| 【発明の名称】 |
農業用資材 |
| 【発明者】 |
【氏名】友田 修治
【氏名】伊藤 紳二
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| 【要約】 |
【課題】肥効調節型合成肥料を用い、施肥作業や植物生育管理等が軽減できる、不織布場の農業用資材を提供する。更には強度があり、しかも引き裂きが容易で、土へのなじみの優れた不織布状の肥料を提供する。
【解決手段】少なくとも2枚の短繊維不織布に肥効調節型肥料を担持した農業資材であつて、該短繊維不織布は、セルロ−ス系繊維と熱融着性繊維が混合し、且つ該熱融着性繊維で融着した第一の短繊維不織布と、セルロ−ス系繊維もしくは該セルロ−ス繊維と熱融着性繊維が混合し、且つ比容積が前記第一の短繊維不織布より大である第二の短繊維不織布からなる事を特徴とする農業用資材。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも2枚の短繊維不織布の間に肥効調節型肥料を担持した農業用資材であつて、該短繊維不織布の1枚は、セルロ−ス系繊維と熱融着性繊維とからなり、且つ該熱融着性繊維で融着された第一の短繊維不織布であり、他の1枚は、セルロ−ス系繊維もしくは該セルロ−ス繊維と熱融着性繊維とからなり、且つ該熱融着繊維で融着されているか、もしくは融着されていず、且つ比容積が前記第一の短繊維不織布より大である第二の短繊維不織布である事を特徴とする農業用資材。 【請求項2】少なくとも2枚の短繊維不織布の間に肥効調節型肥料を担持した農業用資材であつて、該短繊維不織布の1枚は、セルロ−ス系繊維60〜90重量%、熱融着性繊維40〜10重量%が混合され、且つ該熱融着性繊維で融着された第一の短繊維不織布であり、他の1枚は、セルロ−ス系繊維60〜100重量%、熱融着性繊維40〜0重量%が混合され、且つ該熱融着性繊維で融着されているかもしくは融着されていず、且つ比容積が前記第一の短繊維不織布より大である第二の短繊維不織布である事を特徴とする農業用資材。 【請求項3】肥効調節型肥料が時限溶出型被覆肥料である請求項1もしくは請求項2のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項4】第一の短繊維不織布および/もしくは第二の短繊維不織布に用いられる繊維が、繊維長2〜25mmのものである請求項1もしくは請求項2のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項5】第二の短繊維不織布はセルロ−ス系繊維の含有量が第一の短繊維不織布より15重量%以上多く、且つ比容積が該第一の短繊維不織布よりも5cm3/g以上大である、請求項1〜4のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項6】熱融着性繊維が、低融点樹脂と高融点樹脂からなり且つ該低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成する複合繊維である請求項1〜5のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項7】第一の短繊維不織布が湿式抄紙法不織布で、目付け30〜60g/m2、比容積が4〜30cm3/gである請求項1〜6のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項8】第二の短繊維不織布がエアレイ法不織布で、目付け30〜60g/m2、比容積が9〜160cm3/gである請求項1〜7のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項9】引き裂き強度が50〜300gである請求項1〜8のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項10】伸度が25%以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の農業用資材。 【請求項11】肥効調節型肥料が、第一の短繊維不織布と第二の短繊維不織布に挟み込まれ、且つ接合され一体化されている請求項1〜10のいずれか1項記載の農業用資材。 【請求項12】第一の短繊維不織布および第二の短繊維不織布の少なくとも1方が着色された短繊維不織布である請求項1〜11のいずれか1項記載の農業用資材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は農業用資材に関する。更に詳しくは密度勾配型の短繊維不織布に肥効調節型肥料を挟みこんで担持一体化したシ−ト状の農業用資材に関する。この農業用資材は、植物育成用の圃場に防草、防虫、保温、施肥省力化等を兼ね備えた肥料として用いられる。 【0002】 【従来の技術】近年、農作業の合理化や作業者の高齢化等に伴い、様々なタイプの肥効調節型肥料が用いられている。例えば肥効調節型肥料の一種である、時限溶出型被覆肥料は、通常数回行う施肥を一度で済ます事が出来るので、施肥作業の省力化が可能である。しかしながら、施肥のみでは防草効果や防虫効果が無いので、ポリエチレンシ−トや塩化ビニルシ−ト等の、いわゆるマルチシ−トを併用する必要があった。