| 【発明の名称】 |
農用膜体の回収装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 哲昭
【氏名】堀江 文治
【氏名】北村 祐二
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| 【要約】 |
【課題】畝に植え付けた作物の茎葉部の切断処理と農用膜体の回収作業とを好適に行いながら、後工程としての収穫作業を容易に行えるようにし、作業の省力化を図る。
【解決手段】農用膜体Fを被覆した畝Rの長手方向に沿って移動する移動機体3に、畝Rに植え付けた作物Sの茎葉部S1を切断する切断手段5と、この切断手段5の後方に設けられ、前記農用膜体Fを畝Rから引き上げながら回収する回収手段6と、前記農用膜体Fを畝Rから引き上げたのち畝Rを膨軟化する切り起こし手段9とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農用膜体(F)を被覆した畝(R)の長手方向に沿って移動する移動機体(3)に、畝(R)に植え付けた作物(S)の茎葉部(S1)を切断する切断手段(5)と、この切断手段(5)の後方に設けられ、前記農用膜体(F)を畝(R)から引き上げながら回収する回収手段(6)と、前記農用膜体(F)を畝(R)から引き上げたのち畝(R)を膨軟化する切り起こし手段(9)とを備えていることを特徴とする農用膜体の回収装置。 【請求項2】 前記回収手段(6)は、移動機体(3)の移動方向に沿った軸心回り又は移動機体(3)の移動方向に対して傾斜した軸心回りに回転することで農用膜体(F)を巻き取り回収する巻取体(50)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の農用膜体の回収装置。 【請求項3】 畝(R)から引き上げた農用膜体(F)が前記切断手段(5)に接触しないように該農用膜体(F)を案内するガイド手段(7)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の農用膜体の回収装置。 【請求項4】 前記切断手段(5)によって切断された茎葉部(S1)を畝(R)の上方で受け取る受取手段(80)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の農用膜体の回収装置。 【請求項5】 前記切断手段(5)によって切断された茎葉部(S1)を畝(R)の側方へ排出する排出手段(85)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農用膜体の回収装置。 【請求項6】 前記切断手段(5)の前側に、畝(R)に倒伏した作物(S)の茎葉部(S1)を持ち上げる持上手段(4)を備え、この持ち上げた茎葉部(S1)を前記切断手段(5)によって切断するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の農用膜体の回収装置。 【請求項7】 前記持上手段(4)を、畝(R)の凹凸に追従して上下動自在に備えたことを特徴とする請求項6に記載の農用膜体の回収装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、畝に被覆された農用膜体(マルチフィルム)を回収する回収装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、畝に被覆した農用膜体を畝から引き上げつつ巻取体に巻取回収する農用膜体の回収装置が、特開平9−154418号公報等により公知である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】畝に植え付けている作物が玉ねぎ等の畝中の作物である場合、この作物の収穫に先立って農用膜体の回収作業が行われるようになる。しかし、玉ねぎ等においては、その茎葉部が農用膜体から上方へ長く延びた状態となっていることから、従来の回収装置で農用膜体を引き上げたときに、該農用膜体が作物の茎葉部に引っ掛かり、これが巻取回収の抵抗や農用膜体を破る原因となって回収作業を阻害することとなっていた。また、茎葉部の引っ掛かりによって作物を同時に引き抜いて膜体に巻き込んだり、作物を引き抜かなくても引き上げる力によって作物が畝中で動いて傷つく恐れがあり、いずれにおいても作物の商品価値を下げる要因となっていた。 