| 【発明の名称】 |
植物栽培設備および植物栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉林 昭
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| 【要約】 |
【課題】栽培する植物の品質の均一化を図るとともに、異なる品種の植物を同一の栽培室で容易に栽培可能な植物栽培設備および植物栽培方法を提供する。
【解決手段】処理条件が定められた栽培室1,2,3から他の処理条件の栽培室1,2,3へ植物を移動させながら植物を栽培する植物栽培設備であって、植物の成長を検出するための検出手段21を備えるように構成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理条件が定められた栽培室から他の処理条件の栽培室へ植物を移動させながら該植物を栽培する植物栽培設備であって、前記植物の成長を検出するための検出手段を備えることを特徴とする植物栽培設備。 【請求項2】 前記検出手段は、前記植物の成長を画像で検出する画像検出手段であることを特徴とする請求項1記載の植物栽培設備。 【請求項3】 前記検出手段は、前記植物の成長を該植物の輪郭または色彩の少なくとも一部で検出する検出センサであることを特徴とする請求項1記載の植物栽培設備。 【請求項4】 前記検出手段は、植物を栽培室から他の栽培室へ移動させる搬送装置に備えられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の植物栽培設備。 【請求項5】 前記検出手段での検出結果に基づいて前記植物を他の栽培室へ移動させるか否かを判断する判断手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の植物栽培設備。 【請求項6】 前記判断手段は、前記検出手段から離間して設置されることを特徴とする請求項5記載の植物栽培設備。 【請求項7】 植物を栽培するための複数の処理工程を備える植物栽培方法であって、植物の成長を検出する検出ステップと、該検出ステップでの検出結果に基づいて次の処理工程に該植物を移動させるか否かを判断する判断ステップと、該判断ステップでの判断に基づいて次の処理工程に該植物を移動させる搬送ステップとを備えることを特徴とする植物栽培方法。 【請求項8】 前記検出ステップは、所定の検出期間を経過した後に検出を行うことを特徴とする請求項7記載の植物栽培方法。 【請求項9】 前記判断ステップで次の処理工程に植物を移動させないと判断した場合には、新たな検出期間を該植物の成長に応じて定めることを特徴とする請求項8記載の植物栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、処理条件が定められた栽培室から他の処理条件の栽培室へ植物を移動させながら植物を栽培する植物栽培設備および植物栽培方法に関する。なお、ここでの植物とは、生物中、動物を除いたものの総称であり、きのこ、野菜、花卉類などのほかに藻類やバクテリアなども含む。 【0002】 【従来の技術】一般に、きのこ、野菜、あるいは花卉類といった植物を栽培するにあたって、処理条件が定められた栽培室から他の処理条件の栽培室へ、植物を移動させながら栽培するといったことが多く行われている。例えば、きのこを栽培する際には、栽培容器に詰めたおがくずに種菌を接種し、この接種された栽培容器を培養室で培養し、芽出室でこの容器に子実体を発生させ、均し室で均した後、抑制室で子実体の大きさを揃えて、紙巻き等の作業を経て、生育室で育成し、収穫する。このとき、上述した芽出室、均し室などの各栽培室では、温度・湿度、および二酸化炭素濃度など栽培に適した処理条件が各々定められ、その環境が維持されている。そして、従来、こうした植物栽培設備では、各栽培室に搬送装置を設けることによって植物を栽培室に自動的に搬出入させている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の植物栽培設備においては、栽培室への植物の搬出入は自動的に行っているものの、栽培室間の植物の移し替えは作業員が行っており、このため、この移し替えの作業に要する労力が大きいという問題があった。