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【発明の名称】 きのこ栽培用培地への液体浸透方法
【発明者】 【氏名】木田 三郎

【要約】 【課題】きのこ類の人工栽培に用いた水等の液体が抜け出て乾燥した状態にある塊状に形成されたきのこ栽培用培地に容器内の液体を容易かつ迅速に万遍なく浸透させることができるきのこ栽培用培地への液体浸透方法を得る。

【解決手段】きのこ類の人工栽培に用いた水等の液体が抜け出て乾燥した状態にある塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を、容器30内に収容された液体20中に浸漬する。次いで、その容器の開口部32を蓋体40で覆って封ずる。その後、容器30内の空気を、蓋体40に設けられた吸気口42を通して、容器30外部に吸引して排除し、容器30内を大気圧より低く減圧した状態とする。そして、容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10内に残存する空気をきのこ栽培用培地10の外部に抜け出させて、そのきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を浸透させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塊状に形成されたきのこ栽培用培地への液体浸透方法であって、次の工程を含むことを特徴とするきのこ栽培用培地への液体浸透方法。a.前記のきのこ栽培用培地に浸透させる液体が収容された容器内に前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地を入れて、そのきのこ栽培用培地を前記の容器内の液体中に浸漬する工程。b.前記の容器の開口部を封じた後、その容器内の空気を容器外部に吸引して排除し、その容器内の気圧を大気圧より低く減圧して、前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地に容器内の液体を浸透させる工程。
【請求項2】 きのこ類の人工栽培に用いた塊状に形成されたきのこ栽培用培地の周囲面を覆うきのこの菌床層に該層を貫いて穴を開口した後、そのきのこ栽培用培地を前記の容器内の液体中に浸漬する請求項1記載のきのこ栽培用培地への液体浸透方法。
【請求項3】 前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地を前記の容器内の液体中に浸漬した開閉自在な網蓋付きの網籠内に収容して、その網籠内に収容したきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを防ぐ請求項1又は2記載のきのこ栽培用培地への液体浸透方法。
【請求項4】 前記の容器内の液体中に浸漬した前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地の上方を容器内の液体中に浸漬した網蓋で覆って、その網蓋下方の液体中に浸漬したきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを防ぐ請求項1又は2記載のきのこ栽培用培地への液体浸透方法。
【請求項5】 前記の容器の開口部まで液体を容器内に満杯状態に充填して、その容器内の液体中に浸漬した前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを防ぐ請求項1又は2記載のきのこ栽培用培地への液体浸透方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、椎茸、しめじ、なめこ等のきのこ類の人工栽培を用いるきのこ栽培用培地に水又は消毒剤や栄養剤を含む水溶液等の液体を浸透させる、きのこ栽培用培地への液体浸透方法に関する。
【0002】
【従来の技術】椎茸、しめじ、なめこ等のきのこ類の人工栽培においては、図6に示したような、所要大きさの塊状に形成されたきのこ栽培用培地10が用いられる。このきのこ栽培用培地10は、おが屑やコーンコブ、米ぬか等からなる培地原料が、水等の液体と共に混合されて、所要大きさの塊状に押し固められて形成されている。
【0003】この塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を用いて、きのこ類の人工栽培を行う場合には、その塊状に形成されたきのこ栽培用培地10に椎茸、しめじ、なめこ等のきのこ類の菌糸を接種して、そのきのこ栽培用培地10にきのこ類の菌糸を蔓延させている。そして、そのきのこ栽培用培地10の周囲面に、きのこ類の菌床層(図示せず)を形成している。そして、そのきのこ類の菌床層から椎茸、しめじ、なめこ等のきのこ類を発芽させて、そのきのこ類をきのこ栽培用培地10を用いて収穫するまでに大きく生育している。
【0004】この塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を用いて、上記のようにして、椎茸、しめじ、なめこ等のきのこ類を人工栽培を行う際には、そのきのこ類の人工栽培に1回以上用いた塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を、2回以上繰り返して同じきのこ類の人工栽培に再利用している。その理由は、きのこ類の人工栽培に1回以上用いた塊状に形成されたきのこ栽培用培地10には、未だ、きのこ類の人工栽培に利用可能な栄養分が多分に残存していて、その培地10に水分等を補給すれば、その培地10がきのこ類の人工栽培に好適な状態に復帰するからである。
