| 【発明の名称】 |
植物育成用培土およびそれを用いた植物の育成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠藤 弘志
【氏名】藤井 静
【氏名】加藤 徹也
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| 【要約】 |
【課題】シリカゲル(ケイ酸)の供給ムラが生じることが無く、栽培または育苗範囲にケイ酸を効率よく、しかも均一に供給することができる植物育成用培土およびそれを用いた植物の育成方法を提供すること。
【解決手段】シリカゲル12と保水材13と水溶性結合材14とを含み、粒状に成形されていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリカゲルと保水材と水溶性結合材とを含み、粒状に成形されていることを特徴とする植物育成用培土。 【請求項2】 シリカゲルが1〜60重量%の割合で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の植物育成用培土。 【請求項3】 培土の平均粒径が0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1または2記載の植物育成用培土。 【請求項4】 シリカゲルの比表面積が100〜800m2/gであり、平均粒径が5mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植物育成用培土。 【請求項5】 シリカゲルと保水材と水溶性結合材とを含み、粒状に成形されている植物育成用培土を栽培土壌または育苗床土に敷設することを特徴とする植物の育成方法。 【請求項6】 植物育成用培土を敷設した栽培土壌または育苗床土に、さらにケイ酸を含む水を散布することを特徴とする請求項5記載の植物の育成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物育成用培土およびそれを用いた植物の育成方法に関する。詳細には、ケイ酸の溶出性に優れシリカゲルを含む植物育成用培土およびそれを用いた植物の育成方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ケイ酸は、植物の表皮細胞をケイ化して堅牢化ならしめるとともに、病気にかかる難くするという性質が認められており、古くから肥料として使用されている。そのケイ酸肥料の代表的な使用形態として、塩基性のケイ酸カルシウムやケイ酸マグネシウムからなるケイカル肥料が挙げられる。 【0003】ところがこのケイカル肥料では、土壌に撒き出されたケイカル肥料中の塩ケイ酸塩が分解することで初めてケイ酸が生成されるようになっており、撒き出されたケイカル肥料中の塩ケイ酸塩が分解してケイ酸が生成されるまでには、かなりの時間を必要とし、ケイ酸の供給能力に劣るという欠点があった。 【0004】このようなケイカル肥料の欠点を補うべく開発されたのがシリカゲルである。シリカゲルとは、ケイ酸のゲル(SiO2・nH2O)であり、その比表面積の大きさ、ケイ酸純度の高さから、(1)水と接触することによりそのままケイ酸が溶出される、(2)比表面積の大きさから、水との接触面積も大きく、水との接触によるケイ酸の溶出がきわめてスピーディーであるといった利点を有している。 【0005】ケイカルに代わる優れたケイ酸の供給能力を有するシリカゲルは、ケイ酸肥料として、これを培土に混ぜ合わせて育苗床土に敷設されていた。 【0006】シリカゲルを培土に混ぜ合わせて育苗床土に敷設する場合、敷設時に混ぜ合わせる方法と、工場や作業場で前もって混ぜ合わせて袋などに詰めておいて、それを育苗箱に敷設するという方法とが考えられる。 【0007】前の方法の場合、培土及びシリカゲルの敷設という作業の他に、シリカゲルを培土に混ぜ合わせるという別の作業が必要として、作業効率が悪いという不具合と、短時間に大量のシリカゲルを培土に均一に混ぜ合わせることは難しく、ムラが生じるという不具合とがあった。 【0008】一方、後の方法では、工場や作業場で混ぜ合わせ作業が行われているので、現場での混ぜ合わせ作業は不要となる。しかしながら一旦混ぜ合わされたシリカゲルと培土は、比重が相違しているので、運搬時や取り扱いの際に生じる振動で、重いシリカゲルが袋の底に溜まって片寄りが生じ、シリカゲルを培土に均一に混ぜ合わせたものを敷設できないという不具合があった。 【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、シリカゲル(ケイ酸)の供給ムラが生じることが無く、栽培または育苗範囲にケイ酸を効率よく、しかも均一に供給することができる植物育成用培土およびそれを用いた植物の育成方法を提供することを目的とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、シリカゲルと保水材と水溶性結合材とを含み、粒状に成形されていることを特徴とする植物育成用培土をその要旨とした。 