しかしながら、かかるマルチシ−トは、生育すべき植物の場所に適合するように、人間が簡単に手で引き裂いて開口、切断、寸法合わせ等をすることが出来ず、また、本質的に非透水性であるので給水作業時に、該マルチシ−トの上から直接給水する事が出来ず、 マルチシ−トをめくり、給水する必要があつた。また同じ理由でマルチシ−トをめくり施肥する必要があつた。さらに、作物収穫後、該マルチシ−トを手で細片状に引き裂いて、圃場にばらまいたり土中に埋設処理等をし、土に還元しようとしても生物分解性を有していないため土に還元する事が出来ないといった課題があり、省力化栽培の障害になつていた。 【0003】かかる課題を解決するものとして、特開平8−331983号公報には、天然繊維と化学繊維を混合したシ−ト状保水材に、尿素を主成分とする時限溶出型肥料を担持した高目付け育苗マツトが提案されている。この育苗マツトはパルプ等の天然繊維をフエノ−ル樹脂溶液等のバインダ−を用い、単繊維を接合して一体化したものであり、マツトの破断強度が大で、且つ稲籾等の生育が良い事が開示されている。 【0004】また、特開平10−117514号公報には、肥効調節型肥料を水溶性もしくは生分解生高分子不織布等で挟み込んだ紐状の農業用資材や、肥料と作物の種子とを交互に並べて配置し、不織布等で挟みこんだ紐状の農業用資材が提案されている。具体的には、スパンボンド法レ−ヨン長繊維不織布をスリツト状に裁断し、不織布に肥料等を挟み込み、その両端をポリビニルアルコ−ル繊維で縫いつけた農業用資材である。この農業用資材を畦に埋設して用い、ホウレン草等の栽培に効果があるとしている。 【0005】前記二件の公開公報に開示された農業用資材は、不織布の接合手段としてバインダ−が用いられていたり、不織布自体が長繊維不織布であるので、機械的強度が大であるが、引き裂き強度も大きくなる。従って、施工時に作物の植え付け場所に当たるところを手で引き裂いて開口したり、余分な不織布を手で引き裂いて圃場に適合させる作業が困難である。また、作物収穫後、使用済みの農業用資材を除去し、手で細かく引き裂いて、土に埋設し、土に還元する事も困難である。 【0006】該農業用資材は第一の不織布と第二の不織布に比容積の差を設け、その高比容積側を土に接触して施工するという配慮がないので、傾斜地に施工したり、畝等に施工した場合、該資材がずれ落ちたり、めくれるという問題点がある。即ち、施工後、雨等で空隙の大きい、第二の短繊維不織布に、土の微粒子が入り込んだり、土とのなじみを良くするという配慮がない。又不織布に比容積差を付けるという配慮がないので第二の不織布側に保水性を付与し、土壌側の水分保持をするという機能が劣る。 【0007】特開平8−277190号公報には、緩効性肥料粒子の隣合う間隙に保水材を配置し、一体化されたマツト状肥料が開示されている。このマツトは二層構造であるが、用いる不織布に比容積差を付けるという技術的思想はなんら開示されていない。また、このマツトは水溶性ポリビニルアルコ−ルを接着剤として接着されているので、給水等により、該接着剤が流出し、その結果、マツトの強度低下が大きくなるという問題点がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述のような課題を解決するものであり、引き裂き強度で表わされるいわゆる易割裂性に優れ、土へのなじみが良く、且つ施肥作業が容易な肥料担持不織布状の農業用資材を提供する事にある。更には防草性、防虫性、保温性、保水性等も兼ね備えた上記肥料担持不織布状の農業用資材を提供する事にある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は下記から構成される。 (1)少なくとも2枚の短繊維不織布の間に肥効調節型肥料を担持した農業用資材であつて、該短繊維不織布の1枚は、セルロ−ス系繊維と熱融着性繊維とからなり、且つ該熱融着性繊維で融着された第一の短繊維不織布であり、他の1枚は、セルロ−ス系繊維もしくは該セルロ−ス繊維と熱融着性繊維とからなり、且つ該熱融着性繊維で融着されているか、もしくは融着されていず、且つ、比容積が前記第一の短繊維不織布より大である第二の短繊維不織布である事を特徴とする農業用資材。 【0010】(2)少なくとも2枚の短繊維不織布の間に肥効調節型肥料を担持した農業用資材であつて、該短繊維不織布の1枚は、セルロ−ス系繊維60〜90重量%、熱融着性繊維40〜10重量%が混合され、且つ該熱融着性繊維で融着された第一の短繊維不織布であり、他の1枚は、セルロ−ス系繊維60〜100重量%、熱融着性繊維40〜0重量%が混合され、且つ該熱融着性繊維で融着されているかもしくは融着されていず、且つ比容積が前記第一の短繊維不織布より大である第二の短繊維不織布である事を特徴とする農業用資材。 【0011】(3)肥効調節型肥料が時限溶出型被覆肥料である前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の農業用資材。 (4)第一の短繊維不織布および/もしくは第二の短繊維不織布に用いられる繊維が、繊維長2〜25mmのものである前記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の農業用資材。 【0012】(5)第二の短繊維不織布はセルロ−ス系繊維の含有量が第一の短繊維不織布より15重量%以上多く、且つ比容積が該第一の短繊維不織布よりも5cm3/g以上大である前記第1項〜第4項のいずれか1項記載の農業用資材。 