また、植物の成長度合を、作業員が栽培室内へ立ち入って実際に目視や手で触って判断したり、あるいは、作業員が植物の在室時間を管理することによって判断しているために、栽培する植物の数が多くなるに従い、作業に対する負担が大きくなるという問題があった。 【0004】そこで、特開平4−121115に紹介されているきのこ栽培設備では、それぞれ特定の環境が維持された複数の栽培室を備えるとともに、きのこ栽培容器の在室時間管理および移し替えを自動的に制御する構成が考えられている。しかしながら、この構成においては、植物の成長度合を植物の在室時間で管理しているために、栽培室内でのわずかな環境の違い等によって植物の成長に個体差が生じると、植物の実際の成長とは必ずしも一致しない状態で植物を次の栽培室へ移し替えてしまうことになる。すなわち、例えば実際には十分成長していない植物を次の栽培室へ移し替えてしまったり、逆に十分に成長している植物を移し替えることなく過度に成長させてしまうといったことが起こり、そのため、収穫した植物の品質にばらつきが生じやすいという問題がある。また、在室時間によって一元的に管理しているために、成長度合が異なる複数の品種の植物を同一の栽培室で栽培するのは難しいという問題がある。 【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、栽培する植物の品質の均一化を図るとともに、異なる品種の植物を同一の栽培室で容易に栽培可能な植物栽培設備および植物栽培方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、処理条件が定められた栽培室から他の処理条件の栽培室へ植物を移動させながら該植物を栽培する植物栽培設備であって、植物の成長を検出するための検出手段を備える技術が採用される。この植物栽培設備は、植物の成長を検出する検出手段を備えているので、栽培室内でのわずかな環境の違い等によって植物の成長に個体差が生じる場合でも、植物の実際の成長を検出した結果から、所定の大きさに成長した植物のみを次の栽培室へ移動させることにより、各栽培室から移動される植物の成長度合がある程度揃った状態となり、収穫する植物の品質のばらつきを小さく抑えられる。 【0007】請求項2に係る発明は、請求項1の植物栽培設備において、検出手段は、植物の成長を画像で検出する画像検出手段である技術が採用される。この植物栽培設備では、植物の成長を画像で検出するので、植物の実際の成長をより正確に検出することが可能となる。 【0008】請求項3に係る発明は、請求項1の植物栽培設備において、検出手段は、植物の成長を植物の輪郭や色彩の少なくとも一部で検出する検出センサである技術が採用される。この植物栽培設備では、植物の成長を植物の輪郭や色彩の少なくとも一部で検出するので、植物の成長の検出を容易に行えるようになり、しかも、小さな設置スペースでの植物の検出が可能となる。 【0009】請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかの植物栽培設備において、検出手段は、植物を栽培室から他の栽培室へ移動させる搬送装置に備えられている技術が採用される。この植物栽培設備では、植物を移動させる搬送装置に検出手段が備えられているので、搬送装置を移動させることで栽培室内の各植物の設置場所の近くへ検出手段が移動するようになり、少ない数の検出手段で栽培室内のすべての植物の検出が可能となる。 【0010】請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかの植物栽培設備において、検出手段での検出結果に基づいて植物を他の栽培室へ移動させるか否かを判断する判断手段を備える技術が採用される。この植物栽培設備では、植物の実際の成長を検出した結果に基づいて植物を他の栽培室へ移動させるか否かを判断手段が判断するので、作業員が検出結果の判断をする必要がなく、短時間で連続的に検出結果の判断が行えるようになる。 【0011】請求項6に係る発明は、請求項5の植物栽培設備において、判断手段は、検出手段から離間して設置される技術が採用される。この植物栽培設備では、判断手段が検出手段から離間して設置されるので、複数の栽培室を統括して管理することが容易となる。 