【0011】請求項2記載の発明は、シリカゲルが1〜60重量%の割合で含まれていることを特徴とする植物育成用培土をその要旨とした。 【0012】請求項3記載の発明は、培土の平均粒径が0.5〜5mmであることを特徴とする植物育成用培土をその要旨とした。 【0013】請求項4記載の発明は、シリカゲルの比表面積が100〜800m2/gであり、平均粒径が5mm以下であることを特徴とする植物育成用培土をその要旨とした。 【0014】請求項5記載の発明は、シリカゲルと保水材と水溶性結合材とを含み、粒状に成形されている植物育成用培土を栽培土壌または育苗床土に敷設することを特徴とする植物の育成方法をその要旨とした。 【0015】請求項6記載の発明は、植物育成用培土を敷設した栽培土壌または育苗床土に、さらにケイ酸を含む水を散布することを特徴とする植物の育成方法をその要旨とした。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の植物育成用培土(以下粒状培土という)およびそれを用いた植物の育成方法をさらに詳しく説明する。この粒状培土は、シリカゲルと保水材と水溶性結合材とを含み、粒状に成形されていることを特徴とするものである。 【0017】この粒状培土におけるシリカゲルとは、一般式SiO2・nH2Oで表され、例えばシリカよりなる一次粒子を水などの液体中に分散させて、その一次粒子の凝集体(aggregates)であるコロイド状粒子含有ゾルを形成し、そのゾルを乾燥することにより得られるものをいう。このような方法により製造されるので、シリカゲルにおけるケイ酸純度は高く、しかも水との接触によって容易にケイ酸を溶出するようになっている。 【0018】周知の如くケイ酸は、植物(詳しくは表皮細胞)がこれを吸収することでケイ化され、より堅牢となる。例えば稲の茎がケイ酸を吸収すると、茎はケイ化されて強固になり、雨風に晒されても、稲穂が実ってその重量が負荷されたとしても、容易に折れたり、曲がったりすることがない。またケイ酸は、植物がこれを取り入れることで、植物の生体内での光合成の効率が高まり、病気にも強くなるという作用効果も知られている。 【0019】このように優れた作用効果を有するケイ酸を効率よく溶出できるシリカゲルには、コロイド状粒子含有ゾルが固まりゼラチン状となったシリカヒドロゲルと、それを乾燥することで得られるシリカキセロゲルとがあるが、本発明の培土には、前記シリカヒドロゲルからシリカキセロゲルまでのいずれの状態のゲルも用いることができる。 【0020】またシリカゲルは、一次粒子が凝集してなる三次元網目構造を持つことから、比表面積が大きく、水との接触面積も大きく、水との接触によるケイ酸の溶出性は頗る良い。シリカゲルの比表面積としては100〜800m2/gであり、平均粒径としては5mm以下、ケイ酸分の溶出スピードを考えた場合、100ミクロン以下が好ましい。尚、シリカゲルの平均粒径が5mmを上回る場合には混合が均一にできなくなる。 【0021】次に、保水材について説明する。粒状培土における保水材としては、土、具体的には庭土、畑土、黒土、赤玉土、腐葉土、堆肥、鹿沼土、砂、川砂、桐生砂、富士砂、日向石を挙げることができる。土以外の保水材としては、バーミキュライト、パーライト、ゼオライト、ベントナイト、ロックウールなどの鉱物類、ピートモス、椰子殻(塊状物または繊維状物、あるいはこれらの混合物)、樹皮、木材パルプ、もみ殻、おが屑などの植物類、澱粉などの天然高分子、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコールなどの合成高分子といった水分保持性に優れる材料を用いることができる。そして、これらの土または土以外の保水材を単独で、あるいはこれらの1種若しくは2種以上の混合物という形態で用いることができる。 【0022】粒状培土における水溶性結合材は、接着剤として働いて、培土の形状を保持する機能を持ち、しかも水との接触により容易に溶出してしまう材料である。具体的にはコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉などの澱粉類、アルギン酸ナトリウム、寒天などの海藻抽出物、カルボキシメチルスターチやカルボキシメチルセルロースなどの天然高分子、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸塩などの合成高分子を挙げることができる。 【0023】尚、上に例示した水溶性結合材には、保水材として前掲したものも含まれているとおり、そのような両機能を持つ材料を用いることで、使用する材料の種類を少なくすることができる。 【0024】上記シリカゲルと保水材と水溶性結合材の混合割合としては、シリカゲルが1〜60重量%であり、保水材が40〜98.9重量%であり、水溶性結合材が0.1〜5重量%であることが望ましい。 【0025】シリカゲルの含有量が1重量%を下回ると、ケイ酸分の溶出量が少なく、肥効、すなわち植物のケイ化による堅牢化、病気にかかる難くするという効果が期待できなくなる。