【0005】このきのこ類の人工栽培に1回以上用いた水等の液体が抜け出て乾燥した状態にある塊状に形成されたきのこ栽培用培地10をきのこ類の人工栽培に再利用する場合には、そのきのこ類の人工栽培に用いた塊状に形成されたきのこ栽培用培地10に、水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体20を浸透させている。そして、そのきのこ栽培用培地10を同じきのこ類の人工栽培に用いるのに好適な水分や栄養分を充分に含んだきのこ栽培用培地10に復活させている。
【0006】このきのこ類の人工栽培に1回以上用いたきのこ栽培用培地10に水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体20を浸透させて、そのきのこ栽培用培地10をきのこ類の人工栽培に好適なきのこ栽培用培地に復活させる際には、従来は、図7に示したように、きのこ栽培用培地10に浸透させる水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体20が収容された容器30内にきのこ類の人工栽培に1回以上用いた塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を入れて、そのきのこ栽培用培地10を容器30内の液体20中に浸漬している。そして、そのきのこ栽培用培地10に水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体20を浸透させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のようにして、きのこ類の人工栽培に1回以上用いたきのこ栽培用培地10を容器30内の液体20中に単に浸漬して、そのきのこ栽培用培地10に水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体20を浸透させた場合には、そのきのこ栽培用培地10の全体に亙って水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体20を万遍なく充分に浸透させるまでに、約半日程度要した。そのため、そのきのこ栽培用培地10への上記の液体20の浸透作業が、きのこ類の人工栽培作業の迅速化を妨げていた。
【0008】このような課題を解消する手段として、従来より、きのこ栽培用培地10を浸漬した上記の液体20が収容された容器の開口部32を封じて、その容器30内に外気を強制送入し、その容器30内の気圧を大気圧より高く保持しながら、容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を浸透させる方法が知られている。
【0009】この方法によれば、容器30内に収容された液体20の上面を大気圧より高い圧力で押圧して、その押圧力を用いて、容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を強制的に浸透させることができる。
【0010】しかしながら、この方法により、上記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地10に容器30内に収容された液体20を強制浸透させた場合にも、未だ、そのきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を迅速に万遍なく浸透させることができなかったり、そのきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を万遍なく浸透させるのに数時間掛かったりした。
【0011】その理由は、上記のようにして、容器30内に収容された液体20の上面を大気圧より高い圧力で押圧して、その押圧力を用いて、容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を強制浸透させた場合には、未だ、そのきのこ栽培用培地10内の液体20を浸透させるべき空所に空気が残存しているからである。そして、その空気が、容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10内の空所に容器30内の液体20が侵入するのを妨害するからである。
【0012】本発明は、このような課題を解消可能な、きのこ類の人工栽培に1回以上用いた水等の液体が抜け出て乾燥した状態にある塊状に形成されたきのこ栽培用培地に、水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体を容易かつ迅速に万遍なく浸透させることのできるきのこ栽培用培地への液体浸透方法(以下、液体浸透方法という)を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の液体浸透方法は、塊状に形成されたきのこ栽培用培地への液体浸透方法であって、次の工程を含むことを特徴としている。a.前記のきのこ栽培用培地に浸透させる液体が収容された容器内に前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地を入れて、そのきのこ栽培用培地を前記の容器内の液体中に浸漬する工程。b.前記の容器の開口部を封じた後、その容器内の空気を容器外部に吸引して排除し、その容器内の気圧を大気圧より低く減圧して、前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地に容器内の液体を浸透させる工程。