【0012】請求項7に係る発明は、植物を栽培するための複数の処理工程を備える植物栽培方法であって、植物の成長を検出する検出ステップと、検出ステップでの検出結果に基づいて次の処理工程に植物を移動させるか否かを判断する判断ステップと、判断ステップでの判断に基づいて次の処理工程に植物を移動させる搬送ステップとを備える技術が採用される。この植物栽培方法は、植物の実際の成長を検出し、その検出した結果から次の栽培室へ植物を移動させるかどうかを判断し、その判断に基づいて植物を次の栽培室へ移動させるので、栽培室内でのわずかな環境の違い等によって植物の成長に個体差が生じる場合でも、各栽培室から移動される植物の成長度合をある程度揃えた状態とすることが可能となり、収穫する植物の品質のばらつきを小さく抑えることが可能となる。 【0013】請求項8に係る発明は、請求項7の植物栽培方法において、検出ステップが、所定の検出期間を経過した後に検出を行う技術が採用される。この植物栽培方法では、検出期間に基づいて植物の成長を検出するので、複数の品種の栽培を行う場合でも、検出期間を各品種ごとに予め設定しておくことで、各品種の植物の成長度合に応じた適切な時期に検出を行うことが可能となる。 【0014】請求項9に係る発明は、請求項8の植物栽培方法において、判断ステップで次の処理工程に植物を移動させないと判断した場合には、新たな検出期間をこの植物の成長度合に応じて定める技術が採用される。この植物栽培方法では、次の処理工程に植物を移動させないと判断した場合には、新たな検出期間が定められ、その検出期間後に再度検出される。また、新たな検出期間は、植物の成長に応じて定めるので、次の検出時の植物をある一定の成長度合に近づけることが可能となり、これにより、一定の成長度合に植物が成長するまでに要する無駄な検出ステップを省くことが可能となる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。本実施形態の植物栽培設備は、例えばえのきだけ等のきのこの栽培設備である。また、図1は栽培室内の様子を示す概要図であり、図2は本実施形態の植物栽培設備の栽培室周辺を示す配置図である。図2において、符号1,2,3は各々栽培室を示しており、例えば、符号1が均し室、符号2が抑制室、符号3が生育室である。また、符号4は移送コンベア、符号5は搬出入用のコンベア、そして符号6は制御室を示している。 【0016】図1に示すように、栽培室1,2,3内には複数の棚10を有する立体棚11が設置されており、各棚10にはパレット12が載せられるようになっている。このパレット12には、種菌が接種されてきのこの子実体が発生した複数の栽培容器13を保持するコンテナ14が複数搭載されている。 【0017】各栽培室1,2,3は、図2に示すように、前述した立体棚11と、立体棚11に挟まれた領域に敷かれたレール15上を移動自在に配設されるクレーン(搬送装置)16と、栽培室1,2,3内へパレット12を入庫する入庫コンベア17と、室外へパレット12を出庫する出庫コンベア18とを主体として構成されている。また、各栽培室1,2,3は、室内の温度・湿度および二酸化炭素濃度等の環境を所定の値とするための図示しない空調装置を備えている。 【0018】図1に戻り、立体棚11は例えば4段あるい5段といった多段で、主に形鋼によって構成されている。そして、区画されて設けられた各棚10には、パレット12が一つずつ載せられるようになっている。クレーン16は、パレット12を載せて昇降されるリフトステージ19を備え、このリフトステージ19上に設けられたレール20上でパレット12を棚10方向へ往復動させるようになっている。 【0019】クレーン16は、他の栽培室からのパレット12を、入庫コンベア17で受け取った後、棚10まで移動させて搭載したり、あるいは棚10から取り出したパレット12を他の栽培室へ移動させるために出庫コンベア18へ受け渡したりするように構成され、レール15上を往復動しながら、同時にリフトステージ19を上下動させるようになっている。また、クレーン16は、リフトステージ19上に取り出されたパレット12上の、栽培容器13に生育しているきのこの成長度合を検出するための画像検出手段(検出手段)21を備えている。 【0020】画像検出手段21は、例えばCCDカメラといった画像を検出する装置を筐体内に備えた状態で、リフトステージ19の側板22に設置されている。