一方、シリカゲルの含有量が60重量%を上回ると、培土の最大容水量が90%以上と保水力が大きくなりすぎ、健苗育苗が困難になる。 【0026】また保水材の含有量が、40重量%を下回ると、当該粒状培土の保水量が少なくなり、植物への十分な水の供給ができなくなる。保水材の含有量が98.9重量%を上回る場合には、粒の強度が低下して壊れ易くなる。 【0027】また水溶性結合材の含有量が、0.1重量%よりも少なくなると、粒の保形性が低下して崩壊し易くなり、5重量%を上回る場合には、粒状培土表面に水溶性結合材の膜が形成されて透水性が高くなるが、反面吸水力が低下して、育苗に必要な水分を保水できなくなり、例えば根上がり、露出籾などの育苗上の問題が生じる。 【0028】上記シリカゲルと保水材と水溶性結合材の混合は、従来公知の混合機、例えば2重円錐型混合機、V型混合機、水平円錐型混合機、垂直スクリュー型混合機、ミューラ型混合機、副軸ローター型混合機などを用いて行うことができる。 【0029】粒状に成形する方法としては、圧縮成形、押出し、転動、攪拌、流動、噴霧、液層などの従来公知の方法を用いることができる。 【0030】上記混合方法及び成形方法によって混合し成形されてなる粒状培土の平均粒径としては0.5〜5mmの範囲が好ましい。それは粒状培土の平均粒径が0.5mmを下回る場合、吸水性や保水性は高くなるが透水性に劣り、平均粒径が5mmを上回る場合には、透水性は向上するものの、吸水性や保水性は低くなり、これを例えば水稲用の種籾の覆土として用いたときには、露出籾などの問題を生じる恐れがあるからである。 【0031】尚、本発明の粒状培土には、上記成分の他に、尿素、硝酸アンモニア、塩化アンモニア、リン酸アンモニア、硝酸カルシウム、硝酸カリなどの窒素質肥料、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸カリウムなどのカリ肥料、水溶性リン酸、可溶性リン酸、く溶性リン酸などのリン酸肥料といった肥料を必要に応じて適宜追加使用することができる。 【0032】尚、本発明の粒状培土は、さらに必要に応じて、防腐剤、殺菌剤、殺虫剤、酸化防止剤、脱臭剤、除草剤なども適宜追加して用いることができる。 【0033】尚、本発明の粒状培土は、前述の粒の平均粒径やシリカゲルの比表面積及び平均粒径を適宜調整することで、ケイ酸の溶出速度を調整することができるが、そのほかに、水溶性結合材の量を増減することで、あるいは成形時における圧力を調整することで、粒の硬さを適宜変更し、これによりケイ酸の溶出速度を調整することもできる。 【0034】このように構成された粒状培土を図1及び図2に示す。粒状培土11は、シリカゲル12と保水材13と水溶性結合材14が上記混合割合で含まれており、これを図2に示すように、栽培土壌または育苗床土15に敷設し、これに散水することで、粒状培土11に含まれるシリカゲル12からケイ酸が溶出し、植物に対し、ケイ酸が水分とともにムラ無く均一に付与されるようになっている。 【0035】また同じく粒状培土11中に含まれる他の肥料成分も、水及びケイ酸と共に溶出し、植物の育成に供せられるようになっている。 【0036】尚、粒状培土からケイ酸を溶出させるための水中にケイ酸を予め含ませておくこともできる。この場合、粒状培土からのケイ酸の溶出を待たずして、水中のケイ酸が植物に供給されるので、ケイ酸による肥料効果が早期に発現することになる。 【0037】 【発明の効果】本発明の粒状培土にあっては、シリカゲルと保水材と水溶性結合材とを含み、粒状に成形されていることから、この粒状培土を栽培土壌や育苗床土にどのように播き出したところで、シリカゲル(ケイ酸)の供給ムラが生じることが無く、栽培または育苗範囲にケイ酸を効率よく、しかも均一に供給することができる。 【0038】またこの粒状培土にあっては、シリカゲルと保水材と水溶性結合材とを含み、粒状に成形されていることから、現場でシリカゲルを培土に混ぜ合わせる作業は不要であり、しかもシリカゲルを含む粒状の培土として取り扱うことができるので取り扱い性も良好である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591043950 【氏名又は名称】揖斐川工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月19日(1999.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083932 【弁理士】 【氏名又は名称】廣江 武典
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| 【公開番号】 |
特開2000−262144(P2000−262144A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−75019 |
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