| 【発明の名称】 |
ふくろ茸の栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】水野 慶二
【氏名】井上 伸男
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| 【要約】 |
【課題】ふくろ茸を誰にでも簡単に、効率良く大量に、かつ反復継続して確実に生育させることができるようにする。
【解決手段】温度及び湿度を調整可能な室内に載置した台の上に十分な水分を与えた藁を所定厚さに敷き詰め、この藁の上に培地材を敷いて菌床を形成し、この菌床を滅菌した後、種菌の接種を行い、前記菌床を一定の温度に保温すると共に70%以上に加湿し、原基が形成された後、前記菌床の温度を保温していた温度より所定温度下げ、子実体を形成させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温度及び湿度を調整可能な室内に載置した台の上に十分な水分を与えた藁を所定厚さに敷き詰め、この藁の上に培地材を敷いて菌床を形成し、この菌床を滅菌した後、種菌の接種を行い、前記菌床を一定の温度に保温すると共に70%以上に加湿し、原基が形成された後、前記菌床の温度を保温していた温度より所定温度下げ、子実体を形成させるようにしたことを特徴とするふくろ茸の栽培方法。 【請求項2】 前記藁と培地材の比率は、全体を10とした場合、培地材:藁=2:8〜3:7にしたものである請求項1に記載のふくろ茸の栽培方法。 【請求項3】 前記原基形成時における前記菌床の保温の温度は、30℃〜45℃のいずれかである請求項1又は2に記載のふくろ茸の栽培方法。 【請求項4】 前記原基形成後に前記菌床の温度を下げる温度は、2℃〜10℃のいずれかである請求項1,2又は3に記載のふくろ茸の栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ふくろ茸の栽培方法に係り、特に効率よくふくろ茸を大量に、かつ誰にでも確実に成育させることのできるふくろ茸の栽培方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ふくろ茸は、自然界においては、春〜秋に落葉林の林床、畑地、草原、堆肥などに発生し、幼時は親指大の長卵形で、長さ3〜5cmくらいの袋状であるが、生長するに連れて袋の頭部が裂け、傘が出てくる。この傘は、鐘形または丸山形で、のちにほとんど偏平に開くが、中央部はやや盛り上がっている。また、傘の径は5〜10cmであるが、大きいものでは20cmくらいになり、傘の表面は乾いた感じで、色は暗灰色。中央部はやや濃色である。また、傘の表面には、灰黒色〜黒色の繊維が放射状に走っており、傘裏のひだは密で隔生く、色は初め白色であるが、成熟するにつれて紅褐色となる。さらに茎は高さ3〜10cm、太さは5〜15cmで円柱状、色は白色であり、根元に、やや大型で白色〜淡褐色のつぼがあり、鍔はない。 【0003】このような特徴を有するふくろ茸は、従属栄養生物であって、炭酸ガスを吸収し酸素を排出する、いわゆる炭酸同化作用を営まないので、他の生物が産出した有機物に依存して生活している。また、ふくろ茸は、好中温菌(生育温度が20℃〜40℃の微生物)に属し、光合成ができない、すなわち、呼吸によって酸素を吸収し炭酸ガスを排出する微生物である。 【0004】このふくろ茸属は、テングダケ科に属するので、外観はテングダケの仲間に似ている。また、このふくろ茸属の特徴としては、茎につばがなく、茎の根元には大きな膜質袋状のつぼを持っており、その種類には、ふくろ茸、絹ふくろ茸、黒ふくろ茸等がある。 【0005】また、このふくろ茸は、最低気温が20℃以上でないと茸が発生しないため、中国、台湾、タイ、マレーシアなど、主として東南アジアで栽培されており、わが国で栽培は困難であるとされている。