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【発明の名称】 室内用植物栽培キット
【発明者】 【氏名】小林 孝太郎

【氏名】小林 美奈子

【氏名】小林 俊太郎

【要約】 【課題】栽培器材の調達・準備及び管理等に要する時間や経費、労力の負担等を軽減し、植物の発芽から開花に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察でき、手軽に栽培管理を楽しむことのできるようにする。

【解決手段】植物種子と、用土と、栽培容器11とを、少なくとも本体が透明性又は半透明性であり、かつ栽培容器11の受け皿となる蓋付きプラスチック容器1に収容する。容器の蓋3に、栽培容器11が挿入可能な透孔5を形成し、蓋3を閉じた状態で栽培容器11を透孔5から容器本体内に挿入することにより栽培容器11の立設状態が保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物種子と、用土と、栽培容器とを、前記栽培容器の受け皿となる蓋付きプラスチック容器に収容してなる室内用植物栽培キット。
【請求項2】 植物種子と、用土と、栽培容器とを、少なくとも本体が透明性又は半透明性であり、かつ前記栽培容器の受け皿となる蓋付きプラスチック容器に収容してなる室内用植物栽培キット。
【請求項3】 前記プラスチック容器の蓋に、前記栽培容器が挿入可能な透孔を形成し、前記蓋を閉じた状態で前記栽培容器を前記透孔から容器本体内に挿入することにより前記栽培容器の立設状態が保持されるようにした請求項1又は2記載の室内用植物栽培キット。
【請求項4】 前記プラスチック容器の本体内が複数の区画に仕切られていることを特徴とする請求項1〜3記載の室内用植物栽培キット。
【請求項5】 前記植物種子と、前記栽培容器とを、それぞれ複数個収容し、前記プラスチック容器の本体内を複数の区画に仕切り、かつ各区画に対応する位置に前記透孔を形成したことを特徴とする請求項3記載の室内用植物栽培キット。
【請求項6】 前記植物種子は、播種から開花までに要する日数が最適栽培条件下で2〜3週間の植物の種子である請求項1〜5のいずれかに記載の室内用植物栽培キット。
【請求項7】 前記植物種子は、種子の発芽から植物体の成長、開花と結実に至る生活環が55日以内の短期間であるアブラナ科植物の種子である請求項6記載の室内用植物栽培キット。
【請求項8】 前記プラスチック容器の大きさは、その幅及び奥行が4〜10cm、高さが2〜4cmであり、前記栽培容器は、可撓性を有するプラスチック製であり、かつその容積が60cm3 以下である卓上使用可能な請求項1〜7記載の室内用植物栽培キット。
【請求項9】 前記栽培容器に代えて、成形された培養基材を収容し、かつ用土を収容しないようにした請求項1〜7のいずれかに記載の室内用植物栽培キット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の発芽から開花に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察でき、手軽に栽培管理を楽しむことのできる室内用植物栽培キットに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、植物栽培の有用性が再認識され、植物の栽培を通して学習教育を行なうことや治療に役立てようとすること(園芸療法)が注目されている。しかし、植物を栽培するには植物種に応じて様々な栽培器材を準備する必要がある。従来、植物を栽培する際、必要な器材を個別に買い揃え、調達しているので、その選定、調達に要する時間や経費、労力は決して小さくない。また、適正な栽培管理を行なうこと及びどのような植物を選定するかも大変重要でありかつ難しい問題である。
【0003】特に、植物の栽培管理に関する専門的知識を有しない場合、上記のように植物栽培の準備及び管理等に多大な労力を要する。このため、植物の栽培を通して学習教育や治療に役立てようとする場合にも、手間がかかり、困難を伴うことがあった。娯楽として手軽に室内栽培を楽しむのも難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような事情を考慮してなされたもので、栽培器材の調達・準備及び管理等に要する時間や経費、労力の負担、さらには植物選定の困難さを軽減し、植物の発芽から開花に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察でき、手軽に栽培管理を楽しむことのできる室内用植物栽培キットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物種子と、用土と、栽培容器とを、前記栽培容器の受け皿となる蓋付きプラスチック容器に収容してなる室内用植物栽培キットである。この構成により、プラスチック容器を栽培容器の受け皿として用いることができる。また、プラスチック容器は蓋付きであるから、栽培に必要な各部材を収容したキットとして、包装容器を兼ね、商品の流通、取扱も円滑に行なわれる。プラスチック容器は廃棄されずに有効に利用される。
