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【発明の名称】 保冷フラワ―ボトル
【発明者】 【氏名】山本 啓治

【要約】 【課題】切り花を長く持たせることができる小型、安価で実用的、経済的な保冷フラワーボトル。

【解決手段】切り花と水揚げの水が入れられるボトル部と、通電に応じて一面が冷却面、他面が放熱面となる熱電気素子部と、熱電気素子の冷却面の熱(冷気)をフラワーボトル部に伝達する熱伝達部があり、熱電気素子の放熱面の熱を外部に放熱させるヒートシンク、及びフアンモータを含む放熱部と、熱電気素子の両面間を断熱する断熱部とを具えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】切り花と水揚げの水が入れられるフラワーボトル部と、通電に応じて一面が冷却面、他面が放熱面となる熱電気素子部と、熱電気素子の冷却面の熱(冷気)をフラワーボトル部に伝達する熱伝達部があり、熱電気素子の放熱面の熱を外部に放熱させるヒートシンク、及びフアンモータを含む放熱部と、熱電気素子の両面間を断熱する断熱部とを具え、フラワーボトル部の水を冷却することができる保冷フラワーボトル。
【請求項2】フラワーボトル内の水の冷却温度を自動調節する手段を、更に具えた保冷フラワーボトル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は熱電気素子(ペルチェ素子)を使用した、保冷フラワーボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】切り花を長く持たせる方法は、茎からの水揚げをよくしてやることと、水の腐廃を防ぐことが大切である。前記茎からの水揚げをよくするには、花によって方法が異なるが、茎を切る,叩く、煮る、熱湯につける、などの物理的方法と、塩でもむ、はっか油やみようばんをつける、洗剤をいれる、などの化学的方法がある。前記水の腐廃を防ぐには、水をこまめに取り替える、温度の低いところに置く、水を多めにする、などがある。花の生産者は出荷前の予冷に、輸送中や市場ではストッカー(貯蔵用保冷庫)を使用するようになってきた。花店でも売れるまで、キーパー(陳列用保冷庫)を使用しているが、スペースに限界があり、高価な花しか入れられないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】花店では一桶に50本、100本と入れるので早やく水が腐廃する。又、夏の暑い時には、ダリアやガーベラなどの花を水につけておくと、一日もたたないうちに水が濁り、茎がとろとろになる。そして、あまり水を取り替えると人がさわるので、花や葉、茎などを傷めることがある。更に、消費者の一般家庭では冬になると暖房するので早く水が腐廃する。従来知られているストッカーやキーパーは、花の水が腐廃しにくいことと、花の呼吸作用がゆっくりとなり、エネルギーの消費が少なくなって、その分、花は長持ちするが花全体を冷やすので、大型の冷蔵庫となり、設備費が高く業務用である。前記課題に対し、この発明は、水を冷やすことによって切り花を長く持たせるだけでなく、花の手入れなどにも経済的効果がある保冷フラワーボトルである。発明者は、前記課題のガーベラについて、水の温度を10〜15度で実験した結果、ガーベラでは6倍も花を長持ちすることを確認した。鮮度保存剤を使用したものに対しても3倍の効果を確認した。小型、安価で実用的、経済的な保冷フラワーボトルは出願人の知る限り、この発明以外には存在しない。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる保冷フラワーボトルは、切り花と水揚げの水が入れられるフラワーボトル部と、通電に応じて一面が冷却面、他面が放熱面となる熱電気素子部と、熱電気素子の冷却面の熱(冷気)をフラワーボトル部に伝達する熱伝達部があり、熱電気素子の放熱面の熱を外部に放熱させるヒートシンク、及びフアンモータを含む放熱部と、熱電気素子の両面間を断熱する断熱部とを具えている。
【0005】通電に応じて一面が冷却面、他面が放熱面となる熱電気素子は、冷却面の熱(冷気)を熱伝達部に伝達する。フラワーボトル部は、熱伝達性の良い素材の熱伝達部に取り付けられているので、フラワーボトル内の水を効率よく冷却することができる。熱電気素子の放熱面の熱はヒートシンク、及びフアンモータを含む放熱部によって効率的に外部に放熱することができる。熱電気素子の両面間を断熱する断熱部を具えているので、フラワーボトル内の水を更に効率的に冷却することができる。なお、この種の熱電気素子としては、ペルチェ素子が知られているので、これを使用するとよい。
【0006】好ましい実施形態において、前記フラワーボトル部は、切り花と水揚げの水を入れるボトルと、熱伝導性が良い素材の熱伝達部と一体化されている。この場合い、熱伝達性の良い熱伝達部の素材としては、比較的 安価で容易に手に入るアルミ押し出し材を使用するとよい。
