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【発明の名称】 傾斜式植栽用ポット
【発明者】 【氏名】石川 恵資

【氏名】丸山 透

【氏名】山本博一

【要約】 【課題】本発明は屋内、屋外の傾斜面に載置しても、均一に水補給することができる植栽用ポットを提供する。

【解決手段】植栽用ポット21aはポット本体22と、ポット本体22内に設けられた培土保持版23と、培土保持版23の上方に土壌仕切板24で区切って形成された培土層25と、培土保持版23の下方に、前記土壌仕切板24の対応する位置に設けられた水仕切板26と、水仕切板26で形成された複数の分割水槽部27と、分割水槽部27の水を培土層25に吸い上げる吸水体28とから構成されている。植栽用ポット21aのポット本体前壁22aの貫通孔29から水を流すと、各分割水槽部27に水が充満して、オーバーフローして、ポット本体22の後壁22bから流出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポット本体と、ポット本体内に設けられた培土保持版と、培土保持版の上方に形成された培土層と、培土保持版の下方に設けられた水仕切板と、水仕切板で形成された複数の分割水槽部と、分割水槽部の水を培土層に吸い上げる吸水体とからなり、前記ポット本体の前後壁と水仕切板の上部の同じ高さ位置に貫通孔を設けて、ポット本体を傾斜させて用いるようにしたことを特徴とする傾斜式植栽用ポット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は傾斜式植栽用ポットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から水補給機能を具えた植栽用ポットが種々知られている。
【0003】実開平5−80244号公報には、植物育成用鉢台の使用例が記載されている。
【0004】図8は植物育成用鉢台の使用例を示す要部断面図である。鉢台1は略円盤状に形成され、その上面中央に円形状の水溜凹部2が設けられており、上面周縁にはリング状にフランジ3が形成されている。水溜凹部2に水4を張り、上面に植木鉢5を載置してある。そして、植木鉢5の用土6と水溜凹部2の水4との間に吸水体として布紐7を垂下させている。上記鉢台1によれば、水溜凹部2の水4は毛細管現象によって布紐7等の吸水体で吸上げられて、植木鉢5等の植物育成器内の土及び植物8に自然に補給されるために、水やりの手間が大幅に省ける。
【0005】特開平10−178908号公報には、裁培装置が記載されている。図9は上記裁培装置の一例を示す縦断面図であり、図10はその使用状態を示す縦断面図である。
【0006】箱体9の内部に下から順に、水10を収容するための水槽部16と、培土層11を保持するための培土保持板12と、裁培容器13を保持すめための容器保持板14とを階層状に配置し、さらに、水10を吸上げるための紐状体15を各裁培容器13から水槽部16へ垂下している。箱体9には水を供給するための注水口17と、過剰水を排出するための排水口18を設けている。符号19は透光性を有するカバーである。
【0007】上記裁培装置によれば紐状体15を垂下させることにより、水や肥料等の管理に用する労力が軽減でき、植物を簡単に裁培できる。また、箱体9に注水口17と排水口18を設けることにより、水槽部16への水の補給が容易となり、また、水分過剰水による根腐れの発生や、培土の流出等を防止できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平5−80244号公報に開示された技術は、水溜凹部2に水4を張り、上面に植木鉢5を載置しているので、水溜凹部2の水4が布紐7等の吸水体で吸上げられて減少した状態を知ることは困難であり、一々植木鉢5を持上げて確認しなければならない。また、水溜凹部2に水4を補給するために、一々植木鉢5を持上げなければならない。
【0009】従って、複数個の植物育成用鉢台を使用する場合は、水溜凹部2の水4の減少の確認、水4の補給が繁雑である。また、植木鉢5は鉢台1に載置されており、水が入っている状態で横持ちするのが面倒である。また、分離して横持ちする場合は布紐7等の吸水体の水が滴れて面倒である。
【0010】また、特開平10−178908号公報に開示された技術は、以下の問題がある。
【0011】屋内、屋外等の傾斜面に複数の植栽用容器(ポット)を載置して、植物の観賞等に供する場合が多くなっている。このような傾斜面に上記裁培装置を載置した場合、水槽部10の各位置での水面の高さが異なり、傾斜面の上方に位置した裁培装置内の植物には充分に水が補給できない場合が生じる。また、裁培装置は横持ち等から大きさに制限があり、屋内、屋外等の傾斜面で要望される長い距離に亙って多数の裁培装置を載置した場合、水の補給が繁雑である。