【0006】また、本発明は、植物種子と、用土と、栽培容器とを、少なくとも本体が透明性又は半透明性であり、かつ前記栽培容器の受け皿となる蓋付きプラスチック容器に収容してなる室内用植物栽培キットである。プラスチック容器は少なくとも本体が透明性又は半透明性であるため、収容物の確認が容易であるとともに、水やりの際、給水量を目視により容易かつ確実に把握できる。
【0007】本発明は、好ましくは、前記プラスチック容器の蓋に、前記栽培容器が挿入可能な透孔を形成し、前記蓋を閉じた状態で前記栽培容器を前記透孔から容器本体内に挿入することにより前記栽培容器の立設状態が保持されるようにする。
【0008】この構成により、栽培容器の立設状態が安定に保持されるので、栽培容器が倒れることを確実に防止することができる。透孔は複数形成してもよい。また、大きさの異なる透孔を設けてもよい。
【0009】また、本発明は、好ましくは、前記プラスチック容器の本体内が複数の区画に仕切られていることを特徴とする。
【0010】この構成により、プラスチック容器の本体内に区画が形成され、収容する部材を区画毎に分けて収容することができる。そして、プラスチック容器の本体内が複数の区画に仕切られていない場合に比べて、栽培容器の受け皿となる区画部分の容積が小さくなるので、水やりの際、誤って水を多く与えすぎることを防止することができ、また、給水量の調整・視認もし易い。
【0011】また、本発明は、好ましくは、前記植物種子と、前記栽培容器とを、それぞれ複数個収容し、前記プラスチック容器の本体内を複数の区画に仕切り、かつ各区画に対応する位置に前記透孔を形成したことを特徴とする。
【0012】この構成により、複数の栽培容器において、給水量その他の栽培条件に差をつけて栽培をすることができ、比較観察をなし得る。
【0013】また、本発明は、好ましくは、前記植物種子は、播種から開花までに要する日数が最適栽培条件下で2〜3週間の植物の種子であるものとする。これについては後で詳述する。
【0014】また、本発明は、好ましくは、前記植物種子は、種子の発芽から植物体の成長、開花と結実に至る生活環が55日以内の短期間であるアブラナ科植物の種子であるものとする。これについては後で詳述する。
【0015】また、本発明は、好ましくは、前記プラスチック容器の大きさは、その幅及び奥行が4〜10cm、高さが2〜4cmであり、前記栽培容器は、可撓性を有するプラスチック製であり、かつその容積が60cm3 以下である卓上使用可能なものである。
【0016】この構成により、省スペース化を図り、卓上での栽培が可能である。栽培容器は、可撓性を有するプラスチック製であるため安価であり、かつ可撓性を有するのでプラスチック容器への収納が妨げられることもない(適宜折りたたむ等して収容できる)。なお、栽培容器はその容積が60cm3 以下であるような場合、不安定で倒れ易くなりがちである(通常、底部がやや窄まった縦長の箱状であるからなおさらである)が、このような場合でも、プラスチック容器の蓋に、栽培容器が挿入可能な透孔を形成し、蓋を閉じた状態で栽培容器を前記透孔から容器本体内に挿入することにより前記栽培容器の立設状態が保持されるようにした構成を採用すれば、確実に栽培容器の立設状態が保持されるので、特にこのような小型のキットとした場合に、安定した状態で省スペース化を実現し得、有益である。
【0017】また、本発明は、前記栽培容器に代えて、成形された培養基材を収容し、かつ用土を収容しないようにしたものとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】〔植物種子〕 本発明の室内用植物栽培キットには、植物種子を含めている。植物種子を予めキットに含ませることにより、植物種選定の困難さを解消することができる。学習教育や園芸療法への導入も円滑に行われる。植物栽培に疎い人でも、娯楽として手軽に親しむことができる。
【0019】通常、播種から開花に至るまで数箇月以上を要する植物が多い。学習教材や園芸療法の素材、植物栽培に疎い人向けとして使用する植物は、生育が速く播種後短期間に開花に至るものが望ましい。この観点から、生活環の短期間な植物、例えば後で詳述するアブラナ科の植物が好適である。
【0020】キットに含ませる種子の数は特に限定されるものではなく、使用目的に応じて選定することができるが、例えば、種子を後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、1植物個体の生育に必要な根の量及び植物の倒伏を防ぐために必要な根の量を考慮すると、1個の栽培容器当たり1〜2個程度とするとよい。
