| 【発明の名称】 |
育苗培土 |
| 【発明者】 |
【氏名】楠 純
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、前述の実状に鑑み植物を育苗する際に殺菌・消毒が不要なこれまでに未利用で廃棄物として埋め立て処分されていた火山放出未熟土の再利用を図る。
【解決手段】粒径が1.5〜12.0mmの範囲にある火山放出未熟土(エンティソル)を30〜70容積%含み、残余をヤシ殻粉砕物で構成したことを特徴とする育苗培土。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粒径が1.5〜12.0mmの範囲にある火山放出未熟土(エンティソル)を30〜70容積%含み、残余をヤシ殻粉砕物で構成したことを特徴とする育苗培土。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、未利用天然鉱物資材を形を変えて有効利用し、農業用・施設園芸用等に使用する育苗培土に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、施設園芸などの農業分野では、赤玉土、川砂、パーライト、バーミキュライト等に各種肥料を混合して、育苗培土として使用している。これら育苗培土の原料として用いる天然の岩石は有限であり、しかも地域的に偏っており、その品質にも差異がある。したがって、特定地域の未利用岩石を主成分として、その品質を充分に引き出すために他の有機質資材を組合わせることによって育苗に必要な機能を付帯した育苗用培土が考えられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】わが国は、世界有数の火山国であり、一部地域では火山放出未熟土(エンティソル)が大量に産出されている状況があったが、いまだその有効な活用例はなく、放置されるままである。一般に、植物の栽培には殺菌・消毒された天然土壌を使用することが推奨されているが、殺菌・消毒の作業には大きな労力とコストを要する。また残存する殺菌剤が植物体の成長ならびに周辺の環境に悪影響を及ぼすことが想定される。本発明は、前述の実状に鑑み植物を育苗する際に殺菌・消毒が不要な、これまでに未利用で廃棄物として埋め立て処分されていた火山放出未熟土の再利用を図ることを目的に達成されたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】しかるに、本発明はその構成において、粒径が1.5〜12.0mmの範囲にある火山放出未熟土(エンティソル)を30〜70容積%含み、残余をヤシ殻粉砕物で構成したことに特徴を有する育苗培土の提供に関する。 【0005】 【発明の実施の形態】即ち、本発明者は、このエンティソルを育苗培土として有効利用する用途研究をしてきたが、単体では育苗培土としての使用が困難であるが、これの最適粒度範囲を限定し、ヤシ殻粉砕物と特定の割合で配合することにより保水性、pHの安定性および保肥性に優れた育苗培土を得たもので、具体的には、火山放出未熟土を育苗用培土に適した粒径1.5〜12.0mmの範囲とし、分別されたかかる構成物30〜70容積%に対し、有機質のヤシ殻粉砕物70〜30容積%を加えて構成したもので、使用に際しては、かかる混合物を調湿することで、栽培植物の発芽率や生育を増進させ、健苗を得ることを可能としたものである。 【0006】ここで、火山放出未熟土、すなわちエンティソルとは、最近の火山噴火により形成され、土壌生成作用に基づく層位がほとんど見られない土壌を指し、さらに特定すれば、礫質ないし砂質で腐植も極めて少ない未風化物をいう。また、粒径とはその長辺のサイズをさし、従って、その形状は様々であってよい。しかしながら、1.5mm未満の細砂、シルト、粘土質分は培土の目詰まり、過湿状態を呈することから分別し、除去することが望ましい。また、ヤシ殻粉砕物とは、ヤシ殻を粉砕して適宜の大きさにした粒状物、粉状物を指す。なお、当然のことながら、構成物に重金属などの有害物質ならびに有害雑菌の含有が基準値以下であることも必要条件である。 【0007】上記構成物の機能を説明すれば、次の通りである。 エンティソル;透水性、幼根の活着付与、通気性。 ヤシ殻粉末 ;アルカリ性素材の中和性、保水性、土壌物理性の改良。 以上に加え、前述の割合で配合することによって、(1)植物にとっての好適な水分保持状態の継続性が向上する。 (2)両者が加水混合されることによって、基材用土の分離が減少し、幼根の活着安定性が増す。 従って、粒径も含め、特定した範囲を外れると発芽率、発芽後の成長において目的とする効果が得られない。なお、本発明に係るエンティソル、ヤシ殻粉砕物の性状を例示すれば、表1の通りである。 【0008】 【表1】
【0009】以下、実施例を挙げて説明する。 【実施例1】以下のエンティソルの粒度分布におけるハツカダイコン(RaphanusSativusL.)の発芽状況を比較した。供試したエンティソルは、(1)1.5〜2.5mm、(2)1.5〜6.0mm、(3)1.5〜12.0mm、(4)0〜12.0mmの4段階の粒度に分別し、18×25cmの容器にそれぞれの組成物を入れ、水を充分に含浸させ、育苗床とする。かかる育苗床にハツカダイコン種子50粒を播種し、25℃の条件下で栽培した。なお、対照育苗床としては、前述容器内に脱脂綿20mm厚となるように敷き詰め、充分に水を含浸させたものを設定した。播種後7日目の発芽率を測定した結果を表2に示す。 【0010】 【表2】
【0011】表2の結果より、本発明のエンティソルは、脱脂綿上で栽培したものより発芽率が優れていることが分かる。特に、エンティソルの粒度が1.5〜12.0の育苗床が好適な数値を示した。脱脂綿の栽培では、ハツカダイコンの主根は脱脂綿の深部に至らずに表層部に局在し、根張り状態が強固ではなく不安定であった。 【0012】 【実施例2】実施例1に示した結果を基に、エンティソル(粒度1.5〜6.0mm)素材に粒度0.1〜5.0mmのヤシ殻粉砕物(ココピート(商品名):SanctamariaCoirProductsLtd製)を容積比50%で混合した本発明の組成物を調製した。試験区として、本発明組成物および対照区として脱脂綿(20mm厚)さらに育苗床として一般的に使用されているバーミキュライト(粒度0〜4.8mm)を、発芽・生長試験に用いた。栽培条件は、実施例1に示した方法で行った。なお、生長度は播種後4日目、7日目の発芽したハツカダイコン10本の草丈を測定した。結果を表3に示す。 【0013】 【表3】
【0014】表3の結果より、播種後7日目では本発明組成物とバーミキュライトは、ほぼ同等の発芽率ならびに生長性(草丈)を示した。また、本発明の組成物を使用した栽培系は、主根が組成物内に進入するするとともに側根が多く分岐して、組成物と強固な密着状態を呈した。バーミキュライトと比較しても、本発明の組成物は開葉日数が速いことが認められ、バーミキュライトは、発根は弱々しく毛細根が多数出現したが強固な根張り状態ではなかった。 【0015】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明による育苗培土は植物の健常な発根を促進し、根の安定した支持が可能である。更に、エンティソルとヤシ殻粉砕物が適宜に加水配合されることによって馴染み性が良好となり、保水性を向上させる。また、従来、廃棄放置されたままで未利用であったエンティソルの農業および施設園芸への有効利用が可能となり、コスト面からも安価に活用できる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001339 【氏名又は名称】グンゼ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月26日(1999.1.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−217425(P2000−217425A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月8日(2000.8.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−56036 |
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