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【発明の名称】 刈取機のチップレシーバ
【発明者】 【氏名】小笠原 大悟

【氏名】興津 寧

【要約】 【課題】刈取機の刃物部への着脱を容易にするチップレシーバを提供するとともに、刃物カバーの機能を備えたチップレシーバを提供する。

【解決手段】チップレシーバ14を刃物押え23,24に設けられた係止部231,241にワンタッチで着脱自在に係止する。また、取られた枝葉を捕集するための捕集部を刈取機の非使用時に固定刃物の刃21と可動刃物の刃22とを覆うようにして刃物部2を収納するカバー部141として形成し、前記カバー部141を前記刃物部2の長手方向にスライドさせて前記刃物押え23,24に着脱自在に係止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向の側方に張り出す複数の刃先部を有する細長い刃物と、この刃物に重ねて前記刃物を押える刃物押えを有する刃物部を備えた刈取機に取り付けられ、刈り取られた枝葉を一時的に捕集するための刈取機のチップレシーバにおいて、前記チップレシーバを前記刃物押えに設けられた係止部にワンタッチで着脱自在に係止するようにしたことを特徴とする刈取機のチップレシーバ。
【請求項2】 長手方向の側方に張り出す複数の刃先部を有する細長い刃物と、この刃物に重ねて前記刃物を押える刃物押えを有する刃物部を備えた刈取機に取り付けられ、刈り取られた枝葉を一時的に捕集するための刈取機のチップレシーバにおいて、前記チップレシーバは、刈取機の使用時に、前記刃物押えに係止するための取付部と、この取付部に連結され、刈り取られた枝葉を捕集するための捕集部とからなり、前記捕集部を刈取機の非使用時に前記刃物の刃先部を覆うようにして前記刃物部を収納するカバー部として形成し、前記カバー部を前記刃物部の長手方向にスライドさせて前記刃物押えに着脱自在に係止するようにしたことを特徴とする刈取機のチップレシーバ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈り取られた枝葉を一時的に捕集するための刈取機のチップレシーバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、側部に複数の刃が長手方向の所定間隔毎に設けられた固定刃物と側部に複数の刃が長手方向の所定間隔毎に設けられた可動刃物とを備え、可動刃物が固定刃物に対してその長手方向に往復動して枝葉を刈り取る刈取機には、刈り取られた枝葉を一時的に捕集して、枝葉が周囲に散乱するのを防止するためのチップレシーバが使用されている。このチップレシーバは、刈取機の刃物部にねじ止めすることで取り付けられていた。
【0003】また、非使用時に刃物部を保護するために、この刃物部を覆う刃物カバーを被せることが行われる。この刃物カバーをする被せるときは、刈取機の使用時に使用していたチップレシーバを取り外して刃物カバーを被せる。刈取機を使用する時には、刃物カバーは不要となるので、取り外してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、チップレシーバを着脱する際に、上述のようにチップレシーバをねじを使用して係止する構造では、別途工具が必要となり、またノブナットを使用するものであってもノブナットを付けたり外したりする必要が有り、作業者に煩わしさを与える。
【0005】一方、刃物部を保護するため、刃物カバーを別途設けていたのでは、チップレシーバと刃物カバーとの管理が大変で、チップレシーバや刃物カバーを紛失してしまうおそれがある。
【0006】そこで、本発明では、刈取機の刃物部への着脱を容易にするチップレシーバを提供するとともに、刃物カバーの機能を備えたチップレシーバを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、長手方向の側方に張り出す複数の刃先部をする細長い刃物(21,22)と、この刃物(21,22)に重ねて前記刃物(21,22)を押える刃物押え(23,24)を有する刃物部(2)を備えた刈取機(D)に取り付けられ、刈り取られた枝葉を一時的に捕集するための刈取機のチップレシーバ(11)において、前記チップレシーバ(11)を前記刃物押え(23,24)に設けられた係止部(231,241)にワンタッチで着脱自在に係止するようにした。