【0004】そして、このような問題は、茎葉部が倒伏して農用膜体に被さっているときに顕著に現れるものとなる。したがって、農家等において農用膜体の回収に当たって実際に行われる作業は、予め倒伏した作物の茎葉部を人手によって立てながら、鋏等を用いてある程度の長さに切断し、そのあと前記回収装置や人手によって農用膜体を巻取回収し、回収後に人手又は収穫機により作物を収穫するという手順をふむ必要があり、これは多大な労働力と時間を要するとともに、人手による作業は腰をかがめての作業となるため作業者の負担も増大していた。また、収穫を人手によって行う場合、畝が硬いと掘り起こしが困難となり、これも作業者の負担を増大するものとなっていた。 【0005】本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、畝に植え付けた作物の茎葉部の切断処理と農用膜体の回収作業とを好適に行いながら、後工程としての収穫作業を容易に行えるようにし、作業の省力化を図り得る農用膜体の回収装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。すなわち、本発明にかかる農用膜体の回収装置は、農用膜体Fを被覆した畝Rの長手方向に沿って移動する移動機体3に、畝Rに植え付けた作物Sの茎葉部S1を切断する切断手段5と、この切断手段5の後方に設けられ、農用膜体Fを畝Rから引き上げながら回収する回収手段6と、前記農用膜体Fを畝Rから引き上げたあと畝Rを膨軟化する切り起こし手段9とを備えていることを特徴とするものである。 【0007】これによれば、玉ねぎ等の作物Sの茎葉部S1を切断手段5によって切断することで、回収手段6による農用膜体Fの引き上げで茎葉部S1が引っ掛かることなく農用膜体Fから好適に茎葉部S1を抜き出すことができ、さらに、引き上げた農用膜体Fを回収手段6により回収する一方で、切り起こし手段9によって畝Rを膨軟化することで、後工程としての収穫作業を容易に行えるようにしている。したがって、本発明の回収装置を用いることにより回収作業を効率良く行えて省力化が可能であり、作業者の負担が軽減できるのである。 【0008】ここで、農用膜体Fを畝Rから引き上げたとき、該農用膜体Fが前記切断手段5に接触するようなことがあると、農用膜体Fを途中で破って作業を中断するなど、効率を悪化する恐れが生じる。そこで、本発明の回収装置では、畝Rから引き上げた農用膜体Fが前記切断手段5に接触しないように該農用膜体Fを案内するガイド手段7を備えたものとし、これにより回収を中断することなく効率良く作業が行えるようにしている。また、前記切断手段5によって切断された茎葉部S1が農用膜体F上に落下すると、この茎葉部S1を巻き込んだ状態で膜体Fの回収が行われる可能性があり、茎葉部S1によって膜体Fを傷つけたり、茎葉部S1が邪魔となって膜体Fがよじれる等の不都合が生じ、適切に回収できない恐れが生じる。 【0009】そこで、本発明では、前記回収手段6として、移動機体3の移動方向に沿った軸心回り又は移動機体3の移動方向に対して傾斜した軸心回りに回転することにより農用膜体Fを巻き取り回収する巻取体50を備えたものとし、これにより、畝R上に略水平状態とされた農用膜体Fの全体を、縦方向にひねりながら引き上げるようにし、このひねりによって切断された茎葉部S1を農用膜体Fから滑り落とすことが可能となって膜体Fに巻き込むようなことを防止している。また、切断された茎葉部S1を畝Rの上方で受け取る受取手段80を備えたり、前記茎葉部S1を畝Rの側方へと排出する排出手段85を備えた構成とすることによっても、茎葉部S1の膜体への巻き込みが防止できる。 【0010】本発明は、前記切断手段5の前側に、畝R上に倒伏した作物Sの茎葉部S1を持ち上げる持上手段4を備え、この持ち上げた茎葉部S1を前記切断手段5によって切断するようにしたことを特徴とする。これにより、作物Sの茎葉部S1が農用膜体F上に倒伏している場合であっても、持上手段4によって好適に持ち上げることで略起立状態とすることができ、切断手段5による切断が確実に行えるようになり、また起立状態とすることで農用膜体Fへの引っ掛かりも防止できるものとなる。 