【0021】〔栽培容器〕 キットは、栽培容器を含む。栽培容器は、植物を栽培するための用土を入れる容器である。予め、栽培に適した栽培容器がキットに含まれているので、器材購入の手間が省け専門的知識がなくてもすぐに栽培に着手することができ、極めて便利である。栽培容器としては、いわゆるセルトレイと呼ばれ、農業用セル苗育成用トレイ、プラグトレイとして使用されるものを分割した態様で用いることができる。素材は、各種プラスチックを用いることができる。軽量かつ安価に構成し得る。可撓性を有するものが、プラスチック容器に収容する上でよい。生分解性のプラスチックを用いてもよい。透明又は半透明性のものとするのもよい。これにより根の生育状況を観察することができる。
【0022】栽培容器は、単数又は複数個収容することができる。複数個の場合、栽培条件を変更した栽培が可能である。複数個の場合、各栽培容器が連接し、一体化していてもよい。
【0023】後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、一個の栽培容器の大きさが、上端で2〜5cm四方、高さが4〜6cm程度のものが好適に使用され、図3,4に示すように底部に向かって断面積がやや小さくなる形状が使い易い。容積は例えば、100cm3 以下、好ましくは60cm3 以下、さらに好ましくは30cm3 以下(15cm3 以上)である。植物の生育に必要充分な条件を確保した上で、キットとして小型化が図られるとともに、卓上型として省スペース化を実現するものである。
【0024】〔用土〕 本発明のキットは、上記栽培用区画容器に入れる栽培用の用土を含む。これにより用土の選定に悩むことなく専門的知識がなくてもすぐに栽培に着手することができ、極めて便利である。用土は、通常、プラスチック袋等に入れて収容する。
【0025】用土は、人工培土とすることができる。人工培土とは、畑や田圃の土等の土壌(天然培土)ではなく、天然の土壌を構成する成分又はその成分と類似した性質を持つ天然あるいは人工の素材を、単独で又は数種類混合する等して人為的に調製した培土をいう。土壌を用いず人工培土を用いることにより、室内栽培においてクリーンな環境を維持しながら育成・栽培することができる。
【0026】用土を人工培土とすることは好ましい態様の一つである。それは、一般に、植物栽培のために土壌を室内に持ち込むことによる汚染に対する心理的抵抗があると考えられるからである。インテリア観賞植物の他、学習教材に用いられる植物(学習教材植物)、園芸療法に用いられる植物(園芸療法植物)等の育成においては、植物栽培の場を身近な室内とすることが好ましい。したがって、このような目的の室内における植物の栽培においては、土壌に代わる清浄な培土の使用が望ましい。清浄な人工培土の使用によって、土壌からの植物病原菌の持ち込みを防ぐこともでき、健全な植物の発芽育成が可能である。
【0027】人工培土としては、例えば、後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、ピートモスとバーミキュライトとの等量混合物 (例:商品名「ジフィーミックス」Jiffy社製)、あるいは焼成培養土(例:商品名「クレハ培養土」クレハ化学社製)か、バーミキュライトの単独使用等が好ましい。
【0028】人工培土としては、上記の他に、多透孔質の焼成物、中でもクリストバライトの微粉末を各種の粒径にして焼成して作成したもの(日鉄鉱業社製、商品名クリスライト)が好適である。この焼成物は、保水性を有し植物種子の発芽生育に適当である。また、粒状の焼成物のため、吸水しても崩壊することがなく、通気性に優れた人工培土を形成する。焼成物の粒径を変えることにより、粒径の異なる植物種子の発芽生育に対応することができる。焼成操作により滅菌がなされるので、清浄な人工培土が形成される。
【0029】その他、クリストバライトの焼成物や同様の性質を有するゼオライト、ケイソウ土、発泡煉石等、さらには、園芸用として使用されている素焼き鉢の廃棄品等を成形した培土等、産業廃棄物を利用することもできる。また、これら人工培土の混合物の使用や、さらに植物成長に必要な肥料を添加した人工培土混合物を使用してもよい。肥料を混合してもよい。
【0030】人工培土の粒子の粒径は、通常1〜5mm程度であるが、使用する植物種子の形状と大きさ等に応じて、最も適当な粒径のものを用いることができる。
【0031】また、各種肥料をキットに含ませてもよい。例えば、肥料は窒素、リン酸、カリ等の基本要素を含む。肥料とは別にジベレリンその他のホルモン等の薬剤を収容したものをキットに含ませてもよい。キットにはその他必要に応じて適宜部材を収容することができる。
