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【発明の名称】 水耕栽培装置の排液等の濾過装置
【発明者】 【氏名】山本 惣一

【氏名】後藤 律

【要約】 【課題】濾過装置の濾材として用いる活性炭のコストの低減が得られ、かつ、それの重量を軽減して運搬および組付時の取扱いを容易にし、しかも、所定時間の使用後に、使用済み活性炭として取りだし、廃棄処理するときに、その廃棄が自然環境を損なわずに簡単に行えるようにする。

【解決手段】筒状の機体を形成する濾過筒内に、籾殻を燻製により炭化処理した籾殻の燻炭を、活性炭に代替せしめて濾材として層状に装填せしめる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状の機体を形成する濾過筒内に、籾殻を燻製により炭化処理した籾殻の燻炭を、活性炭に代替せしめて濾材として層状に装填せしめることを特徴とする水耕栽培装置の排液等の濾過装置。
【請求項2】 筒状の機体を形成する濾過筒内に、籾殻を燻製により炭化処理した籾殻の燻炭を、多孔板または金網などからなる支承板およびフィルターを介してその上に濾材として層状に装填することを特徴とする水耕栽培装置の排液等の濾過装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、主として水耕栽培装置において、培地に送給されてそれを流過した水耕液の排液を、再び水耕液として培地に供給し得るようにするために、その排液を濾過して浄化処理するように用いられる水耕栽培装置の排液等の濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水耕栽培装置Aは、通常、図1に示しているように、ポットまたは鉢に、礫またはロックウール等を填めて形成した培地a…を、温室またはビニールハウス内の所定位置に設置せる水盤状の容器b内に並列させて設置し、これら培地a…に、作物の生育に必要な栄養分を水に溶解させて別に調整して養液タンクTに貯留しておく水耕液(養液)を、ポンプ装置または養液タンクTを設置しておくときの揚程差により送給して灌水装置cを介し供給し、それにより培地a…を流過した余剰の水耕液を、水盤状の容器bで集めて、それの排出口dから、温室内またはハウス内に敷設しておく排液溝または余剰水の回収槽eに流し出すようにして培地aに定植する植物Hを水耕液で栽培するよう構成してある。そして、それの排液溝または回収槽eに流し出す余剰水(排液)は、かなりの量の残存養分を含むことから、これを有効に利用するため、この排液をポンプPにより回収し、活性炭・砂・砂利等の濾材を濾過筒内に積層し装填して構成される通常の濾過装置Bに供給して浄化処理し、さらに、殺菌装置Cに供給して殺菌処理を行うなどして、再び水耕液に利用するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の水耕栽培装置において、培地を流過した水耕液の余剰水(排液)を浄化処理するように用いられる濾過装置は、活性炭・砂・砂利等の濾材を筒状に形成した濾過筒内に順次積層するように装填して構成される通常の汚水浄化用の濾過装置であり、それの濾材のうちの、吸着機能の主要部となる活性炭が高価で、そのために製作コストが嵩む問題があり、また、その活性炭が重いことで、濾過装置の濾材として組み付けるときの取扱いを面倒にし、濾過装置の製作・組立を困難なものとしている問題がある。また、この活性炭は、濾材としての所定の時間の使用により吸着機能を失ってきたとき、これを、使用済みの活性炭として取り出して、新たな活性炭と交換するが、その際、この使用済みの活性炭の廃棄が自然環境を損なうことで、その廃棄処分を厄介なものとする問題がある。
