| 【発明の名称】 |
植物栽培床用フレキシブル土壌収容器、それを用いる植物栽培床、及び土壌消毒方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】五味淵 保
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| 【要約】 |
【課題】植物栽培床を周囲の土壌から完全に隔離して蒸気消毒し土壌中の水分を排水できるフレキシブル土壌収容器、植物栽培床及びその蒸気消毒法の提供。
【解決手段】フレキシブルフィルム、或は耐熱性編織物又は不織布からなる芯材と、それを被覆する遮水性合成樹脂層とからなるフレキシブルシートにより形成された周側面部と谷形底面部とを有する土壌収容器の谷底形溝部に透孔を形成し、この土壌収容器を支持手段、例えば地中ピット中に、その上端部分が支持手段の上端面より上部に突出するように配置し、この収容器中に土壌を入れ、谷底形溝部の透孔に挿入された蒸気パイプから蒸気を噴入し、或は谷底形溝部の透孔を排水手段に接続しておいて土壌の上面から蒸気を土壌中に滲透させ、それによって土壌を消毒し、消毒後又は消毒中に前記透孔から土壌中の水分を排水する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 周側面部と、その下端に連続し、かつ少なくとも1本の谷底形溝部を有する谷形底面部とを有し、前記周側面部及び谷形底面部が、遮水性及び耐熱性を有する合成樹脂製フレキシブルフィルム、及び耐熱性繊維製編織物及び不織布の少なくとも1種からなる芯材と、この芯材の少なくとも1面を被覆し、かつ耐熱性合成樹脂を含む遮水性被覆層とを有する遮水性フレキシブルシートから選ばれた少なくとも1員により形成されており、前記周側面部には、前記谷形底面部の谷底形溝部の少なくとも1端に透孔が形成されていることを特徴とする、植物栽培床用フレキシブル土壌収容器。 【請求項2】 前記フレキシブルフィルム又は前記フレキシブルシートの遮水性被覆層に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防かび剤から選ばれた少なくとも1種が配合、又は表面塗布されている、請求項1に記載のフレキシブル土壌収容器。 【請求項3】 前記周側面部の上端部分に取りつけられた補強固定枠体を更に含む、請求項1に記載のフレキシブル土壌収容器。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブル土壌収容器の前記透孔を通して、前記谷形底面部の谷底形溝部中に、複数個の透孔を有する蒸気パイプが挿入され、前記フレキシブル土壌収容器の周側面及び谷形底面に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に、前記蒸気パイプ挿入フレキシブル土壌収容器が、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端面より上に突出するように埋設され、前記フレキシブル土壌収容器中に土壌が充填されており、かつ前記蒸気パイプの前記フレキシブル土壌収容器外にある開口端末が、蒸気が供給されるときには蒸気供給源に連結され、蒸気が供給されないときは、排水手段に連結され又は前記排出手段に向って開口していることを特徴とする植物栽培床。 【請求項5】 前記支持手段が土中に形成されたピットである、請求項4に記載の植物栽培床。 【請求項6】 前記排水手段が、前記蒸気パイプの開口端末の下に配置された貯水器である、請求項4に記載の植物栽培床。 【請求項7】 前記貯水器に、水位検出器及び排水機が取りつけられており、前記貯水器内の貯水の所定水位を検出して前記排水機を作動させることができる、請求項6に記載の植物栽培床。 【請求項8】 請求項4〜7のいずれか1項に記載の植物栽培床を用い、前記蒸気パイプの開口端を蒸気供給源に接続し、この蒸気パイプの複数個の透孔を通して蒸気を土壌中に噴入してこれを消毒し、消毒完了後に、前記蒸気パイプの開口端を、前記蒸気供給源から前記排水手段に切り替えて接続し、或は排水手段に向って開口させて土壌内の水分を前記蒸気パイプの透孔を介して捕集し、排出することを特徴とする植物栽培用土壌の蒸気消毒方法。 【請求項9】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブル土壌収容器の前記透孔を通して、前記谷形底面部の谷底形溝部中に、複数個の透孔を有する排水パイプが挿入され、前記フレキシブル土壌収容器の周側面及び谷形底面に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に、前記排水パイプ挿入フレキシブル土壌収容器が、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端面より上に突出するように埋設され、前記フレキシブル土壌収容器中に土壌が充填されており、かつ前記排水パイプの前記フレキシブル土壌収容器外にある開口端末が、排水手段に連結され又は前記排水手段に向って開口していることを特徴とする植物栽培床。 