【0013】(6)熱融着性繊維が、低融点樹脂と高融点樹脂とからなり、且つ該低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成する複合繊維である前記第1項〜第5項のいずれか1項記載の農業用資材。 【0014】(7)第一の短繊維不織布が湿式抄紙法による不織布で、目付け30〜60g/m2、比容積が4〜30cm3/gである前記第1項〜第6項のいずれか1項記載の農業用資材。 (8)第二の短繊維不織布がエアレイ法による不織布で、目付け30〜60g/m2、比容積が9〜160cm3/gである前記第1項〜第7項のいずれか1項記載の農業用資材。 【0015】(9)引き裂き強度が50〜300gである前記第1項〜第8項のいずれか1項記載の農業用資材。 (10)伸度が25%以下である前記第1項〜第9項のいずれか1項記載の農業用資材。 【0016】(11)肥効調節型肥料が、第一の短繊維不織布と第二の短繊維不織布に挟み込まれ、且つ接合され一体化されている前記第1項〜第10項のいずれか1項記載の農業用資材。 (12)第一の短繊維不織布および第二の短繊維不織布の少なくとも1方が着色された短繊維不織布である前記第1項〜第11項のいずれか1項記載の農業用資材。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明の農業用資材は、セルロ−ス系短繊維を主とする密度勾配型不織布中に、肥効調節型肥料が担持され一体化されたものである。この農業用資材は密度勾配を形成している。即ち、第一の短繊維不織布とこの第一の不織布より比容積が大である第二の短繊維不織布を使用して両短繊維不織布を1体化することにより、密度勾配が形成される。第一の短繊維不織布は、セルロ−ス系繊維を好ましくは60〜90重量%と熱融着性繊維を好ましくは40〜10重量%とが混合され、且つ、該熱融着性繊維で融着された不織布である。それぞれの短繊維は、繊維長が約1.5〜25mmのものが好ましく、より好ましくは約1.6〜23mmである。その理由は後記、農業用資材の引き裂強度を適度にコントロ−ルし、易割裂性にする事と湿式抄紙法、エアレイ法等で不織布を製造する場合に均一な不織布を得るためである。 【0018】セルロ−ス系繊維としては、パルプ、綿、麻、レ−ヨン、椰子繊維、木屑等が例示できる。該セルロ−ス系繊維は親水性があり、自然環境で分解されるので好ましい。また、熱融着性繊維としては、熱可塑性樹脂を紡糸して得られる単一繊維や低融点熱可塑性樹脂と高融点熱可塑性樹脂とからなる複合繊維であって、該低融点熱可塑性樹脂が繊維表面の少なくとも一部を形成する熱融着性複合繊維も使用出来る。このような複合繊維として、鞘芯型、並列型、海島型、多分割型等の複合繊維を例示することが出来る。 【0019】該低融点熱可塑性樹脂と該高融点熱可塑性樹脂との融点格差は特に限定されないが通常5℃以上、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは10℃〜180℃の融点格差のある熱可塑性樹脂同士を選択して用いることが好ましい。 【0020】熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、繊状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと他のα−オレフイン との共重合体、プロピレンと他のα−オレフイン との共重合体、ポリスチレン、ポリビニルアセテ−ト、ポリブテン−1、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン11、ナイロン−12、ナイロン−610、ポリメタキシリデンアジパミド、ポリパラキシリデンデカンアミド、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリテトラメチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンオキシベンゾエ−ト、ポリ1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレ−と他のイソフタル酸等が共重合された低融点ポリエステル、ポリフエニレンサルハイド、ポリメツルメタクリレ−ト、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、等の樹脂が例示できる。 【0021】熱可塑性樹脂を紡糸して得られる単一繊維の場合、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレ−ト繊維等が好ましく使用出来る。また、熱融着性複合繊維として、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体/ポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレ−ト、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレ−ト、等の熱可塑性樹脂の組み合わせからなる複合繊維を例示することが出来る。 【0022】前記セルロ−ス系繊維や、熱融着性繊維の繊度は特に限定されないが、不織布製造時の加工性等の点で単糸繊度が約0.2〜1000d/f、好ましくは約0.5〜500d/fである。 