【0008】請求項2の発明では、長手方向の側方に張り出す複数の刃先部を有する細長い刃物(21,22)と、この刃物(21,22)に重ねて前記刃物(21,22)を押える刃物押え(23,24)を有する刃物部(2)を備えた刈取機(D)に取り付けられ、刈り取られた枝葉を一時的に捕集するための刈取機のチップレシーバ(11)において、刈取機(D)の使用時に前記刃物押え(23,24)に係止するための取付部(142)と、この取付部(142)に連結され、刈り取られた枝葉を捕集するための捕集部とからなり、前記捕集部を刈取機の非使用時に前記刃物の刃先部を覆うようにして前記刃物部を収納するカバー部(141)として形成し、前記カバー部(141)を前記刃物部(2)の長手方向にスライドさせて前記刃物押え(23,24)に着脱自在に係止するようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】図1、図2は、本発明にかかるチップレシーバの第1の実施形態を示している。チップレシーバ11が取り付けられる刈取機Dは、手で把持するための把持部31を具備し、動力源としてのモータや、エンジンを内蔵する本体部3と、この本体部3の一端側に設けられ、前記動力源により駆動される刃物部2とを備えている。この刃物部2は、長手方向の所定間隔毎に側方に張り出す刃先部を有し、前記長手方向に相互に往復動する刃物としての上刃21と下刃22と、これら上刃21と下刃22を上下から挟み込むようにして設けられた刃物押え23、24とを具備している。そして、刃物部2には、刈り取られた枝葉を一時的に捕集しておくためのチップレシーバ11が、刃物部の側方に張り出すようにして着脱自在に取り付けられている(図1参照)。
【0011】上刃21の上側に設けられた刃物押え23は、両側縁部が図2の上側に向けて突出し、刃物部2の長手方向に沿って延びる係合部231,231が設けられている。なお、下刃22の下側に設けられた刃物押え24は、平板状の部材である。
【0012】チップレシーバ11は、押出し成形された樹脂材や薄い鉄板等の弾性材料により形成されており、長手方向に直交する方向の断面が略コの字形状をした取付部112と、この取付部112に対してくの字が形成されるようにして設けられた平板状の捕集部111とが一体的に形成されている。
【0013】取付部112は、コの字形状の開口側を捕集部111とは逆側の側方に向けて形成されている。上側の刃物押え23と係合する上部取付部113の長さを、下側の刃物押えに係合する下部取付部114の長さよりやや短くして形成されている。上部取付部113の先端部には、下部取付部114に向けて突出し、所定の間隔を隔てて長手方向に沿って平行に延びる2つの係合体115,115が設けられている。この係合体115,115の外側面の間隔は、前述した刃物押え23に設けられた係止部231,231の内側面の間隔よりやや大きめに形成されている。一方、下部取付部114の先端部分の内面には、凹状に窪んだ係合部116が長手方向に沿って設けられている。この係合部116の内側壁の間隔は、下側の刃物押え24の幅より若干小さめに形成されている。
【0014】そして、このチップレシーバ11を刃物部2に取り付けるには、上部取付部113の係合体115,115を、刃物押え23の係合部231,231の内側に係合させ、下部取付部114の係合部116の内側壁を、係止部241,241としての刃物押え24の側面に係合させて、刃物部2の先端側から本体部3に向け、刃物部2の長手方向に沿ってスライドさせて取り付ける。係合体115,115の外側面の間隔は、係止部231,231の内側面の間隔よりやや大きめに、係合部116の内側壁の間隔は、下刃22の下側の刃物押え24の幅より若干小さめに形成されているので、係合体115,115は間隔を狭めるように、係合部116,116の間隔を広げるように弾性変形する。そして、係合部231,231を内側から外側に向けて押し付けるように、刃物押え24の側面を挟み込むようにして係止するので、刈取機Dの先端を下側に向けても抜け落ちることがない。ただし、係合体115,115の外側面の間隔と係止部231,231の間隔とをほぼ同寸法にして、係合体115,115を係合部231,231に向けて突出させて、断面形状が、ハの字が形成されるようにして設けてもよい。
【0015】次に本発明の第2の実施形態について図3、図4を参照しながら説明する。
【0016】刃物部2の上面には、長手方向の所定距離を隔てた2ヶ所に円筒状のカラーを挟み込むようにして、ねじを上から下に向けて螺合して、係止部231,231が設けられている。