【請求項10】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブル土壌収容器の前記透孔を有する谷形底面部の谷底形溝部に、その長手方向全長にわたって砂利、小石、砕石、或はアーチ形又は筒形の金属メッシュを充填して、易通水路部が形成され、前記フレキシブル土壌収容器の周側面及び谷形底面に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に、前記排水透孔つきフレキシブル土壌収容器が、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端面より上に突出するように埋設され、前記フレキシブル土壌収容器の前記易通水路部上に土壌が充填されており、かつ、前記谷形底面部の透孔が、前記フレキシブル土壌収容器の外部に配置された排水手段に連結され、又は前記排水手段に向って開口していることを特徴とする植物栽培床。 【請求項11】 前記支持手段が土中に形成されたピットである、請求項9又は10に記載の植物栽培床。 【請求項12】 前記排水手段が、前記排水パイプの開口端末又は前記排出透孔の下に配置された貯水器である、請求項9又は10に記載の植物栽培床。 【請求項13】 前記貯水器に、水位検出器及び排水機が取りつけられており、前記貯水器内の貯水の所定水位を検出して前記排水機を作動させることができる、請求項12に記載の植物栽培床。 【請求項14】 請求項9〜13のいずれか1項に記載の植物栽培床を用い、前記植物栽培床の上面を蒸気不透過性シートにより被覆し、この被覆シートと前記植物栽培床上面との間に蒸気を透過する複数個の透孔を有するホース又はパイプを挿入し、このホース又はパイプを通して蒸気を土壌中に噴射滲透させてこれを消毒し、同時に土壌を透過した蒸気又は水を、前記谷底形溝部に前記透孔を通って挿入された排水パイプにより捕集して排水するか、或は、前記谷底形溝部に設けられた易通水路部中に捕集して、これを前記透孔を通して排水することを特徴とする植物栽培用土壌の蒸気消毒方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、土壌の蒸気消毒が可能で排水の容易な植物栽培床用フレキシブル土壌収容器、及びそれを用いた植物栽培床、及びその蒸気消毒方法に関するものである。本発明は、特に施設園芸に有用なものである。 【0002】 【従来の技術】温室栽培などの園芸に用いられる土壌は、土壌中に存在する土壌伝染病害虫や病原菌による障害を取り除くために、度々消毒する必要がある。土壌の消毒にはいくつかの方法があり、代表的な方法の一つとして、化学薬剤による土壌薫蒸が行われている。この方法は、簡易な機材で容易に行うことができ、比較的安価であるという特長を持つが、一方で土壌の温度や水分の影響によって効果に差が生じ、消毒後植え付けまでの間のガス抜きに長時日を要するなどの問題点を有している。また、この方法は使用される薬剤によっては人体や家畜、周辺の作物、環境に有害であり、作業者の健康が冒されるばかりでなく、周辺住民、作物及び環境への配慮から実施できない場合もある。そこで、このような問題点のない消毒方法として、蒸気消毒があげられる。この方法は、土壌の消毒法として一般的に用いられている薬剤消毒に比べて、気温の低い時期でも有効に実施でき、消毒の効果がより確実で、人体、作物および周辺環境に対する危険及び悪影響が少なく、消毒処理後植え付けまで長時日の放置を必要としないなどの優れた点がある。また、雑草の種子の発芽を防止する効果もある。 【0003】施設園芸用の植物栽培床としては、地面に栽培床を設けた地床及び地面から浮かせて隔離した形状の揚げ床などがあり、これらのいずれに対しても蒸気消毒を施すことができる。揚げ床の場合には、容器により隔離された限られた量の土壌だけを消毒すれば良いため、消毒の効率が良い。例えば栽培床の土壌の上に蒸気供給のためのキャンバスホースなどを置き、その上にシートなどをかぶせて密閉してから蒸気を供給する事により、栽培床全体を消毒することも可能である。しかし揚げ床の場合、設置するための費用の面で負担が大きいため、広く普及するまでには至っていない。 【0004】一般に地床の場合、費用面の負担が小さいという利点があるため、広く普及している。従来の地床の場合、一般には蒸気吹き出し用の孔が1列又は2列以上に一定間隔にあいた孔あきパイプ(ホジソンパイプ)を土中に埋設し、そこに蒸気を送り込む事によって栽培床の温度を上昇させて土壌を消毒する。この時、蒸気は、孔あきパイプの埋設水準よりも高い部分に向かって浸透し、孔あきパイプの埋設水準よりも深い部分では消毒の効果が得られにくい。このため、パイプを埋設する深さは、消毒しようとする土層の最下部とされている。またこの際、蒸気および熱の大気中への拡散を防止するために、地床の表面をシート等で覆い、この状態で消毒が行なわれる。 【0005】上記のように、地床で土壌の蒸気消毒を行なう場合、通常は単に孔あきパイプを所望の深さに埋設するだけという方法がとられるため、初期費用の負担は比較的軽く、手軽に蒸気消毒を行なう事ができるという利点があるが、反面、栽培床の土壌が周辺の土壌と連続しているため、蒸気消毒の効率が悪いばかりでなく、消毒の行き届かない下層土中に侵入した根が病害虫に侵されるという懸念があり、また、地床中に肥料塩類が集積しやすく、植物の育成が阻害されたり、あるいは周囲の土壌に浸透して、地下水を汚染してしまうという問題点もあった。 