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【発明の名称】 伐採装置および伐採装置用ユニット
【発明者】 【氏名】佐藤 雅浩

【氏名】渡辺 幸樹

【氏名】福澤 修一朗

【氏名】遠藤 雅博

【氏名】川井 邦義

【要約】 【課題】樹木の伐採、枝払いを、人が高所に登らずに行う。自走できる。

【解決手段】切断部11、腕部13、直線移動部15、回転部17、昇降部21、台車部23および遠隔操作部25を具える。腕部は関節13d、13eを有する。直線移動部は、腕部の根本部分13cの軸線dと直交する第1の方向eに沿って、腕部および切断部を移動させる。回転部は、軸線dまたは該軸線に平行な軸fを回転軸として、腕部、切断部および直線移動部を回転させる。昇降部は、腕部、切断部、直線移動部および回転部を、一体で、上げ下げする。台車部は、腕部、切断部、直線移動部、回転部および昇降部を搭載していて、自身は旋回および自走できる。遠隔操作部は、切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、台車部、昇降部、回転部、直線移動部および関節のうちの必要な部署を遠隔操作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、該腕部先端に接続され樹木を切断する刃を有する切断部と、前記腕部の根本部分の軸線と直交する第1の方向に沿って、前記腕部および前記切断部を一体で移動させる直線移動部と、前記腕部の根本部分の軸線または該軸線に平行な軸を回転軸として、前記腕部および前記切断部を一体で回転させる回転部と、前記腕部、切断部、直線移動部および回転部を一体で、地上から前記樹木の切断希望位置近傍の高さまで上げ、また、伐採作業終了後は地上まで下げる昇降部と、前記腕部、切断部、直線移動部、回転部および昇降部を搭載していて、自身は旋回および自走可能な台車部と、前記切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、前記台車部、昇降部、回転部、直線移動部および前記腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記直線移動部を動作させる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする伐採装置。
【請求項2】 互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、該腕部先端に接続され樹木を切断する刃を有した切断部と、前記腕部の根本部分の軸線と直交する所定の軸を旋回中心として、前記腕部および前記切断部を一体で旋回させる旋回移動部と、前記腕部の根本部分の軸線または該軸線に平行な軸を回転軸として、前記腕部および前記切断部を一体で回転させる回転部と、前記腕部、切断部、旋回移動部および回転部を一体で、地上から前記樹木の切断希望位置近傍の高さまで上げ、また、伐採作業終了後は地上まで下げる昇降部と、前記腕部、切断部、旋回移動部、回転部および昇降部を搭載していて、自身は旋回および自走可能な台車部と、前記切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、前記台車部、昇降部、回転部、旋回移動部および前記腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記旋回移動部を動作させる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする伐採装置。
【請求項3】 請求項1または2に記載の伐採装置において、前記腕部の根本部分の軸線の、地面に対する角度を調整する、角度調整部をさらに具えたことを特徴とする伐採装置。
【請求項4】 請求項1または3に記載の伐採装置において、前記直線移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記直線移動部が一体で回転する構成としてあることを特徴とする伐採装置。
【請求項5】 請求項1または3に記載の伐採装置において、前記直線移動部は、前記腕部および切断部を移動させる速度を可変できるものであることを特徴とする伐採装置。
【請求項6】 請求項1、3または5に記載の伐採装置において、前記直線移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記直線移動部が一体で回転する構成とし、直線移動部についての前記第1の方向を、前記腕部の関節の回転軸と平行な方向としてあり、前記切断部として、チェーンソーを具え、該チェーンソーは、その刃の回転軸が、前記腕部の先端部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの該先端部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直となるように、前記腕部先端に取り付けてあることを特徴とする伐採装置。
【請求項7】 請求項2または3に記載の伐採装置において、前記旋回移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記旋回移動部が一体で回転する構成としてあることを特徴とする伐採装置。
【請求項8】 請求項2または3に記載の伐採装置において、前記旋回移動部は、前記腕部および切断部を旋回させる速度を可変できるものであることを特徴とする伐採装置。
【請求項9】 請求項2、3または8に記載の伐採装置において、前記旋回移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記旋回移動部が一体で回転する構成としてあり、旋回移動部における前記所定の軸を、前記腕部の根本部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの該根本部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直な軸としてあり、前記切断部として、チェーンソーを具え、該チェーンソーは、その刃の回転軸が、前記腕部の先端部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの該先端部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直となるように、前記腕部先端に取り付けてあることを特徴とする伐採装置。