このふくろ茸は、商品としては、つぼから傘が頭を出し始めた時期に収穫し、そのままマーケットに出荷するか、または半分に裂いて乾燥させたり、あるいは缶詰にしたりして売られる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このようにふくろ茸は、最低気温が20℃以上でないと茸が発生せず、わが国で栽培は困難であるところから、自然発生的に生じる場合、あるいは家内工業的には一部で生産されているが、現在のところ反復継続して安定した状態で大量に生産することはできない。現在、日本の市場で販売されているふくろ茸は、中国、台湾、タイ、マレーシアなど、主として東南アジアで栽培されたものを輸入しているため、生で輸入されることはなく、多く半分に裂いて乾燥させたもの、あるいは水煮の缶詰にしたものとなっている。 【0007】このように最低気温が20℃以上でないと茸が発生しないという条件があり、わが国では、その環境を造るのが困難であり、ふくろ茸は、気温を20℃以上に保つだけでは生長しない等、他の条件が明確に解明されていないため、現在、茸生産農家が生産業として大量に人口栽培して安定した収穫の下に市場に安定して供給しているシイタケのように人口栽培を行って生産しているすることは行われていない。 【0008】本発明の目的は、ふくろ茸を誰にでも簡単に、効率良く大量に、かつ反復継続して確実に生育させることができるようにすることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載のふくろ茸の栽培方法は、温度及び湿度を調整可能な室内に載置した台の上に十分な水分を与えた藁を所定厚さに敷き詰め、この藁の上に培地材を敷いて菌床を形成し、この菌床を滅菌した後、種菌の接種を行い、前記菌床を一定の温度に保温すると共に70%以上に加湿し、原基が形成された後、前記菌床の温度を保温していた温度より所定温度下げ、子実体を形成させるようにしたものである。このように構成することによって、ふくろ茸を誰にでも簡単に、効率良く大量に、かつ反復継続して確実に生育させることができる。 【0010】本願請求項2に記載のふくろ茸の栽培方法は、前記藁と培地材の比率を、全体を10とした場合、培地材:藁=2:8〜3:7にしたものである。このように構成することによって、ふくろ茸の子実体の形成を複数回に別けて形成させることができる。 【0011】本願請求項3に記載のふくろ茸の栽培方法は、前記原基形成時における前記菌床の保温の温度を、30℃〜45℃のいずれかに設定したものである。このように構成することによって、原基の形成を早期に多量に行うことができる。 【0012】本願請求項4に記載のふくろ茸の栽培方法は、前記原基形成後に前記菌床の温度を下げる温度を、2℃〜10℃のいずれかに設定したものである。このように構成することによって、原基の誘導を早期に確実に多量に行うことができる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態について説明する。ふくろ茸の栽培については、その栽培工程を大きく分けると、(1)種菌の培養、(2)菌床の製造、(3)接種と育成,収穫の3つの段階に分けられる。 【0014】(1)種菌の培養まず、ふくろ茸の種菌の培養を行う。このふくろ茸の種菌の培養は、ふくろ茸の基菌からふくろ茸を栽培するに必要な量の種菌に増やすことである。通常、ふくろ茸の基菌は、寒天内で培養された菌を用いる。 【0015】ふくろ茸の種菌の培養を行うには、種菌を培養するための培地の製造から行う。培地は、藁(イナワラ、ムギワラ、サトウキビワラ等)、米糠、綿実、牛糞、消石灰(水酸化カルシウム)によって構成され、これらを混合して製造される。この培地の配合材料は、藁を70%前後に配合することが重要である。藁以外の米糠、綿実、牛糞は、いずれも、ふくろ茸菌が成長するために必要な栄養素で、消石灰は、酸性度を中和するPH調整剤的役割を果たしている。 【0016】培地の製造に当たって、まず、藁に十分な水分を与え、あくを抜く(栄養分の吸収を良くする)ため原形のまま常温で8時間〜24時間水に浸す。これによって藁に十分な水分が与えられ、繊維質が柔らかくなると同時に、藁のあくが抜かれ、ふくろ茸菌が生長するに必要な藁に付いている菌が活動し始める。