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【発明の名称】 穴掘り機
【発明者】 【氏名】和田 弘

【要約】 【課題】従来、ポット栽培を行った植木等を移植する際には、バケットを装着した旋回作業車のバックホー装置や手持ち式のオーガにより地面を掘削して移植用の穴を形成していたが、バックホー装置で掘削した場合、必要以上に大きな穴を形成しなければならず、掘削作業に手間がかかるとともに作業効率が低下していた。また、手持ち式のオーガで掘削した場合は、穴内部に残留する掘削した土を外部へ排出することができなかった。

【解決手段】旋回作業車に装着され回転駆動することにより地面を掘削するオーガアタッチメント17であって、該オーガアタッチメント17に、掘削深さを規制して掘削深さを調節可能とする深さゲージ26を付設し、該オーガアタッチメント17のオーガ21の回転速度を変更可能に構成し、前記オーガの先端中央に先細となる略円錐形状に形成されたポイントを付設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アーム付油圧作業車両に取り付けるアタッチメントであって、アーム先端に油圧モーターにより駆動されるオーガアタッチメントを、クロスジョイントを介して吊り下げ装着したことを特徴とする穴掘り機。
【請求項2】 掘削作業する旋回作業車に装着されるオーガアタッチメントであって、該オーガアタッチメントのオーガの回転速度を変更可能に構成し、作業状態に応じて該オーガの回転速度を制御することを特徴とする穴掘り機。
【請求項3】 掘削作業する旋回作業車に装着されるオーガアタッチメントであって、該オーガアタッチメントのオーガ取付基部よりアームを突出し、該アームに、掘削深さを規制して掘削深さを調節可能とする深さゲージを付設したことを特徴とする穴掘り機。
【請求項4】 前記オーガの先端中央に先細となる略円錐形状に形成されたポイントを付設したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の穴掘り機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は旋回作業車のバックホー装置等の油圧作業装置に装着され、回転駆動することにより地面を掘削するオーガアタッチメントの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、底部を閉じた略円筒形状の容器内等で苗木を育成するポット栽培を行った植木等を移植する際には、作業用アタッチメントとしてバケットを装着した旋回作業車のバックホー装置や手持ち式のオーガにより地面を掘削して移植用の穴を形成し、この移植用穴へ植木等を移植していた。そして、このようにポット栽培の植木等を移植する際には一度に多数本を移植する場合が多いため、移植するための移植用穴も多数掘削する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の如く、植木等を移植するための移植用穴をバケットを装着したバックホー装置により掘削した場合、必要な深さを確保しようとすると必要以上に大きな面積の穴を形成しなければならず、掘削作業に手間がかかるとともに、移植時に植木の安定性が悪く移植時の作業効率が低下していた。また、手持ち式のオーガにより移植用穴を掘削した場合には、オーガの回転速度が低く一定速度であるため、穴内部に掘削した土が残留し、その土を外部へ排出することができず、オーガにより掘削した穴がこの残留する土によって埋まってしまって、移植用穴を狙い通りの形状に形成することができなかった。さらに、一度に多数の移植用穴を掘削する場合、バックホー装置による掘削であってもオーガによる掘削であっても、移植用穴を同一深さに掘削するのは難しく、各移植用穴毎に深さが異なることとなり、移植後の植木の高さや姿勢を統一することが困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。即ち、請求項1においては、アーム付油圧作業車両に取り付けるアタッチメントであって、アーム先端に油圧モーターにより駆動されるオーガアタッチメントを、クロスジョイントを介して吊り下げ装着した。