【0023】それぞれの短繊維不織布は、前記セルロ−ス系繊維と熱融着性繊維を混合し、その後湿式抄紙法、エアレイ法等でウエブを作成し、熱融着性繊維が融着する温度に加熱等をし、繊維の交点を熱融着して不織布とする。熱融着の方法としては、スル−エア法、カレンダ−ロ−ル法、エンボスロ−ル法、超音波法、等いずれであつてもよい。また、第二の短繊維不織布は熱融着されていないものであってもよい。それぞれの短繊維不織布は目付けが約20〜500g/m2であればよい。易割裂性、施工性等の点で、好ましくは約30〜60g/m2である。 【0024】引き裂き強度は第一、第二の短繊維不織布が積層され且つ肥効調節型肥料が担持された状態で、縦方向の引き裂き強度、または横方向の引き裂き強度のうち、最大値を示した方向の引き裂き強度が約50〜300gであればよい。即ち、第一の短繊維不織布と第二の短繊維不織布の目付けがほぼ同じである場合、単品の不織布の引き裂き強度が約150g以下であればよい。また、不織布の伸度は積層された農業資材の状態で縦方向の伸度もしくは横方向の伸度のうち、最大値を示した方向の伸度が約25%以下が好ましい。伸度が25%を超えると易割裂性に劣る。 【0025】第一の短繊維不織布は、セルロ−ス系繊維が60〜90重量、熱融着性繊維が40〜10重量%であることが好ましく、より好ましくはセルロ−ス系繊維が70〜90重量%、熱融着性繊維が30〜10重量%である。セルロ−ス系繊維が40重量%を大幅に下回ると、また、熱融着性繊維が40重量%を大幅に上回ると易割裂性が悪化し、また、土への還元性が劣る。第一の短繊維不織布の比容積は約4〜40cm3/gが好ましく、より好ましくは約4〜30cm3/gである。比容積を前記範囲にする理由は、防草性、土へ適度の通気性を付与する事、給水時の水透過性を付与する事等の理由にある。該第一の短繊維不織布は前記不織布製造法のいずれの製造法で製造された物であつてもよいが、得られる不織布の均一性、加工性等の点で、とりわけ湿式抄紙法で抄紙し、熱融着等の熱処理をしたものが、好ましい。 【0026】第二の短繊維不織布は、セルロ−ス系繊維が好ましくは100重量%もしくは、セルロ−ス系繊維60〜100重量%と熱融着性繊維40〜0重量%であることが好ましく、より好ましくはセルロ−ス系繊維が75〜100重量%、熱融着性繊維が25〜0重量%である。該第二の短繊維不織布は前述のように熱融着されていないものであってもよい。該セルロ−ス系繊維が60重量%を大幅に下回り、熱融着性繊維が40重量%を大幅に上回ると得られる不織布の易割裂性が悪化し、また、土への還元性が悪化する。該第二の短繊維不織布は比容積が第一の短繊維不織布より大きくする必要があり、この比容積は約9〜180cm3/gが好ましく、より好ましくは約9〜160cm3/gである。さらに該比容積の差は約5cm3/g以上あればよい。比容積を前記範囲にする理由は、土へのなじみを良くする事、傾斜地でのずれの阻止、保水性、土へ適度の通気性を付与、給水時の水透過性を付与すること等の理由にある。 【0027】該第二の短繊維不織布は前記不織布製造法のいずれの製造法で製造されたものであつてもよいが、得られる不織布の均一性、嵩高性、加工性等の点で、とりわけ、エアレイ法で短繊維を降り積もらせてウエブとし、熱融着等の熱処理した不織布が好ましい。 【0028】該第一および第二の短繊維不織布の比容積の調節は、前記の各種の製造法で不織布を製造し、得られた不織布の比容積を測定し、その知見に基づいて調節する。例えば、該比容積は、エアレイ法不織布>湿式抄紙法不織布の傾向にあるので、第一の短繊維不織布と第二の短繊維不織布で、製法の異なる不織布同士を組み合わせることにより可能である。また、比容積は熱処理条件により変化し、例えばスル−エア−熱処理>熱エンボス処理>熱カレンダ−処理の傾向にあるので、熱処理条件の異なる不織布を組み合わせることによっても可能である。また、同じ熱処理法であっても加工温度や加工時の圧力等の条件のことなる方法で製造した不織布を組み合わせることによっても可能である。 【0029】本発明の農業用資材は、短繊維不織布に少なくとも一種の肥効調節型肥料が担持されている。即ち、短繊維不織布に一種以上の肥効調節型肥料もしくは一種以上の肥効調節型肥料と他の少なくとも一種の公知の化学肥料等のような非肥効調節型肥料等が混合された肥料が担持されたものである。肥効調節型肥料とは植物の生育に必要な、窒素、カリウム、燐等の肥効成分の溶出性が調節された肥料のことであり、例えば緩効性合成有機肥料や時限溶出型被覆肥料等を例示することができる。該肥料は粉状、粒状いずれの形状のものでも使用可能である。 緩効性合成有機肥料として、アセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、ホルムアルデヒド加工尿素、オキサミド、グアニジル尿素等が例示出来る。 【0030】また、時限溶出型被覆肥料は公知の化学肥料が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、糖重合体もしくはその誘導体と樹脂の混合物、熱可塑性樹脂と無機質充填材の混合物、硫黄等の被覆材で被覆されたものである。該公知の化学肥料としては、硫安、塩安、尿素、塩化カリ、硝酸カリ、硝酸ソ−ダ、燐酸アンモニア、燐酸カリ、燐酸石灰等の単独肥料や、これらの二種以上を複合化した化成肥料等が用いられる。 