【0014】この液体浸透方法においては、そのb工程において、容器の開口部が封じられた状態の容器内の空気を容器外部に吸引して排除し、その容器内の気圧を大気圧より低く減圧した際に、その容器内の液体中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地内の空所に残存する大気圧状態にある空気が、きのこ栽培用培地内の空所から大気圧より低く減圧された状態にあるきのこ栽培用培地の外部に抜け出る。きのこ栽培用培地の外部に抜け出た空気は、容器内の液体中を通して、大気圧より低く減圧された状態にある容器内の空間に排除される。そして、その空気が抜け出た状態のきのこ栽培用培地内の空所に、空気に代わって、きのこ栽培用培地が浸漬された容器内の液体が侵入する。
【0015】その結果、容器内の液体中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地内の空所に、上記の空気に邪魔されずに、容器内の液体を容易かつ迅速に侵入させることができる。換言すれば、容器内の液体中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地に、容器内の液体を時間を掛けずに迅速に万遍なく浸透させることができる。
【0016】本発明の液体浸透方法においては、きのこ類の人工栽培に用いた塊状に形成されたきのこ栽培用培地の周囲面を覆うきのこの菌床層に該層を貫いて穴を開口した後、そのきのこ栽培用培地を前記の容器内の液体中に浸漬することを好適としている。
【0017】この液体浸透方法にあっては、きのこ類の人工栽培に用いた塊状に形成されたきのこ栽培用培地の周囲面を覆う緻密な層状をなすきのこの菌床層に邪魔されずに、その菌床層に該層を貫いて開口した穴を通して、容器内の液体中に浸漬したきのこ栽培用培地に、容器内の液体を浸透させることができる。
【0018】また、本発明の液体浸透方法においては、前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地を前記の容器内の液体中に浸漬した開閉自在な網蓋付きの網籠内に収容して、その網籠内に収容したきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを防ぐことを好適としている。
【0019】この液体浸透方法にあっては、水等の液体が抜け出て容器内の液体より比重が軽くなった塊状に形成されたきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを、容器内の液体中に浸漬した網蓋付きの網籠であって、きのこ栽培用培地を収容した網蓋付きの網籠により防ぐことができる。そして、その塊状に形成されたきのこ栽培用培地を容器内の液体中に余すところなく浸漬し続けて、そのきのこ栽培用培地の全体に亙って容器内の液体を万遍なく浸透させることができる。
【0020】また、きのこ栽培用培地を収容した網蓋付きの網籠が、その網目を通して容器内の液体が自由に出入り可能な構造をしているため、その網蓋付きの網籠に邪魔されずに、その網蓋付きの網籠内に容器内の液体を侵入させることができる。そして、その網蓋付きの網籠内に収容されたきのこ栽培用培地に容器内の液体を、網蓋付きの網籠に邪魔されずに、浸透させることができる。
【0021】また、きのこ栽培用培地に容器内の液体を浸透させた後には、開閉自在な網蓋を開口して、容器内の液体を浸透させたきのこ栽培用培地を網蓋付きの網籠内から取り出すことができる。そして、容器内の液体を浸透させるべき次のきのこ栽培用培地を、網蓋付きの網籠内に収容し直すことができる。
【0022】又は、本発明の液体浸透方法においては、前記の容器内の液体中に浸漬した前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地の上方を容器内の液体中に浸漬した網蓋で覆って、その網蓋下方の液体中に浸漬したきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを防ぐことを好適としている。
【0023】この液体浸透方法にあっては、水等の液体が抜け出て容器内の液体より比重が軽くなった塊状に形成されたきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを、容器内の液体中に浸漬したきのこ栽培用培地の上方を覆う網蓋により防ぐことができる。そして、その塊状に形成されたきのこ栽培用培地を容器内の液体中に余すところなく浸漬し続けて、そのきのこ栽培用培地の全体に亙って容器内の液体を万遍なく浸透させることができる。
【0024】また、きのこ栽培用培地の上方を覆う網蓋が、その網目を通して容器内の液体が自由に通り抜け可能な構造をしているため、その網蓋に邪魔されずに、その網蓋の下方に容器内の液体を侵入させることができる。そして、その網蓋の下方の液体中に浸漬されたきのこ栽培用培地に容器内の液体を、網蓋に邪魔されずに、浸透させることができる。
【0025】又は、本発明の液体浸透方法においては、前記の容器の開口部まで液体を容器内に満杯状態に充填して、その容器内の液体中に浸漬した前記の塊状に形成されたきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを防ぐことを好適としている。