【0006】これらの問題点を解決するために、コンクリート、スレート板、シート等を用いて地床とその周辺とを隔離した構造を有する、いわゆる有底の地床も一部で用いられている。コンクリート又はスレート板を隔離用に用いた場合、それにひび割れや亀裂などが発生しない限り、地床を周辺の土壌から隔離することに、ある程度の効果が期待でき、効率よく土壌消毒を行うことができ、さらに、未消毒の土壌中に根が侵入する事を防ぐこともできる。しかし、このような隔離板の設置には費用がかかる上、単にコンクリートで囲っただけでは、排水ができなくなるため別途排水管を設置することが必要になり、費用負担や手間が更に大きくなるという問題点がある。また、コンクリート板又はスレート板にはひび割れや亀裂が発生する可能性があり、その部分から病原菌が地床中に侵入したり、根が外部に伸び出てしまうなどの懸念もある。 【0007】地床隔離のためにシートを用いる場合、使用されるシートは耐熱寸法安定性、強度、耐熱性、遮水性、耐突き刺し性、耐摩耗性等に優れたものを選択する必要がある。これらの条件が満たされない場合には、シート敷設作業中の損傷、蒸気消毒の熱による損傷、及び/又は植物の根の突き抜け等により、周辺からの隔離が完全に行なわれなくなってしまう恐れがある。また、シートの幅が不足している場合には、その側縁端部を接合して広幅のシートに形成すればよいが、そのためには接着性、遮水性、耐熱性に優れ、根が張ってきても容易に侵入されないような強度の接合方法が確保される必要がある。しかしながら、シートを用いる目的は、多くの場合、周辺の土壌からの地床隔離を簡便にするということであり、上記の様な条件を適切に配慮することなく、単なる重ねあわせや、ミシンによる縫製などを行うと、この接合部の遮水性が不十分になり、また粘着テープ、粘着剤、接着剤、シール剤による接続では、接着力や耐久性が不十分であるなどの問題があり、更に何れの場合にも植物の根が伸び出てきた場合に、その侵入を食い止める能力が不足している。 【0008】その他、地床共通の問題として、有底のものであっても、排水が適切に行われないと、肥料塩類等の土壌溶液が集積を起こし、植物の育成を阻害する要因となったり、余分な水分により根腐れをおこすなどの問題点がある。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物栽培床を、その周囲の土壌から隔離することができ、この植物栽培床に適切な蒸気消毒を施すことができ、かつ栽培床中の水分を適切に排水することができ、さらに実用上十分な機械的強度及び耐久性を有する、植物栽培床用フレキシブル土壌収容器、この土壌収容器を用いた植物栽培床、及びその蒸気消毒方法を提供しようとするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の植物栽培床用フレキシブル土壌収容器は、周側面部と、その下端に連続し、かつ少なくとも1本の谷底形溝部を有する谷形底面部とを有し、前記周側面部及び谷形底面部が、遮水性及び耐熱性を有する合成樹脂製フレキシブルフィルム、及び耐熱性繊維製編織物及び不織布の少なくとも1種からなる芯材と、この芯材の少なくとも1面を被覆し、かつ耐熱性合成樹脂を含む遮水性被覆層とを有する遮水性フレキシブルシートから選ばれた少なくとも1員により形成されており、前記周側面部には、前記谷形底面部の谷底形溝部の少なくとも1端に透孔が形成されている、ことを特徴とするものである。本発明のフレキシブル土壌収容器において、前記フレキシブルフィルム又はフレキシブルシートの遮水性被覆層に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防かび剤から選ばれた少なくとも1種が配合、又は表面塗布されていることが好ましい。本発明のフレキシブル土壌収容器において、前記周側面部の上端部分に取りつけられた補強固定枠体を更に含有していてもよい。本発明の植物栽培床(1)は、前記本発明に係るフレキシブル土壌収容器の前記透孔を通して、前記谷形底面部の谷底形溝部に、複数個の透孔を有する蒸気パイプが挿入され、前記フレキシブル土壌収容器の周側面及び谷形底面に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に、前記蒸気パイプ挿入フレキシブル土壌収容器が、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端面より上に突出するように埋設され、前記フレキシブル土壌収容器中に土壌が充填されており、かつ前記蒸気パイプの前記フレキシブル土壌収容器外にある開口端末が、蒸気が供給されるときには蒸気供給源に連結され、蒸気が供給されないときは、排水手段に連結され、又は前記排水手段に向って開口している、ことを特徴とするものである。本発明の上記植物栽培床(1)において、前記支持手段が土中に形成されたピットであってもよい。本発明の植物栽培床(1)において、前記排水手段が、前記蒸気パイプの開口端末の下に配置された貯水器であってもよい。本発明の植物栽培床(1)において、前記貯水器に、水位検出器及び排水機が取りつけられており、前記貯水器内の貯水の所定水位を検出して前記排水機を作動させることができる。