【0031】前記時限溶出型被覆肥料等の初期溶出制御期間の長さは、特に限定されるものではなく、作物の種類や栽培条件に合わせ適宜選択すればよい。例えば窒素等の肥効成分の30日間溶出量が約10重量%以下に制御された時限溶出型被覆肥料等を例示することが出来る。 【0032】肥効調節型肥料は、単一肥料成分、単一溶出機能若しくは単一溶出期間の肥効調節型肥料であつてもよい。また、成分の異なる肥効調節型肥料、溶出機能及び溶出期間の異なる肥効調節型肥料等を混合した肥料であつても構わない。さらに該時限溶出型被覆肥料等は、殺虫剤、殺鼠剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、植物成長調節剤、忌避剤、誘引剤、Mg、Ca、Fe、B、Mn、Mo、等の農薬活性成分や肥効活性成分等を含む薬剤を該肥料中に混合したものや該肥料と前記の各種薬剤とを混合等をしたものであつても構わない。 【0033】肥効調節型肥料の担持量や不織布中への担持形態等は特に限定されない。該肥料の担持量は通常約10〜1500g/m2である。担持形態として、例えば第二の短繊維不織布に肥料を配置し、更に接着剤やホットメルト系接着剤等を用いて第一の不織布を接合一体化したものを例示することが出来る。上記接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコ−ル、カルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシエチルセルロ−ス、ポリ酢酸ビニル等の接着剤や尿素樹脂、フエノ−ル樹脂、アルキツド樹脂等の樹脂接着剤を例示することが出来る。 【0034】また、ホットメルト系の接着剤として、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、低融点ポリオレフイン、ロジン及びその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂等を例示することができる。 【0035】さらに、第二の短繊維不織布に肥料等を配置し、第一の不織布を積層後、熱処理により不織布に含有されている熱融着性繊維の熱融着により一体化されたもの等であっても構わない。また、ニ−ドルパンチ法、糸による縫製等で一体化されたものであつてもよい。さらに、不織布の周囲のみが接着されていてもよいし、点状に接着されていてもよい。 【0036】下から順に、第二の不織布/短繊維と該肥料が混合された肥料混合不織布/第一の不織布の順に積層され、接着や熱融着等で一体化されたものであつてもよい。例えば、ロ−ル巻されたもの、所望の寸法に裁断されたもの等いずれであってもよい。また、本発明の農業用資材の大きさは特に限定されないが、作業性の点等から幅0.1〜5m程度で、ロ−ル巻されたものが好ましい。 【0037】本発明の農業用資材は、上述のように肥料等が担持された状態で、不織布間に比容積差があればよいが、これ以外に引き裂き強度等の物性を満たすものであればさらに好ましい。該比容積の差は5cm3/g以上であればよく、また、縦方向もしくは横方向の最大の引き裂き強度が約300g以下が好ましく、より好ましくは約50〜300gである。引き裂き強度が300gを大きく超えると施工時、人間が手で引き裂くことが困難となり、鋏やナイフ等を使用し、サイズ合わせ等をする必要がある。 【0038】本発明の農業用資材は、上述のように肥料等が担持された状態で比容積差があり、且つ縦方向もしくは横方向の最大の伸度が25%以下、好ましくは約15%以下のものが好ましい。この伸度が25%を大きく超えると引き裂き時に、単繊維が破断されずに延びた状態の毛羽状の単繊維が残留し、しかも引き裂き性が劣る。 【0039】本発明の農業用資材は、破断強度は特に限定されないが、上述のように該肥料が担持された状態で、比容積差があり、縦方向もしくは横方向の最小の強度が約1.5kgf/5cm程度であればよい。 【0040】本発明の農業用資材は、短繊維不織布が着色されていてもよく、例えば第一の短繊維不織布が黒色に着色されたものである場合、保温性がよくなるので好ましい。 【0041】本発明の農業用資材を用い、生育される作物等は特に限定されず、例えば、柑橘類等の果樹類、ほうれん草等の播種を行う作物、苗を移植する作物等、各種の作物に摘要できる。勿論、その他、花、観葉植物、樹木等にも摘要できる。 【0042】 【実施例】以下実施例で本発明を説明する。なお以下の例において、各評価等は下記の通りとした。 【0043】(1)引き裂き強度:長さ10cm、幅5cmの試料の短片部中央部にハサミで5cmの切り込みを入れる。引張強度試験機を用い、切り込みを入れた両端部を試験機のつかみに固着し、引張速度10cm/分の条件で引き裂き強度の最大強度を測定する。縦方向及び横方向それぞれ5個の平均値を求めた。単位g。 【0044】(2)強伸度:長さ15cm、幅5cmの試料を、引張強度試験機を用い、試験長10cm、引張速度10cmの条件で、破断強度(kgf/5cm)、破断伸度(%)を測定する。縦方向及び横方向にそれぞれ5個の平均値を求めた。 【0045】(3)比容積:不織布に2.0g/cm2の荷重を加えた時の厚みをh(mm)とし、不織布の目付けをM(g/m2)としたとき、比容積(V)=(h×1000)/Mで算出された値である。比容積(V)の単位、cm3/g。 