| 【発明の名称】 |
浮体式植生基盤 |
| 【発明者】 |
【氏名】瀧田 理康
【氏名】市川 秀明
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| 【要約】 |
【課題】本発明は水面上で植物を栽培し、生物の休息、繁殖、給餌等が可能な浮体式植生基盤に関するものである。
【解決手段】植物を支持しつつ、少なくともその根が下部から突出可能であるか、またはそれ自身で保水が可能な部材を平面状に配置して植生基盤とし、前記植生基盤には、植物成長後を含めて十分な浮力体を植生基盤の下部全体を覆うことなく設けたことを特徴とする浮体式植生基盤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物を支持しつつ、少なくともその根が下部から突出可能であるか、またはそれ自身で保水が可能な部材を平面状に配置して植生基盤とし、前記植生基盤に、植物成長後を含めて十分な浮力体を植生基盤の下部全体を覆うことなく設けたことを特徴とする浮体式植生基盤。 【請求項2】 前記浮力体が、硬質発泡体である請求項1記載の浮体式植生基盤。 【請求項3】 前記硬質発泡体が発泡スチロ−ルである請求項2記載の浮体式植生基盤。 【請求項4】 植生基盤に曝気装置を設置してなる請求項1記載の浮体式植生基盤。 【請求項5】 曝気装置をソーラーバッテリーで駆動するようにした請求項4記載の浮体式植生基盤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は水面上で植物を栽培・観察でき、生物の休息、繁殖、給餌等が可能な浮体式植生基盤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】生物の暮らしを持続的に保障するひとまとまりの空間をビオトープと呼ぶが、近年の都市化の波によって、様々なビオトープ、すなわち生物の休息、繁殖、給餌環境が我々のまわりから消えていっている。そのため、破壊された生物の生存環境を再生すべく、人工池の造成等を含めて植生の基盤となるスペースを設け、ヨシ等の植物を栽培することが行われている。しかしながら、このような再生方法は多大の労力と時間が必要であり、ほとんどの場合、市民団体等のボランティアに頼っているのが現状である。 【0003】一方、有効に活用されていない水辺が存在することも事実であり、特に学校等におけるプールは7月から9月にかけてのシーズン中にのみ使用され、一年の大半は何ら活用されていないのが現状である。このため、オフシーズン中のプールの有効活用策が求められている。また、見た目の美しさだけではなく、従来の学校緑化と異なった、学校ビオトープと呼ばれる自然のさまざまな機能を学校環境に取り込む試みが始まっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は破壊された生物の生存環境の一部を再生し、これを身近かに観察するものであって、水辺があれば簡単に設置することができ、市民団体等はその運営に専念することができるようにしようとするものである。また、学校内において自然環境をつくり、学習の場に活用できる教材として、特にプールを使用しない期間のプールの有効活用策としても役立てようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、植物を支持しつつ、少なくともその根が下部から突出可能であるか、またはそれ自身で保水が可能な部材を平面状に配置して植生基盤とし、前記植生基盤には、植物成長後を含めて十分な浮力体を植生基盤の下部全体を覆うことなく設けたものであって、好ましくは硬質発泡体の周囲を防水加工したものを浮力体として使用し、更に好ましくは、ソーラーバッテリーで駆動する曝気装置を植生基盤に設置することも可能としたものである。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明においては、例えばウレタンフォーム等のように、植物を支持しつつ植物の根を下部から突出させることができ、またそれ自身で保水ができる部材を植生基盤として用いる。このような植生基盤の下部には、例えば発泡スチロールのような硬質発泡体を所定の寸法に切断してその周囲を例えばウレタン塗装等で防水加工したものを浮力体として取り付ける。かかる浮力体は植物の根が水中に伸びることができるように、また、植生基盤が水面に接触して水分を吸収できるように植生基盤の下部全体を覆うことの無いよう、例えば一定間隔ごとに複数個設置する。このようにして構成された浮体式植生基盤は、運搬が容易で水辺に簡単に浮かべることができ、通常は係留ワイヤーによって固定される。 【0007】植生基盤には水生植物、例えば水質環境適応に優れ、とんぼ等の昆虫の育成に適する稲科のヨシ等を植栽することにより、周辺生物の休息、繁殖、給餌地を人工的に簡単に再生することができる。また、ヨシ等の群落が水辺に存在することによって地域住民のオアシスともなり、学校等のプールに設置すれば自然学習の教材となるだけでなく、プールを使用していない期間のプールの有効活用が図れることにもなる。さらに、植生基盤に曝気装置を設置すれば一層の水質活性化が図れ、特にプール水の腐敗や異臭を防止できるだけでなく、最適な魚の住環境を提供することができ、曝気装置をソーラーバッテリーで駆動すれば、何ら電源供給の必要がないばかりでなく、環境保全に寄与することができるものである。 【0008】なお、学校等のプールに設置した場合に夏期のプール使用期間中の取り扱いが問題となるが、本発明の浮体式植生基盤は簡単に清掃、運搬、設置ができるものであるので、例えば天井を取り除いた組立式パネル水槽等に一時的に移動させておけば、生物の生息環境を保持できる。