| 【発明の名称】 |
作物の診断方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐竹 覺
【氏名】保坂 幸男
【氏名】丸山 秀春
【氏名】中村 信彦
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| 【要約】 |
【課題】作物の反射光量を測定して作物を診断するにあたり、測定位置、植栽密度の違いによって大きな誤差が生じないように補正できる方法を備えて、作物情報の測定が簡便であり且つ測定精度を向上した作物の診断方法を提供する。
【解決手段】自然光に晒される圃場1内における一定面積の作物から、窒素含有率等の作物情報に関連した光の反射率をカメラ2で測定し、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式から作物情報を求めて第1の作物情報とし、同じ面積の作物葉身に光を照射して光量を測定し、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式から作物情報を求めて第2の作物情報とし、第1の作物情報と第2の作物情報との差違を算出して、同じ圃場内における未知の一定面積の作物から第1の作物情報を求め、該第1の作物情報を前記差違に基づいて補正して、補正した第1の作物情報によって圃場作物の栄養を診断する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】自然光に晒される圃場内における一定面積の作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、から一定面積の作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、同じ面積の作物葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から作物情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報と第2の作物情報との差違を算出して、同じ圃場内における未知の一定面積の作物から第1の作物情報を求め、該第1の作物情報を前記差違に基づいて補正して、補正した第1の作物情報によって圃場作物の栄養を診断することを特徴とする作物の診断方法。 【請求項2】第1の作物情報と第2の作物情報との差違を記憶して、第1の作物情報を得た圃場内における未知の一定面積の作物から第1の作物情報を求め、該第1の作物情報と前記差違とによって第1の作物情報を補正することを特徴とする請求項1記載の作物の診断方法。 【請求項3】自然光に晒される圃場において、一定面積の作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定し、これを複数区画に分割した区画ごとの反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごとの作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶した区画ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定して、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補正して第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報によって圃場作物の栄養を診断することを特徴とする作物の診断方法。 【請求項4】単位圃場ごとに第1の作物情報を得ることを特徴とする請求項1または3記載の作物の診断方法。 【請求項5】単位圃場より小さく任意に定めた単位面積ごとに第1の作物情報を得ることを特徴とする請求項1または3記載の作物の診断方法。 【請求項6】自然光に晒される圃場において、複数の区画ごとの作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごとの作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶した区画ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定して、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補正して第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報によって圃場作物の栄養を診断することを特徴とする作物の診断方法。 【請求項7】単位圃場を1区画とすることを特徴とする請求項6記載の作物の診断方法。 【請求項8】単位圃場内に複数区画を設定することを特徴とする請求項6記載の作物の診断方法。 【請求項9】第1の作物関係式と補正換算式とを記憶して、未知の圃場の作物葉身から反射率を測定し、第1の作物関係式と補正換算式とにより第3の作物情報を得ることを特徴とする請求項3または6記載の作物の診断方法。 【請求項10】2区画が、第1の作物情報のうち最大値と最小値を示した区画であることを特徴とする請求項3、6または9記載の作物の診断方法。 【請求項11】作物情報が窒素含有量であることを特徴とする請求項1、2、3、6または9記載の作物の診断方法。 【請求項12】作物情報が葉色値であることを特徴とする請求項1、2、3、6または9記載の作物の診断方法。 【請求項13】作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定するために、作物の反射光を複数の画素からなる撮像素子により撮像し、作物に対応した反射光を受光した画素を選択して、選択した画素の受光データに基づいて反射率を測定し第1の作物情報を求めることを特徴とする請求項1、2、3、6または9記載の作物の診断方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】圃場で成育中の作物の反射光から作物の窒素含有量等の作物情報を得て、作物の栄養診断を行う方法に関する。 【0002】 【従来の技術】作物の窒素含有率、葉色値、窒素吸収量、草丈あるいは乾物重などの作物情報を得るための従来の第1の方法としては、デジタルカメラ等の受光手段で、硫酸バリウム等を塗布した基準板と、更に作物が成育する単位圃場(あるいはその一部)を撮影して、基準板と圃場作物の反射光量を取得し、この基準板と作物の反射光量によって作物の反射率を求め、求めた反射率と、反射率から窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草丈、乾物重)を求めるために予め定められた関係式とから作物の窒素含有率(窒素吸収量、葉色値、草丈、乾物重)を求め、成育日数対窒素量カーブに基づくその時期の標準的な窒素量と比較して成育診断を行っていた。