【0032】〔蓋付きプラスチック容器〕 この容器は、上記各器材等を収容するものである。各器材等を収容することにより、輸送・取扱等が楽であり、包装容器を兼ね、一つのパッケージ製品として市場での流通も円滑に行なわれることになる。ポリプロピレン等、特に材質は限定されない。生分解性のものを用いてもよい。
【0033】そして、上記各器材等を収容するとともに、栽培容器の受け皿となり、栽培時に給水用の置き皿となって使用し得る。プラスチック容器は無駄にならない。プラスチック容器を給水容器とした半水耕栽培の形態により予め必要充分な水を給水しておくことができるので、週末の土曜日、日曜日が休みになる学校等においても水切れによる植物の枯死を防ぐことができる。
【0034】蓋付きプラスチック容器は、少なくとも本体が透明性又は半透明性とすることができる。蓋は例えば重箱のような被せ式の他、ヒンジにより一体化したものとしてもよい。蓋付きプラスチック容器の形状は、特に限定されるものではない。例えば、扁平な直方体として構成し得る。扁平な立体形状により、安定感は増す。図1,2は、蓋付きプラスチック容器1を例示する斜視図である。
【0035】図1,2に示す蓋付きプラスチック容器1は、ヒンジ式で開閉するプラスチック容器の蓋3に、栽培容器11が挿入可能な透孔5を形成してある。透孔5は、栽培容器11の平面形状に合わせて形成する。本例では、栽培容器11は、それぞれ複数個(2個)の栽培容器11がキット内に含まれるようになっている。図3は、図1の蓋付きプラスチック容器1の蓋を閉じた使用状態、図4は、図2の蓋付きプラスチック容器1の蓋を閉じた使用状態を示す。図3,4に明らかなとおり、蓋3を閉じた状態で栽培容器11を透孔5から容器本体内に挿入することにより栽培容器11の立設状態が保持される。
【0036】また、図示のプラスチック容器1の本体内は、仕切板7によって複数の区画に仕切られている。図示の例では3区画に仕切られているが、区画数は必要に応じて変更し得る。
【0037】図2,4の場合、プラスチック容器1の本体内を複数の区画に仕切っている点は、図1,3のものと同じであるが、各区画に対応する位置に透孔5を形成した点が図1,3のものと異なっている。この構成により、複数の栽培容器11において、給水量その他の栽培条件に差をつけて栽培をすることができる。
【0038】プラスチック容器1の大きさは、好ましくは、その幅及び奥行が4〜10cm、高さが2〜4cmであり、また、栽培容器11は、可撓性を有するプラスチック製であり、かつその容積が60cm3 以下、さらに好ましくは30cm3 以下(15cm3 以上)とし、卓上使用可能なものとするとよい。
【0039】キットには、器材の使用方法、栽培方法等を記載した説明書、マニュアルを含ませるとよい。専門的知識を有しない者でも容易かつ的確に栽培管理を行なうことができる。資料を別途購入する手間も省ける。
【0040】〔播種から開花までに要する日数が最適栽培条件下で2〜3週間の植物の種子〕 通常、播種から開花に至るまで数箇月以上を要する植物が多いが、学習教材や園芸療法の素材として使用する、あるいは植物栽培に疎い人向けとして使用する植物は、生育が速く播種後短期間に開花に至るものが望ましい。上記のように播種から開花までに要する日数が最適栽培条件(例:22〜26℃、100〜150μmol・m-2・s-1)下で2〜3週間の植物の種子を用いれば、結果を出すまでの期間が短いので、学習計画等をたて易い。集中的な学習により飽きにくく、学習効果も高い。栽培期間が短いことは、植物の栽培に習熟していない者にもとりつき易い。したがって、かかる植物種子を植物栽培キットとして組み合わせることの意義は極めて大きく、有用である。
【0041】〔種子の発芽から植物体の成長、開花と結実に至る生活環が55日以内の短期間であるアブラナ科植物の種子〕 このようなアブラナ科植物の種子は、インテリア観賞植物や学習教材植物、園芸療法植物として使用するのに好適な植物種である。そして、給水開始後1カ月未満の短期間で開花に至る植物種として、吸水・発芽から開花・結実に至るまでの生活環が約1カ月で終わるアブラナ科植物の一種が挙げられる。
【0042】それは、ブラシカ ラパ(Brassica rapa)の変種であって、ウィスコンシンファーストプランツ(WFP,商品名)として開発された、表現される形質が異なる数多くの系統の植物群の中から、上述した目的を達成するために選びJ−WFP(商品名)と名づけられた植物が好適である。
【0043】このアブラナ科植物の一種は、給水開始後1カ月ほどの短期間で開花に至る。開花時の草丈は系統の違いによって5〜25cmほどであり観賞価値がある。この植物を使用した製品は、インテリア観賞植物としても室内栽培するにふさわしい。我が国の国民性からみても、早春の菜の花や菜の花畑に対する郷愁があると考えられ、馴染み易く、卓上インテリアとしても好まれるものである。