【0011】この場合、前記持上手段4を、畝Rの凹凸に追従して上下動自在に備えるのが好ましく、これにより持上手段4を畝Rに対して所定の高さに保持できるようになり、持上手段4が畝R上の農用膜体Fに接触してこれを損傷したり、畝R中の作物Sを傷つけるようなことが防止できる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明に係る農用膜体の回収装置1は、トラクタ2で例示する走行車両に装着して用いるものであり、トラクタ2によって畝Rを跨いだ状態で前進することで畝長手方向に移動し、畝Rに被覆された農用膜体Fを畝Rから引き上げつつ回収するようにしたものである。本実施形態では、図2及び図3にも示すように、作物Sとして左右4条の玉ねぎを植え付けている畝Rから農用膜体Fを回収するものとしており、農用膜体Fから上方に伸びた作物Sの茎葉部S1が農用膜体F上に倒伏している場合にこれを持ち上げる持上手段4と、この持ち上げた茎葉部S1を切断する切断手段5と、切断手段5の後方において農用膜体Fを回収する回収手段6と、農用膜体Fを回収手段6へ案内するガイド手段7と、畝Rの裾野において農用膜体Fの左右端部を捲り上げる作用具8と、畝R中に侵入して該畝Rを膨軟化する切り起こし手段9等を、トラクタ2に装着される移動機体3に備えている。 【0013】前記移動機体3は、トラクタ2後部に設けた3点リンクで例示する昇降機構のトップリンク11に連結される上部枠3Aと、左右一対のロアリンク12に連結される左右一対の下部枠3Bと、左右下部枠3B間に架設された第1横フレーム3Cと、下部枠3Bの後端から左右方向の伸びる第2横フレーム3Dとを備えて構成されている。前記持上手段4は、多数の掻き上げ爪13を循環回走することにより倒伏した茎葉部S1を持ち上げる持上機構14を備え、該持上機構14は、左右両端の玉ねぎSの左右外側と、各玉ねぎS間とに合計5つ備えられており、各持上機構14は、前記下部枠3Bの前部に軸受を介して左右方向の軸心回りに回動自在に支持され且つ左右各持上機構14に亘る左右長さを有する駆動軸15に対して上下揺動自在に連結され、前下がり傾斜姿勢に保持されている。 【0014】左右両側の各2つの持上機構14は、上部が前記駆動軸15に連結支持された持上ケース16と、該持上ケース16内で駆動軸15に一体回転自在に套嵌された駆動プーリ17と、持上ケース16内の下部に回転自在に支持された従動プーリ18と、この駆動プーリ17及び従動プーリ18に巻回され外周部に前記掻き上げ爪13を突出した回走ベルト19とを有している。そして、前記駆動軸15の一端部には電動モータ20が連結され、この電動モータ20の作動によって前記回走ベルト19が図1の矢示A方向に回走するように構成されている。 【0015】一方、左右中央の持上機構14は、図2,図3及び図5に示すように、他の持上機構14よりも上下高さが低く形成され、その持上ケース16内の上部に中継軸21を介して支持された駆動プーリ17と、持上ケース16内の下部に回転自在に支持された従動プーリ18と、これらプーリ17,18に巻回された掻き上げ爪13付きの回走ベルト19と、上部が前記駆動軸15に上下揺動自在に連結支持され且つ下部が持上ケース16の上部側面に固定された伝動ケース22とを備え、該伝動ケース22の下部側には前記中継軸21の一端が挿入されるとともに、伝動ケース22内に備えたチェーン又はベルト伝動機構等23を介して駆動軸15からの動力が中継軸21に伝動され、これによって左右中央の回走ベルト19を他の持上機構14と同様に矢示A方向に回走するようになっている。 【0016】そして、各回走ベルト19を回走駆動することにより畝R上に倒伏した茎葉部S1を掻き上げ爪13で引っ掛けながら上方に持ち上げ、該茎葉部S1を略起立状態として後方の切断手段5による切断を容易に行えるようにするとともに、回収手段6による農用膜体Fの引き上げを茎葉部S1が引っ掛かることなく容易に行えるようにしている。左右中央の持上機構14における伝動ケース22の上部側と、他の持上機構14の持上ケース16の上部側とには、それぞれ後方へ突出するアームを介して同軸心状に保持筒27が固定され、各保持筒27には、これらを貫通するように連結バー28が挿入され、該連結バー28の一端は前記電動モータ20側に固定されている。 【0017】また、中央の持上ケース16の下部側には、図5に示すように、アーム24を介してゲージ輪(接地部材)25が回転自在に設けられ、このゲージ輪25は、畝Rの上面を転動するように各持上機構14の自重によって接地している。