しかし、圃場から得られる作物の反射光量は天候に左右されるものである。また天候については基準板による補正ができたとしても、測定方位、風、栽植密度は、反射率から窒素含有率を求めるため予め定めた関係式を作成したときと同じ条件であることが必要で、この条件が異なったときの補正が必要であり、基準板を基準として反射率を求めることだけで全て補正できたとは言い難く、実際には、太陽高度、測定方位、栽植密度あるいは品種を限定した上で測定を行っていた。 【0003】作物情報を得るための従来の第2の方法としては、作物の成育に基づいて増減する作物情報に関する波長の光、例えば可視光域から近赤外域に亘る光を作物葉身に照射して、作物情報に関する波長の光に関して得られた受光量と、受光量から作物情報、例えば葉身窒素量を演算するために予め定めた窒素量関係式とから葉身窒素量を測定する装置がある。この装置は圃場の作物葉身の多くを測定して、精度の高い葉身窒素量を得ることができる。しかし、圃場全体の作物情報を正確に把握するためには、圃場全体にわたる細かい測定を不可欠とするため大変面倒であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記第1の方法は、測定は簡便ながら圃場から得られる作物の情報が測定位置や植栽密度等に左右されるために、測定時間や測定位置に制約が生じることから、簡便ながら精度の良い測定方法とは言い難いものであった。また、第2の方法は、測定に制約はなく測定精度が高く第1の方法より有利ではあるものの、測定が作物の葉身1葉ごとに行うことになり測定点数を多く必要とするという点から、測定時間を多く要することが難点であった。 【0005】以上のことから、作物の反射光量を測定して作物情報を得るにあたり、測定位置、植栽密度の違いによって大きな誤差が生じないように補正できる方法を備えて、作物情報の測定が簡便であり且つ測定精度を向上した作物の診断方法の提供を目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明では第1の方法として、自然光に晒される圃場内における一定面積の作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率から一定面積の作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、から作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、同じ面積の作物葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から作物情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報と第2の作物情報との差違を算出して、同じ圃場内における未知の一定面積の作物から第1の作物情報を求め、該第1の作物情報を前記差違に基づいて補正して、補正した第1の作物情報によって圃場作物の栄養を診断する診断方法により前記課題を解決するための手段とした。 【0007】予め第1の作物情報を得るために作物の反射光を得て決定する第1の作物関係式を求めることは従来から研究されており、また葉に光を照射して反射光を得て決定する第2の作物情報を得るための第2の作物関係式を求めることも従来から研究され実施されている。したがってこれらを求めることは容易であり、本発明では、これら2つの有益な手法を効果的に組み合わせて、それぞれから得られる第1の作物情報と第2の作物情報との差違を求め、差違によって第1の作物情報を補正することにより、天候的変化(天候、時刻、太陽の位置)に伴う誤差だけでなく、これまで難しいとされた栽培的な変化(測定方位、栽植密度)に伴う誤差を補正することができる。特に同一の圃場において複数箇所の栄養診断を行うには、補正の決定が容易であることから最適である。 【0008】以上のようにして決定された、第1の作物情報と第2の作物情報との差違を記憶しておけば、第1の作物情報を得た圃場内における未知の一定面積の作物から第1の作物情報だけを求めれば、該第1の作物情報と前記差違とによって第1の作物情報を補正することができ、栽植密度や測定方位による誤差を容易に補正できるだけでなく、補正値を持つことで装置としても実現可能であり、装置にして容易な作物の診断方法とすることができる。 【0009】本発明では第2の方法として、自然光に晒される圃場において、一定面積の作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定し、これを複数区画に分割した区画ごとの反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごとの作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶した区画ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定して、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補正して第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報によって圃場作物の栄養を診断する作物の診断方法とした。 【0010】前記第1の方法から更に厳密な補正を行うためにはこの第2の方法を適用する。即ち、第1の作物情報を得て、この得た第1の作物情報を複数区画に分割して、その複数区画の中から少なくとも2点のデータを選択して、2点のデータの作物と同じ圃場の作物葉から直接第2の作物情報を得ることにより、第1と第2の作物情報の2点のデータでその相関関係を明らかにして補正関係式を定め、これに基づいて複数区画の全ての値を補正するものであり、補正関係式を求めるにあたり一定範囲から複数の作物情報を得ることができ、更に補正関係式によって第1の作物情報を広範囲に亘って補正することができる。 【0011】以上の第1と第2の方法における補正とその補正を適用した作物の診断は、単位圃場ごとに第1の作物情報を得ることもでもよいし、単位圃場より小さく任意に定めた単位面積ごとに第1の作物情報を得ることでもよい。ここでいう単位圃場とは、通称「畦」で区切られた1面の圃場を指している。 【0012】第3の方法として、自然光に晒される圃場において、複数の区画ごとの作物から、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定し、該反射率と、反射率から作物情報を求めるために予め定めた第1の作物関係式と、から区画ごとの作物情報を求めて第1の作物情報として記憶し、記憶した区画ごとの第1の作物情報から少なくとも2区画の作物情報を選択し、圃場の2区画に該当する作物葉身に光を照射して、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の透過または反射の少なくとも一方の光量を測定し、該光量と、光量から作物情報を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から前記2区画の作物情報を求めて第2の作物情報として記憶し、第1の作物情報を第2の作物情報に基づいて補正する補正換算式を決定して、補正換算式で第1の作物情報を区画ごとに補正して第3の作物情報とし、得られた第3の作物情報によって圃場作物の栄養を診断する作物の診断方法とした。 