この十分な水分が与えられた藁を1〜2cmの長さのチップに裁断し、これに米糠、綿実、牛糞、消石灰を配合し、良く混合して培地材を製造する。このときの培地材の水分は、湿り気がある程度(握った際に微かに滲み出てくる程度)にし、このまま8時間位放置する(熟成)。この8時間位の放置によってチップに裁断した藁に他の栄養分を含ませることになる。この藁は、ふくろ茸菌の成長に必要な栄養素を含んでいる。また、米糠、綿実、牛糞、消石灰の配合は、藁を熟成(栄養素を十分に引き出す)するために必要なものである。 【0017】次に、この培地材1を図1に示す如きビン2に押圧して詰め、ビン2の入口3に綿栓4をし、この綿栓4の上にフィルム5を覆って輪ゴム6によって封止し、培地を形成する。このビン2に詰めて製造された培地の滅菌を行う。この滅菌は、ビン2の滅菌容器(または滅菌室)に収納し、蒸気を封入すると共に加圧し、滅菌容器(または滅菌室)内を120℃前後に昇温し、この状態を2〜3時間維持する。これによってビン2の壁面に近い部分の滅菌を行う。しかる後、加圧・蒸気滅菌を停止(蒸気の供給停止、加圧の停止)し、そのままの状態(常温)で5時間前後放置する。その後、再び、滅菌容器(または滅菌室)内を加圧すると共に、蒸気を封入し、滅菌容器(または滅菌室)内を120℃前後に昇温し、この状態を2〜3時間維持して、再度ビン2の壁面に近い部分に現れてきた雑菌を殺菌する。 【0018】これによって、ビン2に詰められた培地材1に含まれる雑菌を完全に殺すことができる。このように一旦、滅菌容器(または滅菌室)内を120℃前後に昇温し2〜3時間加熱した後、加熱を停止し、5時間前後放置し、しかる後滅菌容器(または滅菌室)内を120℃前後に昇温し2〜3時間加熱するというように、5時間前後放置する理由は、2〜3時間の滅菌によってビン2の壁面に近い部分の培地材の殺菌が行われるが、培地材の内部に残る雑菌は、殺菌されずにそのまま残り、放置される時間に残った雑菌が活動し芽を出してくるからで、この芽を出してきた雑菌を殺さないと完全な滅菌にはならず、ふくろ茸菌を接種してもふくろ茸菌が生長せず、種菌の培養ができなくなってしまうからである。 【0019】滅菌容器(または滅菌室)内を120℃前後に昇温し、加圧状態で2〜3時間維持した後、加圧・蒸気滅菌を停止(蒸気の供給停止、加圧の停止)し、培地材1の温度が32℃〜35℃に下がるのを待つ。このときのビン2に詰められた培地材1の色は、焦げ茶色である。培地材1の温度が32℃〜35℃に下がると、次に、ビン2に詰められた培地材1の中央に穴7を形成し、ここにふくろ茸の基菌を接種する。ふくろ茸の基菌を接種した後は、暗室において培地材1の温度を32℃〜35℃に保つ。すると2〜3週間で培地材1全体に生長する(菌糸の完成)。この時の外観の色は、白い色になる。これで種菌の培養が完了する。 【0020】(2)菌床の製造種菌の培養が完了すると、次に、ふくろ茸の栽培に必要な菌床の製造に入る。まず、周囲が密閉状態にある部屋に載置して形成される。すなわち、菌床10は、図2に示す如く台7の上に、常温で8時間〜24時間水に浸し十分な水分が与えられた藁8を厚さ7〜9cmに敷き詰める。この藁8は、同方向に並べても格子状に並べても、その並べ方には制限はない。この藁8の上に培地材9を敷く。この藁8と培地材9の比率は、全体を10とした場合、培地材:藁=2:8〜3:7に敷く。すなわち、藁8を厚さ7cmに敷き詰めると、この藁8の上に培地材9を3cm敷き詰める。また、藁8を厚さ8cmに敷き詰めると、この藁8の上に培地材9を2cm敷き詰めることになる。このように菌床10は、藁8と培地材9とによって構成されている。この台7は、板で形成しても、網で形成しても、あるいはシート類であってもよい。この台7を網で形成すると、台7の下方から入ってくる空気によって敷き詰めた藁8が程よい通風性を持ち、腐敗しないという効果を生じる。 【0021】このように形成した菌床10は、このままでは滅菌されていないのでこのまま使用するとふくろ茸菌が雑菌に侵されてしまう。そこで、菌床10を殺菌する必要がある。