従って、各持上機構14は、連結バー28を介して互いに連結されていて、全体的に駆動軸15を中心として上下揺動可能であり、前記ゲージ輪25が畝R上面を転動することから、各持上機構14が畝Rの凹凸に追従して上下揺動可能となり、持上機構14の下端と畝Rとの間隔を所定に保持可能となっている。 【0018】これにより、掻き上げ爪13が農用膜体Fに接触するのが防止され、該膜体Fを損傷したり、畝R中の玉ねぎSを傷つけるようなことを防止している。また、前記連結バー28と、前記下部枠3Bから下方に突出した第1支持杆29との間には引張りコイルバネよりなる付勢部材30が架設されており、該付勢部材30によって各持上機構14を浮上する方向へと付勢して畝Rに対するゲージ輪25の押圧力を軽減している。そのため、前記ゲージ輪25が畝R中に沈むようなことが防止されて掻き上げ爪13が膜体Fに接触することはほとんどなく、また、畝Rの凹凸に対する追従感度も向上されるようになっている。 【0019】なお、前記各持上機構14は、駆動軸15に対して軸心方向移動自在に連結されており、これによって、玉ねぎSの条間隔に対応して各持上機構14の間隔を調整可能としている。また、ゲージ輪25を支持するアーム24は、持上ケース16に対して上下ボルト31a、31bにより締結され、アーム24に形成された上側のボルト挿通孔32が下側のボルト31bを中心とした円弧状長孔に形成され、このボルト挿通孔32を介してアーム24を上下に揺動することで、ゲージ輪25によるゲージ高さを調整可能としている。 【0020】なお、接地部材としては、前記ゲージ輪25に代えて農用膜体F上を滑走するソリ状に形成してもよい。また、各持上機構14にそれぞれゲージ輪を設けて個別に上下揺動するように構成してもよく、このようにすることで畝R高さが左右で異なる場合でも対応可能となる。また、持上機構14の数は、作物Sの条数に対応して増減可能であり、持上手段4としては、掻き上げ爪13による回走駆動型とするに限らず、移動機体3の進行によって茎葉部S1を持ち上げる固定型のデバイダ等に置換可能である。 【0021】前記第1横フレーム3Cの下部中央には、軸受33を介して前後方向の軸心回りに回転自在に動力取入軸34が支持されており、この動力取入軸34の前端と、トラクタ2後部のPTO軸35とは、ユニバーサルジョイントを介して連動ロッド36で連結され、PTO軸35からの動力で動力取入軸34が回転するようになっている。また、動力取入軸34からの動力は、切断手段5及び回収手段6へと分岐して伝達されるようになっている。なお、動力取入軸34は回収装置6の略中央に配置されていて、トラクタ2の左右中央にあるPTO軸35と左右方向に関して相対するようになっていることから、連動ロッド36を略最短で配設して動力伝達ロスを少なくしている。また、動力取入軸34を左右中央に配設することに起因して、左右中央の持上機構14の上下高さを低く形成しているが、動力取入軸34を左右に偏心させて中央の持上機構14を他の持上機構14と同一に構成してもよい。 【0022】前記切断手段5は、前端に多数の山形刃面を形成した固定刃38aと可動刃38bとからなる切断具38を有し、この切断具38は、左右4条の玉ねぎSに亘る左右長さを有して畝R上面から所定だけ離れた高さに配設され、前記下部枠3Bから垂下した前記第1支持杆29の下端部に前記固定刃38aが固定されるとともに、その上面に可動刃38bが左右移動自在に重合されている。そして、可動刃38bは、前記動力取入軸34からの動力が連動機構39を介して伝達されて往復左右移動し、可動刃38b及び固定刃38aによって、持上手段4で略起立状態に持ち上げた茎葉部S1を所定の長さに切断するようになっている。 【0023】連動機構39は、図2及び図4に示すように、動力取入軸34の後端に固定された円盤状のカム板40と、このカム板40の回転軸心から偏心した位置に固定されたピン41と、前記第1支持杆29から後方突出したブラケットを介して前後方向の軸心回りに回動自在に支持されたボス部42と、該ボス部42から上方突出した第1アーム43と、該第1アーム43の上端と前記ピン41とを連結するロッド44と、前記ボス部42から下方突出するとともに下端部に係合ローラ45を枢結した第2アーム46と、可動刃38bの上面に固定されて前記係合ローラ45に係合する略U字状の被係合部材47とを有している。 