【0012】本発明は上記のような問題点の解決を図ったものであり、屋内、屋外等の傾斜面に載置しても、均一に水を補給することができる植栽用ポットを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポット本体と、ポット本体内に設けられた培土保持版と、培土保持版の上方に形成された培土層と、培土保持版の下方に設けられた水仕切板と、水仕切板で形成された複数の分割水槽部と、分割水槽部の水を培土層に吸い上げる吸水体とからなり、前記ポット本体の前後壁と水仕切板の上部の同じ高さ位置に貫通孔を設けて、ポット本体を傾斜させて用いるようにしたことを特徴とする傾斜式植栽用ポットである。ここで前壁とはポットを傾けた時のポットの上方側面を、後壁とは下方側面をいう。
【0014】本発明によれば、上記構成により、傾斜面に載置しても、培土保持版と水面の高さがほぼ均一になるので、培土に均一に水を補給でき、また、過剰水による根腐れ等を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図によって詳述する。
【0016】図1は本発明の一実施の形態を示す側面断面図である。植栽用ポット21aはポット本体22と、ポット本体22内に設けられた培土保持版23と、培土保持版23の上方に土壌仕切板24で区切って形成された培土層25と、培土保持版23の下方に、前記土壌仕切板24の対応する位置に設けられた水仕切板26と、水仕切板26で形成された複数の分割水槽部27と、分割水槽部27の水を培土層25に吸い上げる吸水体28とから構成されている。
【0017】ここでは、培土層25は土壌仕切板24で区切って、複数の培土層25を形成させたが、土壌仕切板24を用いることなくポット全体に亙る単一の培土層を形成することもできる。また、培土層25を植木鉢にいれて、培土保持版23の上方に設けることもできる。
【0018】植栽用ポット21aはポット本体22の前壁22a、後壁22bと水仕切板の26の上部に、ポットの底面から同じ高さ位置に貫通孔29、35を設けている。符号32は植物であり、符号34は貫通孔である。
【0019】上記構成の植栽用ポット21aは水平面31に対して傾斜角度αを持った傾斜面30に載置させて用いられる。
【0020】本発明の植栽用ポット21aの載置する場所は、屋内、屋外等で傾斜面を有し、植栽用ポット21aの載置が要望される場所、例えば駅ビル、デパート等の階段脇や、雛壇団地の歩道脇、更には歩道橋脇等を対象とするもので、それに応じた傾斜角度αの傾斜面30に載置される。
【0021】図2は本発明に用いるポット本体の平面図であり、図3は図2のA−A、図4は図2のB−B線矢視による図であり、図5は図2のC−C線矢視による図である。
【0022】ポット本体22は略長方形の箱状体であり、内部に培土保持版23を固定し、更に、二つの土壌仕切板24を取付けて、ポット本体22内は培土層25を形成できるようにしている。培土保持版23には、培土層25を形成する略中央部に貫通孔34を設けて、下方の分割水槽部27(隠れて見えない)に図示しない吸水体28を垂下できるようにしている。ポット本体22内には図5に示すように、水仕切板26の上部に貫通孔35が設けられ、ポット本体22の前後壁22a、22bには水仕切板26の貫通孔35と同じ高さ位置に貫通孔29が設けられている。符号33は水抜孔でポット本体22が傾斜した際に、培土層25の上方から雨等の水が掛かっても、培土保持版23上に溜まらないようにしている。
【0023】ポット本体22の側面には、前部と後部の略中央高さ位置に、一対の支持板36a、36bを介して傾斜面に設けられる手摺等に止め具37で取付けがてきるようにしている。これによって傾斜面に載置した際に下方に滑ることを防止できる。また、階段等の縦さんの任意の高さに設置できる。
【0024】ここでは止め具37を設けたが、これに限定されるものではなく、吊下式のポット本体を用いることもできる。
【0025】上記ポット本体22は3つの分割した培土層25を形成したものであるが、分割した培土層25と、その対応する分割水槽部27の数は横持ち等を考慮して適宜決めることができる。また、分割水槽部27のオーバーフロー時の水面の高さも水補給サイクル等を考慮して適宜決めることができる。
【0026】上記図1〜図5に示した植栽用ポット21aは傾斜面30に載置させるものであり、ポット本体22の前壁22aの貫通孔29から水を流すと、各分割水槽部27に水が充満して、オーバーフローして、ポット本体22の後壁22bから流出される。この時、分割水槽部27の水面と培土保持版23との間隔が一定になり、各培土に均一に給水される。