【0046】実施例1第一の短繊維不織布が湿式法で製造した不織布で、第二の短繊維不織布がエアレイ法で製造した不織布からなる、二枚の不織布の間に、肥効調節型肥料の一種である時限溶出型被覆肥料を担持した農業用資材を作成した。第一の短繊維不織布は、繊維長約1〜12mmのパルプ50重量%と、単糸繊度2dtex/f、繊維長5mmの鞘成分が融点132℃の高密度ポリエチレンで芯成分が融点165℃のポリプロピレンからなるポリオレフイン系熱融着性複合繊維50重量%とを混合し、湿式法で抄紙後、カレンダ−ロ−ルを用い温度125℃で熱処理し、該ポリオレフイン系熱融着性複合繊維で短繊維が熱融着された、幅90cmの不織布であった。この不織布は目付け48g/m2、比容積5.33cm3/gであつた。 【0047】第二の短繊維不織布は、パルプ100重量%の不織布であつた。 上記第一の短繊維不織布に用いたと同じパルプを用い、エアレイ法でウエブを製造し、カレンダ−ロ−ルを用い温度143℃で圧密処理した。この熱処理で厚密化し、不織布化した。得られた不織布は幅90cmで、目付け53g/m2、比容積20.38cm3/gであつた。 【0048】前記第二の短繊維不織布の上に、窒素を肥効成分とする肥効調節型肥料と、他の非肥効調節型肥料と共に混合された複合肥料を散布した。この肥効調節型肥料は尿素がポリオレフイン樹脂で被覆された時限溶出型被覆肥料(チツソ(株))の製品、LPコ−ト、粒径約3〜5mm))であつた。この時限溶出型被覆肥料と他の非肥効調節型肥料が混合された、有機・LP複合600・BD85号(16−10−10)(窒素、燐酸、カリの複合肥料、粒状、チツソ(株)の製品)を0.16kg/m2均一に散布し、更にポリ酢酸ビニル系接着剤を少量散布し、直ちに前記第一の短繊維不織布を該接着剤の散布された面に積層し、温度95℃のカレンダ−ロ−ルで熱処理し、幅90cmの本発明の農業用資材をロ−ル巻状で得た。 【0049】この農業用資材は、第一の短繊維不織布の比容積が4.27cm3/g、第二の短繊維不織布の比容積が12.19cm3/gであつた。また、引き裂き強度は縦方向226g、横方向298gであり、縦方向の破断強度、伸度がそれぞれ13.35kgf/5cm、5.47%で、横方向の破断強度、伸度がそれぞれ4.70kgf/5cm、10.26%であつた。 【0050】実施例2第一の短繊維不織布として、パルプ85重量%と、単糸繊度2.8dtex/f、繊維長8mmの鞘成分が融点120℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体で芯成分が融点165℃のポリプロピレンからなる、ポリオレフイン系熱融着性複合繊維15重量%混合し、前記実施例1同様、湿式法で抄紙後、カレンダ−ロ−ルを用い温度108℃で熱処理し、該ポリオレフイン系熱融着性複合繊維で短繊維が融着された不織布を用いた。この不織布は幅90cm、目付け45g/m2、比容積5.87cm3/gであつた。 【0051】第二の短繊維不織布として、前記第一の短繊維不織布に用いたと同じパルプ95重量%と、前記単糸繊度2.8d/fのポリオレフイン系熱融着性複合繊維5重量を混合し、前記実施例1同様エアレイ法でウエブを製造し、エアスル−法で温度135℃熱処理し、熱融着性複合繊維で融着された不織布を用いた。この不織布は幅90cm、目付け51g/m2、比容積52.13cm3/gであつた。 【0052】前記第二の短繊維不織布の上に、実施例1に用いたのと同じ時限溶出型被覆肥料を0.08kg/m2均一に散布し、更に前記実施例1と同様の接着剤を少量スプレ−し、直ちに該接着剤を散布した面に第一の短繊維不織布を積層し、カレンダ−ロ−ルを用い温度100℃で処理し、更に第一の短繊維不織布の表面をロ−ルタツチ法で黒色に着色し、幅90cmの本発明の農業用資材をロ−ル巻状で得た。 【0053】この農業用資材は、第一の短繊維不織布の比容積は5.44cm3/g、第二の短繊維不織布の比容積は14.62cm3/gであつた。また、引き裂き強度は縦方向83g、横方向202gであり、縦方向の破断強度、伸度がそれぞれ8.12kgf/5cm、6.67%で、横方向の破断強度、伸度がそれぞれ3.82kgf/5cm、8.1%であつた。 【0054】実施例3第一の短繊維不織布として、前記実施例1と同じパルプ70重量%と、単糸繊度1.8dtex/f、繊維長5mmの鞘成分が融点125℃の線状低密度ポリエチレンで、芯成分が融点257℃のポリエチレンテレフタレ−トからなる、ポリオレフイン−ポリエチレンテレフタレ−ト系熱融着性複合繊維30重量%とを混合し、前記実施例1同様、湿式法で抄紙後、カレンダ−ロ−ルを用い、温度112℃で熱処理し、該ポリオレフイン−ポリエステル系熱融着性複合繊維で短繊維が融着された不織布を用いた。この不織布は幅90cm、目付け52g/m2、比容積8.26cm3/gであつた。 【0055】第二の短繊維不織布として、前記第一の短繊維不織布に用いたと同じパルプ90重量%と、前記単糸繊度1.8d/fのポリオレフイン−ポリエステル系熱融着性複合繊維10重量%とを混合し、前記実施例1と同様エアレイ法でウエブを製造し、エアスル−法で温度140℃で熱処理し、熱融着性複合繊維で熱融着された不織布を用いた。この不織布は幅90cm、目付け84.1g/m2、比容積48.10cm3/gであつた。 