【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の伐採装置において、前記昇降部および台車部として、キャタピラ駆動の小型クレーン車を具えることを特徴とする伐採装置。
【請求項11】 任意の昇降装置に取り付けられる伐採装置用ユニットであって、互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、該腕部先端に接続され樹木を切断する刃を有する切断部と、前記腕部の根本部分の軸線と直交する第1の方向に沿って、前記腕部および前記切断部を一体で移動させる直線移動部と、前記腕部の根本部分の軸線または該軸線に平行な軸を回転軸として、前記腕部および前記切断部を一体で回転させる回転部と、前記切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、前記回転部、直線移動部および前記腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記直線移動部を動作させる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項12】 任意の昇降装置に取り付けられる伐採装置用ユニットであって、互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、該腕部先端に接続され樹木を切断する刃を有した切断部と、前記腕部の根本部分の軸線と直交する所定の軸を旋回中心として、前記腕部および前記切断部を一体で旋回させる旋回移動部と、前記腕部の根本部分の軸線または該軸線に平行な軸を回転軸として、前記腕部および前記切断部を一体で回転させる回転部と、前記切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、前記、回転部、旋回移動部および前記腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記旋回移動部を動作させる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項13】 請求項11または12に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記腕部の根本部分の軸線の、地面に対する角度を調整する、角度調整部をさらに具えたことを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項14】 請求項11または13に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記直線移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記直線移動部が一体で回転する構成としてあることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項15】 請求項11または13に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記直線移動部は、前記腕部および切断部を移動させる速度を可変できるものであることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項16】 請求項11、13または15に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記直線移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記直線移動部が一体で回転する構成とし、直線移動部についての前記第1の方向を、前記腕部の関節の回転軸と平行な方向としてあり、前記切断部として、チェーンソーを具え、該チェーンソーは、その刃の回転軸が、前記腕部の先端部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの該先端部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直となるように、前記腕部先端に取り付けてあることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項17】 請求項12または13に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記旋回移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記旋回移動部が一体で回転する構成としてあることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項18】 請求項12または13に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記旋回移動部は、前記腕部および切断部を旋回させる速度を可変できるものであることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項19】 請求項12、13または18に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記旋回移動部を前記回転部に搭載し、該回転部が動作する時は、前記切断部、前記腕部および前記旋回移動部が一体で回転する構成としてあり、旋回移動部における前記所定の軸を、前記腕部の根本部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの該根本部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直な軸としてあり、前記切断部として、チェーンソーを具え、該チェーンソーは、その刃の回転軸が、前記腕部の先端部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの該先端部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直となるように、前記腕部先端に取り付けてあることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項20】 