【0005】また、請求項2においては、掘削作業する旋回作業車に装着されるオーガアタッチメントであって、該オーガアタッチメントのオーガの回転速度を変更可能に構成し、作業状態に応じて該オーガの回転速度を制御するように構成した。
【0006】また、請求項3においては、掘削作業する旋回作業車に装着されるオーガアタッチメントであって、該オーガアタッチメントのオーガ取付基部よりアームを突出し、該アームに、掘削深さを規制して掘削深さを調節可能とする深さゲージを付設した。また、請求項4においては、前記オーガの先端中央に先細となる略円錐形状に形成されたポイントを付設した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。図1は本発明のオーガアタッチメントを旋回作業車のバックホー装置に装着した状態を示す全体側面図、図2はオーガアタッチンメントを示す側面図、図3はオーガアタッチンメントにより移植用穴を掘削する状態を示す図である。
【0008】まず、本発明のオーガアタッチメントを装着した油圧作業車の全体構成について説明する。図1において、油圧作業車をバックホーとしており、クローラ式走行装置1の上部中央に旋回台軸受4を配置し、該旋回台軸受4により旋回体2を左右旋回可能に軸受支持している。該クローラ式走行装置1の例えば前端部には、ブレード3を上下回動自在に配設している。
【0009】旋回体2の上方にはエンジン等を内蔵するボンネット5と運転席6が配設され、該運転席6の上方にはキャノピー7が設けられている。旋回体2の前端部へ左右回動自在に取り付けられたブームブラケット8には、ブーム15の下端部が上下回動自在に枢支されている。該ブーム15の先端部にはアーム16が上下回動自在に枢支され、該アーム16の先端部には作業用アタッチメントとしてオーガアタッチメント17がクロスジョイント11を介して吊設されている。これらのブーム15、アーム16、及び、オーガアタッチメント17等により旋回作業車の作業装置としてのバックホー装置12が構成されている。
【0010】前記ブームブラケット8とブーム15との間にはブームシリンダ18が介装され、ブーム15とアーム16との間にはアームシリンダ19が介装され、アーム16にはアタッチメントシリンダ20の基端部20aが取り付けられている。該アタッチメントシリンダ20は、アーム16の先端部に作業用アタッチメントとして、例えばバケットを装着した場合に、伸縮することで該バケットを回動動作させるものである。これらのブームシリンダ18、アームシリンダ19、及びアタッチメントシリンダ20は、油圧により伸縮駆動される油圧シリンダに構成されている。そして、ブーム15はブームシリンダ18の伸縮により上下回動動作され、アーム16はアームシリンダ19の伸縮により上下回動動作され、オーガアタッチメント17はアタッチメントシリンダ20を伸縮させるための圧油を用いて駆動される。
【0011】オーガアタッチメント17は、ポット栽培の植木等の移植用孔を掘削するためのオーガ21と、該オーガ21の下端部から下方へ突出する略円錐形状のポイント22と、該オーガ21を回転駆動する油圧モータ25と、該油圧モータ25からの駆動力のオーガ21への伝達をするカップリング23等で構成され、該オーガアタッチメント17には掘削深さを規制して調節するための深さゲージ26が付設されている。尚、旋回作業車は、アーム16からオーガアタッチメント17を取り外し、バックホー装置12へ作業用アタッチメントとしてバケットを装着して、標準的なバックホー作業を行うことも可能である。
【0012】次に、オーガアタッチメント17について説明する。図2において、前記油圧モータ25は、本来アタッチメントシリンダ20を伸縮させるために旋回作業車から供給されている圧油により駆動されており、該圧油をアタッチメントシリンダ20へ供給するか油圧モータ25へ供給するかは、旋回作業車側にて切換可能で、オーガアタッチメント17を装着した場合には油圧モータ25へ供給するように構成されている。油圧モータ25にはカップリング23を介して下方にオーガ21が接続されており、該オーガ21は油圧モータ25により回転駆動され、作業機操作レバー9(バケット操作レバー)を操作することでオーガ21の回転・停止を切り換えるようにしている。また、オーガ21の下端部からは、下方へ向かうに従って先細となる略円錐形状に形成されたポイント22が突出している。