【007】冷却効果を高めるには、フラワーボトルに取り付けられる熱伝達部の素材と、熱電気素子の冷却面までの熱抵抗を小さくし、熱伝達効率を高めることと、放熱部における放熱効率を高める工夫が重要である。前記熱抵抗を小さくして熱伝達効率を高めるには、フラワーボトル内の水から熱電気素子の冷却面までのサーマルバスを短くし、熱伝達部の素材と熱電気素子の冷却面の間に、熱抵抗の小さいシリコングリースなどを使用する。更に、熱伝達部の素材と熱電気素子の冷却面間の取り付け圧力を強くすることが重要である。放熱効率を高めるには、同様に、熱電気素子の放熱面と放熱部のヒートシンク間に、シリコングリースなどを使用することと、取り付け圧力を強くすることが重要である。又、放熱部のフアンモータはヒートシンクの熱交換フインに、より近か付けて配置すると放熱効率を高めることができる他、小型化することができる。放熱部のヒートシンクは放熱効果の高い、アルミ押し出し材にフインを切り起こして加工し、千鳥配列したスカイブフイン型を使用するとよい。フアンモータは小型で騒音の小さい、一般的な直流のブラシレス軸流フアンがよい。
【008】
【発明の実施形態】以下、添付図面を参照して、この発明の実施形態を詳細に説明しよう。図1は、この発明に係わる保冷フラワーボトルの一実施例を示す外観図である。フラワーボトル本体部1と直流電源ジャック15に、商用交流電源を直流変換して電源を供給するACアダプター部17とを含んでいる。フラワーボトル本体1は、一般的なABS樹脂を使用するとよい。ACアダプター17は、一般市販品を使用することができる。
【0009】図2は、フラワーボトル本体部1の平面図である。又、フラワーボトル本体部1のI−I線矢視断面を図6に示す。
【0010】図3は、フラワーボトル本体部1の側面図である。又、フラワーボトル本体部1のII−II線矢視断面を図5に示す。フラワーボトル本体部1の両側面には、放熱部のヒートシンク6に通じる吸気口12が設けられている。吸気口12の内側には、例えばナイロン製ネットが張られていて、吸気の際の塵や埃を吸い込まないようになっている。
【0011】図4は、フラワーボトル本体部1の背面図である。フラワーボトル本体部1の背面には、放熱部のフアンモータ9に通じる排気口13が設けられていて、図3のフラワーボトル本体部1の両側面に設けられている吸気口12から吸い込まれた外気は、放熱部のヒートシンク6の熱交換フインを通り、フアンモータ9に吸い込まれて排気口13から排気される。,排気口13の下側には、直流電源ジャック15及び電源スイッチ16と通電表示LED14が設けられている。
【0012】図7は、線矢視断面、図5、図6、のフラワーボトル部1、熱伝達部3,4、熱電気素子5、放熱部6,9を分解して略示する斜視図である。ボトル熱伝達アルミブロック3、熱伝達アルミブロック4、熱電気素子5、ヒートシンク6は特殊樹脂の断熱ネジ8の4本で締め付けられている。フラワーボトル本体1とボトル熱伝達アルミブロック3間は取り付け面の全周にシリコンなどの接着剤を使用して水漏れを防いでいる。温度センサー25は、モールド型の小型サーミスタをボトル熱伝達アルミブロック3の下側に、接着テープで固定されている。フアンモータ9は、操作・制御回路プリント板10に固定されたものが、底ケースネジ11の3本で底ケース2をフラワーボトル本体1に取り付けられている。熱電気素子5の両面には、熱伝導性を良くするシリコングリースなどを塗布し、冷却面に熱伝達アルミブロック4を、放熱面にヒートシンク6を取り付ける。断熱材7は、底ケース2の穴20からウレタンの発泡剤を注入し、定格銘板21を利用して底ケースの穴20を塞いでいる。底ケース2は、一般的なABS樹脂を使用するとよい。
【0013】図8は、フラワーボトル本体部1に内蔵される電気回路の一例を示すもので、図1に示すようにACアダプター17の直流出力プラグ19をフラワーボトル本体部1の直流入力ジャック15に接続し、AC入力プラグ18を商用交流電源のコンセントに差し込む。フラワーボトル本体部1の電源スイッチ16をオンにすると、操作・制御回路プリント板10に、ACアダプター17からの直流電圧が印加され、通電表示LED14が点灯し、温度制御電源23及び温度制御回路26が動作する。この時、温度センサー25で検出した温度が温度制御回路26に設定された約5度よりも高ければ、制御スイッチ24がオンになり、フアンモータ9が回転すると同時に、電子スイッチ22がオンとなり、熱電気素子5に直流電圧が印加され、熱伝達アルミブロック及びボトル熱伝達アルミブロックが冷却される。フラワーボトル本体1内に水を入れると冷却される。温度センサー25で検出した温度が5度よりも低くなったら、制御スイッチ24がオフになり、電子スイッチ22もオフとなる。この動作を繰り返すので、フラワーボトル本体1内の水の最低温度は約5度に保たれる。
【0014】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば熱電気素子,即ち、ペルチェ素子を使用して、切り花を長く持たせることができる小型、安価で実用的、経済的な優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】599015032
【氏名又は名称】山本 啓治
【出願日】 平成10年12月24日(1998.12.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−188956(P2000−188956A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−378227