互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、該腕部先端に接続され、樹木を切断する切断部を、前記腕部の先端部分の軸線を回転軸として回転させる動作および該軸線と直交する軸を旋回中心として旋回させる動作を独立に行わせる切断部制御部と、該切断部制御部に取り付けられた当該切断部と、前記腕部、切断部制御部および切断部を一体で、地上から前記樹木の切断希望位置近傍の高さまで上げ、また、伐採作業終了後は地上まで下げる昇降部と、前記腕部、切断部制御部、切断部および昇降部を搭載していて、自身が旋回および自走可能な台車部と、前記切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、前記台車部、昇降部、切断部制御部および前記腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記切断部制御部に前記旋回動作をさせる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする伐採装置。
【請求項21】 請求項20に記載の伐採装置において、前記切断部制御部は、前記切断部を回転動作させるための第1の部分と、前記切断部を旋回動作させるための第2の部分を有し、かつ、該第1の部分に該第2の部分を搭載した構造としてあることを特徴とする伐採装置。
【請求項22】 請求項20または21に記載の伐採装置において、前記切断部としてチェーンソーを具え、該チェーンソーは、その刃の回転軸が、前記切断部制御部の前記旋回中心軸と平行になるように、前記切断部制御部に取り付けてあることを特徴とする伐採装置。
【請求項23】 請求項20〜22のいずれか1項に記載の伐採装置において、前記昇降部および台車部として、キャタピラ駆動の小型クレーン車を具えたことを特徴とする伐採装置。
【請求項24】 任意の昇降装置に取り付けられる伐採装置用ユニットであって、互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、該腕部先端に接続され、樹木を切断する切断部を、前記腕部の先端部分の軸線を回転軸として回転させる動作および該軸線と直交する軸を旋回中心として旋回させる動作を独立に行わせる切断部制御部と、該切断部制御部に取り付けられた当該切断部と、前記切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、前記切断部制御部および前記腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記切断部制御部に前記旋回動作をさせる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項25】 請求項24に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記切断部制御部は、前記切断部を回転動作させるための第1の部分と、前記切断部を旋回動作させるための第2の部分を有し、かつ、該第1の部分に該第2の部分を搭載した構造としてあることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【請求項26】 請求項24または25に記載の伐採装置用ユニットにおいて、前記切断部としてチェーンソーを具え、該チェーンソーは、その刃の回転軸が、前記切断部制御部の前記旋回中心軸と平行になるように、前記切断部制御部に取り付けてあることを特徴とする伐採装置用ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、伐採装置に関するものである。特に、架空送電線や該送電線の支持物に接近した樹木を、根本からではなく途中から伐採したり該樹木の枝払いをする際に用いて好適な、伐採装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】架空送電線やその支持物(以下、「送電線等」という)に接近した樹木を伐採する作業は、電力を安定供給するうえで欠かすことのできない作業である。この種の作業では、近年、送電線等を設置している土地の地権者の権利意識や、環境保護意識の高まりから、樹木を根本から伐採せずに、必要最低限の位置から伐採する方法、いわゆる中段切りおよび枝払い(以下、これらを「中段切り等」という)が主流になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の伐採装置は、主として林業用を中心に開発されている。そのため、ほとんどの伐採装置は、大径木の成木を根本から伐採する装置である。すなわち、樹木の根本に配置され、樹木をその根本から伐採する装置である(例えば、クラナブ社製の商品名、FGS−28型(新宮商行の林業機械カタログ)、玉置機械工業製の商品名、ハーベスターTM−35s等)。
【0004】また、枝払いのための装置も、例えば杉などの直進性に富む樹木に、該樹木を抱きかかえる様に取り付けられて、上昇しながら枝を払う装置である(例えばセイレイ工業(株)製の商品名AB350−R等)。
【0005】このように、従来は、中段切り等に好適な伐採装置はなかった。そのため、従来は、人が梯子を使用して中段切り等を行っていたので、墜落や梯子の転倒などによる人身事故の危険が常にあった。
【0006】また、中段切り等を希望する場所は山間部であることが多い。そのため、中段切り等に好適でかつ山間巡視路を自走できる伐採装置が望まれるが、そのような伐採装置は、従来なかった。
