の外面には、育生トレー2の裏面25の側から育生トレー2を掛止するための掛止片42…が突設され、走行ベルト1の一側上流側に第1洗浄ノズル3に対向して配設され、走行ベルト1と同じ送り速度で同方向に転動する。
【0011】5は、育生トレー2の裏面25に向けて高圧冷水を噴射する第2洗浄ノズル、6は出側送りベルトで、そのベルト本体61の外面には、育生トレー2の表面24の側から育生トレー2を掛止するための掛止片62…が突設され、走行ベルト1の他側下流側に第2洗浄ノズル5に対向して配設され、走行ベルト1と同じ送り速度で同方向に転動する。
【0012】7,7は、洗浄終了後の上記育生トレー2を乾燥させるための一対のブロアで、走行ベルト1の搬出側13の両側に配設される。なお、図1中、Hはヘッドプーリ(ドライブプーリ)、Tはテールプーリである。
【0013】このような育生トレー洗浄装置によれば、モヤシ31の収穫後に、育生トレー2を再度の使用に供するために、人手を要することなく、能率よく連続的に、多数の育生トレー2…を、衛生的に自動洗浄することができる。
【0014】モヤシ31が切り取られて収穫された後には、育生トレー2の小孔21…には、モヤシ31の根32の部分等が付着しているが、そのままの状態で、その表面24を第1洗浄ノズル3の側に向けて縦置き状態として搬入側12の走行ベルト1に載せて下流側(矢印A方向)に向けて搬送する。
【0015】その際、育生トレー2の表面24には、第1洗浄ノズル3から高圧の温水が噴射されているため、育生トレー2は、その抵抗によって背後に配設されている入側送りベルト4に押し付けられ、育生トレー2の倒れが防止されると共に、その桟23に掛止片42が掛止し、かつ、その下端縁がベルト本体11に支持された状態にて、下流側に向けて搬送され、その過程で、その表面24が高圧温水によって隈なく洗浄され、育生トレー2に付着していたモヤシ31の根32や異物等が洗い流される。
【0016】高圧温水による育生トレー2の表面24の洗浄が終了した後には、第2洗浄ノズル5からの高圧の冷水が、育生トレー2の裏面25に向けて噴射されるため、育生トレー2は、出側送りベルト6に押し付けられ、育生トレー2の倒れが防止されると共に、その桟23に掛止片62が掛止し、下流側に向けて搬送されつつ、その間に、裏面25が高圧冷水によって洗浄され、育生トレー2に付着していたその他の異物が、全て洗い流される。
【0017】そして、育生トレー2の表裏両面の洗浄が終了した後には、搬出側13の走行ベルト1の両側に配設されているブロア7,7から、育生トレー2の表裏両面に向けて吹き付けられるエアによって、乾燥され、洗浄作業の全工程が終了する。その各工程は、人手を要することなく、全て、自動的におこなわれるため、きわめて衛生的であり、かつ、複数の育生トレー2…を連続的に走行ベルト1に搬入することにより、これらを能率よく洗浄することができる。
【0018】次に、本発明の育生トレー洗浄装置についてさらに具体的に説明する。
【0019】図2は装置の要部平面図、図3は同側面図、図4は同正面図、図5は装置の外形を示す平面図、図6は同側面図で、これらの図面にて、図1に示す各部材に対応する部材には同一の符号を付す。
【0020】走行ベルト1は、型鋼や鋼板等を組み合わせて形成された脚付きの架台15に設けられ、図3に示すように、その架台15の端部に支持されたヘッドプーリHが、巻掛伝動機構16を介して、その下部に設けたモータ17によって回転駆動され、無端のベルト本体11が矢印A方向に向けて転動する。
【0021】第1洗浄ノズル3は、図4に示すように、縦置き状態の育生トレー2の高さに対応するように、架台15の一側部に、5個が縦方向に積み重ねて設けられる一方、第2洗浄ノズル5も、同様に、架台15の他側部に、5個が縦方向に積み重ねて設けられている。
【0022】入側送りベルト4は、図2及び図3に示すように、走行ベルト1の上流側の一側に、上下一対が設けられ、また、出側送りベルト6は、走行ベルト1の下流側の他側に、上下一対が設けられ、各ヘッドプーリH,Hが、図3及び図4に示すように、架台15の上部に設けられたモータ18から、巻掛伝動機構19等を介して、回転駆動されるようになっている。
