| 【発明の名称】 |
植物根忌避用シート材及びその製造方法並びにこのシート材からなる成形物 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 武治
【氏名】玉造 和男
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| 【要約】 |
【課題】有害性が極めて低く、取り扱いやすい、銅及び/又は銅化合物の粉末を植物根の忌避源に選択し、この銅及び/又は銅化合物から生成する銅イオン、特に第2銅イオンの作用で、地中での植物根の生長を近隣で押さえ、織布、編布又は不織布の有する、繊維間の空隙により通気性、通水性を有し、さらに、上記コンテナなどに使用する合成樹脂などの材料の種類を広げ、かつその用途も拡大し、地中で発生するトラブルを未然に防止する植物根忌避用シート材を提供すること。
【解決手段】銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末2を、織布、編布又は不織布3の一方の面又は両方の面の一部又は全面に分散付着させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末が、織布、編布又は不織布の一方の面又は両方の面の一部又は全面に分散付着してなることを特徴とする植物根忌避用シート材。 【請求項2】 織布、編布又は不織布を形成する繊維が独立気泡及び/又は連続気泡を内包することを特徴とする請求項1記載の植物根忌避用シート材。 【請求項3】 織布、編布又は不織布を形成する繊維が2種以上の繊維からなることを特徴とする請求項1又は2記載の植物根忌避用シート材。 【請求項4】 銅系粉末が銅化合物の粉末であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の植物根忌避用シート材。 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のシート材を、基材層の表面及び/又は裏面に積層した積層体であることを特徴とする植物根忌避用シート材。 【請求項6】 基材層が多数の繊維を内包する強化シートであることを特徴とする請求項5記載の植物根忌避用シート材。 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載のシート材の一方の面又は両方の面に貼着剤層を積層した積層体であることを特徴とする植物根忌避用シート材。 【請求項8】 熱可塑性樹脂繊維から形成された織布、編布又は不織布の一方の面又は両方の面の表面を加熱溶融し、その一部又は全面に銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末を分散付着させることを特徴とする植物根忌避用シート材の製造方法。 【請求項9】 天然繊維又は硬化性樹脂繊維から形成された織布、編布又は不織布の一方の面又は両方の面の一部又は全面に銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末を付着剤と共に分散付着させることを特徴とする植物根忌避用シート材の製造方法。 【請求項10】 付着剤が加熱溶融性粉末であることを特徴とする請求項9記載の植物根忌避用シート材の製造方法。 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のシート材を加熱加工、加熱真空成形又は縫製加工してなるものであることを特徴とする植物根忌避用シート材からなる成形物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物、特にその根が忌避する植物根忌避用シート材及びその製造方法並びにそのシート材からなる成形物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、植物根の生長力によって生じる苗や苗木の移植時のトラブルや、地下排水、地中送電等の地中設備等のトラブルは多くあった。しかしながら、それらのトラブルを防ぐ手段は少なく、特表平2−504466号公報、特開平10−66448号公報、特表平6−511499号公報等に開示されている植物根が忌避する成分を含有させたシート材が実用化されている程度である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記特表平2−50446号公報、特開平10−66448号公報に開示されているシート材に含有されている忌避成分は毒性の強い有機物質であり、シート材から地中に放出される忌避成分は極微量で、その効果も非常に高いものとはいえ、その有機物質が人や他の生命体に及ぼす影響は今だ明確に解明されるに至っていない。