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【発明の名称】 強電解水を用いる無農薬栽培装置
【発明者】 【氏名】大西 清徳

【要約】 【課題】強電解水を用いる無農薬栽培の液の動力噴霧機による手散布を自動化し、省力化と農作業の容易性を実現する。

【解決手段】強酸性水と強還元水とを切替弁2で交互に供給し、散布装置10、11を移動させて、高圧ポンプ4で農作物のブロックに散布する。強酸性水供給後は強還元水で経路を中和する。散水制御装置14は、弁の開閉切替タイミング、散布装置の移動、位置設定、ポンプの起動停止、液面管理等を設定値に応じてシーケンス制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 強酸性水と強還元水とを切り替え供給する切替弁と、強酸性水経路に強還元水を供給するバイパス弁と、移動装置を備えた散布装置と、散水制御装置とを備えたことを特徴とする強電解水を用いる無農薬栽培装置。
【請求項2】 前記散布装置は、散布管を吊下して走行する移動台車と、移動台車を牽引する散布装置牽引装置と、ホース巻取装置と、移動台車の走行を案内すると共に牽引索及びホースを支持するC形鋼とを付属したことを特徴とする請求項1記載の強電解水を用いる無農薬栽培装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強電解水を用いる無農薬栽培装置に関する。
【0002】
【従来の技術】環境が様々な経済活動によって損われ、農業の分野においても農薬の不適切な使用により環境はもとより人間社会にも悪影響を及ぼさんとしている。人は等しく健康で豊かな暮らしを享受するために、生命の根幹である安全な食糧を確保することが必要であることは言をまたない。
【0003】近年、篤農家や研究者により無農薬化のため強電解水を利用し強電解水の特性を生かし漢方薬や薬草等を発酵させ、そのエキスを混合施用して防虫殺菌効果を生ずるようにし、作物の生育を促進させ、効果を上げている。この強電解水は電解によって生成した強酸性水と強還元水(アルカリ水)を用いるものである。この強電解水を用いる農法は、その効果を得るためにはその散布作業の頻度は高く、実例でも文献においても、強酸性水と強還元水(アルカリ水)を間断的に交互に散布しなければならない。その間断日数は、作物ごとに異なる適正日数があり4日ないし7日おき等、様々である。現在、この強電解水を利用している農家は従来の動力噴霧機による手散布に頼っているため、その作業の煩雑性から時期を逸し十分な効果を得ていない例が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】環境保全型農業推進の基本理念に基く農作物栽培過程には多くの課題があるがその中の無農薬化は最大の課題であろう。強電解水を用いる無農薬栽培の液の散布作業を自動化することは、省力化はもとより、持続的農業技術として計画的に農業を営むことに加え環境を保全し、無農薬栽培への道を推進するものである。
【0005】強電解水を用いる無農薬栽培農業は、その作業が煩雑であることから、本発明は強電解水の散布作業を自動化し、省力を図り、無農薬化農業を容易に実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その技術手段は、強酸性水と強還元水とを切り替え供給する切替弁と、強酸性水経路に強還元水を供給するバイパス弁と、移動装置を備えた散布装置と、散水制御装置とを備えたことを特徴とする強電解水を用いる無農薬栽培装置である。強酸性水を散布した後は、強酸性水経路に酸化、発錆を生ずるので、強還元水を通水し中和を図る。散水制御装置は、弁の開閉切替タイミング、散布装置の移動、位置設定、ポンプの起動停止、液面管理等を設定値に応じてシーケンス制御する装置である。
【0007】前記散布装置は、散布管を吊下して走行する移動台車と、移動台車を牽引する牽引装置と、ホース巻取装置と、移動台車の走行を案内すると共に牽引索及びホースを支持するC形鋼とを付属した装置とすることによって、容易に管理することができ、制御も容易となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0009】図1は本発明の実施例を示す温室又はビニールハウス内に設けた強電解水を用いる無農薬栽培装置の正面図、図2はその側面図である。強電解水生成装置1により生成される強酸性水と強還元水(アルカリ)は、別々に水槽中に貯蔵される。この水槽からそれぞれの液を排出する切替弁2が設けられている。切替弁2は電磁弁となっている。また、強酸性水散布後、各器具の酸化、腐食を防止するため、強還元水(アルカリ)を強酸性水ラインに供給するバイパス弁3を備えている。
【0010】高圧ポンプ4は、切替弁2で切り替えた液を温室又はビニールハウス内に送水する。温室又はビニールハウス内は作物別に多数のブロックに分けられている。作物別のブロックには、果菜用散布装置10、葉菜用散布装置11などそれぞれ対象物に適した散布装置が備えられており、それぞれ送液制御用切替弁6が設けられている。