【0044】上記のアブラナ科植物の特徴を列挙すると、以下のとおりである。播種から開花までの期間が短い(14〜21日)。ライフサイクルが短い(35〜55日)。草丈が小さい(系統によって異なるが、通常5〜25cm程度)。植物を密植しても種子が得られる。種子の成熟が早い。種子の休眠性がない。窓辺や蛍光灯による連続照明下で成長する。市販の培養土で成長する。
【0045】ちなみに、上記の植物と学名が同じ植物としてカブがあるが、カブは通常、秋に播種し、冬を越して3〜4月に開花する、すなわち播種から開花まで数箇月を要するものである。
【0046】もっとも、採用する植物種は、アブラナ科植物の一種に限られるものではない。生活環が1〜2カ月ほどで終わり、個体サイズが小さく、観賞価値の高い花を咲かせる植物であれば、好適に使用し得る。例えば、ソバは播種後3〜4週間で開花に至る。ソバから個体サイズの小さいものを選抜・固定してこのような目的に用いる可能性がある。
【0047】〔成形された培養基材〕 本発明は、前記栽培容器に代えて、成形された培養基材を収容し、かつ用土を収容しないようにしたものとすることができる。
【0048】成形された培養基材は機能的には用土に代わるものである。これを用いる場合は栽培容器は不要である。成形された培養基材は、ピートモスを主材とした加工品あるいは合成樹脂成形発泡体等の定形性を有する培養基材が好適である。予め肥料が添加された成形された培養基材を用いることが望ましい。予め肥料が添加された成形された培養基材であってピートモスを主材とした加工品としては、商品名ジフィーセブン(Jiffy社製)が挙げられる。また、成形された培養基材としては、フェノール樹脂の連続気泡性発泡体に成形した植物育成用基材(例:商品名オアシス)等が挙げられるが、この場合は、液体肥料を添付するとよい。
【0049】成形された培養基材の形状は特に限定されるものではないが、通常、予め肥料が添加された成形された培養基材であるピートモス加工品は乾燥状態で円柱形等とすることができる。また、大きさは特に限定されるものではないが、後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、好ましくは、直径3〜4cm、高さ0.5〜1cm程度のコンパクトなものが嵩張らず、キットとして取り扱い易く、かつ使用上も場所を採らないのでよい。吸水により膨潤し、吸水後の大きさは直径3〜4cm、高さ3〜4cmになる。このような培養基材は、乾燥した加工品に吸水させるだけで培養基材として使用できるため、取扱が簡単である。また、予め肥料が添加されているため、栽培途中に施肥を行なう手間が省ける。キットには、上記の培養基材を複数個含ませてもよい。複数の栽培条件による栽培を可能にするためである。
【0050】成形された培養基材は、前記した栽培容器の場合と同様、蓋3を閉じた状態で培養基材を透孔5から容器本体内に挿入することにより立設状態が保持されるようにすることができる。
【0051】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記に記載の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で適宜変更、付加等して実施することができるものである。
【0052】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されているので、栽培器材の調達・準備及び管理等に要する時間や経費、労力の負担、さらには植物選定の困難さを軽減し、植物の発芽から開花に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察でき、手軽に栽培管理を楽しむことができる。
【0053】したがって、幼児あるいは小学校での情操教育を主とした生物教育の教材、中学校、高等学校での科学教育の一環としての教材として有益である。輸送・取扱等も簡便であるので、製品としての流通も円滑に行なわれ、製品の普及によって、さらに学習教育の効果の向上が期待される。
【0054】また、学習用に限らず、娯楽用として適しており、小型で省スペース化が可能な卓上型として植物栽培に疎い人でも手軽に栽培を楽しめるため、ギフト製品としての活用も極めて有用である。
【0055】そして、キットは天候の影響を直接受けにくい室内での栽培を前提として適切な器材を選抜して組まれているので、安定した植物の栽培管理が行なわれるものである。
【出願人】 【識別番号】393018082
【氏名又は名称】小林ハードウェア株式会社
【出願日】 平成11年1月22日(1999.1.22)
【代理人】 【識別番号】100093850
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 草彦 (外1名)
【公開番号】 特開2000−209950(P2000−209950A)
【公開日】 平成12年8月2日(2000.8.2)
【出願番号】 特願平11−14836