【0013】前記第2の方法と異なり、第3の方法は複数区画の情報を個別に得る。その複数区画の中から少なくとも2区画のデータを選択して、2区画のデータの作物と同じ区画の作物葉から直接第2の作物情報を得ることにより、第1と第2の作物情報の2点のデータでその相関関係を明らかにして補正関係式を定め、これに基づいて複数区画の全ての値を補正するものであり、補正関係式を求めるにあたり広い範囲から複数の作物情報を得ることができ、更に補正関係式によって第1の作物情報を広範囲に亘って補正することができる。 【0014】この第3の方法における区画は、単位圃場を1区画として、複数の単位圃場から第1の作物情報を得てもよいし、単位圃場内に設定した複数区画から区画ごとに第1の作物情報を得てもよい。 【0015】前記第2の方法と第3の方法は、以上のように決定された、第1の作物関係式と補正換算式とを記憶して、未知の圃場の作物葉身から反射率を測定し、第1の作物関係式と補正換算式とにより第3の作物情報を得ることができるので、以上の項目を制御装置の記憶部に記憶して適宜読み出し演算することによって装置として実現可能であり、装置による作物の診断が可能となるだけでなく測定精度の向上した装置が提供できる。 【0016】また、第2と第3の方法における、複数区画の中から選択する任意の2区画を、第1の作物情報のうち最大値と最小値を示した区画とすることにより、第1の作物情報と第2の作物情報の補正換算の直線が、余のデータに関係なく上位と下位の2点で容易に決定できる。 【0017】作物情報は、様々想定できるが作物の栄養診断を行うためには、葉の窒素含有量あるいは葉色値であることが最適であり、作物において、葉身の窒素量は施肥の効果あるいはその適否が直ちに現れる部位であることから理解できる。 【0018】前記第1乃至第3の方法において、作物の成育によって増減する作物情報に関連した波長の光の反射率を測定するために、作物の反射光を複数の画素からなる撮像素子により撮像し、作物に対応した反射光を受光した画素を選択して、選択した画素の受光データに基づいて反射率を測定し第1の作物情報を求める作物の診断方法とした。デジタルカメラなどによる撮像手段から得られる反射光が、植裁密度や撮像した対象圃場の大きさ、つまり単位圃場の範囲であるのか1平方メートル程度の範囲であるのかによって、撮像した反射光がすべて作物から得られた反射光とは限らない。即ち、画素単位で見ると作物以外からの反射光、例えば圃場の土の反射光も含まれていることもある。したがって、所定範囲の反射率となる画素だけを選択してこれを作物から得られた反射光として、この受光データに基づいて第1の作物情報を求めるようにした。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明に係る測定装置について図1から図3により説明する。ここでは作物として稲作を例にして説明する。図1は圃場1の作物を撮像する一例を示している。ここでは作物の成育する圃場1に向けて作物の反射光を測定する受光装置となるカメラ2が設置されている。圃場1は当然に自然光に晒されている。また、白色の基準板3が圃場に設置してある。 【0020】図2で示すものはカメラ2の簡略なブロック図であり、カメラ2は例えば24万画素(600×400)程度の分解能を備えるエリアセンサー4を備えている。カメラ2には、複数の狭帯域フィルタ5を備えたフィルタホイール6があり、例えばフィルターホイール6を回転させてフィルター5を切り換える。フィルタ5を通過した光は光学手段として例えば集光レンズ7等を介してエリアセンサー4によって受光される。フィルターホイール6は、制御回路8によって駆動制御されるステッピングモータ9によって回転する。更に制御回路8はセンサ−4の受光信号をデータ処理装置20に送出する。先のエリアセンサー4はラインセンサーであってもよい。 【0021】ここでフィルタ5は、例えば可視光域波長の450,550,625,650,675,700nmの中から適宜選択される。また近赤外域波長の750,850,950〜1300nmの中から適宜選択される。これらの波長は作物の葉の窒素含有率あるいは葉色値の変化に伴って特徴的な変化を示す帯域を選択することが必要である。したがって、フィルタは可視光域と近赤外域の両方を用いてもよいし、一方だけを使用してもよい。なお波長は本実施例に限定されない。図2では4つのフィルターを示しているが、目的に応じて前記フィルタを装着するものであり随時変更可能であるとともに使用するフィルターの数を限定するものではない。制御回路8には更に操作スイッチ10が接続され、操作スイッチ10には撮影を行うための撮影開始スイッチ10a、撮影を停止するための撮影停止スイッチ10b、フィルタを切り換えるフィルタ切り換えスイッチ10c、撮影データを送出するデータ送信スイッチ10d及び電源スイッチ10e等を備えている。 【0022】図3にデータ処理装置20のブッロク図を示している。図3に示すデータ処理装置20は、エリアセンサ4の画像信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器(以下「A/D変換器」という)21と、A/D変換後の画像データを記憶するフレームメモリ22、画像データを視覚的に表示するモニタ23及び画像処理ボード24を備え、これらは、インプットアウトプットポート(以下「I/Oポート」という)25を介して画像データを演算処理するCPU26に連絡してある。また、インターフェースボード(以下「I/Fボード」という)27を介して後述する葉身窒素量測定装置30が接続してある。更に制御プログラム等を記憶した読み出し専用メモリ(以下「ROM」という)28と、演算結果等を記憶して適宜読み出し可能な読み出し書き込みメモリ(以下「RAM」という)29がCPU26に接続されている。 【0023】さて、カメラ2の電源スイッチ10eを押すと、エリアセンサー4によって像の反射信号が受光されて画像信号となり、この画像信号はデータ送信スイッチ10dを押すことでデータ処理装置20に送出される。データ処理装置20では画像処理ボード24によって処理されてモニター23に映し出される。モニター23で圃場1を確認しながらカメラ2の位置をセットして撮影範囲を確定する。撮影範囲が確定したら、現在セットされているフィルタ5を通して撮影開始スイッチ10aを押して圃場1で成育する稲の葉を撮影し、次にフィルタ切り換えスイッチ10cによって制御回路8からステッピングモータ9を回転させる信号が出力されフィルタホイール6を回転させてフィルタ5を切り換えた後、撮影スイッチ10aを押して撮影する。