【0024】そして、前記動力取入軸34の作動によりカム板40を回転してロッド44を押し引き運動し、これによりボス部42を回動するとともに第2アーム46を左右に揺動して可動刃38bを駆動するように構成されている。また、図1に示すように、切断具38は前記ゲージ輪25の略上方に配設されおり、後で詳述する回収装置6によって農用膜体Fの引き上げを開始すると略同時、又はその直前か直後で茎葉部S1を切断するように構成されており、これによって、引き上げた農用膜体Fが茎葉部S1に引っ掛かるようなことを防止して好適に回収できるようにしている。 【0025】なお、前記切断具38としては上記のものに限らず、4条の玉ねぎSに亘って設けられたチェーンソー型のものや、各玉ねぎSに対応して設けられた円板カッター等に置換可能である。図1,図3及び図4に示すように、前記回収装置6は、前後方向の軸心回りに回転することにより農用膜体Fを畝R上から引き上げながら巻き取り回収する巻取体50を備え、該巻取体50は、前記第2横フレーム3Dから上方に突出した架台51にベアリング52を介して回転自在に支持された前後方向の主軸53と、この主軸53の後端に連結された円板状の回転ドラム54と、該回転ドラム54に装着された一対の巻取棒55とを有し、前記主軸53の前端には大径の従動プーリ56が固定されるとともに、前記動力取入軸34の後部には小径の駆動プーリ57が固定され、両プーリ56,57に伝動ベルト58を巻回することにより、動力取入軸34からの動力が主軸53に伝達されて前記回転ドラム54及び巻取棒55を回転する。 【0026】なお、59は第1横フレーム3C等に回転自在に支持されて伝動ベルト58にテンションを付与するテンションプーリであり、回転ドラム54と主軸53との間には、回転ドラム54の回転を制御するブレーキ装置(図示略)を設けるのが好ましい。図4に示すように、前記回転ドラム54の後面には一対の取付棒60が後方突出状に設けられており、前記巻取棒55は中空のパイプにより構成されていて、その後端部を取付棒60に套嵌することで着脱自在に装着されるようになっている。 【0027】また、各巻取棒55の後端部には、対向方向に突出する連結片61が設けられ、両連結片61の先端を重合した状態で、ハンドル63付きの連結ネジ62によって連結片61を互いに連結しており、これにより一対の巻取棒55の先端間隔を保持するようになっている。ここで、前記巻取体50は前後方向の軸心回りに回転することから、畝R上に略水平状態として敷設された農用膜体Fが、全体的にひねられながら畝Rから引き上げられるようになっている。そのため、前記切断手段5によって切断された茎葉部S1が農用膜体F上に落下したとしても、前記ひねりにより農用膜体F上から側方に滑り落とすことが可能であり、農用膜体Fとともに茎葉部S1を巻き込んで回収するようなことを防止している。 【0028】そして、前記回収手段6及び切断手段5を同一の動力取入軸34を介して駆動することから両者を同期させることが可能となるとともに、動力系の簡素化が図れるものとなっている。なお、図4(b)に示すように、前記連結片61の一方には連結ネジ62が挿通する長孔64が形成され、該ネジ62を緩めることにより一対の巻取棒55の先端間隔を小さくすることができるようになっており、これによって巻取棒55に巻き取った農用膜体Fを簡単に離脱できるようにしている。また、取付棒60から、巻き取った農用膜体Fとともに巻取棒55を取り外すことも可能である。 【0029】前記第2横フレーム3Dの左右両端には、筒型の取付ボックス65がボルト締結手段によって左右方向に摺動固定自在に套嵌されており、この取付ボックス65には、下方に垂下する第2支持杆66がボルト締結手段67によって上下位置調整自在として取付固定されており、この第2支持杆66の下端部には、農用膜体の左右両端部を捲りあげる作用部材68が取付固定されている。この作用部材68は、前下がり傾斜姿勢とされた棒状部材68aの下端部に、先細りの平板にて形成した作用具8を取り付けてなり、該作用具8は、前記ゲージ輪25の左右側方位置に配設されるようになっている。 【0030】したがって、移動機体3の進行に伴い、作用具8が農用膜体Fの左右両端部を下側から捲りあげるとともに、該両端上の覆土Nを取り除き、前記回収手段6による農用膜体Fの引き上げを補助しているのである。