【0007】この発明はこのような点に鑑みなされたものであり、従って、この発明の目的は、山間巡視路を自走できかつ人が高所に登ることなく中段切り等ができる伐採装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)そこで、この出願の第1の発明の伐採装置によれば、■互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、■この腕部先端に接続され樹木(枝の場合も含む。以下、各発明で同じ)を切断する刃を有する切断部と、■腕部の根本部分の軸線と直交する第1の方向に沿って、腕部および切断部を一体で移動させる直線移動部と、■腕部の根本部分の軸線または該軸線に平行な軸を回転軸として、腕部および切断部を一体で回転させる回転部と、■腕部、切断部、直線移動部および回転部を一体で、地上から樹木の切断希望位置近傍の高さまで上げ、また、伐採作業終了後は地上まで下げる昇降部と、■腕部、切断部、直線移動部、回転部および昇降部を搭載していて、自身は旋回および自走可能な台車部と、■切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、記台車部、昇降部、回転部、直線移動部および腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記直線移動部を動作させる遠隔操作部を具えたことを特徴とする。
【0009】この第1の発明の伐採装置によれば、腕部が所定の関節を持つ腕部となっているので、これら関節で腕部の各部(例えば後の実施形態でいう第1〜第3腕)の曲げ伸ばしを制御するのみで、切断部と樹木との距離調整と、切断部を樹木の周囲の任意の位置に回り込ませることの双方を、行うことができる(後に図2(B)、(C)を参照して詳述する。)。また、所定の回転部を具えているので、これを動作させることで、切断部の刃を、樹木を切断する方向に向かせることができる。そして、直線移動部を動作させることで、切断部の刃を樹木に切り込ませて、樹木を切断することができる。
【0010】また、この第1の発明では、回転部を腕部より昇降部側に設けている。回転部を腕部の先端部に設け、さらにこの回転部に切断部を設けることによって、切断部のみを回転させて、切断部の刃の向きを調整する構成も考えられるが(後の第3の発明)、そうすると、腕部の先端部に回転部のための部材が増える。腕部の先端部に設ける部材が増えると、その分、腕部や関節に対する負荷が増えるので、腕部や関節を、大がかりなものにする必要が生じる。これに対して、この第1の発明では、上述の様に、回転部を腕部より昇降部側に設けているため、腕部に切断部を回転させるための部材を設けずに済むから、その分、腕部や関節の軽量化を図ることができる。
【0011】また、この第1の発明では、昇降部によって、切断部、腕部、回転部および直線移動部を上げ下げでき、かつ、切断部、腕部、回転部、直線移動部および昇降部を遠隔操作部により遠隔操作できるので、人が高所に向かうことなく、中段切り等を行える。また、台車として、旋回かつ自走可能な台車を具えるので、伐採装置自体の移動が容易である。
【0012】これらのことから、この第1の発明によれば、山間巡視路を自走できかつ人が高所に登ることなく中段切り等ができる伐採装置が実現される。
【0013】また、この第1の発明の伐採装置は、関節、回転部、直線移動部という必要最低限の自由度調整機構で構成してある。そのため、伐採作業をする際の遠隔操作も単純な操作にできるので、使用し易い伐採装置が実現される。
【0014】なお、この第1の発明を実施するに当たり、好ましくは、直線移動部を回転部に搭載し、かつ、直線移動部についての前記第1の方向を、腕部の関節の回転軸と平行な方向とし、かつ、切断部として、チェーンソーを具え、然も、チェーンソーは、その刃の回転軸が、腕部の先端部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの腕部先端部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直となるように、腕部先端に取り付けた構成とするのが良い。
【0015】この好ましい構成であると、詳細は図1および図2を参照して後述するが、樹木の幹を切断する際は、例えば、回転部を90度回転させてから直線移動部を動作させることで、目的の切断を行える。また、枝を切断するときは、関節を動作させて幹の周囲の目的の位置(裏側や側方の場合も含む)に切断部を移動させた後、直線移動部を動作させることで、目的の切断がを行える。すなわち、簡易な動作で中段切り等を実施できる。
【0016】また、この第1の発明における、切断部、腕部、直線移動部および回転部と、これらを遠隔制御する遠隔制御部とからなるユニットを、任意の昇降装置に装着することによって、第1の発明の伐採装置を実現することが出来る。従って、該ユニットは、第1の発明の伐採装置を実現するためのユニットとして好ましい。
【0017】(2)また、この出願の第2の発明の伐採装置によれば、■互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、■この腕部先端に接続され樹木を切断する刃を有した切断部と、■この腕部の根本部分の軸線と直交する所定の軸を旋回中心として、腕部および切断部を一体で旋回させる旋回移動部と、■腕部の根本部分の軸線またはこの軸線に平行な軸を回転軸として、腕部および切断部を一体で回転させる回転部と、■腕部、切断部、旋回移動部および回転部を一体で、地上から樹木の切断希望位置近傍の高さまで上げ、また、伐採作業終了後は地上まで下げる昇降部と、■腕部、切断部、旋回移動部、回転部および昇降部を搭載していて、自身は旋回および自走可能な台車部と、■切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、前記台車部、昇降部、回転部、旋回移動部および前記腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は前記旋回移動部を動作させる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする。
【0018】この第2の発明の伐採装置によれば、第1の発明の伐採装置の直線移動部の代わりに旋回移動部を具えた伐採装置が実現されるので、切断部の刃を樹木に切り込ませる方式が第1の発明とは異なる方式(すなわち旋回方式)の伐採装置が実現される。