また、上記シート材の製造は、忌避成分をマイクロカプセルに封じ込めるなど、高度な技術と非常に複雑な工程を必要とするものであることから、製造したシート材は相当に高価なものになり、経済性と汎用性に極めて乏しいものとなっている。また、特表平6−511499号公報には、塗膜形式マトリックス中に分散された第2銅イオン源を含む植物根の生長を抑制する組成物と、この塗膜をその内面に形成した土壌を保持するコンテナが開示されているが、この発明においてはマトリックスとは実質的に塗料であり、コンテナとは育苗箱や植木鉢などである。従って、本発明と同様に第2銅イオンの発生源を植物根の忌避源とするが、安価で安全で広く使用されているポリエチレン、ポリプロピレン等ポリオレフィン系の合成樹脂製のコンテナの内面に上記塗料を塗布してもその固着性は非常に弱いものであった。本発明は、上記シート材の有する問題点に鑑みてなしたものであり、有害性が極めて低く、取り扱いやすい、銅及び/又は銅化合物の粉末を植物根の忌避源に選択し、この銅及び/又は銅化合物から生成する銅イオン、特に第2銅イオンの作用で、地中での植物根の生長を近隣で押さえ、織布、編布又は不織布の有する、繊維間の空隙により通気性、通水性を有し、さらに、上記コンテナなどに使用する合成樹脂などの材料の種類を広げ、かつその用途も拡大し、地中で発生するトラブルを未然に防止する植物根忌避用シート材及びその製造方法並びにそのシート材からなる成形物を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の植物根忌避用シート材は、銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末が、織布、編布又は不織布の一方の面又は両方の面の一部又は全面に分散付着してなることを特徴とする。 【0005】上記の構成からなる本発明の植物根忌避用シート材は、植物根が忌避する銅粉末や水酸化銅、炭酸銅、硫酸銅、酸化銅などの銅化合物の粉末(以下、忌避源という)から発生する銅イオン、特に第2銅イオンが、地中で植物根の生長によってシート材に近づいてゆくことを防止する。また、銅粉末を合成樹脂表面に分散付着させることによって、合成樹脂シートに導電性が付加され、忌避源が発する第2銅イオンの流通性が高まる。また、織布、編布又は不織布の全面にまばらに忌避源を分散付着させることによって、シート材は透水性を有することになり、分散付着の量を調整することによって、植物根忌避用シート材の透水率を調整することができる。なお、付着というのは織布、編布又は不織布表面が溶融することによる溶着、接着剤が溶融性であることによる溶着、接着剤ないし塗料の溶剤が揮発したり接着剤ないし塗料が硬化したりすることによる固着など織布、編布又は不織布の表面から簡単に離脱できない状態を云う。 【0006】この場合において、織布、編布又は不織布を形成する繊維が独立気泡及び/又は連続気泡を内包することができる。 【0007】これにより、独立気泡及び/又は連続気泡を通して、または前記気泡に流入する水分を介して銅イオンの流通性が高まり、忌避源の作用効率が向上する。 【0008】また、この場合において、織布、編布又は不織布を形成する繊維を2種以上の繊維から構成することができる。 【0009】これにより、植物根忌避用シートの曲げ、弾力性等の機械的特性を任意に設計することができる。 【0010】また、この場合において、銅系粉末に、銅化合物の粉末を用いることができる。 【0011】これにより、植物根忌避用シート材は、銅化合物の種類にもよるが、相対的に高い導電性を有し、上記と同様に第2銅イオンによる作用をさらに大きくすることができる。 【0012】また、この場合において、上記記載のシート材を、基材層の表面及び/又は裏面に積層した積層体とすることができる。 【0013】これにより、基材層で補強された植物根忌避用シート材は、厚くて丈夫なものとなり、使用時に充分な強度が必要な施工現場での使用が可能となり、使用機会をより拡大することができる。 【0014】また、この場合において、基材層を多数の繊維を内包する強化シートで構成することができる。 【0015】これにより、多数の繊維を内包する強化シートで補強された植物根忌避用シート材は屈曲等にも充分耐える丈夫なものとなり、使用時に充分な強度が必要な施工現場での使用が可能である。 【0016】また、この場合において、上記記載のシート材の一方の面又は両方の面に貼着剤層を積層した積層体とすることができる。 【0017】これにより、貼着剤層を積層した植物根忌避用シート材は、使用時に対象物にシート材を貼着させることが可能となり、土砂の埋戻しなどによる位置ずれを防止することができ、作業効率を高めることができる。 