本発明に係る植物栽培用土壌の蒸気消毒方法(1)は、上記本発明の植物栽培床(1)を用い、前記蒸気パイプの開口端を蒸気供給源に接続し、この蒸気パイプの複数個の透孔を通して蒸気を土壌中に噴入してこれを消毒し、消毒完了後に、前記蒸気パイプの開口端を、前記蒸気供給源から前記排水手段に切り替えて接続し、或は排水手段に向って開口させて、土壌内の水分を前記蒸気パイプの透孔を介して捕集し、排水することを特徴とするものである。本発明の植物栽培床(2)は、前記本発明のフレキシブル土壌収容器の前記透孔を通して、前記谷形底面部の谷底形溝部中に、複数個の透孔を有する排水パイプが挿入され、前記フレキシブル土壌収容器の周側面及び谷形底面に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に、前記排水パイプ挿入フレキシブル土壌収容器が、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端面より上に突出するように埋設され、前記フレキシブル土壌収容器中に土壌が充填されており、かつ前記排水パイプの前記フレキシブル土壌収容器外にある開口端末が、排水手段に連結され又は前記排水手段に向って開口していることを特徴とするものである。本発明の植物栽培床(3)は、前記本発明のフレキシブル土壌収容器の前記透孔を有する谷形底面部の谷形溝部に、その長手方向全長にわたって砂利、小石、砕石、或はアーチ形又は筒形の金属メッシュを充填して、易通水路部が形成され、前記フレキシブル土壌収容器の周側面及び谷形底面に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に、前記排水透孔つきフレキシブル土壌収容器が、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端面より上に突出するように埋設され、前記フレキシブル土壌収容器の前記易通水路部上に土壌が充填されており、かつ、前記谷形底面部の透孔が、前記フレキシブル土壌収容器の外部に配置された排水手段に連結され、又は前記排水手段に向って開口していることを特徴とするものである。本発明の植物栽培床(2)又は(3)において、前記支持手段が土中に形成されたピットであることが好ましい。本発明の植物栽培床(2)又は(3)において、前記排水手段が、前記排水パイプの開口端末又は前記排出透孔の下に配置された貯水器であることが好ましい。本発明の植物栽培床(2)又は(3)において、前記貯水器に、水位検出器及び排水機が取りつけられており、前記貯水器内の貯水の所定水位を検出して前記排水機を作動させることができることが好ましい。本発明の植物栽培用土壌の蒸気消毒方法(2)は、本発明の前記植物栽培床(2)又は(3)を用い、前記植物栽培床の上面を水蒸気不透過性シートにより被覆し、この被覆シートと前記植物栽培床上面との間に水蒸気を透過する複数の透孔を有するホース又はパイプを挿入し、このホース又はパイプを通して水蒸気を土壌中に噴射滲透させてこれを消毒し、同時に土壌を透過した水蒸気又は水を、前記谷底形溝部に前記透孔を通して挿入された排水パイプにより捕集して排水するか、或は、前記谷底形溝部に設けられた易通水路部中に捕集して、これを前記透孔を通して排水することを特徴とするものである。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の土壌収容器に用いられるフレキシブルフィルムは、遮水性を有し、かつ蒸気消毒の際に最高120℃程度の温度で数時間さらされても、収縮が全く無いか、あるいは非常に小さいことが求められる。具体的には、120℃における収縮率が3%以下である事が好ましく、1.5%以下である事がさらに好ましい。収縮率が3%よりも大きいフレキシブルフィルムを用いた場合には、フレキシブルフィルムが蒸気消毒時に収縮して、栽培床の形状が変化し、底部からの排水が円滑に行なわれなくなる恐れがある。また、フレキシブルフィルムの幅方向および長手方向両端を周辺の枠に固定している場合には、フレキシブルフィルムの収縮により発生する応力により、枠の歪みや、固定部分におけるフレキシブルフィルムの破損などが発生する恐れもある。 【0012】上記の耐熱収縮性を満たすフレキシブルフィルム形成用合成樹脂には、上記耐熱性及び遮水性を満たす限り、格別の制限はないが、一般にフレキシブルフィルム形成用合成樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素含有樹脂、及びポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂から選ぶことができ、これらは単独で用いられてもよく、これらの2種以上、或は上記樹脂の1種以上と上記樹脂とは異る樹脂の1種以上との混合物又は積層物として用いられてもよい。 【0013】本発明に用いられるフレキシブルフィルムの厚さは、0.03mm以上であることが好ましく、0.05mm以上であることがさらに好ましく、一般に0.03〜0.5mmである。フレキシブルフィルムの厚さが0.03mm未満の場合、栽培床敷設作業時の摩擦や張力などによる損傷や、植物栽培中に伸びてきた根による損傷などにより、遮水性が損なわれる恐れがある。 