菌床10の殺菌は、密閉状態にある部屋全体を蒸気によって75℃に48時間加熱するして行う。75℃に加熱して48時間経過すると、加熱を中止し、菌床10の温度が35℃位になるまで放置する。菌床10の温度が35℃位になると菌床10の製造は、完成する。 【0022】(3)接種と育成,収穫菌床10が製造される、すなわち、75℃に加熱して48時間経過した後、加熱を中止して菌床10の温度が30℃〜45℃になると培養して得た種菌の接種を行う。この種菌の接種は、菌床10の藁8に穴を開ける。この穴は、藁8の束の内部に種菌を接種できるようにするためのもので、藁8を分けるようにして避けて束の内部に種菌を接種するので十分である。このように菌床10の藁8に穴を開け、この穴に培養した種菌を植える(培地材1で培養した種菌を入れる)ことになる。 【0023】種菌を植えた後は、菌床10の温度を30℃〜45℃の範囲(最適には、35℃〜42℃)で任意に設定した温度(例えば、35℃)に略一定に保温すると共に、湿度を70%以上に保つ。この一定の温度に制御すること、湿度70%以上に保つ制御は、菌糸が繁殖するまで行い、この間、外部から光を入れないようにする。この光を入れない理由は、菌糸の成長(子実体の形成)が遅くなるからである。 【0024】種菌を接種した後、菌床10の温度を設定した温度(例えば、35℃)に略一定に保温すると共に、湿度を70%以上に保つと、1日〜3日で菌床10の藁8全体が白く糸を引くようになる。これが菌糸の形成である。さらに2〜3日経過後、形成された菌糸が結実し出し、菌卵ができる。この菌卵の発生が原基の誘導である。この原基が誘導されると、湿度を70%以上に保ちながら、設定した温度(例えば、35℃)に保っていた菌床10の温度を、設定した温度(例えば、35℃)より下げる。下げる温度は、具体的には、種菌を接種した後に設定した菌床10の温度よりも2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げる。この下げた温度の状態で保持すると、1〜2日でふくろ状の子実体が発生する。子実体が発生し始めると、2〜3日で収穫を開始することになる。 【0025】ふくろ茸は、好中温菌に属し、呼吸によって酸素を吸収し炭酸ガスを排出する微生物であるため、原基が誘導され、ふくろ茸が成長していくには、酸素を必要とする。このため、原基が誘導された後は、室内に十分な酸素が供給されるように外部からの空気の供給が必要となり、この際にも菌床10の温度は、設定した温度(例えば、35℃)より2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げた温度に保ち、かつ室内の湿度を70%以上に保つ必要がある。 【0026】原基が誘導されたふくろ茸の収穫は、原基が成長しふくろ状の子実体が発生すれば、ふくろ茸として可能となる。しかし、複数の原基が誘導された際に設定した温度(例えば、35℃)より低い温度に下げるため、一時的に菌糸の成長が停止し、結実できず菌卵が発生しない状態(原基が誘導されない状態)になる。したがって、原基が誘導されたふくろ茸の収穫が行われても、菌床には、結実する菌糸が残っている。このようにして1回目のふくろ茸の収穫が行われ、表面に発生したふくろ茸を収穫してしまうと、次のふくろ茸が成長するのを待つ必要がある。そこで、1回目のふくろ茸の収穫を行った後、再び、菌床10の温度を30℃〜45℃の範囲(最適には、35℃〜42℃)で任意に設定した温度(例えば、36℃。この温度は前回の温度と一致させる必要はない)に戻す。この設定した温度に略一定に保温すると共に、湿度を70%以上に保つ。この一定の温度に制御すること、湿度70%以上に保つ制御は、菌糸が繁殖するまで行い、この間、外部から光を入れないようにする。 【0027】すると、前回の保温・保湿で結実しなかった菌糸が結実し出し、菌卵が発生する(原基の誘導)。この原基の誘導が行われると、湿度を70%以上に保ちながら、設定した温度(例えば、36℃)に保っていた菌床10の温度を、設定した温度(例えば、36℃)よりも2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げる。