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【発明の名称】 昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具及び昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具を使用する殺虫方法
【発明者】 【氏名】田中 保秀

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 果樹若しくは野菜の枝若しくは野菜の近傍に立設した支柱若しくは野菜の上方に設けた横棒に吊設して使用する昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具であって、受けた光を反射するように形成された反射部の下部にフランジを設け、該フランジは外端が上方に向って外傾するように形成されており、このフランジの上面には水溶性の容器内に昇華性殺虫剤を封入したものを載置したことを特徴とする昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具。
【請求項2】 上記フランジに排水孔を穿設したことを特徴とする請求項1記載の昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具。
【請求項3】 昆虫の駆除が望まれる果樹若しくは野菜の枝若しくは野菜の近傍に立設した支柱若しくは野菜の上方に設けた横棒に上記請求項1又は2記載の昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具を吊設し、フランジ上面への夜露の付着により、殺虫剤の容器を水に溶解せしめ、容器に封入していた殺虫剤をフランジ上に於いて空気と接触し、日中の反射部から太陽光の反射熱で前記殺虫剤を昇華し、この昇華ガスで農産物育成補助具吊設位置周辺の昆虫を駆除する殺虫方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農産物の種類に応じて、例えば果樹の枝若しくは野菜の近傍に立設した支柱や野菜の上方に位置せしめた横棒に吊設して使用する昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具及びこの農産物育成補助具を使用する殺虫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、害虫の駆除には殺虫剤を用い、果樹に直接噴霧する方法で殺虫していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記殺虫剤の噴霧により殺虫方法であると、殺虫剤噴霧前に虫が果実を少しでも喰っている場合があると商品価値が低下し、また殺虫剤で土壌を汚染するという不具合があった。
【0004】本発明者は上記不具合に鑑みて、殺虫剤を用いることなく昼夜を問わず反射光により昆虫を忌避すると共に日中は日光照射量を増大せしめて果実の着色及び糖度を上昇するようにした果樹育成補助具を考案し、実用新案権を取得した(実用新案登録第3040581号)。
【0005】本発明は、上記登録実用新案をさらに改良し、反射部の下部に反射光を受け得るように殺虫剤を載置するフランジを形成し、明方の夜露により殺虫剤の容器を溶解し、日中の殺虫剤への日光反射熱で殺虫剤を昇華させることによって、周辺の昆虫を忌避或は殺虫し、果実への日光の反射光により果実の着色及び糖度の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明のうち請求項1記載の発明は、果樹若しくは野菜の枝若しくは野菜の近傍に立設した支柱若しくは野菜の上方に設けた横棒に吊設して使用する昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具であって、受けた光を反射するように形成された反射部の下部にフランジを設けている。このフランジは外端が上方に向って外傾するように形成されており、上面には水溶性の容器内に昇華性殺虫剤を封入したものを載置したことを特徴とする。
【0007】又、上記フランジに排水孔を穿設すると、降雨の際にフランジ上面に貯水することなく下方に雨水が落下排水され、農産物育成補助具が吊り下げられた果樹や野菜等の枝が雨水の重量により折損することがない。