【0023】その他の構成について説明すると、図2乃至図4にて、27はスイッチボード、28はヒューズ、29は送風機、30は送風機ダクト、7,7は送風ガイド(ブロア)、33,33は、搬入時に縦置き状態とした育生トレー2を倒れないように案内するための入側ガイド、34は入側テーブル、35はローラーコンベヤ、36は濾過装置を内蔵した洗浄水受け容器、37は、洗浄水受け容器36からの濾過水を排出するための排水用タンク、38,38は出側ガイド、39は出側テーブルである。また、図5及び図6にて、9はケーシング、10は前面扉である。
【0024】図7乃至図9は、洗浄対象となる育生トレー2の構成を示し、この育生トレー2は、ポリプロピレンを素材とし、正方形状に形成された外枠26の内側に、多数の小孔21…を有する基板22が張設され、その基板22に、複数の桟23…が、所定間隔(81mm程度)おきに格子状に設けられ、その各小孔21…にモヤシ31…の根32…を植設して水耕栽培により生育を図るものであり、モヤシ31…を収穫した後には、洗浄されて再度の使用に供される。
【0025】その洗浄の際には、前述したように、まず、表面24の洗浄時に、入側送りベルト4の掛止片42が桟23に対して裏側から掛止し、次いで、裏面25の洗浄時に、出側送りベルト6の掛止片62が桟23に対して表側から掛止し、かつ、育生トレー2の重量が、終始、走行ベルト1によって受けられていることにより、全洗浄工程中、育生トレー2が確実に搬送される。
【0026】図10は入側送りベルト4(又は出側送りベルト6)の斜視図で、そのベルト本体11は、熱可塑性ポリウレタンにアラミド繊維よりなる心線を埋設したものであり、裏面には凹凸が形成され、また、搬送面となる表面側には掛止片(プロファイル)42…が形成されている。例えば、プロファイル42の幅bは25mm、高さhは10〜12mm、ピッチpは60mm程度である。
【0027】図11は第1洗浄ノズル3に使用される回転円錐ノズルの構成を示し、43はケーシング、44はベアリング、45,46はOリング、47はローター、48はドライビングプラグであり、高圧の温水が通過する際に、ローター47が回転し、図12に示すようなリング状のスプレーパターン49が形成され、高い洗浄作用がある。また、図13には、第2洗浄ノズル5に使用される扇形ノズルのスプレーパターン50を示す。この扇形ノズルにより、幅広く(高さ方向の)高圧冷水を噴射することができる。
【0028】以上のように構成される本機の主な仕様については、第1洗浄ノズル3の噴射圧:約85kgf/cm2水量:7.3L/min、第2洗浄ノズル5の噴射圧:約60kgf/cm2,水量:7.8L/min、風量:10m3/min、送り速度:約46mm/sec、必要水量:約80L/min 、機体寸法:1700×900(2000) ×1590mm、機体重量:約220kg (本機のみ)である。
【0029】なお、上記仕様の内容は、使用条件等に応じて適宜に変更されてよく、また、本発明は、第1洗浄ノズル3及び第2洗浄ノズル5の形式や構成を実施例のものに限定するのではなく、使用条件等を考慮の上、適宜に、変更・選択されてよい。さらに、入側送りベルト4及び出側送りベルト6は、3段に設けられてもよく、幅の広いものであれば、単一であってもよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1,2及び3記載の発明によれば、縦置き状態に搬送される育生トレー2の表裏両面24,25を、第1洗浄ノズル3と第2洗浄ノズル5とによって、人手を要することなく、能率よく連続して自動的に洗浄し、乾燥させることができ、従来のように、人手による洗浄の場合よりも、衛生基準を顕著に向上させることができる。また、複数の育生トレー2を連続的に走行ベルト1に搬入することにより、連続的な洗浄が可能である。
【0031】請求項2記載の発明では、第1洗浄ノズル3に、回転円錐ノズルを用いたことにより、特に、高い洗浄効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】597095120
【氏名又は名称】株式会社岡常歯車製作所
【出願日】 平成11年6月9日(1999.6.9)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
【公開番号】 特開2000−350520(P2000−350520A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願平11−162549