画像検出手段21は、リフトステージ19上のきのこを一側面方向から画像検出可能であるとともに、画像検出手段21に対して最前列の栽培容器13を同時に画像検出可能なように、設置場所が定められている。また、画像検出手段21は、画像検出手段21から離間して設置される制御装置(判断手段)23へ、検出された画像を無線で送信するようになっている。さらに、画像検出に伴うズームおよびフォーカスは制御装置23で制御されることによってそれぞれ任意に設定される。 【0021】移送コンベア4は、各栽培室1,2,3の出庫コンベア18から出庫されたパレット12を受け取り、他の栽培室1,2,3まで移動して入庫コンベア17へパレット12受け渡すように、各栽培室1,2,3間を往復自在に構成されている。また、コンベア5は、栽培容器13を載せたパレット12の各栽培室1,2,3への搬入を行ったり、紙巻ステーション(図示なし)などへの搬出入を行ったりするように、移送コンベア4に並べて配設されている。 【0022】制御室6は、栽培室1,2,3とは別の場所に設けられ、前述した制御装置23およびモニタ24が室内に設置されている。制御装置23は、栽培室1,2,3の各空調装置、クレーン16、入庫コンベア17、および出庫コンベア18を統括管理して制御するように構成される。さらに、制御装置23は、画像検出手段21を制御するとともに、画像検出手段21から送信された画像に基づいて、検出されたきのこの画像をモニタ24に表示する。また、制御装置23は、画像検出手段21で検出した画像に基づいてきのこを他の栽培室へ移動させるか否かを判断するようになっている。 【0023】次に、本実施形態の植物栽培設備の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3は、上述した本実施形態において、モニタ24を備える制御装置23上での、特にパレット12の動きを中心としたシーケンスを示している。各栽培室1,2,3は、パレット12の動きに関してほぼ同一の独立したシーケンスで制御されており、ここでは、栽培室2(抑制室)での動作を主として説明する。 【0024】動作を開始するにあたっては、植物栽培設備の自動搬送運転の指令が行われる。また、各栽培室1,2,3は、空調装置によって温度・湿度および二酸化炭素濃度等がそれぞれ設定され、各環境が維持されている。さらに、パレット12には、それぞれ識別コードが予め付与されており、各識別コード(パレット12)を栽培室1,2,3内のどの棚10に搭載したかを制御装置23が記憶している。また、各識別コードに対応する検出期間の初期値が予め作業員により入力され、これを制御装置23が記憶している。なお、検出期間は、カウントを開始してから画像検出手段21で検出動作が行われるまでの期間を予め指定するものであり、検出期間内にきのこが過度に成長することのないように定められている。 【0025】まず、制御装置23が、移送コンベア4から栽培室1へのパレット12の入庫指令があるかを確認する(ステップ100)。ステップ100において入庫指令がない場合には、制御装置23は、栽培室2内で所定の検出期間を経過しているパレット12があるかを確認する(ステップ101)。そして、検出期間を経過しているパレット12がない場合はステップ100へ戻り、そのパレット12が見つかった場合には、そのパレット12を搭載している棚10へリフトステージ19を移動させるよう、クレーン16へ指示する(ステップ102)。このとき、検出期間を経過しているパレット12が複数ある場合には、まず、栽培室2内での画像検出手段21による検出がまだ行われていない任意のパレット12、次に、直前の検出日時が最も古いパレット12、の順で、最初に現れるパレット12への移動を指示する。 【0026】指示のあったパレット12までリフトステージ19が移動すると、棚10からパレット12がリフトステージ19上に取り出される(ステップ103)。そして、画像検出手段21によってきのこの成長度合を画像で検出し、検出した画像データを無線で制御装置23へ送信し、制御室6内のモニタ24にその画像を表示する(ステップ104:検出ステップ)。 【0027】続いて、送信された画像データからきのこを正常に認識できるかどうかを調べ(ステップ105)、画像認識を正常に行えない場合は、モニタ24を通じてエラー表示を行い、作業員によるオペレートを待つ(ステップ106)。