このようにしてフィルタ5を順次切り換えながら必要なフィルタ5ごとに撮影は行われる。結果的に各フィルタ5ごとに画像信号は作成される。ここでカメラ2のエリアセンサー4に大容量の記憶素子がなければ、撮影の都度データ処理装置20にデータを送信するようデータ送信スイッチ10dを押す。 【0024】カメラ2のエリアセンサ4で受光する反射光量は、基準板3の反射光量と圃場1の作物葉の反射光量である。基準板3の反射光量を測定すると、自然光による入射光量が演算できる。つまり反射率が既知の基準板があれば、例えば基準板3の反射率を95%一定として説明すると、基準板3の反射光を測定したときの光量値をX、未知の自然光の光量をYとすれば、【数1】Y=X/0.95Y:自然光の光量,X:基準板の光量によって自然光の光量Yが求まる。従って、測定した稲の葉の反射光量をZとすれば【数2】U=Z/YU:稲の葉の反射率,Y:自然光の光量,Z:稲の葉の反射光量によって、稲の葉の反射率を求めることができる。この反射率は稲の葉の窒素含有率を求めるために利用される。これら数式1と数式2はROM28に記憶してある。前述の自然光量Yは次のようにして測定記憶される。カメラ2に備えてあるフィルタ5を切り換えてフィルタごとに基準板3の反射光量を測定しデータ処理装置20に送出して、データ処理装置20ではこれらをA/D変換器21によってデジタル変換して数式1に基づいて演算しRAM29に記憶する。即ち自然光量Yの値はフィルタ5ごとに測定して記憶する。 【0025】カメラ2によってフィルタ5を切り換えてフィルタごとに、圃場1のある範囲の稲の葉の反射光量を受光してデータ処理装置20に送出し、データ処理装置20では、A/D変換器21によって信号をデジタルに変換し、フレームメモリ22に記憶する。CPU26は、フレームメモリ22に記憶してあるフィルタ5ごとの葉の反射光量について、各画素によって受光された受光量の平均値を求めて、予めROM28に記憶された前記数式2に基づいて反射率を演算してRAM29に記憶する。これである範囲の、例えば1平方メートル範囲の作物葉による反射率が記憶される。なおここで得られる反射率は、カメラを圃場とほぼ同じ地面に設置した場合に、カメラと圃場の前後距離に基づく圃場反射光のカメラへの入射角度の違いから生じる入射光量の違いを補正することが好ましい。 【0026】図4で示すものは、圃場1の作物葉を撮影した24万画素のデータを更に複数の区画に分割して処理する例を示している。例えば、カメラ2によってフィルタ5を切り換えてフィルタごとに、圃場1のある範囲の稲の葉の反射光量を受光してデータ処理装置20に送出し、データ処理装置20では、A/D変換器21によって信号をデジタルに変換し、フレームメモリ22に記憶する。CPU26は、フレームメモリ22に記憶してあるフィルタ5ごとの葉の反射光量について、図4のように、左上から区画NO■〜■を決定し、区画内の各画素によって受光された受光量の平均値を求めて、予めROM28に記憶された前記数式2に基づいて各区画ごとの反射率を演算してRAM29に記憶する。1つのカメラで受光できる範囲を、例えば1平方メートル程度とすると、1平方メートル内の9区画分の反射率が記憶される。モニター23には画像処理ボード24で処理された画像が表示される。 【0027】RAM29には、複数のフィルタ5ごとの受光範囲内の作物葉の反射率と、フィルタ5ごとに9区画に処理されたそれぞれの作物葉の反射率とが記憶されている。このRAM29に記憶されたフィルタ5ごとの反射率、あるいはフィルタ5ごとに9区画に処理した反射率を説明変数にして、同じ受光範囲内、あるいは同じ区画内で成育する葉を採取して、この葉の作物情報である、例えば窒素含有率を直接化学分析することによって、あるいは葉色値を直接葉の色を測定することによって求め、この窒素含有率あるいは葉色値を目的変数として、受光範囲内の作物葉の作物情報を求める関係式、9区画ごとの作物葉の作物情報を求める関係式(第1の作物関係式)を作成して、ROM28に記憶しておく。 【0028】更に詳説すると、仮に区画NO■におけるフィルタ1による反射率R1、フィルタ2による反射率R2、フィルタ3による反射率R3、フィルタ4による反射率R4が存在し、区画内の作物葉を化学分析して取得した窒素含有率N1が存在するとき、【数3】N1 = F0+F1・R1+F2・R2+F3・R3+F4・R4が成立するとすれば、複数の窒素含有率Nを測定することによって【数4】 N1 = F0+F1・R11+F2・R21+F3・R31+F4・R41 N2 = F0+F1・R12+F2・R22+F3・R32+F4・R42 ・ ・ ・ ・ ・ ・ Nn = F0+F1・R1n+F2・R2n+F3・R3n+F4・R4nとなって、これらを重回帰分析すれば、【数5】N = F0+F1・R1+F2・R2+F3・R3+F4・R4+CN:測定対象の窒素含有率,F0〜F4:定数,R1〜R4:フィルタごとの反射率C:補正値として、関係式(第1の作物関係式)を求めることができる。葉色値についても同様にして関係式を求めることができる。この数式5をROM28に記憶しておく。 【0029】このようにして数式1と数式2及び数式5をROM28に記憶しておけば、カメラ2によって基準板と受光範囲の稲の葉を撮影して、この画像信号をデータ処理装置20に送出すると、データ処理装置20では、第1の作物関係式に基づいて窒素含有率を演算することができる。これによって、受光範囲内の稲の窒素含有率あるいは各区画ごとの窒素含有率(第1の作物情報)NO■〜■を求めることができる。図4に各区画に記載された数値がこのとき求められた窒素含有率の一例である。 【0030】次に、葉身窒素量測定装置30の実施例を図5から図7により説明する。ここに示すものは、携帯型窒素量測定装置(以下「測定装置」という)30の主要部分を破断した側面図である。図5及び図6では、上方の本体31内に光源部32と、下部に光量検出装置33としてのフォトダイオード(図示せず)とを設けた構成となっている。光源部32は、同一円周上に異なる波長ピークを持つ複数の発光素子であるLED34、35を配設して、該LED34、35にはそれぞれ波長帯域の異なる狭帯域フィルター36,37を設けてある。波長帯域は500nm〜1100nmが好ましく、この波長帯域から、求める葉身窒素量あるいは葉色値に関係する任意の特定波長の狭帯域フィルター36、37を選択してある。各LED34、35の発光する光は、狭帯域フィルター36、37によって特定波長の光となって、光が反射する拡散反射板38に入射する。またこの拡散反射板38へ各LED34、35の光線がほぼ一定の角度で入射するようにブロック39が形成してある。 【0031】拡散反射板38により反射した光は、ブロック39の中央に設けた反射光路40に入射し、反射光路40の放射側41に設けた拡散透過板42に入射する。拡散反射板42は反射光路40の光軸と垂直に設けられ、円形の磨りガラス状あるいは乳白色のガラスで形成されている。