【0014】本発明に用いられるフレキシブルフィルムは、必ずしも未使用の新しいフィルムを用いる必要は無く、上記の条件を満たす限り、使用済みのフィルム及び使用済みのフィルムを回収して粉砕洗浄の上再生した再生フィルムであってもよい。 【0015】本発明に用いられるフレキシブルフィルムには、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防バイ剤の少なくとも1種を配合したり、あるいはこれらを含む処理剤を表面に塗布して、それにより、フレキシブルフィルムの地表に露出した部分の気候劣化を防止し、蒸気消毒の際の熱による劣化を防止し、さらに、フレキシブルフィルム表面における細菌の繁殖を抑制することができる。 【0016】本発明のフレキシブル土壌収容器を形成するフレキシブルフィルムには、つなぎ目が無いことが望ましい。つなぎめの無い土壌収容器を形成するためには、土壌収容器の幅、深さ及び長さに応じて、適当な寸法を有するフレキシブルフィルムを用意することが必要である。 【0017】本発明の土壌収容器に用いられるフレキシブルシートにおいて、その芯材を形成する編織物及び/又は不織布は、蒸気消毒の際に最高120℃程度の温度で数時間さらされても、収縮が全く無いか、あるいは非常に小さいことが求められる。具体的には、120℃における収縮率が3%以下である事が好ましく、1.5%以下である事がさらに好ましい。収縮率が3%よりも大きい編織物及び/又は不織布からなる芯材を用いた場合には、得られるフレキシブルシートが蒸気消毒時に収縮して、栽培床の形状が変化し、底部からの排水が円滑に行なわれなくなる恐れがある。また、フレキシブルシートの幅方向および長手方向両端を周辺の枠に固定している場合には、フレキシブルシートの収縮により発生する応力により、枠の歪みや、固定部分におけるフレキシブルシートの破損などが発生する恐れもある。 【0018】上記の耐熱収縮性を満たす編織物及び/又は不織布を形成する繊維としては、ガラス繊維、シリカ繊維、カーボン繊維などの無機繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維;ポリプロピレン繊維;およびポリアミド系樹脂;芳香族ポリアミド系樹脂からなる合成繊維などがあげられるが、上記の条件を満たすものであれば上記のものに限定されるものではない。上記の様な低又は非収縮性繊維を用いて編織物または不織布を形成する。編織物においては、糸条間隔が3.0mm以下である事が好ましく、2.0mm以下である事がさらに好ましい。この様な芯材を用いることにより、長期にわたって蒸気消毒を繰り返し施しても、フレキシブルシートが大きく収縮、変形することが無く、安定して使用し続ける事ができる。更に芯材によって補強されているために、植物の根が張ってきてもフレキシブルシートを突きぬけることがない。 【0019】上記芯材の被覆層として用いられる合成樹脂は、常温で柔軟性を有し、耐水性、耐薬品性に優れ、熱可塑性であり、蒸気消毒温度に数時間連続でさらされ、しかもそれが繰り返し行なわれてもほとんど熱劣化を起こさない物である必要がある。このような要求を満たす材料としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン−酢ビ共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル樹脂、各種熱可塑性エラストマー、などがあげられるが、上記の条件を満たすものであれば特にこれらに限定されるものではない。 【0020】この被覆層は、芯材の片面あるいは両面に、カレンダー法、又はTダイスによる押し出しから得られたシートのラミネート、あるいは懸濁液、乳濁液、ゾル、融解液のコーティングなど任意の方法により形成することができる。この被覆層により、栽培床内部の土壌は周囲の土壌から完全に隔離され、土壌伝染病害虫や病原菌が外部から進入するのを防ぐ事ができる。上記被覆層の厚さは、0.05mm以上である事が好ましく、0.10mm以上である事がさらに好ましい。被覆層がこれよりも薄い場合には、栽培床敷設作業時の摩擦などによる損傷や、植物栽培中に伸びてきた根による損傷などにより、遮水性が損なわれる恐れがあるばかりでなく、蒸気消毒の際の加熱により樹脂が軟化し、このときに、砂利や砕石に接触すると、破損して孔を生じやすくなる。このような問題点を防止するために、芯材が編織物であることが好ましい。 【0021】栽培床の幅が大きく、フレキシブルシートの幅が不足してしまった際には、複数のシートを幅継ぎして広幅のシートを得る必要があるが、この場合フレキシブルシートを被覆している熱可塑性樹脂同士を熱風融着、高周波融着、ヒートバーによる熱圧着などの方法で融着する事により目的を達することができる。被覆樹脂同士が熱融着する事により、ミシンによる縫製の様にミシン穴をあけたり隙間が残る様な事なく、しかも樹脂同士が溶着しているので、接着剤を用いたときよりも確実に接着することができ、蒸気消毒時の加熱が繰り返えされても接合部分が熱劣化を起こす事がなく、遮水性に優れた接合部分が形成される。 