【0018】また、本発明の植物根忌避用シート材の製造方法は、熱可塑性樹脂繊維から形成された織布、編布又は不織布の一方の面又は両方の面の表面を加熱溶融し、その一部又は全面に銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末を分散付着させることができる。 【0019】上記の構成からなる植物根忌避用シート材の製造方法は、銅系粉末を熱可塑性合成樹脂繊維からなる織布、編布又は不織布の表面に強固に分散付着させることができる。 【0020】また、本発明の植物根忌避用シート材の製造方法は、天然繊維又は硬化性樹脂繊維から形成された織布、編布又は不織布の一方の面又は両方の面の一部又は全面に銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末を付着剤と共に分散付着させることができる。 【0021】上記の構成からなる植物根忌避用シート材の製造方法は、銅系粉末を天然繊維又は硬化性樹脂繊維からなる織布、編布又は不織布の表面に強固に分散付着させることができる。 【0022】また、この場合において、付着剤に、加熱溶融性粉末を用いることができる。 【0023】これにより、付着が充分強固なものとなる。 【0024】さらにまた、本発明の植物根忌避用シート材からなる成形物は上記記載のシート材を加熱加工、加熱真空成形又は縫製加工して構成することができる。 【0025】上記の構成からなる植物根忌避用シート材からなる成形物は植物栽培用容器として植物根の生長を抑制することができ、また、孔を有するシート材からは排水機能を有する成形物が得られ、その排水量や排水位置、成形物の形状等を適宜設定することができる。 【0026】さらに、本発明の成形物は、上記に記載したシート材を加熱加工、加熱真空成形又は製法加工して植物栽培用の容器、つめ物等の成形物を造るとすれば、この成形物は植物根の生長を抑制し、また、孔を有するシート材からは排水機能を有する成形物を得ることが可能となり、根ぐされを未然に防止することができる。また、その成形物からの排水量や排水位置や容器の形状等は加工前の設計によるものになる。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の植物根忌避用シート材及びこのシート材からなる成形物の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示す断面図は、本発明の植物根忌避用シート材1の請求項1に係る一形態を示すもので、織布、編布又は不織布の一方の面の全面に銅及び/又は銅化合物の1種又は2種以上からなる銅系粉末、即ち、忌避源2を略均一に分散付着させたシート材である。 【0028】忌避源2は銅粉末や水酸化銅、炭酸銅、硫酸銅、酸化銅などの銅化合物の粉末からなる銅系粉末であるが、これらから発生する銅イオン、特に第2銅イオンが、植物根忌避用シートを地中に埋設したときに、その近隣に植物根が生長してくることを抑制するように作用する。 【0029】第2銅イオンを含む銅イオンを植物が忌避し、その成育や生長を抑制することは、古くから知られており、浄水場などで槽内の水際に銅板をはり、水を汚染する藻の発生を防止するために使われている。 【0030】また、銅そのものと銅化合物の多くは電解質であるが、相対的に銅化合物が水に溶けやすく、多種ある銅化合物の中でも上記の銅化合物が一般的なものであり、水に溶けやすいものである。そして、電解質は水に溶けて、より多くイオンを解離することから、銅粉末より銅化合物の粉末の方が第2銅イオンの発生効率は優れているといえる。 【0031】しかしながら、銅そのものも粉末化することによって、水や空気などの外界環境との接触面積が大きくなり、酸化反応、水酸化反応などによって銅粉末の表面部は何らかの銅化合物となり、時間の経過と共に第2銅イオンの発生効率は向上することになる。 【0032】植物根の忌避源2となる銅系粉末は銅及び/又は銅化合物単体であるほか、それ等を混ぜ合わせた粉末であってもよい。さらに、銅粉末を他の忌避源2の銅化合物の粉末と同時に織布、編布又は不織布3の表面に付着させることによって、基材繊維33の表面が導電性の高い銅粉末の作用により、より導電性が高くなり、イオンの流通がさらに速く、かつ、ムダのないものになるところから、植物根6の抑制作用が非常に効率のよいものになる。 【0033】また、織布、編布又は不織布3を形成する繊維(以下、基材繊維33という)には、塩化ビニルや酢酸ビニルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などで代表される熱可塑性樹脂からなる繊維が好適に使用できる。