この場合、パネル水槽の側壁には擬岩の化粧パネルを取り付ければ、外観上好ましいものとなる。 【0009】 【実施例】以下、本発明の好ましい形態を図面により説明する。図1は本発明の浮体式植生基盤の一実施例を示す断面図である。すなわち、平板状のウレタンフォーム1Aにネット1Bを被せて植生基盤1とする。植生基盤1の下部には方形断面の発泡スチロール2Aの周囲にウレタン塗装2Bを施して防水加工したものを浮力体2として取り付ける。このように構成された浮体式植生基盤は、係留ワイヤー3によって水辺やプール内に固定される。また、水生植物4、例えばヨシ等は、植生基盤となるウレタンフォーム1Aのセル内に所定間隔ごとに植え込めばよく、その根はフォーム内で自由に伸びることができるので水中にまで到達し、ヨシ群落を出現させることができる。 【0010】なお、植生基盤にはウレタンフォームの他にもミズゴケ等を使用することができ、浮力体も発泡スチロールの他に発泡ポリエチレン、硬質ウレタンフォ−ム等を使用することができる。また植物もヨシの他に花木、草花等を植栽できる。 【0011】図2は他の実施例を示す断面図であって、運搬に適する程度の大きさを単位植生基盤1Cとし、これを複数個連結して植生基盤1を構成する。浮力体2は単位植生基盤1Cの端部および連結部の下部に取り付けられ、単位植生基盤1C端部には浮力体2の目隠しとして、補助植生基盤1Dを取り付けたものである。このような構成とすることにより、植生基盤1を簡単に設置場所に応じた大きさとすることができ、移動、大きさの変更、清掃等が容易になる。 【0012】図3はさらに他の実施例を示す断面図であって、図2の浮力体2および補助植生基盤1Dの代わりに、凹状の発泡スチロールの周囲を岩に似せて加工、着色した造景岩フロート5を浮力体として取り付けたものである。ここで、造景岩フロート5の凹部内には季節の花等が植えられ、地域住民のオアシスとして、学校教材として一層効果的なものとなっている。また、図4は図3の浮体式植生基盤の平面図であって、3個の単位植生基盤1Cの周囲に造景岩フロート5を取り付けて長さ約3m、幅約2mの大きさとしたものであり、図5はその側面図であって、一層自然環境に近い外観が得られる。 【0013】図6は浮体式植生基盤1の中央に曝気装置6を設置した実施例を示すものであって、図示しないソーラーバッテリーで駆動される。ソーラーバッテリーは植生基盤上に設置しても、他の場所に設置してもよい。曝気装置6により水の活性化が図れ、魚の住環境を最適化することができる。また、ソーラーバッテリーを使用することにより、外部電源を供給する必要がなく、環境保全を図ることができる。 【0014】このように構成された浮体式植生基盤1は、水辺や、図7に示すようなオフシーズン中の学校プールに設置される。プールに設置した場合には、プールの通年利用やプール水の腐敗防止ができるだけでなく、プールに魚を泳がせたり、鳥の飛来が期待でき、プールサイドから生物の観察、飼育等の体験学習をすることができる。また、プールの使用期間中は図8に示すように別にビオトープ槽7を用意し、そこに移設しておけば引き続き生物の生息環境が保持され、教材として活用できる。なお、図8に示す浮体式植生基盤1には、曝気装置6およびソーラーバッテリー8を植生基盤上に設置している。 【0015】図9は、ビオトープ槽7としてパネル式組立水槽を使用したものであって、単位パネルを組み合わせて3m×4m×0.5mの天井なしの水槽とし、地上に設置したものである。この場合、側壁パネルに擬岩の化粧パネル9を取り付ければ、外観上好ましいものとなる。なお、このビオトープ槽は地中に埋設してもよい。また、パネル式組立水槽を利用することで、プールを使用しない学校ビオトープや池のない公園等におけるビオトープの造成にも対応できるものである。 【0016】 【発明の効果】本発明は植物を支持しつつ、少なくともその根が下部から突出可能であるか、またはそれ自身で保水が可能な部材を平面状に配置して植生基盤とし、前記植生基盤には、植物成長後を含めて十分な浮力体を植生基盤の下部全体を覆うことなく設けたものであるので、水辺があれば簡単に運搬、設置等ができ、周辺生物の休息、繁殖、給餌地を人工的に簡単に再生することができるだけでなく、学校内において自然環境をつくり、学習の場に活用できる教材として特にプールを使用しない期間のプールの有効活用策としても役立てることができるものである。 【0017】また、植生基盤に曝気装置を設置することにより、一層の水質活性化が図れ、特にプール水の腐敗や異臭を防止できるだけでなく、最適な魚の住環境を提供することができるものである。さらに、曝気装置をソーラーバッテリーで駆動すれば何ら電源供給の必要がないばかりでなく、環境保全に寄与することができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
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| 【出願日】 |
平成10年11月20日(1998.11.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086896 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 悦郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−152726(P2000−152726A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月6日(2000.6.6) |
| 【出願番号】 |
特願平10−330069 |
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