反射光路40及び拡散反射板38とで囲まれた空間を光が反射と拡散とを繰り返しながら反射光路40から出て、拡散透過板42を経て測定葉43を介して光量検出装置44に入射する。 【0032】さらに、光量検出装置32の上部外周に上蓋31を繞設して、該上蓋31から延長した腕45は軸46によって軸支されている。さらに、上蓋31が軸支される軸46にはコイルバネ47を遊嵌してあり、常に上蓋31を押し上げるように作用している。つまり、図7で示すように、測定においては測定葉43を測定場所に挿入し、上蓋31の上部を押し下げることで測定を可能にしている。この測定のタイミングは、上蓋31を押し下げることにより上蓋31の下方に設けた押し下げ突起(図示せず)が、対向する位置に設けたマイクロスイッチ48を押し下げることで、上蓋31を押し下げたことを検知して測定(光の照射及び光量測定)が行なわれる。 【0033】次に、図5によって吸光度測定装置1のブロック図を示し説明する。光源部32と、光量検出装置33とからなる測定部で検出されるサンプル葉43の透過光量は、光量検出装置44によってアナログの信号に変換されアナログボード50に連絡されている。光源部32にはLED34、35の発光装置51が設けてある。アナログボード50ではアナログからデジタル信号へのA/D変換をするか、あるいは電圧から周波数へのV/F変換を行う。変換された信号はI/Oボードを経由して演算制御装置となるCPUボード53に入力される。前記I/Oボード52には、測定結果、演算結果あるいは操作指示を表示する液晶表示器LCD54、操作を行う入力部55、外部装置とデータを入出力するRS232Cの接続ポート56及びスイッチ48等を設けてある。これらCPUボード53とI/Oボード52には電源ボード57から電源を供給するように接続してある。また、プリンタ58はプリンタI/Fボード59を介してCPUボード53に接続してある。更にCPUボード53には、読み出し専用メモリ(以下「ROM」という)60と読み出し書き込みメモリ(以下「RAM」という)61が接続されている。ROM60には、圃場別あるいは品種別の複数の検量線が記憶してある。この検量線は、予め窒素含有率を測定した複数の葉に光を照射して得られる複数の受光量から吸光度を算出し、この吸光度を説明変数とし、複数の既知の窒素含有率を目的変数として重回帰分析を行い、予め決定した窒素含有率(第2の作物情報)を求める関係式(第2の作物関係式)である。この重回帰分析については前述した数式5を求める手順と説明が重複するので省略する。更にこのROM60には、測定装置30において、吸光度を測定して窒素含有率などの品質を演算するための一連の、吸光度の測定から演算と表示を実行するプログラム等が記憶してある。 【0034】このように構成された測定装置30の作用について以下に説明する。測定装置30にサンプル葉43を挿入して上蓋31を押し下げると、スイッチ48の信号がCPUボ−ド53に連絡され、CPUボード53からは発光制御装置51へ信号を出力して発光制御装置51から光源部32へ発光信号が送られる。これにより、LED34、35からサンプル葉43に向けて光が交互に照射される。このLED34、35から発光する光は、狭帯域フィルタ−36、37によって近赤外域と可視光域の特定波長の光となっており、前述した反射散乱を繰り返して拡散透過板42から光量検出装置44に到達するので積分球と同じ程度にサンプル葉43に均一に照射される。 【0035】サンプル葉43に光が照射されると、その透過光または反射光が光量検出装置44によりLED34,35ごとに受光され、該受光信号はA/D変換のためにアナログボード50に連絡される。アナログボード50では、A/D変換を行い、次にI/Oボード52を経由してCPUボード53に入力される。CPUボード53においては、サンプル葉43の透過光又は反射光から光の透過率あるいは吸光度を算出するようにしてあり、その値がRAM61に記憶される。RAM61に記憶された吸光度と、ROM33に予め記憶された窒素含有率を求める関係式とによって、測定した葉の窒素含有率を演算することができる。入力部55には、測定装置30の電源を投入する電源スイッチ55a、透過光測定を可能にする測定スイッチ55b、ROM60に記憶した検量線(式)、あるいはRAM61に記憶した吸光度あるいは透過光データや演算結果、サンプルNO等を読み出す切り換え機能を備えた読み出しスイッチ55cを備えている。 【0036】以下に本発明による特徴的な第1の実施例について説明する。カメラ2によって、基準板3の反射光と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増減する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長の反射光量とを測定する。図3乃至図4で示したようにデータ処理装置20においては、カメラ2で測定した受光範囲内の葉の反射光量と、ROM28に記憶した受光範囲内の反射率を求める数式2とによって反射率を演算し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の作物関係式とによって、第1の作物情報であるカメラ2の受光範囲内の窒素含有率を得てRAM29に記憶する。 【0037】次に、カメラ2の受光範囲内で成育する稲の葉の窒素含有率を測定し補正する場合について説明する。装置30で測定した稲の葉の窒素含有率(第2の作物情報)は、直接稲の葉から得た測定値であり、測定方位、植栽密度などの影響は受けていない。従って本発明では第1の作物情報と第2の作物情報との差違を演算する。例えば先の測定で第1の作物情報が4.0%、装置30の測定で第2の作物情報が3.0%であったとすると、装置30の値を第2の作物情報としてRAM61に記憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処理装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求めた第2の作物情報をデータ処理装置20に送出してRAM29に記憶する。装置20ではRAM29の第1の作物情報と第2の作物情報の差違、−1%に基づいて第1の作物情報に−1%を加えて3.0%と補正する。 【0038】つまり、この差違をあらためて補正値としてRAM29に記憶しておいて、他の受光範囲の作物葉の反射光をカメラ2で測定し装置20で演算した値は、すべて先の差違−1%を加えて補正する。これによって、測定方位、栽植密度の影響を受けない測定がカメラ2と装置20によって実現可能となる。しかも、RAM29に補正値を記憶した後においては、少なくとも同じ圃場における装置30による多くの測定は不要となり、カメラ2による1度の測定で、これまでにない精度で測定ができる。なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1内の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の代表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。 【0039】次に本発明による特徴的な第2の実施例について説明する。カメラ2によって、基準板3の反射光と、自然光に晒される圃場1から稲の成育によって増減する作物情報である、例えば窒素含有率に関連した波長の反射光量とを測定する。図3乃至図4で示したようにデータ処理装置20において、カメラ2で測定したNO■〜NO■の区画に分割した反射光量と、ROM28に記憶した区画ごとの反射率を求める数式2とによって反射率を演算し、求めた反射率とROM28に記憶してある第1の作物関係式とによって、第1の作物情報である区画ごとの窒素含有率を得てRAM29に記憶する。 【0040】次に測定者によってあるいは装置20によって、ここで得られた区画ごとの値の中から任意の2区画の窒素含有量を選択し、好ましくは窒素含有率が最大値と最小値となった区画を選択する。図4で選択した区画、例えば最大値であるNO■の4.2%の区画と、最小値であるNO■の2.4%の区画に該当する圃場の区画で成育する稲の葉の窒素含有率を測定装置30で測定する。ここで測定する窒素含有率は測定方位、植栽密度などの影響は受けていない。 【0041】測定装置30では、前述したように圃場の前記選択した2区画に該当する稲の葉身から直接、作物の成育によって増減する作物情報である葉身窒素率に関連した波長の光を照射して得られる受光量から、この例では受光量を吸光度に換算して、該吸光度と、吸光度から葉身窒素率を求めるために予め定めた第2の作物関係式と、から前記2区画の窒素含有率が演算される。そして、NO■区画が3.0%とNO7区画が2.4%と求められ、この値を第2の作物情報としてRAM61に記憶する。測定装置30の接続ポート56からデータ処理装置20のI/Fボードを介して測定装置30で求めた2区画の窒素含有率をデータ処理装置20に送出してRAM29に記憶する。 【0042】RAM29に記憶した第2の作物情報である2区画の窒素含有率に基づいて、同じくRAM29に記憶した第1の作物情報(NO■〜NO■の窒素含有率)を区画ごとに補正して第3の作物情報とすることについて図8により説明する。図8に示すものは、横軸を測定装置30で測定した窒素含有率(第2の作物情報)とし、縦軸をデータ処理装置20で演算された窒素含有率(第1の作物情報)とした図である。つまり測定装置30による2区画の窒素含有率3.0%と2.4%と、デ−タ処理装置20による2区画のNO■4.2%とNO■3.6%の窒素含有率とによって作成した図である。本発明では、このようにして、実際に直接、測定装置30によって稲の葉身から測定した2区画の窒素含有率と、カメラ2で測定した窒素含有率との関係からなる単関数で表される直線によって相互関係を明らかにして、この単関数によってカメラ2で測定した窒素含有率を補正するものである。ここではこの関数で表される直線によって補正が行われ、この関数を補正換算式としてRAM29に記憶する。図8では具体的に、NO■は4.2から3.0に補正され、NO■は3.6から2.4に補正される。同じように2区画の相関によって決定される補正換算式に基づいて他の区画の値も図9のように補正される。これによって第3の作物情報が得られる。得られた第3の作物情報は、9区画の作物情報であるが、これから更に平均値を求めて、カメラで撮影した範囲の1つの作物情報として取り扱うこともできる。なお、補正係数として、2区画の代表値を使った単関数で表されるものを示したが、この補正係数は、カメラで撮影した全区画の作物情報を説明変数として、測定装置30で得られた全区画の作物情報を目的変数として得られる相関係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用できる。 【0043】この後にカメラ2で測定された窒素含有率は、データ処理装置20によってこの図8の補正換算式に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向上した値として使用することができる。このことは、従来測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方法によってより手早く回答を得ることができる。更に基準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率を求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1内の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の代表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。 【0044】前記第1と第2の実施例における圃場1から得られる作物情報は、対象物に対するカメラ2の位置によって異なることは明らかである。即ちここでの圃場1とは、通称「畦」で区切られた一面の圃場であってもよいし、その一面の圃場よりも小さい面積であってもい。補正値あるいは補正係数を定めるにあたってカメラによって得られた作物情報の情報源と測定装置30によって得られた作物情報の情報源が同じ圃場であることが重要である。加えて第2の実施例における区画は、1度の撮影によって得られる上記一面の圃場の作物情報を複数区画に分割して行うこと、1度の撮影によって得られ上記一面の圃場よりも小さい面積の作物情報を複数に分割して行うこと、などはどちらでも自由であり、補正値あるいは補正係数を定めるにあたって収集する作物情報の情報源の同一性が重要である。 【0045】次に本発明による特徴的な第3の実施例について説明する。ここでは圃場1から複数区分に分割した情報を得る方法として、複数の区分と同じ数の反射光量をカメラ2によって得ることである。つまり第2の実施例と異なることは、複数の区分それぞれから個別にカメラ2によって作物情報を得ることである。このようにすると、第2の実施例の1度の撮影によって得られた一面の圃場の作物情報を複数に分割したものよりも、区画ごとの作物情報の量が増加するので、測定装置30による作物情報との相関で決定される補正係数の精度が向上するものである。このようにして得られた複数区分の作物情報を利用した補正係数の決定を、複数区画から2区画の作物情報、好ましくは最大値と最小値を示した区画の作物情報を選択して補正係数を決定しROM28に記憶すること等は前記した第2の実施例と説明が重複するので省略する。ここでの補正係数は、カメラで撮影した全区画の作物情報を説明変数として、測定装置30で得られた全区画の作物情報を目的変数として得られる相関係数でもよく、線形、非線形に関係なく利用できることは第2の実施例と同様である。 【0046】この後にカメラ2で測定された窒素含有率は、データ処理装置20によってこの図8の補正換算式に基づいてすべて補正することで、より測定精度の向上した値として使用することができる。