【0022】上記合成樹脂被覆層には、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防バイ剤の少なくとも1種を配合又は表面塗布により添加することができる。これらの添加によりそれぞれ、フレキシブルシートの地表に露出した部分の気候劣化を防ぎ、蒸気消毒の際の熱による劣化を防ぎ、フレキシブルシート表面における細菌の繁殖を妨げることができる。 【0023】本発明のフレキシブル土壌収容器を添付図面を参照してさらに説明する。図1及び図2において、植物栽培床用フレキシブル土壌収容器1は、周側面部2と谷形底面部3とにより形成されている。谷形底面部3には、少なくとも1本の谷底形溝部4が形成され、周側面部2の、前記谷底形溝部4の1端に対向する部分に透孔5が形成されており、この透孔5から、土壌収容器1の谷形底面部中に、蒸気用又は排水用パイプ7を挿入することができる。或は透孔5は、容器内外に開口していてもよい。周側面部2の上端部分には、フレキシブル土壌収容器1の平面形状を固定するための支持枠6が装着されていてもよい。この装着のためには、例えば土壌収容器の周側面部上端に鳩目を設け、この鳩目に紐、ベルト、針金などを通して支持枠に固定する。 【0024】本発明のフレキシブル土壌収容器1の平面形状には格別の制限はなく、矩形、正方形、その他の多角形、円形、楕円形などのいずれであってもよい。また谷形底面部には、1本以上の谷底形溝部を有し、この谷形底面を形成する傾斜面の傾斜角度に格別の制限はなく、土壌収容器の形状及び寸法によって異るが、一般に水平面に対し5〜45度程度であることが好ましい。周側面部に形成される透孔は1個であってもよく2個以上であってもよいが、この透孔を通して容器中に蒸気パイプ又は排水パイプが挿入されたときには、それぞれのパイプが、谷底形溝部内に位置し、土壌収容器中に蒸気を噴射し、或は土壌容器中の水分を捕集できるようにすることができる。 【0025】本発明のフレキシブル土壌収容器の周側面部上端に支持枠を装着する場合、この土壌収容器の平面形状が矩形又は正方形をなす場合、互に平行な2辺上の支持枠を、小型自走式耕運機のレールとして利用することも可能である。このようなレールとして利用する場合には所要の強度を具備するために支持枠を、金属製、FRP製、及び木製のいずれかにすることが好ましい。これらの中でも鋼製L形アングル材、及び土木建築工事において足場材として用いられる鋼鉄製パイプ材などを用いることが好ましい。 【0026】本発明のフレキシブル土壌収容器の底面部に挿入される蒸気パイプ又は排水パイプは、図3に示されているように、パイプ7の上半周面に多数の透孔7aを設けた孔あきパイプであって、この透孔7aは、それを通して蒸気を土壌収容器中に均一に噴入することができ、或は土中の水分を捕集できるように配置されることが望ましい。蒸気パイプ及び排水パイプは、消毒用蒸気に対し十分な耐熱性を有する材料、例えばアルミニウム、スチール、又はステンレススチールなどの金属材料から形成される。排水パイプとして、例えば土木工事に用いられるドレンパイプや、孔のあいた金属パイプなどを用いてもよい。この際、蒸気パイプ又は排水パイプ周辺には、蒸気の透過又は排水をよりスムーズに行なうために、図4に示されているように、砂利または砕石を敷き詰めることが好ましい。また排水パイプを挿入する代りに、谷底形溝部4に砂利または砕石を敷き詰め、それによって水の通り道を形成したり、アーチ形、又は筒形の金属メッシュで空隙空間を形成することにより水の通り道を形成して、谷底形溝部の少なくとも1端に形成された透孔を排水口として、これから排水手段に排水する構造にしてもよい。 【0027】本発明の植物栽培床において、本発明の上記フレキシブル土壌収容器を、その周側面部および谷形底面部の形状・寸法に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に収容する。フレキシブル土壌収容器の透孔を通して、谷形底面部の谷底形溝部に、前記複数個の透孔が周面に形成されている蒸気パイプ又は排水パイプを挿入する。このとき、フレキシブル土壌収容器を、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端面より上に突出するように埋設し、フレキシブル土壌収容器中に、土壌を収容する。上記蒸気パイプの、フレキシブル土壌収容器の周側面部の外に突出している開口端は、蒸気消毒を行う際には、蒸気供給源に連結され、その他の時には、排水手段に連結、又はそれに向って開口している。また上記排水パイプは、排水手段に連結され、又は排出手段に向って開口している。 【0028】本発明の植物栽培床(1)の構成を図4によりさらに説明する。図4において、フレキシブル土壌収容器1を収容し支持するための支持手段として、土中に、ピット8が形成される。ピット8は、フレキシブル土壌収容器1の周側面部2に対応する内周側面9と、谷形底面部3に対応する谷形底面10を有している。 【0029】フレキシブル土壌収容器1の谷形底面部の谷底形溝部4に、周側面部に形成された透孔を通して、多数の透孔7aを有する蒸気パイプ7が挿入され、その周囲には、蒸気及び水分の透過を容易にするための細石片(砕石片)が配置され、その上に植物栽培用土壌12が収容されている。 