【0017】一方、チップレシーバ12は、刃物部2に取り付けるための取付部122と、この取付部122に対し、くの字が形成されるようにして設けられた平板状の捕集部121とから構成されている。なお、当該チップレシーバ12についても樹脂材や薄い鉄板等の弾性材料で形成されている。取付部122は、捕集部121と反対側の側縁を、端部が捕集部121に向くようにして上側に折り返され、長手方向に直交する方向の断面の形状が、矢印の先端のように形成された折り返し部123が設けられている。そしてこの折り返し部123には、側端面から捕集部121に向けて切り欠いた係合部124,124が2ヶ所設けられている。この係合部124,124は、前述した刃物部2の上面に突設された係止部231,231と同一の間隔を隔てて設けられている。
【0018】このチップレシーバ12を刃物部2に取り付けるには、刃物部2の側方から係止部231,231の位置に係合部124,124を合わせて、チップレシーバ12を刃物部2の上面に沿わせてスライドさせて取り付ける。なお、チップレシーバ12は、弾性変形する材質で形成されているので、折り返し部123の最も高さのある部分が、係止部231,231の頭部を通過する時には、折り返し部123が弾性変形して、刃物部2の上端面と係合体231,231の頭部との間を通過することができる。そして、取り付けられた後は、この部分が抜け止めの役割を果たす。
【0019】なお係止部231,231は、ねじを螺合して設けるものに限定されず、たとえば、刃物部2と一体的に成形して設けても構わない。
【0020】図5は、さらに別の実施の形態を示している。
【0021】この実施の形態体では、チップレシーバ15の取付部152に刃物押え23の上面に突設された係合体231に係合させる係合部153が設けられている。係合部153は、取付部152の幅方向(図5の左右方向)のほぼ中央に、当該チップレシーバ15の長手方向(図5の紙面を貫く方向)に沿って、数ヶ所設けられている。この係合部153は、取付部152を上方に向けほぼ円筒状に折り返すようにして形成されたもので、内部には、刃物押え23に突設された係合体231を挿通させるための係合孔154が設けられている。また上端部は、半径方向の外側に向けて張り出させた抜け止め部155が設けられている。
【0022】一方、刃物押え23の上面には、チップレシーバ15を係止させるための係合体231が突設されている。この係合体231は、円柱状の本体部233と、上部に形成された円錐形状の抜け止め部232とを有し、全体の形状が矢印のように形成されている。
【0023】チップレシーバ15を取り付けるには、刃物押え23の係合体231に、取付部152の係合部153を位置合わせして、上から押しつけるようにして係合孔154に係合体231を挿通させて取り付ける。
【0024】次に、図6から図8を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0025】このチップレシーバ13は、押出し成形された樹脂材や薄い鉄板等の弾性材料で形成されており、刃物部2の刃物押え23に取り付ける平板状に形成された取付部132と、この取付部132に対してくの字が形成されるようにして一体的に設けられ、固定刃物の刃と可動刃物の刃とを覆うようにして刃物部2を収納するカバー部131とから構成されている。
【0026】このカバー部131は、刀のさやのような形状に形成され、内部には刃物としての上刃21と下刃22の双方の刃先部を覆うにして刃物部2を収納する収納部133が形成されている。また、一方の側面には、中央に長手方向に沿ってスリットが設けられている。そしてこのスリットの両端は、カバー部131の内側(図7の下側)に向けて折り曲げられて形成された係合体134,134が長手方向の全域に亘って設けられている。なお、カバー部131は、刈取機の使用時には、刈り取られた枝葉を捕集する捕集部として使用される。
【0027】取付部132は、カバー部131が形成される側縁とは反対側の側縁部には、長手方向に沿って半円状の係合部135‥135が3ヶ所設けられている。
【0028】一方、刈取機の刃物部2は上刃21とこの上刃21に重ねられて設けられた下刃22とを備えている。これらは、平板状の刃物押え23,24によって上下から挟み込まれるようにして押えつけられている。なお刃物押え23,24はねじ25によって刃物部2に取り付けられている。上側の刃物押え23は、その両側縁部が図6の上側に向けて突出し、刃物部2の長手方向に沿って延びる係止部231,231が設けられている。