【0026】この液体浸透方法にあっては、容器内の液体中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地が容器内の液体中からその上方に浮き上がるのを、液体の周囲を囲む容器の内側面や蓋体の内側面により容器内の液体中に押し戻して防ぐことができる。そして、その塊状に形成されたきのこ栽培用培地を容器内の液体中に余すところなく浸漬し続けて、そのきのこ栽培用培地の全体に亙って容器内の液体を万遍なく浸透させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。図1は本発明の液体浸透方法の好適な実施の形態を示し、図1はその工程説明図である。以下に、この液体浸透方法を説明する。
【0028】図の液体浸透方法では、図1に示したように、上端が広く開口した有底筒状の器30内に、きのこ栽培用培地10に浸透させる水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体20を、容器30内の上方に空間34をあけて、所定量収容している。そして、その容器の上端の開口部32から容器30内に塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を入れて、そのきのこ栽培用培地10を容器30内に収容された液体20中に浸漬している。
【0029】次いで、容器の上端の開口部32を蓋体40で覆って、その容器の開口部32を封じている。
【0030】その後、蓋体40に設けられた吸気口42を通して、容器30内の空気を容器30外部に吸引して排除している。そして、容器30内の気圧を大気圧より低く減圧して、容器30内の液体20中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を浸透させている。
【0031】図1に示した液体浸透方法は、以上の工程からなる。この液体浸透方法においては、容器の上端の開口部32を蓋体40で封じて、容器30内の空気を容器30外部に吸引して排除し、その容器30内の気圧を大気圧より低く減圧した際に、その容器30内の液体20中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地10内の空所に残存する大気圧状態にある空気を、大気圧より低く減圧された状態にあるきのこ栽培用培地10の外部に抜け出させることができる。きのこ栽培用培地10の外部に抜け出させた空気は、容器30内の液体20中を通して、大気圧より低く減圧された状態にある容器30内の上方の空間34に排除できる。そして、その空気が抜け出たきのこ栽培用培地10内の空所に、空気に代わって、きのこ栽培用培地10を浸漬した容器30内の液体20を侵入させることができる。
【0032】その結果、容器30内の液体20中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地10内の空所に、上記の空気に邪魔されずに、容器30内の液体20を容易かつ迅速に侵入させることができる。そして、容器30内の液体20中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地10に、容器30内の液体20を時間を掛けずに容易かつ迅速に万遍なく浸透させることができる。
【0033】この液体浸透方法において、図2に示したように、塊状に形成されたきのこ栽培用培地10がきのこ類の人工栽培に1回以上用いたものである場合には、そのきのこ栽培用培地10の周囲面を覆うきのこの菌床層50に該層を貫いて穴52を開口した後、そのきのこ栽培用培地10を容器30内の液体20中に浸漬すると良い。そして、その塊状に形成されたきのこ栽培用培地10の周囲面を覆う緻密な層状をなすきのこの菌床層50に邪魔されずに、その菌床層50に該層を貫いて開口した穴52を通して、容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10に、容器30内の液体20を浸透させると良い。
【0034】また、上述の液体浸透方法においては、図3に示したように、塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を、容器30内の液体20中に浸漬した開閉自在な網蓋62付きの網籠60内に収容すると良い。そして、水等の液体が抜け出て容器30内の液体20より比重が軽くなった塊状に形成されたきのこ栽培用培地10が容器30内の液体20中からその上方に浮き上がるのを、容器30内の液体20中に浸漬した網蓋62付きの網籠60であって、きのこ栽培用培地10を収容した網蓋62付きの網籠60により防ぐと良い。そして、その塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を容器30内の液体20中に余すところなく浸漬し続けて、そのきのこ栽培用培地10の全体に亙って容器30内の液体20を万遍なく浸透させると良い。また、きのこ栽培用培地10を収容した網蓋62付きの網籠60の網目を通して、容器30内の液体20を、網蓋62付きの網籠60の内外に自由に出入させると良い。そして、その網蓋62付きの網籠60に邪魔されずに、その網蓋62付きの網籠60内に収容したきのこ栽培用培地10に、容器内30の液体20を浸透させると良い。また、きのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を浸透させた後には、開閉自在な網蓋62を開口して、容器30内の液体20を浸透させたきのこ栽培用培地10を網蓋62付きの網籠60内から取り出すと良い。そして、容器30内の液体20を浸透させるべき次のきのこ栽培用培地10を、網蓋62付きの網籠60内に収容し直すと良い。