また、畝R上では前記ゲージ輪25が転動して農用膜体Fを押さえていることから、その後側から農用膜体Fが引き上げられるようになっており、このゲージ輪25の側方に作用具8が配設されていることから、農用膜体Fを全幅に亘って略同時に引き上げることが可能となり、該農用膜体Fの捻れ等を防止して好適に農用膜体を巻き取ることができるようにしている。 【0031】図1乃至図3に示すように、前記ガイド手段7は、左右の第2支持杆66等から前方へ突出するアームを介して左右方向の軸心回りに回転自在に取り付けられた棒状のローラ70よりなり、該ローラ70は、農用膜体Fの全幅に対応する左右長さを有して前記切断具38の後下方に配設されている。そしてこのローラ70は、巻取体50によって緊張気味に引き上げられた農用膜体Fが切断手段5(切断具38、連動機構39等)の下方側を通るように案内しており、これによって農用膜体Fが切断手段5に接触して破れるようなことを防止し、巻取体50による巻取回収を中断することなく円滑に行えるようにしている。 【0032】前記切り起こし手段9は、左右第2支持杆66の上下中途部から後方に突出したブラケット72に、ボルト締結手段73を介して上下位置調整自在に取付固定された左右一対の第3支持杆74と、左右第3支持杆74の下端部間に亘って固定された切り起こし刃75とを有し、該切り起こし刃75は、前端に刃面を有し、平面視において左右中央部が後方側へ偏心するようなV字状に形成されている。そして、切り起こし刃75は、畝R中に侵入して玉ねぎSの下側を通過し、畝Rを膨軟化して玉ねぎSを掘り起こしやすくしており、農用膜体Fの回収後に行われる収穫作業を容易に行い得るようにしている。 【0033】ここで、前記切り起こし刃75は、前記ゲージ輪25及び作用具8よりも後方に設けられていて、農用膜体Fを引き上げたあとの畝R中を進行していることから、農用膜体Fの引き上げ前に畝Rを膨軟化するようなことがなく、該引き上げに伴って玉ねぎSを引き抜いてしまうようなことが生じないようにしている。なお、前記切り起こし刃75を平面視V字状に形成することで、畝R中を進行する際の抵抗を少なくしているが、平面視で直線状に形成することも可能である。また、第3支持杆74の上下位置を調整することで、切り起こし刃75の畝R中の高さを調整可能としてある。 【0034】前記ブラケット72の後方には、畝Rの側方を転動して回収装置1を後側から支持する車輪76が設けられている。前記構成の回収装置1による農用膜体Fの回収作業を説明すると、まず、枕地等で農用膜体Fの後端部を人手等によってめくり上げて巻取体50に係着したあと、トラクタ2を進行させながらPTO軸35の作動により切断具38及び巻取体50を駆動し、電動モータ20により各持上機構14を駆動する。そして、玉ねぎSの茎葉部S1が畝Rに倒伏している場合には、持上機構14で掻き上げながら略起立状態とし、後方の切断具38によってその上部側を切断する。このとき、切断具38の下方ではゲージ輪25が農用膜体F上を走行し、畝Rの凹凸に追従して持上機構14を上下動させる。 【0035】そして、巻取体50の駆動により、ゲージ輪25の後側及び作用具8から農用膜体Fを緊張気味に引き上げるとともに、ガイド手段7のローラ70を介して切断具38の下方側を通るように農用膜体Fをガイドし、更に、前後軸心回りに回転する巻取体50により農用膜体Fを略縦向き姿勢にひねり、切断した茎葉部S1を農用膜体F上から滑り落としながら該膜体Fを巻取回収する。そして、農用膜体Fを引き上げた後方では、切り起こし刃75が畝R中を進行して畝Rを膨軟化し、玉ねぎSを掘り起こしやすい状態にする。 【0036】このような工程を経ることによって、農用膜体Fの回収作業が省力化して効率良く行え、更に後工程としての収穫作業も好適に行えるようになっている。図6及び図7は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、本実施形態は、ガイド手段7並びに回収手段6の構成が第1実施形態と異なるものとなっており、その他の構成は同一であるため同一符号を付して詳細な説明は省略する。本実施形態のガイド手段7は、下方に弯曲した側面視円弧状の板材よりなる受取板材78を左右4条の玉ねぎSに亘る左右範囲で設けたものであり、この受取部材78の円弧状下面によって、農用膜体Fを切断手段5に接触しないようガイドするものとしている。 