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【発明の名称】 育苗箱用播種機
【発明者】 【氏名】薮内 正俊

【氏名】平岡 伸明

【氏名】楠本 将雄

【要約】 【課題】多数の苗室が配列した育苗箱を一方向に搬送しながら、該育苗箱に対し土入れ、播種及び覆土を連続して行う育苗箱用播種機において、各苗室に必要量の培土を確保し、かつ各苗室間の培土の量差を少なくする。

【解決手段】2台の土入れ装置3、4を搬送方向に沿って配列し、各土入れ装置の前方に鎮圧ローラ8、11を配置し、かつ最初の土入れ装置3の下方位置に搬送中の育苗箱Aに振動を加える育苗箱加振装置15を設置する。土入れ時に育苗箱が振動するため、苗室の入口で培土がブリッジを起こしにくく、各苗室に確実に培土を入れることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数の苗室が配列した育苗箱を一方向に搬送しながら、該育苗箱に対し土入れ、播種及び覆土を連続して行う育苗箱用播種機において、複数の土入れ装置を搬送方向に沿って配列し、各土入れ装置の前方に鎮圧ローラを配置したことを特徴とする育苗箱用播種機。
【請求項2】 土入れ時に搬送中の育苗箱に振動を加える育苗箱加振装置を設置したことを特徴とする請求項1に記載された育苗箱用播種機。
【請求項3】 最初の土入れ時に搬送中の育苗箱に振動を加える育苗箱加振装置を設置したことを特徴とする請求項1に記載された育苗箱用播種機。
【請求項4】 多数の苗室が配列した育苗箱を一方向に搬送しながら、該育苗箱に対し土入れ、播種及び覆土を連続して行う育苗箱用播種機において、土入れ時に育苗箱に振動を加える育苗箱加振装置を設置したことを特徴とする育苗箱用播種機。
【請求項5】 上記育苗箱加振装置は、搬送される育苗箱の下方位置において回転自在に設置された偏心軸ローラと、該偏心軸ローラと育苗箱の間に設置され該偏心軸ローラの回転に伴って上下振動する振動板を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載された育苗箱用播種機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の苗室が配列した育苗箱の各苗室に対し土入れ、播種及び覆土を連続して行う育苗箱用播種機の土入れ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の育苗箱用播種機では、搬送方向に沿って土入れ装置、播種装置、覆土装置が各1台ずつ順に設置され、後方の育苗箱供給装置から次々繰り出され搬送される育苗箱(例えば特公昭57−22288号公報に記載されたポット苗箱)に対し、土入れ、播種及び覆土が連続的に行われる。
【0003】この育苗箱で育成された苗は、例えば実公平1−42977号公報に記載された公知のポット苗移植機で圃場に移植される。この移植機において、各苗室の苗は、各苗室の底面側の押出穴から差し込まれた押出杆により根鉢ごと苗受けアームに向けて押し出され、該苗受けアームにより反転されて搬送ベルト上に落下し、横送りされた後、さらに送り爪で下降ベルトに送られ、下降ベルトで挟まれて下降する間に植付装置に受け渡され、該植付装置により圃場に移植される。このあいだ根鉢が適度な強度をもっていないと、根鉢が崩れ機械移植ができなくなる。従って、定植適期において発根量が少なく土の抱き込みが不十分なたまねぎ等の野菜の場合、育苗箱の培土に例えば特公平3−49525号公報に記載されたような固化剤を混入し、根鉢を固化する必要が出てくる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の播種機において、山土を主体とする培土を用いた場合、培土の比重が比較的大きく流動性もよいため、土入れの際に各苗室の奥まで十分に入り、各苗室間の培土の量のばらつきも少ない。一方、より強度の高い根鉢を確実に形成する目的で、ピートモスを主体とする培土(例えば容量でピートモス50%以上)を使用することがある。ピートモスを主体とする培土は、苗室に詰め込むことでそれ自体が固化する作用をもち、根鉢が強化されるため、場合によっては前記の固化剤が不要となるという利点がある。
【0005】ところが、ピートモスを主体とする培土は比重が小さく、従来の播種機により土入れを行うと、特に開口面積の小さい育苗箱を用いたとき苗室の入口でブリッジを起こしやすいという問題があった。そのため、各苗室間の培土の量に差ができたり、各苗室の培土の絶対量が少ない等により、苗の生育差がでたり、機械移植の際に根鉢が崩れて植付不良が発生するという問題があった。本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、比重の小さい培土を用いた場合でも、各苗室に必要量の培土を確保でき、かつ各苗室間の量差を少なくできる育苗箱用播種機の土入れ装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の苗室が配列した育苗箱を一方向に搬送しながら、該育苗箱に対し土入れ、播種及び覆土を連続して行う育苗箱用播種機において、複数の土入れ装置を搬送方向に沿って配列し、各土入れ装置の前方に鎮圧ローラを配置したことを特徴とする。この育苗箱用播種機において、土入れ時(特に最初の土入れ時)に搬送中の育苗箱に振動を加える育苗箱加振装置を設置することが望ましい。育苗箱加振装置としては、例えば、搬送される育苗箱の下方位置において回転自在に設置された偏心軸ローラと、該偏心軸ローラと育苗箱の間に設置され該偏心軸ローラの回転に伴って上下振動する振動板を備え、この振動板により土入れ時の育苗箱を振動させるものが挙げられる。