【0035】又は、上述の液体浸透方法においては、図4に示したように、容器30内の液体20中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地10の上方を、容器30内の液体20中に浸漬した網蓋70で覆うと良い。そして、水等の液体が抜け出て容器30内の液体20より比重が軽くなった塊状に形成されたきのこ栽培用培地10が容器30内の液体20中からその上方に浮き上がるのを、容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10の上方を覆う網蓋70により防ぐと良い。そして、塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を容器30内の液体20中に余すところなく浸漬し続けて、そのきのこ栽培用培地10の全体に亙って容器30内の液体20を万遍なく浸透させると良い。また、きのこ栽培用培地10の上方を覆う網蓋70の網目を通して、網蓋70の下方に容器30内の液体20を自由に通り抜けさせて、その網蓋70に邪魔されずに、その網蓋70の下方の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を浸透させると良い。
【0036】又は、上述の液体浸透方法においては、図5に示したように、容器の開口部32まで液体20を容器30内に満杯状態に充填しても良い。そして、容器30内の液体20中に浸漬した塊状に形成されたきのこ栽培用培地10が容器30内の液体20中からその上方に浮き上がるのを、液体20の周囲を囲む容器30の内側面や蓋体40の内側面により容器30内の液体20中に押し戻して防いでも良い。そして、塊状に形成されたきのこ栽培用培地10を容器30内の液体20中に余すところなく浸漬し続けて、そのきのこ栽培用培地10の全体に亙って容器30内の液体20を万遍なく浸透させても良い。
【0037】次に、上述の液体浸透方法の実験結果を示す。実験では、直径が約100mmで、丈が約400mmの、ほぼ円柱状に形成されたきのこ栽培用培地10であって、きのこ類の人工栽培に用いた水等の液体が抜け出て乾燥した状態にある約700gのきのこ栽培用培地10を用いた。このきのこ類の人工栽培に用いたきのこ栽培用培地10の周囲面を覆う菌床層50には、直径が約2mmで、深さが約10mmの穴52を、菌床層50を貫いて合計40個散点状に開口した。そして、そのきのこ栽培用培地10を、容器30内の水中に浸漬した。次いで、その容器の開口部32を蓋体40で封じて、容器30内の気圧を約250mm/Hgに低下させた。すると、約1分経過した後には、上記の水等の液体が抜け出て乾燥した状態にある約700gまで重量が低下したきのこ栽培用培地10の重量が、約1500gに増加した。即ち、上記の乾燥した状態にあったきのこ栽培用培地10には、約800g(cc)の大量の水が約1分以内の短時間のうちに万遍なく浸透したこととなる。この実験結果から、本発明の液体浸透方法によれば、きのこ類の人工栽培に用いた水等の液体が抜け出て乾燥した状態にあるきのこ栽培用培地10に、水等の液体20をごく短時間のうちに容易かつ迅速に万遍なく浸透させることができることが判った。
【0038】また、実験によれば、きのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を万遍なく浸透させるまでの時間は、容器の開口部32が蓋体40で閉じられた状態の容器30内を、大気圧より大幅に低く減圧したり、大気圧に近い状態に減圧したりすることにより、長短に調整できることが判った。
【0039】上述の液体浸透方法において、容器30には、金属などの硬い部材からなるものの他に、合成樹脂等の柔軟な部材からなるものを用いることが可能である。この柔軟な部材からなる容器30を上述の液体浸透方法に用いた場合には、その容器の開口部32を、吸気口(図示せず)を残して、紐状等に折り畳んで、その容器の開口部32を、蓋体40を用いずに、容器30の一部を用いて封じても良い。そのようにしても、上述の液体浸透方法と同様にして、その容器30内の液体20中に浸漬したきのこ栽培用培地10に容器30内の液体20を容易かつ迅速に万遍なく浸透させることができる。
【0040】本発明の液体浸透方法は、きのこ類の人工栽培に1回以上用いたきのこ栽培用培地10の他に、きのこ類の人工栽培に未使用のきのこ栽培用培地10に消毒剤や栄養剤を含む水溶液等の液体20を浸透させる場合にも利用可能である。その場合にも、その未使用のきのこ栽培用培地10に液体20を容易かつ迅速に万遍なく浸透させることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体浸透方法によれば、きのこ類の人工栽培に1回以上用いた水等の液体が抜け出て乾燥した状態にある塊状に形成されたきのこ栽培用培地又はきのこ類の人工栽培に未使用の塊状に形成されたきのこ栽培用培地に、容器内に収容された水又は消毒剤や栄養剤を含んだ水溶液等の液体を時間を掛けずに容易かつ迅速に万遍なく浸透させることができる。そして、そのきのこ栽培用培地を椎茸、しめじ、なめこ等のきのこ類の人工栽培に用いるのに好適なきのこ栽培用培地に復活させたり形成したりする作業の大幅な迅速化が図れる。
【出願人】 【識別番号】391003679
【氏名又は名称】長野木田工業株式会社
【出願日】 平成10年9月4日(1998.9.4)
【代理人】 【識別番号】100086623
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 宗久
【公開番号】 特開2000−78929(P2000−78929A)
【公開日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【出願番号】 特願平10−250269