【0030】フレキシブル土壌収容器1の周側面部2の上端部は、支持手段(この場合は地中のピット)の上端面(この場合には地表面)12aより上に突出しており、この上端部には、必要により支持枠6が装着され、その支持枠6が、地中に打ち込まれた固定杭13に、例えば固定ピン14により固定されている。 【0031】本発明のフレキシブル土壌収容器に装着される支持枠の装着状況の一例を図5に示す。図5において、支持枠6は、1対の長手方向支持棒6aと、1対の横手方向支持棒6bとにより構成され、その交差部は適宜の手段(錠止め、又は緊搏)により固定されている。 【0032】本発明の植物栽培床(1)は、例えば図6に示されているように構成されてもよい。図6において、フレキシブル土壌収容器1の周側面部2の上端に支持枠6が装着され、この支持枠6が地中ピット8の内周側面の上端において支持されるように、土壌収容器1がピット8中に収容される。このようにすれば、固定杭の使用を省略することができる。このとき、ピット8の内周側面上端上に、土壌収容器の支持枠を支持する枠体(図示されていない)を配置してもよい。 【0033】本発明の植物栽培床(1)は例えば図7に示されているように構成してもよい。図7において、地中ピット8中に収容された土壌収容器1の周側面部の上端部分2aが、ピット8の周側面の上部に、ピット8を取りかこんで土壌を盛り上げて形成した土盛り15の上面に沿って折り返えされ、この折り返えし部2aの先端部分は、地中に埋められて固定される。 【0034】本発明の植物栽培床(1)の前記図4,6及び7の態様においては、フレキシブル土壌収容器の支持手段として地中ピットが用いられたが本発明に用いられる支持手段は、地中ピットに限定されるものではなく、フレキシブル土壌収容器を、所望形状に支持し得る限り、適宜の材料、例えばコンクリートブロック、組み枠などにより形成されたものであってもよい。 【0035】本発明の植物栽培床(1)を作製するには、先ず所望形状、寸法の支持手段(例えば地中ピット)を形成し、その中に、フレキシブル土壌収容器を設置し、その底面部に蒸気パイプを配置し、この収容器中に土壌を充填する。 【0036】本発明において蒸気供給と水分の排出を兼用する孔あき蒸気パイプは、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄などの金属製のパイプ、ポリプロピレンなどの各種プラスチック製のパイプ、およびFRP製のパイプを適宜用いることができる。 【0037】この孔あきパイプは本発明のフレキシブル土壌収容器の谷形底面部の谷底形溝部に、周側面部の透孔を通って挿入され、蒸気消毒を行なう際には蒸気導入管として使用され、その他の期間はそのままの位置において、余分な水分排出のための暗渠として使用される。底部から排水することにより、根腐れ防止のほか、肥料、塩類などの溶脱を促進できる。孔あきパイプの本数は1本だけでもよいが、用土の量や種類、栽培床の幅などによっては、必要に応じて複数本設けてもよい。ただし、孔あきパイプの本数分の谷底形溝部を設け、孔あきパイプは必ずこの谷底形溝部に位置するようにする必要がある。それにより、孔あきパイプは常に隔離された栽培床の最も低い位置に位置することになり、排水が効果的に行なわれる。なお、孔あきパイプが1本のみ用いられる場合には、栽培床の幅方向中央底部に配されるのが望ましい。左右どちらかに偏った位置に配された場合には、反対側への蒸気熱の到達が遅くなり、消毒の効率が悪くなる。 【0038】谷形底面部の深さ、すなわち周側面部下端と、谷底形溝部の最低部との間の高低差は、少なくとも孔あきパイプの直径よりも大きい必要がある。孔あきパイプの直径よりも谷形底面部の深さが小さい場合には、排水されない水分が底部の土壌に残留してしまう恐れがある。また、この深さは、孔あきパイプの直径の3倍程度以下であることが望ましい。谷があまりにも深いと、隔離された栽培床内部の土壌の量が多くなり、また、栽培床の表土から谷の底部までの距離が長くなるために、蒸気消毒の効率が不良になることがある。 【0039】上記孔あきパイプは、そのままではその透孔中に土や植物の根などが詰まる恐れがあるが、その周囲を砂利や砕石で覆った上に更に、図4,6,7に示されているように、寒冷紗及び不織布などのような透水布16をかぶせる等の対策を講じてもよく、あるいは孔あきパイプを図8に示されているように直接不織布などの透水布16aで覆う等の対策を取ることにより回避することができる。 【0040】上記孔あきパイプは、通常片端が閉じられたままの状態にされ、他の開口端は蒸気消毒を行なう際には、ボイラーなどの蒸気供給源に連結され、それ以外の時には土壌中の余分な水分を排出する排水口として作用する。また、排水をよりスムーズに行なうために、閉じられている側の端を開閉式にし、蒸気消毒を行なう時以外は開放する事により、両端から排水できる様にしてもよい。 【0041】本発明の植物栽培床(1)において、その長手方向片端もしくは両端に、その谷形底面部の位置よりも下に貯水器を配置してもよく、この場合、貯水器は、土壌収容器の底面部よりも深く掘り下げられた排水ピット中に配置されてもよい。このようにすると孔あきパイプの端部をピット中に完全に露出させて蒸気供給ホースを連結しやすくすることができ、同時に、孔あきパイプから排出された水が貯水器中に落ちる事により、水分が栽培床内部に逆流する事を防止することができる。 