【0019】なお、この第2の発明を実施するに当たり、好ましくは、旋回移動部を回転部に搭載し、かつ、旋回移動部における前記所定の軸を、腕部の根本部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの該根本部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直な軸とし、かつ、切断部として、チェーンソーを具え、該チェーンソーは、その刃の回転軸が、腕部の先端部分の軸線と、前記少なくとも2つの関節のうちの腕部先端部分の関節の回転軸とを含む平面に垂直となるように、腕部先端に取り付けた構成とするのが良い。
【0020】この好ましい構成であると、詳細は図3を参照して後述するが、樹木の幹を切断する際は、例えば回転部を90度回転させてから旋回移動部を動作させることで、目的の切断を行える。また、枝を切断するときは、関節を動作させて幹の周囲の目的の位置に切断部を移動させた後、旋回移動部を動作させることで、目的の切断がを行える。すなわち、簡易な動作で中段切り等を実施できる。
【0021】また、この第2の発明における、切断部、腕部、旋回移動部および回転部と、これらを遠隔制御する遠隔制御部とからなるユニットを、任意の昇降装置に装着することによって、第2の発明の伐採装置を実現することが出来る。従って、該ユニットは、第2の発明の伐採装置を実現するためのユニットとして好ましい。
【0022】(3)また、この出願の第3の発明の伐採装置によれば、■互いに平行な別々の軸を回転軸とする少なくとも2つの関節を有した腕部と、■この腕部先端に接続され、樹木を切断する切断部を、腕部の先端部分の軸線を回転軸として回転させる動作およびこの軸線と直交する軸を旋回中心として旋回させる動作を独立に行わせる切断部制御部と、■切断部制御部に取り付けられた当該切断部と、■腕部、切断部制御部および切断部を一体で、地上から樹木の切断希望位置近傍の高さまで上げ、また、伐採作業終了後は地上まで下げる昇降部と、■腕部、切断部制御部、切断部および昇降部を搭載していて、自身が旋回および自走可能な台車部と、■切断部が樹木の伐採に好適な位置になるように、台車部、昇降部、切断部制御部および腕部の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は切断部制御部に前記旋回動作をさせる遠隔操作部とを具えたことを特徴とする。
【0023】この第3の発明の伐採装置によれば、第1の発明や第2の発明で直線移動部や旋回移動部を設けていた代わりに、切断部の位置や切断部の切断時の刃の移動を実施する部分(すなわち切断部制御部)を腕部の先端部に具えた伐採装置を実現できる。この装置の場合、樹木や枝を実際に切断する際は切断部のみが移動する伐採装置であって、かつ、山間巡視路を自走でき然も人が高所に登ることなく中段切り等ができる伐採装置を実現できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの出願の各発明の伐採装置の実施の形態についてそれぞれ説明する。なお、説明に用いる各図は、この発明を理解できる程度に各構成成分の大きさ、形状、配置関係を概略的に示してあるにすぎない。また、各図において、同様な構成成分については、同一の番号や記号を付して示し、重複する説明を省略することもある。
【0025】1.第1の実施の形態図1(A)は、第1の発明の実施の形態の伐採装置10を説明する側面図および、この伐採装置10の一部の上面図を、併せて示した図である。また、図1(B)は、伐採装置10の一部(図1(A)のP部分)を拡大した図である。
【0026】この伐採装置10は、切断部11、腕部13、直線移動部15、回転部17、角度調整部19、昇降部21、台車部23および遠隔操作部25を具える。
【0027】切断部11は樹木の幹や枝を切断できる手段であれば任意の手段で構成できる。実用的な意味から、切断部11をチェーンソーで構成するのが好ましい。切断部11のオン・オフを、遠隔操作部25により制御できる構成とする。
【0028】また、腕部13は、この実施の形態では、第1の腕13a、第2の腕13bおよび第3の腕13cの3つの部分で構成してある。
【0029】これら第1〜第3腕13a〜13cそれぞれは、任意の長さ(互いが同じでも、異なっても良い。)の、例えば断面が円形状または多角形状の棒状のものとできる。もちろん、各腕は、中空の棒状物、中実の棒状物いずれでも良い。或いは、棒状物ではなく、チャネル材(例えば断面が「コの字状」等の棒状物)であっても良い。第1〜第3の腕13a〜13cそれぞれを、中空物やチャネル状のものとすると、腕部13を軽量化するうえで好ましい。これら第1〜第3腕13a〜13cそれぞれは、任意好適な材料、好ましくは金属により構成する。
【0030】また、この腕部13では、第1の腕13aと第2の腕13bとを、第1の関節13dで接続してあり、第2の腕13bと第3の腕13cとを第2の関節13eで接続してある。
【0031】第1の関節13dは、軸a1を回転軸として、第1の腕13aを回転させることができ、第2の関節13eは、軸a1に平行な別の軸a2を回転軸として、第2の腕13bを回転させることが出来る。
【0032】これら関節13d、13eそれぞれは、従来公知の装置で構成出来る。例えば、第1の関節13dを、回転手段、例えばモータ、好ましくは油圧モータ13fを具えた装置とする。そして、この油圧モータ13fの回転方向および回転角を、遠隔操作部25(図2参照)により制御できるよう構成する。こうすることで、第1の腕13aを、軸a1を中心にして、右または左に任意の角度回転させることができる。また、第2の関節13eを、回転手段、例えば油圧モータ13gを具えた装置とする。そして、この油圧モータ13gの回転方向および回転角を遠隔操作部25により制御できるよう構成する。こうすることで、第2の腕13bを、軸a2を中心にして、右または左に任意の角度回転させることができる。
【0033】もちろん、腕部13を4以上の部分とそれに応じた数の関節とで構成しても良い。ただし、腕部13を3つの部分と2つの関節とで構成すると、樹木と切断部との距離調整および、樹木の周囲の任意の位置へ切断部を移動させることを、最小限の構成で実現できるので、好ましい。