【0056】前記第二の短繊維不織布の上に、前記実施例1と同じ時限溶出型被覆肥料を1.0kg/m2均一に散布し、更に前記実施例1と同じ接着剤を少量スプレ−し、直ちに、該接着剤をスプレ−した面に第一の短繊維不織布を積層し、カレンダ−ロ−ルを用いて、温度105℃で熱処理し、幅90cmの本発明の農業用資材をロ−ル巻状で得た。 【0057】この農業用資材は、第一の短繊維不織布の比容積が7.71cm3/g、第二の短繊維不織布の比容積が30.26cm3/gであつた。また、引き裂き強度は縦方向172g、横方向222gであり、縦方向の破断強度、伸度がそれぞれ9.22kgf/5cm、5.23%で、横方向の破断強度、伸度がそれぞれ4.10kgf/5cm、5.52%であつた。 【0058】実施例4第一の短繊維不織布として、単糸繊度2.0dtex/f、繊維長5mmのレ−ヨン35重量%と、単糸繊度2.0dtex/f、繊維長10mmの、鞘成分が融点125℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体80重量%と低密度ポリエチレン20重量%との混合物で、芯成分が融点164℃のポリプロピレンからなる、ポリオレフイン系熱融着性複合繊維65重量%とを混合し、前記実施例1と同様、湿式法で抄紙後、カレンダ−ロ−ルを用い、温度118℃で熱処理し、該ポリオレフイン系熱融着性複合繊維で短繊維が熱融着された不織布を用いた。この不織布は幅90cm、目付け51g/m2、比容積5.01cm3/gであつた。 【0059】第二の短繊維不織布として、前記第一の短繊維不織布に用いたと同じパルプ92重量%と、前記単糸繊度2.0dtex/fのポリオレフイン系熱融着性複合繊維8重量%とを混合し、前記実施例1と同様、エアレイ法でウエブを製造し、エアスル−法で温度130℃で熱処理して、熱融着性複合繊維で融着された不織布を用いた。この不織布は幅90cm、目付け55g/m2、比容積88.2cm3/gであつた。 【0060】前記第二の短繊維不織布の上に、緩効性合成有機肥料であるチツソ(株)のCDU(窒素成分31重量%)と他の肥効成分を混合造粒した同社のCDU化成(平均粒径約3〜5mm、窒素、燐酸、カリを有効成分とする)を0.15kg/m2均一に散布し、更にロジン系ホツトメルトを少量散布し、該ホットメルトの散布側の面に第一の短繊維不織布を積層し、温度138℃のエアスル−熱処理機で熱処理し、幅90cmの本発明の農業用資材をロ−ル巻状で得た。 【0061】この農業用資材は、第一の短繊維不織布の比容積が4.99cm3/g、第二の短繊維不織布の比容積が70.1cm3/gのものであった。また、引き裂き強度は縦方向101g、横方向190gであり、縦方向の破断強度、伸度がそれぞれ9.55kgf/5cm、7.52%で、横方向の破断強度、伸度がそれぞれ6.38kgf/5cm、6.11%であつた。 【0062】比較例1不織布として、単糸繊度3.0dtex/fのポリプロピレンスパンボンド法で製造した長繊維不織布を用いた。この不織布は熱エンボス圧着された目付け48g/m2、比容積10.2cm3/gの不織布であつた。該長繊維不織布の上に粒状の複合肥料(硫安、硫酸カリ、燐酸カリをそれぞれ1/1/1に混合した肥料)を160g/m2均一に散布し、更にロジン系ホツトメルトを少量散布し、該ホットメルトの散布側の面に前記長繊維不織布を積層し、カレンダ−ロ−ルを用い温度95℃で熱処理し、肥料が担持された、長さ〇〇cm、幅90cmの農業用資材をロ−ル巻状で得た。 【0063】この農業用資材は、第一の長繊維不織布の比容積が9.6cm3/g、第二の長繊維不織布の比容積が9.7cm3/gであつた。また、引き裂き強度は縦方向1560g、横方向1620gであり、縦方向の破断強度、伸度がそれぞれ18.5kgf/5cm、46.5%で、横方向の破断強度、伸度がそれぞれ16.2kgf/5cm、48.8%であつた。 【0064】比較例2第一の短繊維不織布として、ポリオレフイン系熱融着性複合繊維100重量%を前記実施例1同様、湿式法で抄紙後、カレンダ−ロ−ルで温度122℃で熱処理した不織布を用いた。この不織布の製造に用いた短繊維は、単糸繊度3.0dtex/f、繊維長10mmで鞘成分が高密度ポリエチレンで、芯成分がポリプロピレンからなる鞘芯型複合繊維であつた。得られた不織布は熱圧着された目付け51g/m2、比容積5.53cm3/gの不織布であり、幅90cmのものであった。 【0065】第二の短繊維不織布として、前記ポリオレフイン系熱融着性複合繊維100重量%からなるエアレイ法不織布を用いた。この不織布はスル−エア法で温度140℃で熱処理し、繊維が融着した不織布で、幅90cm、目付け50g/m2、比容積72.1cm3/g の不織布であつた。 【0066】該第二の短繊維不織布の上に前記比較例1で用いたと同じ粒状の複合肥料を160g/m2均一に散布し、ポリ酢酸ビニル系バインダ−を少量スプレ−し、更に該バインダ−をスプレ−した側の面に前記第一の不織布を積層し、カレンダ−ロ−ルを用い温度105℃で熱処理し、肥料が担持された、幅90cmの農業用資材をロ−ル巻状で得た。 【0067】得られた農業用資材は、第一の不織布の比容積が4.98cm3/g、第二の不織布の比容積が24.33cm3/gであつた。また、引き裂き強度は縦方向502g、横方向821gであり、縦方向の破断強度、伸度がそれぞれ15.8kgf/5cm、33.2%で、横方向の破断強度、伸度がそれぞれ13.3kgf/5cm、38.5%であつた。 