この下げた温度の状態で保持すると、1〜2日でふくろ状の子実体が発生する。子実体が発生し始めると、2〜3日で収穫を開始することになる。ふくろ茸は、好中温菌に属し、呼吸によって酸素を吸収し炭酸ガスを排出する微生物であるため、原基が誘導され、ふくろ茸が成長していくには、酸素を必要とする。このため、原基が誘導された後は、室内に十分な酸素が供給されるように外部からの空気の供給が必要となり、この際にも菌床10の温度は、設定した温度(例えば、36℃)より2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げた温度に保ち、かつ室内の湿度を70%以上に保つ必要がある。 【0028】このようにして2回目のふくろ茸の収穫が行われ、表面に発生したふくろ茸を収穫してしまうと、次のふくろ茸が成長するのを待つ必要がある。そこで、2回目のふくろ茸の収穫を行った後、再び、菌床10の温度を30℃〜45℃の範囲(最適には、35℃〜42℃)で任意に設定した温度(例えば、37℃。この温度は前回の温度と一致させる必要はない)に戻す。この設定した温度に略一定に保温すると共に、湿度を70%以上に保つ。この一定の温度に制御すること、湿度70%以上に保つ制御は、菌糸が繁殖するまで行い、この間、外部から光を入れないようにする。 【0029】この2回目の保温・保湿でも結実しなかった菌糸が結実し出し、菌卵が発生する(原基の誘導)。この原基の誘導が行われると、湿度を70%以上に保ちながら、設定した温度(例えば、37℃)に保っていた菌床10の温度を、設定した温度(例えば、37℃)よりも2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げる。この下げた温度の状態で保持すると、1〜2日でふくろ状の子実体が発生する。子実体が発生し始めると、2〜3日で収穫を開始することになる。ふくろ茸は、好中温菌に属し、呼吸によって酸素を吸収し炭酸ガスを排出する微生物であるため、原基が誘導され、ふくろ茸が成長していくには、酸素を必要とする。このため、原基が誘導された後は、室内に十分な酸素が供給されるように外部からの空気の供給が必要となり、この際にも菌床10の温度は、設定した温度(例えば、37℃)より2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げた温度に保ち、かつ室内の湿度を70%以上に保つ必要がある。 【0030】このようにして3回目のふくろ茸の収穫が行われ、表面に発生したふくろ茸を収穫してしまうと、次のふくろ茸が成長するのを待つ必要がある。そこで、3回目のふくろ茸の収穫を行った後、再び、菌床10の温度を30℃〜45℃の範囲(最適には、35℃〜42℃)で任意に設定した温度(例えば、40℃。この温度は前回の温度と一致させる必要はない)に戻す。この設定した温度に略一定に保温すると共に、湿度を70%以上に保つ。この一定の温度に制御すること、湿度70%以上に保つ制御は、菌糸が繁殖するまで行い、この間、外部から光を入れないようにする。 【0031】この3回目の保温・保湿でも結実しなかった菌糸が結実し出し、菌卵が発生する(原基の誘導)。この原基の誘導が行われると、湿度を70%以上に保ちながら、設定した温度(例えば、40℃)に保っていた菌床10の温度を、設定した温度(例えば、40℃)よりも2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げる。この下げた温度の状態で保持すると、1〜2日でふくろ状の子実体が発生する。子実体が発生し始めると、2〜3日で収穫を開始することになる。ふくろ茸は、好中温菌に属し、呼吸によって酸素を吸収し炭酸ガスを排出する微生物であるため、原基が誘導され、ふくろ茸が成長していくには、酸素を必要とする。