【0027】複数の植栽用ポット21aを傾斜面に載置する場合は、植栽用ポット21aの各貫通孔29を後述するように接続管で接続すると、最上段の植栽用ポット21aに水を注入するだけで、最下段の植栽用ポット21aまで水の補給ができるので、水補給のための労力が非常に軽減できる。
【0028】図6は本発明の植栽用ポットを水平面に取付けた状態の一例を示す図である。図1と共通する部分は同じ符号をつけて説明を省略する。
【0029】複数の植栽用ポット21aは、歩道脇の水平な垣面38に各傾斜基盤39を設け、その上に載置されている。傾斜基盤39の傾斜角度βは美観を持たせるように緩やかにしている。各植栽用ポット21の前壁22aに設けた貫通孔29から水を注入すると、矢印の方向に水が流れて、植栽用ポット21aの各分割水槽部27に水が充満して、植栽用ポット21の後壁22bの貫通孔29から流出する。上記植栽用ポット21aは、ポット本体22内に3つの培土層25を形成したものを用いたが、分割した培土層25と、その対応する分割水槽部27の数は横持ち等を考慮して適宜決めることができる。
【0030】図7は本発明の他の実施の形態を示す側面断面図である。図1と共通する個所は同じ符号を設けて、説明を省略した。
【0031】植栽用ポット21bのポット本体22内に設けられた培土保持版23の上方に、土壌仕切板24に形成された複数の分割した培土層25を収納する出入れ可能な器40が設けられている。培土保持版23の下方に、土壌仕切板24の対応する位置に水仕切板26が設けられ、分割水槽部27が形成されている。器40の底部には貫通孔42が設けられ、吸水体28を介して、分割水槽部27の水が器40に収納された分割培土層25に吸い上げる。また、分割した培土層25の上には植栽用ポット21bを傾斜した際に、分割培土層25が動かないように、植物32を貫通させた部分の周りに複数の細孔を有する当板43を載置している。
【0032】複数の植栽用ポット21bを傾斜面30に載置し、植栽用ポット21bの各貫通孔29を連結管41で接続すると、最上段の植栽用ポット21bに水を注入するだけで、矢印の方向に水が流れて、最下段の植栽用ポット21bまで水の補給ができるので、水補給のための労力が非常に軽減できる。
【0033】また植栽用ポット21bの植物32には下方から充分に水を補給して、表面に直接に水を掛けないので、粉塵等の付着がなく、清浄な状態を維持することができる。また、水槽部27の水はオーバーフローさせているので、根腐れの心配がない。
【0034】出入れ可能な器40を設けたことにより、器40を単位として適宜に植物の配置を変える事ができるので、季節に合わせて異なった植物を組合わせて、観賞を一層楽しませることができる。
【0035】上記した実施の形態から明らかなように、本発明によれば以下の効果を挙げることができる。
【0036】屋外、屋内を問わず、植栽用ポット21a、21bが要望される傾斜面30の場所にはそのまま、本発明の植栽用ポット21a、21bを載置し、また、植栽用ポット21a、21bが要望される水平面31の場所には、簡単な傾斜基盤39を付設してその上に載置し、最上段の植栽用ポット21a、21bに水を注入するだけで、複数の植栽用ポット21a、21bに同時に水の補給ができるので、水の補給に用する労力を非常に軽減することができる。また植栽用ポット21の植栽には下方から充分に水を補給して、表面に直接に水を掛けないので、粉塵等の付着がなく、清浄な状態を維持することができる。また、水槽部27の水はオーバーフローさせているので、根腐れの心配がない。
【0037】また、植栽用ポット21bのように、分割した培土層25を収納する出入れ可能な器40を用いた場合には、器40を適宜に出入れさせて、異になった植物を観賞することができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明は、屋内、屋外等の傾斜面、水平面に長い距離に亙って複数個載置しても、均一に水を補給することができ、水の補給に用する労力を軽減できる。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【出願日】 平成10年9月30日(1998.9.30)
【代理人】 【識別番号】100097272
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 茂
【公開番号】 特開2000−102324(P2000−102324A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−277827