【0008】本発明のうち請求項2記載の発明は、昆虫の駆除が望まれる果樹若しくは野菜の枝若しくは野菜の近傍に立設された支柱若しくは野菜の上方に設けた横棒に上記請求項1又は2記載の昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具を吊設し、フランジ上面への夜露の付着により殺虫剤の容器を水に溶解せしめ、容器に封入していた殺虫剤をフランジ上に於いて空気と接触し、日中の反射部からの太陽光の反射熱で前記殺虫剤を昇華し、この昇華ガスで農産物育成補助具吊設位置周辺の昆虫を駆除することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図を参照にして本発明の実施の形態の一例について説明する。図1は、昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具の一部切欠斜視図、図2は構成を示す図である。これらの図において、反射部1はガラスを材料とし、全周面に凹凸を形成し、上端には果樹の枝に吊り下げ可能にフック2を取り付けている。反射部1の下端には側方に張設し、且つ上方に向って外傾するフランジ3を着脱可能に設けている。尚、フランジ3は、反射部1の下部に固定的に取り付けることもできる。
【0010】フランジ3の上面には、殺虫剤4を載置している。殺虫剤4は、例えばゼラチン等を材料とする水溶性の容器内に昇華性、殺虫性を有する薬剤を充填することにより形成されている。
【0011】図3に示される実施の形態について説明する。説明を簡単にするために、前述の図1及び図2と同様の作用をなす部分は同一符号で説明する。フランジ3の内周縁近傍、換言すればフランジ3のうち反射部1の近傍には微細孔よりなる排水孔5が穿設されている。他の構成は前述の図1及び図2に示される実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0012】そして、図4に示すように、本発明昆虫駆除機能を備えた農産物育成補助具を果樹6の枝に吊設すると、明方の夜露がフランジ3の上面に降り、この夜露がフランジ3の上面の基部に貯まり、夜露の水分で殺虫剤4の容器が溶解し、封入されていた薬剤がフランジ3の上面に於て外気と接触する。日中は、反射部1で反射した太陽の反射熱がフランジ3の上面の薬剤を昇華させ、周辺の昆虫を駆除する。薬剤は、フランジ3の上面から気化するので、土壌を汚染しない。同時に直射日光と反射部1の反射光が果樹の果実を照射し、着色及び糖度が向上する。
【0013】同一果樹園に於て、本実施の形態の昆虫駆除機能を備えた果樹育成補助具を5月20日から連続吊設使用した果樹より得られた果実の糖度を同年12月29日に測定した。果樹育成補助具を用いた果樹から得られた果実(伊予柑)は、表皮が害虫による損傷もなく鮮やかオレンジ色を呈し、平均糖度11.5であった。比較のために、同一果樹園で果樹育成補助具を使用しない果樹より得られた果実の糖度を同日(12月29日)に測定し、平均糖度10.8という結果を得た。上記測定結果より、本発明昆虫駆除機能を備えた果樹育成補助具を連続使用した果樹から得られた果実は、虫害もなく、糖度も上昇するということが判明した。
【0014】又、図3に示される農産物育成補助具を前述の図4に示すように果樹6の枝に吊設すると、夜間等に気象状態が雨天になった場合であっても、排水孔5によりフランジ3の上面に降雨した雨水が下方へ落下排水され、農産物育成補助具の重量が雨天により著しく重くなることがなく、これを理由として果樹等の枝が折損する事態が生じない。
【0015】図5は他の使用方法を示す説明図である。法蓮草、小松菜等の葉菜類に使用する場合は、畝の左右側部に支柱8、8を対向する位置に立設し、この支柱8、8の上端間に横棒9を架設する。この横棒9に前述の図1及び図2又は図3に示す農産物育成補助具のフック2を掛止し、葉菜の個体間に農作物育成補助具が位置するように吊設して使用する。
【0016】図6は更に他の使用方法を示す説明図である。トマト等のように、支柱10に環状固定金具11で野菜12の茎を固定している場合は、この環状固定具11の環状部にフック2を引っ掛けて農産物育成補助具を吊設して使用する。
【0017】尚、その他にも野菜の種類に応じて野菜の近傍の土壌に支柱を立設して、この支柱に農産物育成補助具を吊設することも考えられる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、夜露の水分で容器を溶解し日中の日光反射熱で殺虫性の薬剤を昇華し、周辺の昆虫を駆除するので、薬剤による土壌汚染を生じることなく果実を虫害から守り、しかも直射日光と反射光の両光で果実の着色及び糖度の向上を図るという効果がある。
【出願人】 【識別番号】593124565
【氏名又は名称】南海産業株式会社
【出願日】 平成11年2月6日(1999.2.6)
【代理人】 【識別番号】100050901
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 貞吉
【公開番号】 特開2000−224920(P2000−224920A)
【公開日】 平成12年8月15日(2000.8.15)
【出願番号】 特願平11−67269