このため、原基が誘導された後は、室内に十分な酸素が供給されるように外部からの空気の供給が必要となり、この際にも菌床10の温度は、設定した温度(例えば、40℃)より2℃〜10℃(最適には4℃〜6℃)下げた温度に保ち、かつ室内の湿度を70%以上に保つ必要がある。 【0032】このように複数回の収穫が行われると、藁8に含まれる栄養素も減少し、菌糸が結実しなくなり、菌卵の発生が見られなくなる(原基の誘導がなくなる)。このように原基の誘導が行われなくなると、ふくろ茸の栽培工程は、終了する。このような状態になると、改めて菌床10の藁8に穴を開け、ここに種菌の接種を行っても菌糸が成長し子実体を形成することはなくなる。このようになると菌床を新しく形成することが必要となる。 【0033】また、台7の上に形成する菌床10は、常温で8時間〜24時間水に浸し十分な水分が与えられた藁8を厚さ4〜5cmに敷き詰め、この藁8の上に培地材9を厚さ1cm〜1.2cm敷く。すなわち、藁8を厚さ4cmに敷き詰めると、この藁8の上に培地材9を1cm敷き詰め、藁8を厚さ5cmに敷き詰めると、この藁8の上に培地材9を1.2cm敷き詰めることになる。このように形成した菌床10を2段重ねに設けてもよい。このように菌床10を2段重ねに設ける方が、菌床10を1段に形成した場合よりもふくろ茸の収穫を数度に渡って行えるという効果が生じる。 【0034】さらに、台7の上に形成する菌床10は、常温で8時間〜24時間水に浸し十分な水分が与えられた藁8を厚さ2〜3cmに敷き詰め、この藁8の上に培地材9を厚さ0.5cm〜0.8cm敷く。すなわち、藁8を厚さ2cmに敷き詰めると、この藁8の上に培地材9を0.5cm敷き詰め、藁8を厚さ5cmに敷き詰めると、この藁8の上に培地材9を0.8cm敷き詰めることになる。このように形成した菌床10を図3に示す如く3段重ねにして全体を10cmの厚さに形成してもよい。このように菌床10を3段重ねに設ける方が、菌床10を1段あるいは2段に形成した場合よりも、ふくろ茸を数度に渡って収穫するのに有利であるという効果がある。 【0035】また、この台7は、図4に示す如くアングルを組んだ棚20に形成して複数段に設ける方が効率的である。この棚20は、一連でも良いが、二連、三連、四連・・・と複数連接続して設けることもできる。このように複数連を連結して設けることもでき、このように複数連を連結して設けると生産効率を向上することができる。 【0036】 【発明の効果】本願請求項1に記載の発明によれば、ふくろ茸を誰にでも簡単に、効率良く大量に、かつ反復継続して確実に生育させることができる。 【0037】本願請求項2に記載の発明によれば、ふくろ茸の子実体の形成を複数回に別けて形成させることができる。 【0038】本願請求項3に記載の発明によれば、原基の形成を早期に多量に行うことができる。 【0039】本願請求項4に記載の発明によれば、原基の誘導を早期に確実に多量に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599046106 【氏名又は名称】井上 伸男 【識別番号】599048580 【氏名又は名称】株式会社 昭計
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| 【出願日】 |
平成11年4月2日(1999.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074181 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 明博 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−287539(P2000−287539A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月17日(2000.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−96175 |
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