画像認識が正常に行える場合は、制御装置23は、きのこを次の栽培室3へ移動させるか否かを判断する(ステップ107:判断ステップ)。 【0028】このステップ107での制御装置23の判断は、例えば次のように行われる。まず、画像検出手段21できのこを検出した画像データから、一側面方向から見えるきのこと、最前列に見える栽培容器13とを分けて認識する。続いて、焦点距離で補正したきのこの領域面積と、この領域の重心から栽培容器13の上端面までの距離(重心距離)とを算出し、この算出した2つのデータが、予め定められた基準値から所定範囲内であるかどうかを調べる。そして、所定範囲内である場合はきのこを次の栽培室へ移動させ、そうでない場合は移動させない、といった判断を行う。 【0029】ステップ107で、検出したきのこ(パレット12)を次の栽培室3へ移動させないと判断した場合は、上述した領域面積および重心距離と基準値との差を求め、この差に基づいて、今検出したきのこを次に検出するまでの新たな検出期間を算出し、パレット12の識別コードとこの検出期間とを対応させて記憶する(ステップ108)。すなわち、ここでは基準値との差が大きいときには検出期間を比較的長く算出し、逆に差が小さいときには検出期間を比較的短く算出し、これにより、次に検出する際、きのこの大きさが基準となる大きさに近づくようになる。そして、パレット12を元の棚10へ戻して(ステップ109)、ステップ100へと戻る。 【0030】一方、ステップ107で次の栽培室3へきのこ(パレット12)を移動させると判断した場合は、リフトステージ19上のパレット12を出庫コンベア18まで移動させるようにクレーン16へ指示し、パレット12が出庫コンベア18へ受け渡される(ステップ110:搬送ステップ)。そして、パレット12が出庫コンベア18に受け渡された後、パレット12を受け取るように移送コンベア4に指示し、移送コンベア4が移動してパレット12を受け取ると、次の栽培室3へパレット12の入庫指令を出し(ステップ111)、一連の動作を終了する。 【0031】また、ステップ100において移送コンベア4から栽培室2へのパレット12、すなわち栽培室1からのパレット12の入庫指令がある場合には、まず、移送コンベア4を起動して入庫コンベア17に受け渡されたパレット12を室内に入庫させる(ステップ112)。そして、入庫コンベア17上のパレット12がリフトステージ19上に受け渡され、そのまま立体棚11の空いている棚10まで移動して(ステップ113)、棚10に搭載される(ステップ114)。そして、制御装置23は、搭載した棚10とパレット12の識別コードとを対応づけて記憶する(ステップ114)。さらに、棚10に搭載したパレット12の識別コードに対応する栽培室2での検出期間の初期値を読み出して、時間のカウントを開始し(ステップ115)、一連の動作を終了する。 【0032】そして、栽培室1,3においても同様に、上述した栽培室2とほぼ同一のシーケンスで動いている。よって、本実施形態の植物栽培設備は、こうした一連の動作によって、栽培室1から栽培室2へ、そして栽培室3へ、きのこを載せたパレット12を順に移動させながら、きのこを栽培するようになっている。 【0033】本実施形態は、きのこの成長度合を検出する画像検出手段21を備えており、画像検出手段21できのこの実際の成長度合を検出し、検出したきのこの成長度合に応じてきのこを次の栽培室へ移動させるといったことを行っている。そのため、各栽培室1,2,3内のわずかな環境の違い等によってきのこの成長に個体差が生じる場合でも、きのこの実際の成長度合を検出し、所定の成長度合のきのこだけを次の栽培室へ移動させることで、移動するきのこの成長度合をある程度揃った状態とすることが可能となり、収穫時におけるきのこの品質のばらつきを小さく抑えることができる。しかも、成長度合の異なる複数の品種のきのこを栽培する際には、画像検出手段21で各品種のきのこの実際の成長度合を検出することで、各品種ごとに成長を管理することが容易となり、同一の栽培室で容易に異なる品種のきのこを栽培することができる。 【0034】また、画像検出手段21によって、きのこの成長を画像で検出するので、きのこの実際の成長をより正確に検出でき、きのこの実際の成長度合に応じた栽培をより確実に実施できるようになる。