【0004】本発明は、従前の濾過装置に生じているこれらの問題を解消せしめるためになされたものであって、濾過装置の濾材として用いる活性炭のコストの低減が得られ、かつ、それの重量を軽減して運搬および組付時の取扱いを容易にし、しかも、所定時間の使用後に、使用済み活性炭として取りだし、廃棄処理するときに、その廃棄が自然環境を損なわずに簡単に行えるようにする新たな手段を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして本発明においては、上述の目的を達成するための手段として、筒状の機体を形成する濾過筒内に、籾殻を燻製により炭化処理した籾殻の燻炭を、活性炭に代替せしめて濾材として層状に装填せしめることを特徴とする水耕栽培装置の排液等の濾過装置を提起し、また筒状の機体を形成する濾過筒内に、籾殻を燻製により炭化処理した籾殻の燻炭を、多孔板の支承板およびフィルターを介してその上に濾材として層状に装填することを特徴とする水耕栽培装置の排液等の濾過装置を提起するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】しかして、本発明手段においては、この水耕栽培装置の排液を浄化処理する濾過装置において、それの濾材に用いる活性炭には、農家が従来、産業廃棄物として廃棄処理している籾殻を、燻製により乾溜し炭化処理して籾殻の燻炭とし、この籾殻の燻炭を、活性炭の代替として使用し、これを、濾過機の機体外筺を形成する濾過筒内に、砂利層・砂層等と共に、活性炭に代わる濾材として層状に装填して、濾過機を構成するようにする。
【0007】籾殻は廃棄物として廃棄処理されているものであり、これを原料として炭化処理により籾殻の燻炭にして活性炭の代替えとなる濾材に再利用するのであるから、それのコストは従前の活性炭を用いたものに比し著しく安価なものとなる【0008】籾殻の燻製による炭化は、簡略な炉により簡単に行え、しかも、その炭化が、籾殻をその形状のままに残して含有している有機物質を乾溜によりガス化させて放出させることにより行われることから、燻製により炭化させた籾殻の燻炭は重量が軽く、運搬および濾材として組み付けるときの取扱いは容易になる。
【0009】しかし、それの性状が脆く崩れ易く、外圧によりたやすく破砕されることで、小片となって水と共に流亡するようになることから、濾材として、濾過機の濾過筒内に層状に敷きつめるときに、多孔板または金網などからなる支承板を敷き込み、それの上に、粉砕した籾殻を結合材と混合して圧縮しマット状に成形した籾殻マット等のフィルターを載置し、そのフィルターの上に、籾殻の燻炭を所定の厚さの層状に敷き詰めるようにすることが有効である。
【0010】このとき、濾過機の機体の外筺を形成する濾過筒は、この活性炭に代替して籾殻の燻炭を装填する部分、および、濾材として砂を層状に敷き込む部分ならびに砂利を層状に敷きつめる部分等を、それぞれ独立する別体で軸方向に短い筒状に分割された濾過筒に形成して、それらの上下両端部位に、それぞれ周方向に鍔状に突出する接合鍔部を装設しておき、それら接合鍔部を接合して閉じ合わせて、順次積み重ねて継ぎ合わせ、塔状の濾過機の機体外筺を構成する濾過筒に組み立てるようにしてよい。
【0011】そして、このように、積み重ねて継ぎ合わせる継ぎ管状に形成した軸方向に短い濾過筒は、それに籾殻の燻炭、または砂等細い粒径の濾材を装填するようにする場合にあっては、前述の支承板とする多孔板または金網などを、この継ぎ管状の短い筒状に分割して形成した濾過筒の筒壁の内面の下端側に、渡架連結して一体的に組み付け、それの上にフィルターをのせ、その上に籾殻の燻炭あるいは砂等の濾材を敷き込み、この短い分割して筒状に形成した濾過筒を、濾材を装填した状態に構成しておいて、これを所定の順で積み重ねて継ぎ合わせて濾過機を組み立てるようにしてもよい。
【0012】
【実施例】次に実施の一例を図面に従い説明する。図2は本発明手段を実施せる水耕栽培装置における排液の浄化用の濾過装置の縦断面図であり、同図において、1は濾過装置Bの機体を構成している塔状の濾過筒、2は所定の場所に敷設して上面に前記濾過装Bの濾過筒を据え付け固定した基礎、3は図1にあるよう設置せる水耕栽培装置Aにおいて、それの培地aに供給されてその培地aを流過した水耕液の排液(余剰液)を導き出す配管を示す。
【0013】濾過装置Bの塔状に形成してある濾過筒1は、底部濾過筒10と、胴部下濾過筒11と、胴部上濾過筒12と、上部濾過筒13との四つに分割されて、それらがそれぞれ独立して別体に形成され、順次積みか重ねてそれらの接合鍔部14…を接合して閉じ合わせることで、上下に高い塔状に組み立てられている。