【0011】散布装置10、11は、移動台車12から吊り下げられている。移動台車12は牽引装置8によって牽引され、ホース巻取装置7がホースを巻き取る。移動台車12はC形鋼9の内面を走行する。また、C形鋼9は移動台車12の走行に伴って伸縮する牽引索及びホースを内面で支持する。従って牽引索及びホースが伸縮したとき、牽引索及びホースれを支持する別の装置を必要とせず、牽引索及びホースが垂れ下がったり、あるいは他の作業に支障を与えることはない。
【0012】牽引装置8は、移動台車12を牽引する。移動台車12は車輪を備えC形鋼9内を走行する。ホース巻取装置7は散布装置10、11を吊り下げている移動台車12の移動に応じてホースを巻き取る。ストッパ13は、移動台車12の走行範囲の両端に設けられ、移動台車12のオーバーランを防止する。
【0013】散水制御装置14は、配電盤を備えると共に、設定に応じて、散布装置の移動、ポンプの起動停止、弁の開閉、液面管理等、全体装置の総括自動制御を行う。
【0014】図3、4にホース巻取装置7の詳細を示した。図3は側面図、図4は平面図である。ホース巻取装置7は電磁クラッチ21、所定長巻込まれたホースリール23と電磁クラッチ21の回転を伝えるチェーン22、ホース誘導滑車24及び電磁クラッチ軸25の軸端に備えた電動機30によって構成されている。なお、ホース巻取装置7は電動機30を動力源として動力軸25に複数設置される。
【0015】ホース巻取装置7の運転操作は次の通りである。通電時に駆動源である電動機30が始動し、電磁クラッチ21が磁励され回転を始める。電磁クラッチ21はチェーン22によりホースリール23を回転させ、ホースが巻取られる。無通電時には、電磁クラッチ21は開放されホースリール23はフリーとなりホースは引出し可能状態となる。
【0016】図5、6に牽引装置8を示す。電磁クラッチ41、牽引索巻取ドラム43、索44、誘導滑車46、電磁クラッチ41の回転を伝えるチェーン42及び電磁クラッチ軸45と同軸軸端に装備された、回転速度調整器付き電動機50で構成される。牽引装置8は前述のホース巻取装置に対応して複数設置される。
【0017】牽引装置8の運転操作は次の通りである。通電時駆動モータ50が始動する。電磁クラッチ41が磁励され回転を始める。この電磁クラッチ41に連なるチェーン42により牽引索巻取ドラム43は回転し牽引索44を巻取る。この牽引索44の端に取付けられた散布装置10、11が牽引される。この動作により散布装置10、11を起点から終点まで牽引し、散布液を散布する。散布装置10、11の移動速度は毎秒0.2m〜0.8mに変速可能とし農作物に対し防除散布機能向上を図った。無通電時には駆動モータ50が停止し、電磁クラッチ41は開放され牽引索巻取ドラム43はフリーとなり牽引索44は引出可能となる。C形鋼9はガイドレールであって、その内面に移動台車の車輪を収納して走行させると共に、その形状を利用し、散布装置に付帯する牽引索及びホースを内部に保持し、その垂下りを防ぐ。C形鋼9には両端部近傍にリミットスイッチ13が設けられ、散布装置12の過動作を防止するようにしている。
【0018】図7に移動台車12の詳細側面図を示した。図8はそのB−B矢視図で配管及び散布装置10又は11を示している。図9は、図7のC−C矢視図である。C形鋼9内を走行するベアリング入りの車輪63を移動台車12に2個取付け、移動台車12の前方には牽引索44を取付け、中央部に散布管取付金具65を取付け、後方には分水管64にホース66を接続し、以上を一体にしている。分水管64はB−B断面図に示す二分された高圧水を接続ホース66で散布管67に接続される。散布管67はC−C断面図に示す散布管取付金具65と一体となる。なお、散布管取付金具65は幅の調整を可能としている。
【0019】制御装置14は本装置の運転電源を供給すると共に、全体システムをコンピュータにより自動制御する。なお、本装置は動力用電力量は小量であるから太陽光発電を併用することにより、山間地農業に適用することが可能である。
【0020】次に、本発明の実験例について説明する。温室を利用し、トマト80本を栽培した。強電解水を5日ごとに交互に自動散布した。強酸性水散布後は装置を強還元水で中和した。装置に錆などを生ずることはなく、操業した。また、無農薬で病虫菌害は全く無かった。そして生育度100%の好成績を得た。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、散布作業を自動化することができ、省力化はもとより、持続的農業技術として計画的に営農に加え環境を保全し、散布作業を自動化し無能薬化を省力を図り農作業の容易性を実現した。
【出願人】 【識別番号】599046483
【氏名又は名称】大西 清徳
【出願日】 平成11年4月5日(1999.4.5)
【代理人】 【識別番号】100079175
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 佳男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−287545(P2000−287545A)
【公開日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【出願番号】 特願平11−97563