このことは、従来測定装置30だけによって圃場の複数箇所の葉身窒素含有率を求めていた方法と比較して、撮影という簡便な方法によってより手早く回答を得ることができる。更に基準板と圃場を撮影することによって作物の窒素含有率を求めることが、今だ研究途中であることを考慮にいれると、測定精度の向上に大いに貢献できるものである。なお、測定装置30による窒素含有率の測定は、圃場1内の作物葉すべてに対して行うことはなく、圃場1内の代表作物葉の窒素含有率を測定すればよい。 【0047】この第3の実施例における圃場1から得られる作物情報は、対象物に対するカメラ2の位置によって異なることは明らかである。即ちここでの圃場1とは、通称「畦」で区切られた一面の圃場であってもよいし、その一面の圃場よりも小さい面積であってもい。補正係数を定めるにあたってカメラによって得られた作物情報の情報源と測定装置30によって得られた作物情報の情報源が同じ圃場の同じ区画であることが重要である。加えて第3の実施例における区画は、1度の撮影によって上記一面の圃場の作物情報を1区画として捉えること、1度の撮影によって得られ上記一面の圃場よりも小さい面積の作物情報を1区画として捉えること、などはどちらでも自由であり、補正値あるいは補正係数を定めるにあたって収集する作物情報の情報源の同一性が重要である。 【0048】以上のことからカメラ2による測定は基準板3を用いることで天候などの気象による誤差を補正し、装置30の値を利用することで、測定方位、栽植密度による誤差を補正することができる。つまり、装置30による補正を行うと、カメラ2の測定で基準板による気象の誤差を補正した値を、同じカメラ2で測定した作物葉から直接測定して得られた値で補正するので、装置30の値で作物葉を直接測定した値は測定方位や栽植密度に関係なく得られた値であることから、補正して最終的に得られる値は、従来のカメラ2とデータ処理だけによる、いわゆるリモートセンシングに比べ多くの外的要因に左右されない値となる。 【0049】上記第1乃至第3の実施例のカメラ2による作物情報の収集において、カメラ2によって得られた情報がすべて作物情報とは限らない。つまりカメラ2の画素ごとにデータを検証すると、ほとんどが作物情報となるが、作物情報を得るためには自然と見下ろす状態で作物情報を得るので、植裁密度によっては土壌を撮影している可能性もある。したがって本発明では、作物情報を受光した画素と作物情報以外の情報を受光した画素とに分別して、作物情報を受光した画素の受光データのみを作物情報として取り入れることとした。 【0050】図10で示すものは、波長に対する土壌と作物葉の反射率の変化を示した図である。波長750nm〜1300nmにおいては、土壌の反射率に対して作物葉の反射率が20%程度の差を生じることが判明している。したがって、数式1と数式2によって得られる反射率が、例えば40%を超える値を示したならば作物葉の受光データとして扱い、この値を下回るものは作物葉の受光データではないとしてキャンセルし、40%を超えた受光データをそのまま利用し、あるいは区画ごとに平均値を求めて利用し、カメラ2により得られた作物情報として扱うようにした。例えば図11(a)のような複数の画素に受光データが得られたとする。この場合、1ピクセル単位で、斜め格子で表した部分を作物葉の反射光で反射率40%以上、斜線で表した部分が作物葉以外の土壌で反射率40%未満と演算されたとすれば、反射率40%未満となる画素の受光データをキャンセルして、作物情報として有用なものは図11(b)の斜線部分の画素から得られる受光データとなる。このように、本発明では、カメラ2による作物情報と測定装置30による作物情報とによる補正値あるいは補正係数の決定に、カメラ2による受光データの選択を加えた。このようにすると、カメラ2で選択的に得られる情報は作物葉だけから得られる情報となり、測定装置30から得られる情報は勿論、作物葉から直接測定したものであることからして、カメラ2の作物情報と補正値あるいは補正係数による作物の栄養診断を的確なものとすることができる。 【0051】カメラ2による作物葉の反射光測定に必要な自然光(入射光)Yの値を、基準板の反射光を測定することで得るとして説明してきたが、入射光の測定を照度計の形式で行うことも可能である。図12に簡略にした照度計93を示す。近赤外域から可視光域の分光特性を有する光電変換部(シリコンセンサー)94を備え、光電変換部94に入射する光を選択する複数の狭帯域フィルタ96を、ステッピングモータ97によって回転するフィルタホイール95の円周部に備えている。このフィルタホイール95を回転させて複数のフィルタ96を切り換えるようにしてある。光電変換部94の受光面側(図面上部)には遮蔽板の開口部98を備えその上部に拡散反射板で形成された拡散ドーム99が光電変換部94を中心として配置してある。光電変換部94とステッピングモータ97は制御部100に連絡してあり、制御部100は、ステッピングモータ97を回転させてフィルタ96を切り換え、光電変換部94の信号を出力する。フィルタ96の種類は、カメラ2のフィルタ5と同種類のものを備えている。制御部100はデータ処理装置20(図3)のI/Oポート25に接続して制御される。フィルタ96には光を遮蔽するフィルタを備えておくことで、零点補正をフィルタ96の切り換えで可能となる。 【0052】データ処理装置20からの信号で、照度計93の制御部100はフィルタ96を目的のフィルタ96に切り換えて、このとき拡散ドーム99から拡散反射して入射する自然光の光量をフィルタ96を介して検出し、この光電変換部94で検出した信号をデータ処理装置20へ送信する。データ処理装置20は、照度計93で得られた光量を入射光量Yとして数式2に代入することで、作物葉から得られた反射光量を反射率に演算することができる。こ照度計93を使用する場合には、第1の作物関係式は照度計93を入射光量としたときの反射率に基づいて求めることになる。 【0053】以上の説明では、1つの圃場の一部分(1平方メートル)をカメラ2で撮影することを前提に説明したが、1つの圃場全体を撮影して同様に補正して、稲の成育時期である幼穂形成期といった特定時期ごとに測定することも可能であるし、前述のような圃場の一部を測定する方法で補正するようにして、圃場の何カ所かを1平方メートル単位で測定して、圃場全体の窒素含有量を推定することも可能である。この方法は、品種別、地域別(圃場別)の補正が行えるようにするとより効果的である。つまり品種別、地域別といった複数の補正の検量線をROM28に記憶しておくことにより、都度読み出して使用できる。実施例でのカメラ2が24万画素程度の解像度であり、これで圃場10アールから一度の撮影で作物情報を得るとすれば、1平方メートル当たり250画素である。例えばこの程度の解像度が確保できるのであれば、またカメラ2で撮影する手段は地上における撮影の他、衛星による撮影情報を利用することも可能である。