【0013】オーガアタッチメント17の取付基部にはアーム35が突設され、詳しくは、前記油圧モータ25とカップリング23との間にはアーム35が固設されており、該アーム35には深さゲージ26が取り付けられて、オーガ21の側方に配置されている。深さゲージ26はアーム35に固設される調節軸26aと、該調節軸26aに摺動自在に外嵌される可動パイプ26bと、該可動パイプ26bの下端部に固設される板状部材のストッパー26cとで構成されている。
【0014】調節軸26aの上端部から下端部にかけては調節孔32が略一定間隔で複数形成されるとともに、可動パイプ26bの上端部には固定孔31が形成されており、可動パイプ26bの固定孔31と調節軸26aの調節孔32のいずれか一つとの位置を合わせて、該両孔31・32に固定ピン33を挿入することで、調節軸26aに対する可動パイプ26bの位置を固定するようにしている。そして、固定孔31と位置を合わせて固定ピン33を挿入する調節孔32を変えることで、アーム35からストッパー26c下面までの高さHを調節するように構成している。該高さHを調節することにより、ストッパー26c下面から下方へ突出するオーガ21の長さを変化させ、これにより、オーガアタッチメント17にて掘削する移植用穴の深さを複数段に調節するようにしている。但し、高さHを調節する構成は前記構成に限定されるものではなく、ネジ軸を用いたりシリンダー等を用いて無段階的に調整するように構成してもよい。
【0015】以上のように構成したオーガアタッチメント17により移植用穴を掘削する場合は図3に示すように、まず、掘削する移植用穴の穴深さDの分だけ、ストッパー26c下面からオーガ21が下方へ突出するように、アーム35からストッパー26c下面までの高さH’を調節した後に、オーガアタッチメント17が接地しない状態で油圧モータ25によりオーガ21を回転駆動する。
【0016】そして、移植用穴を掘削したい地点でバックホー装置12のブーム15又はアーム16を下方に回動してオーガアタッチメント17を下方へ移動させると、ポイント22が地中に侵入し、その後にオーガ21により掘削が行われる。この場合、地中に突き刺さったポイント22によりオーガ21の掘削地点が固定され、移植用穴の形成箇所がずれることを防止することができ、正確な地点に移植用穴を形成することができる。
【0017】その後、オーガ21による掘削が継続されて移植用穴が穴深さDまで掘削されると、ストッパー26cの下面が地面に当接してオーガ21がそれ以上下降することができなくなるため、オーガ21による掘削は穴深さDまでしか行われない。即ち、深さゲージ26により掘削深さが規制されるのである。
【0018】オーガアタッチメント17により穴深さDまで掘削がなされると、オーガ21の回転速度が上昇される。オーガ21の回転速度の上昇は、例えば、アタッチメントシリンダ20用の圧油に加えて旋回作業車のPTO軸を回転駆動させるための圧油を油圧モータ25に供給することにより行っている。また、このオーガ21の回転速度の上昇は、ストッパー26cの下面が地面に当接したことを検知して自動的に行うように構成したり、手動で切り換えるように構成したりすることができる。
【0019】オーガ21により移植用穴を掘削する場合、掘削時には確実な掘削を行うためにオーガ21を油圧モータ25のトルクを大きくして低速で回転させている。そして、掘削後、移植用穴内には掘削した土が残留するが、掘削時のオーガ21の回転速度は遅いため、移植用穴内に残留する土をオーガ21により上方へ汲み上げる速度よりも、土が重力により落下していく速度の方が速く、移植用穴内の土を排出することができない。そこで、掘削後に前述の如くオーガ21の回転速度を上昇させて、該オーガ21による土の汲み上げ速度が土の落下速度よりも速くなるように回転速度を制御し、移植用穴内に残留する土を該オーガ21により上方へ汲み上げ、外部へ排出するようにしている。但し、カップリング23下部に円錐状のガイド板を設けて汲み上げ土を外方向に拡散するように構成することもできる。