さらに、きのこを移動させるクレーン16に画像検出手段21が設置されていて、クレーン16を移動させることで栽培室内のきのこの設置場所の近くへ画像検出手段21が移動するので、少ない数の画像検出手段21で栽培室内のすべてのきのこを検出できる。 【0035】また、本実施形態は、画像検出手段21で検出した結果に基づいて、きのこを他の栽培室へ移動させるか否かを制御装置23が判断するので、短時間で連続的に検出結果の判断を行うことが可能となり、また、作業員が検出結果の判断をする必要がなくなり、作業員の労力を軽減できる。しかも、制御装置23は栽培室1,2,3から離れた制御室6に設置されているので、作業員は栽培室1,2,3内へ入室することが少なくなるとともに、複数の栽培室1,2,3を同一場所で統括して管理できるため、作業効率がよくなる。 【0036】また、パレット12ごとに予め検出期間が定められ、この検出期間の経過後にきのこの成長度合の検出が行われるので、複数の品種の栽培を行う場合でも、品種の異なるきのこをそれぞれ異なるパレット12に分けて搭載することで、各品種のきのこの成長度合に応じた適切な時期に検出を行うことが可能となり、効率よく複数の品種のきのこを栽培することができる。さらに、ステップ107において次の処理工程にきのこを移動させないと判断した場合、次に検出する際のきのこの大きさが基準の大きさに近づくように、新たな検出期間をきのこの成長度合に応じて定めるので、無駄な検出動作を省くことが可能となる。 【0037】なお、本実施形態では、栽培する植物をきのことしたが、処理条件が各々定められた複数の栽培室を要するものであれば、他の植物にも適用可能である。また、画像検出手段21で検出した結果に基づいて移動させる次の処理工程は、栽培室などの部屋に限るものでなく、紙巻ステーションなどといった同設備内の他の処理工程であってもよい。また、検出したきのこを次の栽培室へ移動させるか否かの判断は、モニタ24で表示される画像から作業員が行ってもよい。 【0038】また、本実施形態では、栽培室1,2,3内にパレット12の搬送装置であるクレーン16および各コンベアを配設し、自動的に搬出入するようになっているが、大掛かりな搬送装置を必要としない小さな栽培設備においては、作業員が栽培室から他の栽培室へ植物を移動させるといったことも行われる。この場合においても、例えば、栽培室の外にモニタ24を設けて、植物の成長度合を検出した結果をモニタ24から監視するといった構成とすることで、確認のための作業員の入室回数を削減することが可能となり、作業効率を高めることができる。 【0039】さらに、本実施形態では、棚10からパレット12を取り出して、クレーン16のリフトステージ19上できのこの検出を行っているが、きのこを棚10から取り出すことなく検出可能な構成とするといったことも行う。この場合、例えば、リフトステージ19へ向けて画像検出手段21を設置するのではなく、棚10へ向けて画像検出手段21をクレーン16に設置して、棚10に設置されたままの状態のきのこを検出する。これにより、リフトステージ19へのパレット12の取り出しに要していた時間を削減することができ、より効率的に検出動作を行うことができる。また、各棚10ごとに画像検出手段21を設置して、各画像検出手段21を順に連続的に検出することで、さらに検出動作に要する時間を低減することも可能である。 【0040】また、本実施形態では、パレット12ごとにきのこの成長度合を判断しているが、成長度合の個体差が小さい場合は、ひとつのパレット12を検出することで、入庫時期の近い他のパレット12の検出を省略するといったことも行われる。これにより、検出に要する時間を軽減できるとともに、制御を簡略化できる。 【0041】また、きのこを検出する手段は、本実施形態のように植物の成長度合を画像で検出する画像検出手段21のほかに、きのこの成長をきのこの輪郭の少なくとも一部で検出する検出センサといったものも用いられる。この場合は、例えば、きのこを挟んで光電子センサを複数配設する構成とし、きのこの成長度合をきのこの傘の高さから検出するといったことを行う。検出手段をこうした検出センサとすることで、きのこの成長を容易に検出できるようになるとともに、小さな設置スペースでの植物の検出ができるようになる。検出センサには、上述した光電子センサのほか、接触式センサなど種々のものが適用可能である。 