加えて気球、ラジコン飛行装置(飛行機、ヘリ)あるいは有人飛行機にカメラを搭載して撮影情報を得ることも可能である。 【0054】このようにして得られた圃場の窒素含有率は、従来から稲においては、例えば幼穂形成期、減数分裂期といった任意の成育時期における最適な窒素含有率が、品種別や地域別に細かく研究され求められており、本発明により求めた、補正した第1の作物情報や第3の作物情報による窒素含有率と、従来研究で決定されている作物の成育に伴い基準となる窒素含有率とを比較することができ、基準と比較してその多少が明確になり、この窒素含有量の多少に応じて今後の施肥量を決定することができる。なお、このことは葉色値においても同様のことが可能で、葉色値と葉身窒素含有率とは高い相関関係にあり、両者は互いに似通った変化を示すことから、以上説明した方法を葉色値に適用しても、本発明は実現可能である。なお、図1から図3により説明した方法は、窒素含有率、葉色値以外にも、作物の草丈、乾物量、窒素吸収量にも適用可能であるし、稲以外の作物に適用できる。 【0055】さて、このような方法を自動施肥に応用することについて説明する。図13に示すものは、自動施肥装置70であり、肥料タンク71とその下部にモータ72によって回転するスクリュー73を備え、タンク71の側部には圃場作物の葉身から窒素含有率を測定するためのカメラ74と入射光を測定する照度計93が設けてある。タンクを支持する脚部76と、脚部76にはタンクを走行可能に回転するローラ77と、ローラ77の回転軸78にはモータ83の駆動力を受動するプーリ79が設けられている。モータ72とスクリュー72にはベルト80が、またモータ83とプーリ79にはベルト81が巻回してある。またカメラ74とモータ72は制御装置82に接続してある。これらの電源はバッテリー等の蓄電池を使用しても良いし交流電源をケーブルで接続しても良い。図14は、圃場90の平面図であり、この圃場90にはこのような自動施肥装置70が走行するレール91が適宜敷設してあり、ローラ77がレール91に沿って走行することで、自動施肥装置は、圃場90に施肥を実施することができる。 【0056】この構成の動作を図3のデータ処理装置30を借りて説明する。制御装置76はデータ処理装置30と同等の構成でよく、ROM28内には、第1の作物情報を得るための反射率演算に必要な前記数式1と数式2と、第1の作物関係式(数式5)と、第3の作物情報を得るための、2区画の相関によって決定された補正換算式(図8)と成育の特定時期(施肥時期)における品種別の標準窒素含有率および窒素含有率の差違に基づく施肥量を演算する演算式が記憶してある。 【0057】動作を開始すると、自動施肥装置70は、モータ83を駆動しプーリ79を回転させ一定速度でレール91に沿って走行を開始する。走行を開始するとともにデータ処理装置30は照度計93から入射光を得る。更にカメラ74から、視界中の情報である圃場を撮影する。このように圃場90の反射光と照度計93の入射光が得られると、照度計93の入射光とROM28の数式2と圃場の反射光とによって圃場作物の反射率が演算される。反射率が演算されると、ROM28の第1の作物関係式によって第1の作物情報である窒素含有率が演算される。第1の作物情報の窒素含有率が演算されると、この値とROM28の補正換算式によって第3の作物情報が演算される。ここで得られた第3の作物情報である窒素含有率は、本発明を実施したと同等の精度の窒素含有率とすることができる。 【0058】このようにして得られた窒素含有量は、ROM28に記憶された公知の成育経過における特定時期の窒素曲線(標準値)と比較され、現在の圃場における窒素含有率を標準の窒素含有量と比較してその差違を演算する。ここにおける比較は、成育経過中の特定時期、例えば現在測定した時期が幼穂形成期であれば、幼穂形成期における標準値と比較するということである。つまり、この測定の前に測定時期を制御装置82に入力しておくことが必要である。換言すれば、特定時期(施肥時期)においてこの自動施肥装置70を使用するということでもある。さて、演算で求めた標準値との差違は、予め差違に基づいて決定された施肥量に換算され、この施肥量に基づいてモータ72の回転数を決定してモータ72を駆動する。当然のことながらモータ72の回転を増加すると施肥量は増加し、モータ72の回転を減少させると施肥量は減少する。またここで差違が生じない場合でも、将来に向けて施肥は実施されるので、差違が生じないときでも施肥は実施されることもある。 【0059】自動施肥装置70は、圃場90に敷設したレール91上を走行するようにして説明したが、図15で示すように、従来からある耕作機械93に自動施肥装置70とカメラ74及び照度計93を耕作機械93の先端に取り付けて使用することでも実現可能である。このようにすると、圃場が定型(四角)の形状でなくても、走行直前の作物情報に応じて施肥が完了する。施肥は現在でも作物葉の葉色や測定機器による葉身窒素量の測定値と、経験に基づくこれら成育時期の基準値と比較して、経験的に施肥量が決定され、またこの施肥が機械化されても、結果的に圃場全体へ平均的に施肥を行うのが普通であるが、本発明を適用することにより施肥量が自動的に演算されしかも圃場の部分部分に対応した施肥が可能となる。 【0060】 【発明の効果】作物葉の反射光を測定し作物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う簡便さと、作物葉に直接光を照射して反射光あるいは透過光を測定して作物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う精度の良さを兼ね備えた作物の栄養診断を行うことができる。 【0061】また、簡便な、作物葉の反射光を測定し作物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う方法における、測定方位、風による葉の揺らぎ、栽植密度の違い等による測定誤差を、作物葉に直接光を照射して反射光あるいは透過光を測定して作物の窒素量を演算して作物の栄養診断を行う精度の良さで補正することができるので、簡便な作物葉の反射光を測定して行う作物の栄養診断の手法のままで、従来より信頼度の高い作物の栄養診断が可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001812 【氏名又は名称】株式会社佐竹製作所
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| 【出願日】 |
平成11年6月17日(1999.6.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−350517(P2000−350517A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−171712 |
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