【0034】この腕部13の先端、この場合第1の腕13aの先端に、上述の切断部11としてのチェーンソー11を取り付けてある。第1の腕13aにチェーンソー11を取り付ける際に、チェーンソー11の刃11a(図1(B)参照)をいずれの方向に向かせるかは任意であるが、好ましくは、チェーンソー11の刃11aの回転軸b(図1(B)参照)が、腕部13の先端部分(図1の例では第1の腕13a)の軸線c(図1(B)参照)と、少なくとも2つの関節13d,13eのうちの腕部先端部分13aの関節13dの回転軸a1とを含む平面(図1の例であれば図1の紙面)に垂直となるように、チェーンソー11を、腕部13先端に取り付けるのが良い。こうしておくと、軸a1またはこれと平行な軸に沿って腕部13を移動させることで、刃11aの送り動作が行える。
【0035】また、直線移動部15は、腕部13の根本部分の軸線、すなわち、この場合は第3の腕13cの軸線d(図1(A)参照)と直交する第1の方向e(図1(A)参照)に沿って、腕部13および切断部11を一体で移動させるものである。この第1の方向は、腕部13の根本部分の軸線dと直交する方向であれば任意とできる。しかし、直線移動部15を回転部17に搭載する構成とする場合は、この第1の方向は、腕部13の関節13d、13eの回転軸a1、a2に平行な方向とするのが良い。すなわち、直線移動部15を、腕部13の関節13d、13eの回転軸a1、a2に平行な方向に沿って、腕部13および切断部11を一体で移動させるものとするのが良い。こうすると、上述の様に設定したチェーンソー11の刃の向きと、直線移動部15による腕部13および切断部11の移動方向とが一致する。そのため、後に図1および図2を参照して説明する様に、単純な操作で目的とする伐採を行える。
【0036】この直線移動部15は、腕部13および切断部11を第1の方向に移動できるものなら、任意の構造の装置で構成できる。例えば、直線移動部15を、以下のような構造のものとすることができる。
【0037】すなわち、腕部13の根本部分(第3の腕13c)が固定される第1の部材15aと、この第1の部材15aが組み合わされ、該第1の部材15aの上記の第1の方向に沿う移動をガイドする第2の部材15bと、第1の部材15aを第1の方向に沿って駆動する第3の部材15cとで構成する。第1の部材15aとして、例えば、金属または樹脂またはプラスチックスまたは複合材料からなるスライド部材を用い、第2の部材15bとして、例えば、前記スライド部材15aが組み合わされるレール部材を用い、第3の部材15cとして、例えば、前記スライド部材15aに可動シャフトの先端が接続されている油圧シリンダを用いることが出来る。この直線移動部であれば、油圧シリンダ15cのシャフトを伸縮させることで、スライド部材15aがレール部材15bに沿って移動するので、上記の直線移動を実現できる。
【0038】なお、この直線移動部15は、腕部13や切断部11を移動させる速度を可変出来るものとするのが良い。こうすれば、例えば、切断部を樹木に近づけるための直線移動速度と、切断部を樹木に切り込ませるための動作の速度とを、違えることができる。一般に、切断部を樹木に切り込ませる速度は比較的低速であり、一方、切断部を樹木に近づける速度は速い方が作業効率が向上する。直線移動部15が移動速度可変型であると、上記の作業毎で速度を違えることができる。
【0039】また、回転部17は、腕部13の根本部分の軸線dまたは該軸線に平行な軸f(図1(A))参照)を回転軸として、腕部13および切断部11を一体で回転させるものである。ただし、この回転部17に上記の直線移動部15を搭載してしまい、腕部13の根本部分の軸線dまたは該軸線に平行な軸fを回転軸として、切断部11、腕部13および直線移動部15を一体で、回転させるのが好ましい。こうすると、直線移動部15の移動方向と切断部11の刃の向きとを合わせた状態のままで、腕部13の根本部分の軸線dまたは該軸線に平行な軸fを回転軸として、切断部11、腕部13および直線移動部15を一体で、回転させることができる。
【0040】なお、腕部13は直線移動部15上を移動するので、腕部13の根本部分の軸線dと回転部17の回転軸fとが一致する場合もあれば、異なる場合もあることは、理解されたい。
【0041】この回転部17は、任意好適な回転手段、例えば、モータ、より具体的には油圧モータで構成出来る。このモータの回転方向および回転角度を遠隔操作部25で制御することで、直線移動部15、腕部13および切断部11を、一体で、腕部13の根本部分の軸線dまたは該軸線に平行な軸fを回転軸として、右または左に任意の角度回転させることができる。
【0042】また、角度調整部19は、腕部13の根本部分の軸線、この場合は第3の腕13cの軸先dの、地面に対する角度を調整する。この角度調整部19は、上記機能が得られるなら、任意の構成とすることができる(その一例は後の実施例で説明する。)。この角度調整部19は、樹木の幹の切断面を鉛直線となるべく直交させるためのものである。このような目的がそれほど重要で無いなら、この角度調整部19は必須というものではない。また、関節13dおよび関節13eにより、角度調整部19を兼ねる構成としても良い。ただし、後に図6を参照して説明するが、この角度調整部19に、直線移動部15等を台車部23に収納する際の直線移動部等の姿勢変更の機能を持たせるのが良い。これは、例えば、角度の変更幅を広くすればよい。こうすれば、直線移動部15等を台車部23に収納する際、これらをコンパクトに収納できるので、好ましい。
【0043】また、昇降部21は、切断部11、腕部13、直線移動部15および回転部17(角度調整部19を設ける場合は該角度調整部19)を、一体で、地面と樹木の伐採予定位置との間で、上げ下げする。この昇降部21は、例えば、クレーンまたはジャッキ等、任意好適な装置で構成することができる。
【0044】また、台車部23は、切断部11、腕部13、直線移動部15、回転部17(角度調整部19を設ける場合は該角度調整部19)および昇降部21を搭載していて、自身は旋回および自走するものである。この台車部はタイヤ駆動のもの、キャタピラ駆動のものいずれでも良いが、伐採装置10が山間部での使用が多いことを考慮すると、キャタピラ駆動のものが好ましい。昇降部21および台車部23を、キャタピラ駆動のクレーン車で構成すれば、山間部の使用に耐える好適な伐採装置が簡易に得られる。