【0037】また、受取部材78は切断具38の直後下側に配設されており、切断された茎葉部S1を受け取って農用膜体F上に落下するのを防止している。そして、農用膜体F上に落下した茎葉部S1があっても、農用膜体Fの引き上げによる傾斜に沿って茎葉部S1が流れ落ちることで受取部材78上に受け取り可能であり、再び農用膜体F上に落ちるようなことを防止している。このような作用によって、切断された茎葉部S1を農用膜体Fに巻き込んで回収するようなことが少なくなる。 【0038】したがって、本実施形態の受取部材78は、ガイド手段7としての作用と、切断された茎葉部S1を畝Rの上方で受け取る受取手段80としての作用とを具備するものとなっている。本実施形態の回収手段6は、巻取体50を左右方向の軸心回りに回転するように構成されており、具体的には、第2横フレーム3Dから後方に架台81を突設し、該架台81に伝動ボックス82を立設し、該伝動ボックス82の上部に主軸53を介して巻取体50を支持するとともに、伝動ボックス82の下部に設けた電動モータ83から伝動ボックス82内のチェーン伝動機構を介して主軸53に動力を伝達し、巻取体50を巻取方向に回転駆動可能としてある。 【0039】したがって、前記回収手段6は、切断手段5とは独立して駆動可能であり、また、農用膜体Fを左右方向の軸心回りで回動することで第1実施形態のような農用膜体Fのひねりによる茎葉部S1の滑り落としはなされないものの、前記受取部材78の作用で畝R上方で茎葉部S1を収集することで、該茎葉部S1の農用膜体Fへの巻き込みを防止できるものとしている。図8は、本発明の第3実施形態を示すものであり、本実施形態では、回収手段6と独立駆動型とした点で第2実施形態と同様であるが、巻取体50の回転軸心を、移動機体3の進行方向に対して傾斜した水平方向に向けた点で異なっている。 【0040】したがって、本実施形態においては、農用膜体Fの引き上げに伴う”ひねり”を付与することが可能であり、これにより農用膜体F上の茎葉部S1を側方へ滑り落とすことが可能であるとともに、受取部材78も備えることで確実に農用膜体F上から切断された茎葉部S1を取り除くことが可能となる。図9は、本発明の第4実施形態を示すものであり、本実施形態では、ガイド手段7として、正面視で山型状とされたシューター84を備え、該シューター84は、左右4条の玉ねぎSに亘る範囲で設けられていて、前記受取部材78と同様に、その下面において農用膜体Fをガイドし、更に切断された茎葉部S1をシューター84上に受取るとともに、その傾斜面によって畝Rの左右側方に茎葉部S1を排出する排出手段85を構成している。 【0041】本発明は、上記各実施形態に限ることなく適宜設計変更可能である。例えば、前記持上機構の駆動を動力取入軸からの動力で行うようにしてもよく、トラクタ2は、耕耘機、テーラ等のようなハンド型のトラクタであってもよい。また、移動機体自体に走行装置を備えた自走式としたり、操縦ハンドルを備えた歩行式としてもよい。 【0042】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、畝に植え付けた作物の茎葉部を切断する作業と農用膜体の回収作業とを好適に行いながら、後工程としての収穫作業をも容易に行えるようにし、作業の省力化及び効率向上を図ることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年4月12日(1999.4.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061745 【弁理士】 【氏名又は名称】安田 敏雄
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| 【公開番号】 |
特開2000−295928(P2000−295928A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月24日(2000.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−104156 |
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