【0029】刈取機の非使用時に、このチップレシーバ13のカバー部131に刃物部2を収納する場合、刃物部2の先端側からカバー部131の係合体134,134の外側面を刃物押え23の係止部231,231の内側面に位置合わせして、チップレシーバ13を刃物部2の長手方向に沿ってスライドさせて刃物部2を取り付ける。なお、カバー部131の係合体134,134の外側面の間隔を刃物押え23の係止部231,231の内側面の間隔より若干広めに形成するか、両者の幅をほぼ同寸法にして、係合体134,134を若干外側に広げて形成しておけば、刈取機の先端を下向きにしてもチップレシーバー13が刃物部2から抜け落ちてしまうことが無い。
【0030】これに対し、刈取機の使用時には、捕集部としてのカバー部131を刃物部2の側方に張り出させ、当該カバー部131が上側を向くようにして刃物部2にチップレシーバ13の取付部132を取り付けてチップレシーバとして使用する。この場合、刃物部2のねじ25を弛め、刃物押え24の下側に取付部132をあてがって、取付部132の側縁部に形成された係合部135‥135をねじ25‥25の位置に一致させてねじ25‥25に係合するようにして再度ねじ25‥25を締め込んで取り付ける。
【0031】次に、図9から図11を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0032】このチップレシーバ14は、樹脂材を押出し成形したものや薄い鉄板等の弾性材料で形成されていて、刈取機の使用時にチップレシーバとして使用する際に捕集部としての役割を果し、非使用時には、刃物部2を内部に収納するカバー部141と、刈取機の使用時にチップレシーバとして使用する際に刃物部2に取り付ける取付部142とが、くの字を形成するようにして一体的に形成されている(図9参照)。
【0033】カバー部141は、前述した第4の実施形態のカバー部(図6から図8参照)と同様に、内部に空洞が形成された刀のさやのような形状をしていて、この内部は刃物部2を収納するための収納部143が形成されている。また、このカバー部141の一方の側面には、中央に長手方向に沿ってスリットが設けられている。そしてこのスリットの両端は、カバー部141の内側(図10の下側)に向けて折り曲げられて形成された係合体144,144が長手方向の全域に亘って設けられている。
【0034】一方、取付部142は、第1の実施形態にかかるチップレシーバの取付部(図1、図2参照)とほぼ同様に形成されている。すなわち、長手方向に直交する断面の形状がほぼコの字に形成されていて、開口側はカバー部141の反対側を向いている。上側の刃物押えと係合する上部取付部146の長さは、下側の刃物押え24に係合する下部取付部145の長さよりやや短く形成されている。上部取付部146の先端部には、下部取付部145に向けて突出し、所定の間隔を隔てて長手方向に沿って平行に延びる2つの係合体148,148が設けられている。一方、下部取付部145の先端部分の内面の先端とほぼ中央とには、上部取付部に向けて突出する係合体147、147が長手方向に沿って平行に設けられている。
【0035】そして、係合体148,148は刃物押えの係合部231,231を外側に向けて押し付けるようにして、係合体147,147は、係止部241,241としての刃物押え24の側面を挟み込むようにして取り付けられている。
【0036】なお、上記実施の形態では、上刃と下刃の双方を可動刃として説明したが、上刃を可動刃とし、下刃を固定刃としてもよく、その場合には、下側の刃物押えを省略してもよい。また、下側の刃物押えを省略した場合であって、チップレシーバを第4実施形態のように刃物部の下側に取り付けるには、チップレシーバを下刃に取り付ける。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明では、チップレシーバを刈取機の刃物部の刃物押えに設けられた係止部にワンタッチで着脱自在に係止するようにしたので、着脱の際に別途工具を用意したり、ねじを回す作業がなくなり、作業者が容易にチップレシーバを着脱することができる。
【0038】請求項2の発明では、チップレシーバに刃物カバーの機能を持たせたので、刃物カバーを別途設ける必要が無くなり、管理を容易にすることができ、チップレシーバや、刃物カバーの紛失の防止を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
【出願日】 平成10年10月9日(1998.10.9)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2000−116235(P2000−116235A)
【公開日】 平成12年4月25日(2000.4.25)
【出願番号】 特願平10−288399