【0020】このように、オーガ21の回転速度を掘削時及び土の排出時等の作業状態に応じて制御するように構成している。そして、掘削後にオーガ21の回転速度を上昇させて移植用穴内に残留する土を外部へ排出することにより、オーガ21により掘削した穴形状そのままに移植用穴の仕上がり形状を形成することができ、該移植用穴を狙い通りの形状に形成することが可能となる。
【0021】そして、オーガアタッチメント17により形成される移植用穴は、その深さを深さゲージ26により穴深さDに規制されるため、複数の移植用穴を該オーガアタッチメント17により形成した場合、これらの移植用穴は全て一定の深さに形成される。また、深さゲージ26は掘削深さを変更可能に構成しているので、移植用穴を任意の深さに形成することが可能である。
【0022】また、オーガ21により掘削される移植用穴の穴径は、該オーガ21の外径と略同一の大きさに形成されるので、必要以上に大きな面積の穴を形成することなく穴深さを確保することができ、移植時の植木の安定性がよく作業効率を向上させることができる。そして、オーガアタッチメント17のオーガ21は、外径・長さが異なるものと取り換えることが可能なように構成しているので、移植する植木の大きさに応じた移植用穴を形成することができる。
【0023】さらに、旋回作業車のバックホー装置12等の作業装置にオーガアタッチメント17を装着することにより、複数の移植用穴を形成する際にはバックホー装置12を回動操作するだけで正確な地点に正確な大きさ・深さの移植用穴を複数形成することができ、作業効率の向上を図ることができる。尚、オーガアタッチメント17により形成する穴は植木等を移植する移植用穴のみでなく、杭や電柱を立てる際の穴等を形成することも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したことにより、次のような効果が得られる。即ち、請求項1記載の如く、アーム付油圧作業車両に取り付けるアタッチメントであって、アーム先端に油圧モーターにより駆動されるオーガアタッチメントを、クロスジョイントを介して吊り下げ装着したので、複数の移植用穴を形成する際にはバックホー装置等のバケットによる掘削作業に代えて、アタッチメントを交換するだけで、オーガを回動操作して正確な地点に正確な大きさ・深さの移植用穴等を複数形成することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0025】また、請求項2の如く、掘削作業する旋回作業車に装着されるオーガアタッチメントであって、該オーガアタッチメントのオーガの回転速度を変更可能に構成し、作業状態に応じて該オーガの回転速度を制御するように構成したことにより、掘り始めは低速回転で高トルクで掘削し、所定深さまで掘ると、回転数を上げて、形成した移植用穴等の内部に残留した土等を外部へ容易に排出して、オーガにより掘削した穴形状そのままに移植用穴等の仕上がり形状を形成することができ、該移植用穴を狙い通りの形状に形成することが可能となる。
【0026】さらに、請求項3記載の如く、掘削作業する旋回作業車に装着されるオーガアタッチメントであって、該オーガアタッチメントのオーガ取付基部よりアームを突出し、該アームに、掘削深さを規制して掘削深さを調節可能とする深さゲージを付設したので、該オーガアタッチメントにより掘削を行い複数の移植用穴等を形成した場合、これらの移植用穴を全て一定の深さに形成することが可能となり、移植後の植木等の高さや姿勢を容易に統一することができる。また、深さゲージにより掘削深さを調節可能としているので、移植用穴等を任意の深さに掘削することが可能である。
【0027】また、請求項4においては、前記オーガの先端中央に先細となる略円錐形状に形成されたポイントを付設したので、正確な地点に位置させることが可能となり、正確な大きさ・深さの移植用穴等を複数形成することが容易にでき、作業効率の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社
【出願日】 平成11年2月10日(1999.2.10)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−228921(P2000−228921A)
【公開日】 平成12年8月22日(2000.8.22)
【出願番号】 特願平11−32708