この場合、織布、編布又は不織布3の形態や厚さなどの形状は特に限定されるものではなく、どのような形態の織布、編布又は不織布3であっても、必ずその繊維間に空隙を持ち、通気性や通水性を有することになる。なお、忌避源2が付着しているというのは織布、編布又は不織布3の表面が溶融することによる溶着、接着剤が溶融性であることによる溶着、接着剤ないし塗料の溶剤が揮発したり接着剤ないし塗料が硬化したりすることによる固着など織布、編布又は不織布3の表面から簡単に離脱できない状態になっていることを云う。そして、上記の植物根忌避用シート材1において、織布、編布又は不織布3の一方の面又は両方の面の一部又は全面に分散付着させる忌避源2の量、その強さ、透水量、配色などは、この用途に応じて適宜設計する事項であり、製造工程においても、加熱や塗布などの公知技術を用いることによって簡略かつ安価に製造装置、工程を設置することが可能となる。 【0034】図2は、以上説明してきた植物根忌避用シート材1の更に他の実施例を示すもので、その(1)は織布、編布又は不織布3の両面それぞれに、部分的に一定の間隔で忌避源2を分散付着させた断面図であり、その(2)は織布、編布又は不織布3の面の必要部分だけに忌避源2を分散付着させた平面図である。 【0035】さらに、図3は、本発明の請求項2に係る植物根忌避用シート材1の一例を示すものであり、その(1)は全体の断面を、また、その(2)は(1)の内の織布、編布又は不織布3の一部を拡大したものである。この場合、織布、編布又は不織布3の基材繊維33そのものが発泡体、すなわち繊維の中に微少な独立気泡や連続気泡からなる気泡38を有する、公知の発泡繊維が好適に使用できる。また、繊維間には本来の空隙37を有するので、このような繊維からなる織布、編布又は不織布3を用いて得た植物根忌避用シート材1は弾力性や透水性などの特性がより優れたものになる。 【0036】さらにまた、本発明の請求項3に係る植物根忌避用シート材1は、それぞれの材質や形態等において相違する2種以上の基材繊維33を混ぜ合わせた織布、編布又は不織布3の例であって、シート材の厚みや面積の広さ加減に拘束されず必要に応じて多くの用途に用いることができる。 【0037】図4(1)、(2)は、本発明の植物根忌避用シート材の請求項5に係る一実施形態を説明するものである。このうち、図4(1)は、植物根忌避用シート材1と忌避源を含まない基材層4とを積層一体化し、その表面層または裏面層のどちらかが第2銅イオンの発生源となるように形成した植物根忌避用シート材を、また、図4(2)は、忌避源を含まない基材層4を中間層としてその表裏が第2銅イオンの発生源となるように植物根忌避用シート材1を積層一体化した植物根忌避用シート材1をそれぞれ示すものである。そして、上記の忌避源を含まない基材層4としては、上記と同じ織布、編布又は不織布3の他ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、塩化ビニルや酢酸ビニルなどのビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやナイロン6、ナイロン6,6などの縮合系樹脂からなるシート材、多数のガラス繊維や合成樹脂繊維などで強化したシート材、アルミ箔等を任意に用いることができる。さらに、中間層として、ガラス繊維や有機高強力繊維を内包強化した強化シートにすることによって、植物根忌避用シート材自体を非常に強靱なものにすることができる。 【0038】この様な積層体を形成することの主な目的は、植物根忌避用シート材1を強化し、その用途を拡大させることにある。例えば、屋上庭園に好適に使用できる積層体の表裏を貫通する空隙や隙間を形成させた本発明の植物根忌避用シート材1を採用し、庭園の培土の中に配設すれば、その人工地盤を強化すると同時に余剰水を速やかに排出して植栽した植物の根ぐされを激減させる。さらに、培土の入れ替え時や、庭園をとりはずす場合、植物根6が植物根忌避用シート材1にからみ付いていることはないので、その作業は非常に簡便なものになる。 【0039】また、上記積層体を形成する植物根忌避用シート材1の形態は、各層互いの接触面積を同一にする必要性はなく、例えば、一方を接触面積が最大となる無孔シート、他方を最小となるネット状シートとなるような組み合わせでもよく、中間層を複数な層に形成してもよく、各層の大きさを統一させる必要性も皆無となる。すなわち、植物根忌避用シート材1はその用途や設計に応じて形成されるべきものとなるのである。 