【0042】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以下の効果を得ることができる。請求項1に係る植物栽培設備は、植物の成長を検出する検出手段を備えており、検出手段で植物の実際の成長を検出し、検出した植物の成長に応じて植物を次の栽培室へ移動させるといったことを行うことで、栽培室内のわずかな環境の違い等によって植物の成長に個体差が生じる場合でも、植物の実際の成長を検出し、所定の成長度合の植物だけを次の栽培室へ移動させることで、移動する植物の成長度合をある程度揃った状態とすることが可能となり、収穫時における植物の品質のばらつきを小さく抑えることができ、品質の均一化を図ることができる。しかも、成長度合の異なる複数の品種の植物を栽培する際にも、検出手段で各品種の植物の実際の成長を検出することで、品種ごとに成長を管理することが容易となり、同一の栽培室で容易に異なる品種の植物を栽培することができる。 【0043】請求項2に係る植物栽培設備では、植物の成長を画像で検出するので、植物の実際の成長をより正確に検出でき、植物の実際の成長度合に応じた栽培をより確実に実施できる。 【0044】請求項3に係る植物栽培設備では、検出センサによって植物の成長を植物の輪郭の少なくとも一部を検出するので、植物の実際の成長を容易に検出できるようになるとともに、小さな設置スペースでの植物の検出ができるようになる。 【0045】請求項4に係る植物栽培設備では、植物を移動させる搬送装置が検出手段を備えており、搬送装置を移動させることで栽培室内の各植物の設置場所の近くへ検出手段が移動するようになるので、少ない数の検出手段で栽培室内の植物を検出できる。 【0046】請求項5に係る植物栽培設備では、植物の成長度合の検出結果に基づいて植物を他の栽培室へ移動させるか否かを判断手段が判断するので、作業員が検出結果の判断をする必要がなく、短時間で連続的に検出結果の判断を行えるようになり、作業員の労力を軽減できるとともに、作業効率を改善できる。 【0047】請求項6に係る植物栽培設備では、判断手段が検出手段から離間して設置されるので、複数の栽培室を統括して管理しやすくなり、作業員の労力を軽減することができる。 【0048】請求項7に係る植物栽培方法は、植物の実際の成長度合を検出し、その検出した結果から次の栽培室へ植物を移動させるかどうかを判断して移動させるので、栽培室内でのわずかな環境の違い等によって植物の成長に個体差が生じる場合でも、植物の実際の成長度合を検出して判断した結果に基づいて所定の成長度合の植物のみを次の栽培室へ移動させることにより、各栽培室から移動される植物の成長度合がある程度揃った状態となって、収穫する植物の品質のばらつきを小さく抑えることができ、品質の均一化を図ることができる。また、成長度合が異なる複数の品種の植物を栽培する場合でも、各植物の実際の成長度合を検出することにより、各植物の成長度合に応じた管理を行えるようになるので、複数の品種の植物を容易に栽培することができる。 【0049】請求項8に係る植物栽培方法では、検出期間に基づいて植物の成長を検出するので、複数の品種の栽培を行う場合でも、検出期間を各品種ごとに予め設定しておくことで、各品種の植物の成長度合に応じた適切な時期に検出を行うことが可能となり、効率よく複数の品種の植物を栽培することができる。 【0050】請求項9に係る植物栽培方法では、次の処理工程に植物を移動させないと判断した場合には、新たな検出期間を植物の成長に応じて定めるので、次の検出時の植物をある一定の成長度合に近づけることが可能となり、これにより、一定の成長度合に植物が成長するまでに要する無駄な検出ステップを省くことができ、効率的な検出を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月11日(1999.3.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−253749(P2000−253749A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月19日(2000.9.19) |
| 【出願番号】 |
特願平11−65565 |
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