【0014】濾過筒1の下端側の底部濾過筒10は、底面に、基礎2の上面に据え付け固定する取付座板を兼ねる底壁100が設けられ、胴周壁の下端側には、濾過液を排出する排出管4が接続し、また、上縁部には接続鍔部14が設けてある。そして、この底部濾過筒10は、それを基礎2上面に据え付け固定する前、または据え付けてその上面に胴部下濾過筒11を組み付け接続する前の状態において、それの内部に濾材として粒径50〜100ミリ程度の玉石が0.1立方米程度填め込まれる。
【0015】胴部下濾過筒11は、それの内部に濾材として粒径5〜20ミリ程度の砂利が0.15立方米敷き填められるように形成してある。この胴部下濾過筒11内に対する砂利の装填は、前述の底部濾過筒10の場合と同様に、組付ける前の状態において行えるようにしてある。そのため、底部側には、胴周壁の内周面間に格子桟状に渡架装着される補強桟110…によって支持される多孔板または金網などよりなる支承板111が組み付けられ、それの上面に、粉砕した籾殻を結合材と混合して圧縮成形しマット状に形成した籾殻マット等のフィルター112を載置しておき、このフィルター112の上面に、砂利または砂を装填し、その状態で、前述の底部濾過筒10の上に積み重ね、接合鍔14…により組付けが行えるようにしてある。
【0016】胴部上濾過筒12は、それの内部に、濾材として、籾殻を燻製により乾溜し炭化処理した籾殻の燻炭Kを、活性炭に代替させて装填するように形成してある。
【0017】この胴部上濾過筒12も、前述の胴部下濾過筒11および底部濾過筒10と同様に、組付ける前の状態において、内部に対する濾材の装填が行えるように形成してある。
【0018】図3は、この胴部上濾過筒12を組付ける前に、濾材として籾殻燻炭Kを内部に装填した状態を示している。同図において、120…は胴周壁12aの内周面に放射状の格子桟状に渡架装着した補強桟、121はそれの上面に載架した多孔板または金網などよりなる支承板、122はその支承板121の上面に敷きつめた粉砕籾殻を結合材と混合してマット状に圧縮成形した籾殻マット等からなるフィルター、Kはそのフィルター122の上に活性炭に替わる濾材として装填した籾殻燻炭で、層状に敷きつめてある。そして、この胴部上濾過筒12は、この状態において濾過装置Bの濾過筒1に対する組付装着が行え、また、籾殻燻炭の吸着機能が低下してきたときの交換が、この胴部上濾過筒12ごとの装脱により行えるようにしてある。
【0019】上部濾過筒13は、図2にあるように、配管3から送給される排液を、ボールタップバルブ5により所定の水位に保持せしめて、沈澱槽とし、順次濾材に透過していくようにするもので、前述の胴部上濾過筒12の上にさらに継ぎ足すように接続鍔部14…により接続される。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による水耕栽培装置の排液の濾過装置は、籾殻を燻製により炭化処理した籾殻にの燻炭を、活性炭に代替せしめて機体の濾過筒内に濾材として層状に装填しているのだから、従来の活性炭を用いる濾過装置に対して著しく製作コストを低減でき、また、この活性炭に替えて用いる籾殻の燻炭の重量が軽いことで取扱いを容易にし、さらに、使用により吸着機能が低下してきたときに新しいものと交換する際、取り出した使用済みの濾材を、自然環境を破壊することなく安全に廃棄できるようになる。
【出願人】 【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
【出願日】 平成11年2月17日(1999.2.17)
【代理人】 【識別番号】100065053
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 和郎
【公開番号】 特開2000−232829(P2000−232829A)
【公開日】 平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願番号】 特願平11−38123