【0040】図5に示す断面図は、本発明の植物根忌避用シート材1の請求項7に係る実施形態の一つを説明するものであり、上述してきた、織布、編布又は不織布3の表面に忌避源2を分散付着させた植物根忌避用シート材1の片面に貼着剤5を一体化、具備させたものである。この形態は地中に埋設する時に、排水管や送電設備等の植物根6の生長により、破壊、破壊までは至らずとも何からかのトラブルの危険が大きくなる地中設備に貼り付けることによって、土砂の埋戻しの時は位置ずれが激減することから、その工事は非常に簡便なものとなる。 【0041】上記貼着剤5を具備させる形態において、上述してきたすべての構成の植物根忌避用シート材1が使用でき、また、貼着剤5はその両面に具備させてもよいことはもちろん、片面又は両面のそれぞれの全面に具備させる必要のないことは言うまでもない。 【0042】さらに、図示しないが、植物根忌避用シート材の片面又は両面に点状にあるいは線状に貼着剤5を具備させた形態も本発明の植物根忌避用シート材の範囲内となる。 【0043】図6は植物根忌避用シート材1の製造方法にかかる請求項8の実施の形態により製造されたものを示し、織布、編布又は不織布3の一方の表面の全面を加熱溶融させて溶着面31を形成させているもので、織布、編布又は不織布3を表面加熱する工程と織布、編布又は不織布3の表面へ忌避源2を分散する工程の順序はどちらが先になってもよく、その製造工程は任意に選択することができる。図7はさらに、植物根忌避用シート材1の製造方法にかかる請求項9に係る実施の形態により製造されたものを示し、織布、編布又は不織布3は、架橋ポリエステルやアクリル等の硬化性樹脂からなる繊維35又は植物等の自然物などの加熱しても可塑化しない天然繊維36から形成され、その織布、編布又は不織布3の一方の表面の面上に接着剤又は塗料などの付着剤を塗布し、忌避源2を分散付着させて、乾燥させ付着剤層32を形成したものである。この植物根忌避用シート材1の製造方法の実施の形態である場合の忌避源2の付着剤としては、接着剤、塗料単独の他それらの混合体でもよく、その粘度は乾燥と繊維間空隙への浸透を考慮して決定し、また、これ等の塗布面上に散布付着させてもよく、付着剤に忌避源2を均一に分散させたものを、織布、編布又は不織布3の面上に塗布、吹き付け、滴下などの手段で分散付着させて乾燥させてもよく、その具体的手段は適宜選択される。また、織布、編布又は不織布3が接着性能の高い基材繊維33から形成されている場合、その表面の一部又は全面に加熱によって付着剤としての機能を発揮する加熱溶融性粉末と忌避源2を順次散布、分散するか、両粉末を混合してから散布分散し、その後加熱して織布、編布又は不織布3の表面に付着させることもできる。 【0044】次に、図を参照して本発明の植物根忌避用シート材1の使用例について説明する。 【0045】図8は、植物根忌避用シート材1を使用しない場合の地中における植物根6の生長の状況を示す断面図である。植物根忌避用シート材1を使用しない場合、植物根6が生長し、植物根6の一部が排水管7同士の接続部7aや排水管7と汚水ます8との接続部7bに侵入し、排水管7の排水機能の著しい低下を招き、これにより、周囲に悪臭がしたり、汚水ますから下水が溢れ出すほか、接続部7a,7bが破損されるおそれがあった。根の生長を抑止することは、上記したような問題の多い状況を未然に防ぐ効率のよい一つの手段になり得る。 【0046】図9は、本発明の植物根忌避用シート材1を排水管7の接続部分の一部に配設し、その後の植物根6の生長の状況を示す断面図である。そして、同図は配設された植物根忌避用シート材1は内包する忌避源2から発生される第2銅イオンが植物根6の排水管7の接続部分への生長を抑制している様を明確に示している。このような抑制された状況では、植物根6のいたずら、すなわち接続部7aの隙間への根の侵入、そこでの生長等による地中余剰水の排水管7への大量浸入、排水管7の破壊や段差の発生等の排水機能が破壊されることはない。従って、長期に亘って根ぐされによる植物の枯朽と排水機能の停止の双方が発生せず、仮に排水管7の更生や新規入れ替えの自体が生じても、管内への根の侵入や管外周への根のからみつきがないのでその工事は非常に簡便なものとなる。 【0047】また、本発明の植物根忌避用シート材を、観賞用、食用等の植物を育成するための人工庭園等の人工地盤に使用した一例を図10に示す。この人工庭園等の人工地盤は、コンクリートの地盤に防水シート9aを敷き、その上に表裏で中空の凹凸が一定間隔で連続する合成樹脂製シートを芯材とする面状排水材9bを互状に敷き詰め、その重なり部分とコンクリート地盤の縁部を本発明の植物根忌避用シート材1で覆い、さらにその上に培土9cを入れて好みの花木を植栽したものである。