【0045】また、遠隔操作部25は、切断部11が樹木の伐採に好適な位置になるように、台車部23、昇降部21(各度調整部19を設ける場合は該角度調整部19)、回転部17、直線移動部15および腕部13の関節のうちの必要な部署を遠隔操作し、かつ、樹木切断時は直線移動部15を動作させる。もちろん、切断部11自体のオン・オフ動作も操作する。
【0046】この遠隔操作部25は、各構成成分11〜23の、オン(動作)・オフ(休止)制御、移動方向や回転方向の制御、移動距離や回転角度の制御を行う。この遠隔操作部25は、各構成成分11〜23をオン・オフさせるスイッチ、各構成成分の移動方向や回転方向を切り換えるスイッチ等を具えた、公知の電気回路で構成すれば良い。また、この遠隔操作部25は、切断部11等の各構成成分との間をケーブルで接続して遠隔操作する場合、または、ワイヤレスで遠隔操作する場合何れでもよい。前者の方が、例えばコスト的には有利と考えられる。後者の方は、ケーブルが無い分、各構成成分の動作をスムースなものに出来ると考えられる。
【0047】次に、この第1の発明の伐採装置の理解を深めるために、上述した伐採装置10による伐採動作について、図1および図2を参照して説明する。なお、図2(A)は、樹木31の幹33を、樹木31の高さ方向の途中にて切断する様子を示した側面図である。また、図2(B)は、樹木31の枝35を切断する例であって、然も伐採装置から見て樹木の裏側の枝を切断する様子を示した図(上面図)である。また、図2(C)は、樹木近傍に伐採装置を固定した後に、関節13d、13eにより、樹木と切断部11との距離を調整できる旨を説明する図である。
【0048】先ず、台車部23を動作させて、中段切り等を行う対象の樹木近傍に伐採装置10を移動する。そして、昇降部21、腕部13の関節13d、13eなどを駆使して、切断部11を樹木の切断位置近傍に位置させる。
【0049】そして、幹33を切断する場合、伐採装置10の回転部17(図1参照)により切断部11、腕部13および直線移動部15を、図1の状態に対し、軸fを中心に90度回転させる。なお、樹木に伐採装置が近づき過ぎていた場合等の、樹木と切断部11との距離調整は、図2(C)の様に、関節13d、13eにて第1〜第3の腕13a〜13cを適宜曲げることで、行うことができる。特に、後に図5を参照して説明する様に、台車部23を安定脚23aで地面に固定してしまった後は、樹木と切断部との距離調整を台車部23の移動により行えないので、この関節13d、13eによる距離調整機能は有用である。また、切断面を鉛直線に対し垂直にしたい場合は、角度調整部19およびまたは関節13d、13eを適宜利用して調整できる。そして、直線移動部15を動作させて、切断部11を幹に切り込ませることで、幹33を切断する。
【0050】また、枝35を切断する場合、関節13d、13eを利用して切断部11を切断希望の枝35の位置に移動させる。そして、直線移動部15を動作させて、切断部11を枝35に切り込ませることで、枝35を切断する。
【0051】なお、図2を参照して説明した切断動作例は一例に過ぎない。
【0052】2.第2の実施の形態次に、第2の発明の伐採装置の実施の形態について説明する。図3は、第2の発明の実施の形態の伐採装置40を説明する側面図および、この伐採装置40の一部の上面図を、併せて示した図である。
【0053】この伐採装置40は、伐採装置10に設けてあった直線移動部15(図1参照)の代わりに、旋回移動部41を具える。それ以外の構成は、伐採装置10と同様にしてある。そこで、この相違点について主に説明する。
【0054】旋回移動部41は、腕部の根本部分の軸線(この実施の形態では第3の腕13cの軸線d)と直交する所定の軸gを旋回中心として、腕部13および切断部11を一体で旋回させる。この旋回移動部41を、旋回手段、例えばモータ、より具体的には油圧モータで構成する。この油圧モータの回転シャフトに第3の腕13cを、軸線dがこの回転シャフトに直交する様に、接続する。旋回移動部41は、右旋回、左旋回を自在に切り換えることが可能で、かつ、旋回角度も任意に出来る構成とする。この旋回移動部の旋回方向や旋回角度を、遠隔操作部47により制御する。
【0055】また、この旋回移動部41を回転部17に搭載しておき、回転部17を回転させることで、第3の腕13cの軸線またはそれと平行な軸を回転軸として、切断部11、腕部13および旋回移動部41が一体で回転する構成とするのが良い。第1の発明と同様な趣旨からである。
【0056】また、この旋回移動部41は、腕部13や切断部11を旋回させる速度を可変出来るものとするのが良い。こうすれば、例えば、切断部を樹木に近づけるための旋回動作の時の速度と、切断部を樹木に切り込ませるための旋回動作の速度とを、違えることができる。一般に、切断部11を樹木に切り込ませる時の速度は比較的低速であり、一方、切断部を樹木に近づける速度は速い方が作業効率が向上する。旋回動作部41が旋回速度可変型であると、上記の作業毎で速度を違えることができる。
【0057】なお、昇降部43、台車部45および遠隔操作部47それぞれは、基本的には、第1の発明の昇降部21、台車部23および遠隔操作部25と同様な構成で良い。ただし、第1の発明で用いていた直線移動部15の代わりに旋回移動部41が、昇降対象、台車搭載対象および遠隔操作対象に加わる点で、第1の発明と相違する。
【0058】この第2の発明の伐採装置40では、樹木の実際の切断動作の際に、旋回動作部41が使用されることを除いて、第1の発明の伐採装置10と同様な動作(例えば図2を参照して説明した動作に準じた動作)で中段切り等を行うことができるので、伐採装置40の動作の説明は省略する。
【0059】3.第3の実施の形態次に、第3の発明の実施の形態について説明する。図4は、第3の発明の実施の形態の伐採装置50を説明する側面図および、この伐採装置50の一部の上面図を、併せて示した図である。
【0060】この伐採装置50は、伐採装置10に設けてあった直線移動部15および回転部17(図1参照)を削除し、その代わりに、腕部13の第3の腕13c(根本部分)を角度調整部19に直接取り付ける。ただし、角度調整部19を設けない場合は、第3の腕13cを昇降部53に直接取り付ける。また、切断部11と、腕部13の第1の腕13aとの間に、切断部制御部51を具える。それ以外の構成は、伐採装置10と同様にしてある。そこで、この相違点について主に説明する。