【0068】栽培試験1丘陵地帯の圃場に植栽された柑橘類三本について、本発明の農業用資材を用い、栽培試験をした。圃場は約20度の勾配をもつ傾斜地であつた。この圃場に約3mの間隔をもつて多数の柑橘類が植栽されていた。試験に用いた柑橘類は樹高が約3mであつた。 【0069】試験用柑橘類三本の周囲を除草し、前記実施例1で得た幅90cmの農業用資材を二枚用い、該樹を両側から挟み込むように圃場を覆つた。該資材は約5cm重ねて覆つた。この作業時、肥料が根近傍部に直接当たり肥料やけを阻止するため、該樹の根近傍部に相当する部位を手で引き裂き、直径約35cmの空間部を設けた。手による引き裂き性は容易であつた。この状態で5月間、果実や、葉等の生育状態を観察した。また、雑草等の繁茂状態等も観察した。 【0070】この期間、果実や葉の生育状態は良好であり、樹木の周囲に雑草が繁茂せず、除草作業は不要であつた。また、この期間、農業用資材の風雨等による、めくれ、ずれ等がなく、該農業用資材が土壌となじみの良いものであることが確認された。 【0071】上記5月経過後、この資材をはぎ取り、手で引き裂いて小片にし、圃場で自然分解処理した。このとき手による引き裂きが容易であつた。 【0072】前記圃場において、本発明の農業用資材を用いない従来法による柑橘類の栽培の場合、5箇月の期間内に施肥作業が3回必要であつた。また、この期間内に除草作業が5回必要であつた。 【0073】栽培試験2平坦な圃場に植栽された柑橘類五本について、本発明の農業用資材を用い、栽培試験をした。この圃場は約2.8mの間隔をもつて多数の柑橘類が植栽されていた。試験に用いた柑橘類は樹高が約2.4mであつた。 【0074】試験用柑橘類三本の周囲を除草し、前記実施例2で得た幅90cmの農業用資材を二枚用い、該樹を両側から挟み込むように圃場を覆つた。該資材は約5cm重ねて覆つた。この作業時、肥料が根近傍部に直接当たり肥料やけを阻止するため、該樹の根近傍部に相当する部位を手で引き裂き、直径約25cmの空間部を設けた。手による引き裂き性は容易であつた。この状態で5月間、果実や、葉等の生育状態を観察した。また、雑草等の繁茂状態等も観察した。 【0075】この期間、果実や葉の生育状態は良好であり、樹木の周囲に雑草が繁茂せず、除草作業が不要であつた。この期間、農業用資材の風雨等による、めくれ、ずれ等はなく、該農業用資材が土壌となじみのよいものであることが確認された。上記5月経過後、この資材をはぎ取り、手で引き裂いて小片にし、圃場で自然分解処理した。このとき手による引き裂きが容易であつた。 【0076】前記圃場において、本発明の農業用資材を用いない従来法による柑橘類の栽培の場合、5箇月の期間内に施肥作業が3回必要であつた。また、この期間内に除草作業が4回必要であつた。 【0077】栽培試験3前記栽培試験1と同じ圃場で、前記比較例1で得た幅90cmの農業用資材を用い、柑橘類2本について、前記栽培試験1同様の方法で栽培試験をした。二枚の該資材の重ね合わせ部も前記栽培試験1と同様、幅5cmとした。農業用資材を施工時、柑橘類の根部近傍該当部を手で引き裂いて、空間部を作る事が不可能であつた。やむを得ず、該資材をハサミで切りとり、根部近傍に直径35cmの空間部を設けた。 【0078】5月間の栽培試験を予定が、施工後、18日で該農業用資材が降雨及び風によりずれた。該資材を正しい位置に修復したのち、施工29日後、該資材が降雨に及び風により再び大幅にずれてていた。本試験の続行は不可能と判断し、該資材を取り除き、試験を中止した。この資材は手で小片に引き裂くことが不可能であり、しかもセルロ−ス系繊維を含有せず、土中で分解しないので圃場で自然分解することが不可能であつた。 【0079】 【発明の効果】本発明の農業用資材は、肥効調節型肥料が不織布に担持されているので、一回の施工のみで効果があり、多数の施肥作業を必要としない。また、セルロ−ス系短繊維及び熱融着性短繊維を使用し、密度勾配型の構造を形成しているので、比容積が大である不織布側を土壌面として施工した場合、土へのなじみが良く風雨等でめくれない。しかも保水性があるので給水作業を減らすことができる。また、破断強度が大であり、保形性や取扱い性等もよい。さらに、短繊維を使用して、引き裂き強度が特定の範囲に設定されたものは、人間が手で容易に引き裂くことが出来、作業性が良い。しかもセルロ−ス系短繊維を使用しているので土に還元することができる。また、本発明の農業用資材は防草性や保温性等があるので、作業の省力化、植物の生育等が良好である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002071 【氏名又は名称】チッソ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月11日(1999.1.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−201531(P2000−201531A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月25日(2000.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−3931 |
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