また、上記育苗箱加振装置は、土入れ装置が1つだけの育苗箱用播種機にも適用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を参照して、本発明に係る育苗箱用播種機についてより具体的に説明する。図1に示す育苗箱用播種機は、架台1上に育苗箱送り出し装置2、第1土入れ装置3、第2土入れ装置4、播種装置5、覆土装置6が育苗箱Aの搬送方向(矢印a)に沿って順に設置されている。また、第1土入れ装置3の下方にスクレーパ7、その前方に鎮圧ローラ8、第2土入れ装置4の下方にスクレーパ9、その前方に鎮圧ローラ11、播種装置5の前方に種子押えローラ12、覆土装置6の下方にスクレーパ13が設置され、さらにレール16、17上を案内される育苗箱Aの両縁に形成された送り穴18(図3参照)に係合する爪14aを有する送りギヤ14が適宜間隔ごとに設置される。19は育苗箱Aの送りローラ、20は送りコンベアである。上記装置のうち播種装置5、鎮圧ローラ8、11及び種子押えローラ12は育苗箱Aの搬送に伴い従動回転し、他の装置(可動部分)はモータ駆動される。なお、以上述べた各装置自体、公知(土入れ装置を2台設置した点を除いて)のものである。
【0008】また、この育苗箱用播種機には、第1土入れ装置3の下方位置に、土入れ時に育苗箱Aに振動を加える育苗箱加振装置15が設置されている。図2及び図3に示すように、この育苗箱加振装置15は、軸心を育苗箱Aの搬送方向aに対し垂直に向け回転自在に設置された偏心軸ローラ15aと、該偏心軸ローラ15aと搬送される育苗箱Aの間に設置された振動板15bを備える。振動板15bは支持部15c、15dにより搬送される育苗箱Aの底面に摺接する位置に支持され、偏心軸ローラ15aの回転に伴って上下振動(最大振幅Sは偏心軸の偏心の大きさで調整できる)を繰り返し、その振動が育苗箱Aに伝達される。
【0009】上記育苗箱播種機において、育苗箱送り出し装置2はケース2a内に積載された育苗箱のうち最下段に位置する育苗箱から1枚ずつ次々に送り出し、送りギヤ14はその育苗箱Aを第1土入れ装置3に向け連続的に搬送する。第1土入れ装置3では、連続搬送中の育苗箱Aに対しベルトコンベア3aから培土が供給されて土入れが行われ、そのとき育苗箱Aは育苗箱加振装置15により上下振動を加えられる。このため、比重の小さい培土(例えばピートモスを主体とする培土)であっても、苗室の入口でブリッジを起こさず奥まで入り、各苗室の培土の量が増え、かつ各苗室間の培土の量に差ができなくなる。育苗箱Aに対する加振は主として培土の供給位置乃至供給直後位置において行われることが望ましく、また、スクレーパ7の升切り作業など、次工程に影響を及ぼさないように、それらの装置の手前で行われることが望ましい。
【0010】育苗箱Aは土入れ後スクレーパ7による升切りを受け、さらに各苗室の培土が鎮圧ローラ8の各突起8aにより鎮圧され詰め込まれる。続いて搬送される育苗箱Aに対し第2土入れ装置4による土入れが行われる。このように2回の土入れを行うことにより、各苗室内に必要量の培土が確保され、各苗室間の培土の量もほぼ均一とされる。なお、第2土入れ装置と第1土入れ装置の培土の成分を変える(例えば第1培土は根鉢が崩れにくい成分とし、種子近傍の第2培土には発芽に適した成分とするなど)こともできる。
【0011】第2土入れ装置4による土入れ後は、スクレーパ9による升切り、鎮圧ローラ11による鎮圧が行われ、続いて播種装置5による播種が行われる。播種装置5の播種輪5aの左右には育苗箱Aの両側に形成された送り穴17に係合する爪5bを有する位置決めギヤが取り付けられ、連続的に搬送される育苗箱Aの送り穴17に係合して回転し、同時に播種輪5aを回転させるようになっている。播種装置5から出た育苗箱Aは種子押えローラ12による鎮圧を受け、最後に覆土装置6により培土の供給を受け、各苗室は覆土される。
【0012】なお、上記の例では2回目の土入れ時には振動を加えなかったが、これは1回目の土入れ及び鎮圧で各苗室には培土が詰め込まれ浅くなっているので、2回目の土入れではブリッジが起きにくいことによる。しかし、苗室の入口の開口面積が小さく底が深い場合、あるいは特にブリッジを起こしやすい培土を使用する場合などは、2回目以降の土入れ時にも適宜振動を加えてもよい。その場合、それまでに詰め込まれた培土が跳ね出さないように、振幅を小さくするなどの調整を行うことが望ましい。また、上記の例では1回目の土入れ時に振動を加えたが、振動を加えず、複数回の土入れとそれに続く鎮圧を行うだけでも大きい効果がある。すなわち、1回目の土入れを行い、鎮圧して苗室に培土を詰め込んだ後、さらに2回目の土入れを行った場合、仮に1回目の土入れでブリッジが形成されていても2回目の土入れまでに解消され、そこに2回目の土入れが行われ、このとき、先に述べた通り、2回目の土入れではブリッジは起きにくい。従って、従来の育苗箱用播種機に比べると、各苗室に確実に多くの培土を確保し、かつ苗室間の培土の量差を少なくすることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明の育苗箱播種機によれば、各苗室に必要量の培土を確保でき、かつ苗室間の培土の量差を少なくすることができる。従って、苗の生育差がなくなり、機械移植の際の根鉢の崩れもなくすことができる。
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【出願日】 平成11年1月8日(1999.1.8)
【代理人】 【識別番号】100100974
【弁理士】
【氏名又は名称】香本 薫
【公開番号】 特開2000−201543(P2000−201543A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−3311