【0061】この切断部制御部51は、腕部先端(第1の腕13aの先端)に接続され、切断部11を、腕部の先端部分の軸線hを回転軸として回転させる動作と、該軸線hと直交する軸iを旋回中心として旋回させる動作とを、独立に行わせるものである。
【0062】この切断制御部51を、切断部11を上述の回転動作させるための第1の部分51aと、切断部11を上述の旋回動作させるための第2の部分51bとで構成し、かつ、第1の部分51aに第2の部分51bを搭載した構造とするのが良い。こうすると、第1の部分51aの回転動作により、第2の部分51bおよび切断部11を一体で、軸線hを回転軸として回転させることができる。
【0063】第1の部分51aおよび第2の部分51b各々は、好適な回転手段例えばモータ、より具体的には油圧モータで構成できる。例えば、第1の油圧モータの回転シャフトに、第2の油圧モータを、第1の油圧モータの回転シャフトに対して第2の油圧モータの回転シャフトが直交する様に、取り付ければ良い。
【0064】また、切断部11としてのチェーンソーは、その刃の回転軸(図1(B)中の軸b)が、切断部制御部の前記旋回中心軸i(図4参照)と平行になるように、切断部制御部51の第2の部分51bに取り付ければ良い。このようにチェーンソー11を切断部制御部51に取り付けると、切断部制御部51が旋回動作したとき、切断部11の刃の向きが旋回方向に一致する。
【0065】なお、昇降部53、台車部55および遠隔操作部57それぞれは、基本的には、第1の発明の昇降部21、台車部23および遠隔操作部25と同様な構成で良い。ただし、第1の発明で用いていた直線移動部15および回転部17の代わりに切断部制御部51が、昇降対象、台車搭載対象および遠隔操作対象に加わる点で、第1の発明と相違する。
【0066】この第3の発明の伐採装置50では、樹木の実際の切断動作の際に、切断部制御部51が使用されることを除いて、第1の発明と同様な動作で中段切り等を行うことができるので、伐採装置50の動作の説明は省略する。
【0067】
【実施例】次に、第1の発明の伐採装置の実施例について説明する。図5は第1の発明の実施例の伐採装置60の使用時の一つの状態を示した側面図である。また、図6は実施例の伐採装置60であって、昇降部19などを収納した状態の装置を示した側面図である。ただし、図5、図6いずれも、遠隔操作部の図示は省略してある。
【0068】この実施例の伐採装置60は、昇降部21および台車部23をキャタピラ駆動の小型クレーン車で構成してある。この実施例では、この小型クレ−ン車として、(株)新トーア製のカートクレーンを用いている。
【0069】また、この実施例の伐採装置60では、角度調整部19を以下の様な構成としてある。すなわち、昇降部21の先端部に、回転部17を取り付けるための取り付け部19aを接続する。そして、この取り付け部19aにヒンジ機構19bにより回転部17の一部を取り付ける。また、取り付け部19aの、回転部17を取り付けた部分から離れた位置に、油圧シリンダ19cの本体部を取り付け、この油圧シリンダの可動シャフトの先端を回転部17の一部であって、取り付け部19aと固定された部分とは別の部分に接続する。この角度調整部19によれば、油圧シリンダの可動シャフトを伸縮させると、ヒンジ機構19bを中心軸にして、回転部が移動するので、腕部13cの地面に対する角度を調整することができる。また、この発明でいう角度調整部19は、上記の角度調整の機能以外に、伐採動作終了後の昇降部21や直線移動部15等を台車部23に収納する際に、直線移動部15等をコンパクトに台車部23に収納できるように、直線移動部15等の角度を変更する機能も有している(図6参照)。
【0070】この伐採装置60では、伐採装置60を使用しない場合や、伐採地への移動の際は、腕部13の各腕13a〜13cを、関節を利用して最小寸法にたたみ、かつ、直線移動部15等を角度調整部19を利用してコンパクトな姿勢にたたみ、かつ、昇降部21を台車部23側にたたんで、伐採装置60の各構成成分11〜21を台車部23に収納した状態にできる(図6)。
【0071】伐採作業に当たっては、台車部23を動作させて、伐採予定の樹木の近傍に伐採装置60を移動させる。そして、伐採装置60を地面に対して安定化するために、安定脚23aを地面に張り出させる(図5)。また、台車部23の旋回機能を用いて樹木に対する伐採装置60の向きを調整することもできる。次に、昇降部21、腕部13の各関節13d、13eを駆使して、切断部11を樹木の切断位置近傍に移動させる(図5)。そして、実施の形態で説明した手順で幹や枝を切断する。
【0072】伐採作業が終了したら上述した様な収納状態(図6)にする。
【0073】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この出願の第1の発明の伐採装置によれば、所定の、切断部、腕部、直線移動部、回転部、昇降部、台車部および遠隔操作部を具えている。また、第2の発明の伐採装置によれば、所定の、切断部、腕部、旋回移動部、回転部、昇降部、台車部および遠隔操作部を具えている。また、第3の発明の伐採装置によれば、所定の、切断部、切断部制御部、腕部、昇降部、台車部および遠隔操作部を具えている。
【0074】従って、これら第1〜第3の発明によれば、山間巡視路を自走できかつ人が高所に登ることなく中段切り等ができる伐採装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000241957
【氏名又は名称】北海道電力株式会社
【識別番号】000130455
【氏名又は名称】株式会社サークル鉄工
【出願日】 平成10年9月4日(1998.9.4)
【代理人】 【識別番号】100085419
【弁理士】
【氏名又は名称】大垣 孝
【公開番号】 特開2000−78934(P2000−78934A)
【公開日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【出願番号】 特願平10−250801