このような人工庭園等の人工地盤は、遮水のために必ず防水シート9aが敷設されるとともに、排水のために面状排水材9bが、必要に応じて傾斜を設けて、敷設されており、地中の余剰水は面状排水材9bの表面凹凸間を通じて外部に排出されるようになっている。そして、従来型の人工庭園では、面状排水材9bの、特に重なり部分や縁部で植物根6の生長により排水のための傾斜が壊され、そこに余剰水の溜まりが発生して問題となっていたが、植物根忌避用シート材1を使用することによって、植物根6は重なり部分や縁部への生長が図で表しているように抑制され、余剰水の発生による根ぐされなどのおそれもなく、長期に亘って人工庭園等の人工地盤としての最高の環境を維持することができるものとなる。 【0048】図11に示す斜視図は、別発明となる請求項11に係る植物根忌避用シート材の成形物90の発明の実施形態を説明するものであり、この図11(1)は、透水性を有する本発明の植物根忌避用シート材1を底とし、その上に一定の高さとます目を持つ格子状物を載置又は一体化した育苗箱である。このような成形物90は排水性に優れ、根ぐされを起こす心配もなく、忌避源2の作用によって根が底部の隙間に侵入することもなく、移植時に生じるトラブルを未然に防止する。また、織布、編布又は不織布部分は適度に保水性を有することから、水分の一部は蒸気となって培土中を上昇することから水がれの危惧もいくらか減少するという余録も生じる。格子状物91の基材としては、木材や硬質の合成樹脂が軽くて腰があり好適に使用でき、これ等格子状物を植物根忌避用シート材1の面上に単に載置するだけの成形物90の場合は、移植時には格子状物を上方に抜き去ることができ、かつ、根が織布、編布又は不織布3の表面に絡むこともないので移植作業は非常に楽なものになる。 【0049】また、図11(2)は、本発明の植物根忌避用シート材1を器状に加工した成形物90の一例を示すものである。この場合、遮水性と適度な剛性を有する植物根忌避用シート材1を加工した成形物90は、その底部に遮水面を貫通する排水口を設けるだけで良質な植木鉢として使用でき、また、図示しないが、通水性を有する植物根忌避用シート材を小さく加工した成形物90などは育苗ポットとして、浅く加工した成形物90は鉢底ネットとしてそれぞれ好適に使用できる。これ等器状の成形物90を使用して植物を育成する時の作用効果も前記と同様である。 【0050】 【発明の効果】本発明の植物根忌避用シート材は、植物根忌避用シート材を地中に使用した場合には、その周辺の地中設備の破壊を排除する、植物の枯朽を防止する、地中設備の更生、入れ替え等の工事を簡便にする等の効果があり、植物を媒体としての人体への危険性が非常に少ない。また、織布、編布又は不織布の有する、繊維間の空隙により通気性、通水性を有するのでその用途を広げることができる。そして、上記効果は長期に亘って、すなわち銅と銅化合物の銅成分が電解されイオンとして流出されつくす期間持続する。また、織布、編布又は不織布の全面にまばらに忌避源を分散付着させることによって、シート材は透水性を有することになり、分散付着の量を調整することによって、植物根忌避用シート材の透水率を調整することができる。また、形態が多様であることから対象となる地中設備やその周辺の土質や地中余剰水の状態に応じて最適な設計と選択が可能となる。また、本発明の植物根忌避用シート材の製造方法は、用途に応じた織布、編布又は不織布を使用して製造することができることから、経済性も高い等の大きな利点がある。そして、植物根忌避用シート材の基材層を、例えば、熱可塑性樹脂で構成した場合には、植物根忌避用シート材を、真空成形等の手段によって、植裁用コンテナなどの成形製品に後加工することができる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598119496 【氏名又は名称】新進株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年2月5日(1999.2.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102211 【弁理士】 【氏名又は名称】森 治 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−224921(P2000−224921A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月15日(2000.8.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−28220 |
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