【0042】図9において、地中ピット中に設置されたフレキシブル土壌収容器1の1側面から突出している孔あきパイプの開口端よりも深く排水ピット17が掘り下げられ、その中に、貯水器18が配置されている。 【0043】孔あきパイプから排出される水の量は、大量に水を与える必要のある植物の栽培や、肥料、塩類などの土壌溶液による障害を取り除くために多量かん水による溶脱を行なう場合などには多量となり、排出された水の水位が孔あきパイプの位置にまで達してしまうと、栽培床内部に水が逆流してしまって排水の効果が得られず、またそればかりではなく、開口部付近の病原菌の侵入を許してしまう恐れもある。また、排水が農薬や肥料などの成分を含む場合、それがピット底部の土壌にしみ込むと、それが少量であっても、地下水を汚染する恐れもある。このような問題を解消するためには、孔あきパイプの開口端よりも低い位置で水位を検知する水位検知器、及び、その指令により作動する排水機、例えば水位検知フロートと排水ポンプなどを設置し、そのポンプで最寄りの排水溝や下水溝に水を送ったり、或は別の容器に排出された水を回収しておいて、必要に応じて、回収水の成分を調整の上、再びこれを栽培床内部の作物にかん水することができ、このようにすることにより、栽培床内部への水の逆流や、地下水の汚染を防ぐ事ができる。 【0044】上記排水ピットの底面には、孔あきパイプから排出された水が土壌にしみ込むのを防ぐため、何らかの遮水処置を講じておくことが望ましい。この遮水措置としては、コンクリートや遮水シートなどを用いても良いが、より簡便にポリバケツなどの貯水容器を置くだけでも良い。上記排水ピットの壁面は、土砂が崩れるのを防ぐ目的で、合成樹脂製、金属製、木製、コンクリート製の板或いはスレート板などで補強してもよい。 【0045】本発明に係る、植物栽培用土壌の蒸気消毒方法(1)は、前記本発明の植物栽培床を用い、その蒸気(孔あき)パイプの開口端を蒸気供給源に接続し、この蒸気パイプの複数個の透孔を通して蒸気を土壌中に噴入して、好ましくは土壌の温度を100℃以上に上昇させ、この温度に30分〜2時間保持してこれを消毒する。消毒完了後、蒸気パイプの開口端の接続を、前記蒸気供給源から排水手段に切替え、或は開口して、土壌中の水分を、蒸気パイプの透孔を通して捕集し、排水する。 【0046】本発明の植物栽培床(2)において、本発明の上記フレキシブル土壌収容器を、その周側面部及び谷形底面部の形状・寸法に整合する内周側面及び谷形底面を有する支持手段中に、収容する。フレキシブル土壌収容器の排水パイプ挿入用透孔を通して、谷形底面部の谷底形溝部に排水パイプを挿入する。このとき、フレキシブル土壌収容器を、その周側面部の上端部分が、前記支持手段の上端部より上に突出するように埋没し、フレキシブル土壌収容器中に土壌を収容する。上記排水パイプおよび排水口の、フレキシブル土壌収容器の周側面部の外に突出している開口端は、排水手段に連結、又はそれに向って開口している。本発明の植物栽培床(2)の構成は図4に示されたものと同一であるが、但し、フレキシブル土壌収容器1の谷形底面部の谷底形溝部4に、周側面部に形成された透孔を通して、蒸気パイプの代りに排水パイプ7が挿入され、その周囲には、水分の透過を容易にするための細石片(砕石片)が配置され、その上に植物栽培用土壌12が収容されている。 【0047】フレキシブル土壌収容器1の周側面部2の上端部分は、支持手段(この場合は地中のピット)の上端面(この場合は地表面)12aより上に突出しており、この上端部には、必要により支持枠6が装着され、その支持枠6が、地中に打ち込まれた固定杭13に、例えば固定ピン14により固定されている。 【0048】本発明の植物栽培床(2)は、例えば図10に示されているように構成されても良い。図10において、フレキシブル土壌収容器1の周側面部2の上端に支持枠6が装着され、この支持枠6が地中ピット8の内周側面の上端において支持されるように、土壌収容器1がピット8中に収容される。このようにすれば、固定杭の使用を省略することができる。このとき、ピット8の内周面上端部上に、土壌収容器の支持枠を支持する枠体(図示されていない)を配置してもよい。この場合、谷底形溝部に挿入されているパイプ7は排水パイプである。 【0049】本発明の植物栽培床(2)は例えば図7に示されているように構成してもよい。但し、谷底形溝部に、透孔を通って挿入されているパイプ7は排水パイプである。図7において、地中ピット8中に収容された土壌収容器1の周側面部の上端部分2aが、ピット8の周側面の上端に、ピット8を取りかこんで土壌を盛り上げて形成した土盛り15の錠面に沿って折り返され、この折り返し部2aの先端部分は、地中に埋められて固定される。本発明の植物栽培床(2)の前記図4,10及び7の態様においては、フレキシブル土壌収容器の支持手段として地中ピットが用いられたが、本発明に用いられる支持手段は、地中ピットに限定されるものではなく、フレキシブル土壌収容器を、所望形状に支持し得る限り、適宜の材料、例えばコンクリートブロック、組み枠などにより形成されたものであってもよい。 【0050】本発明の植物栽培床(2)を作製するには、先ず所望形状、寸法の支持手段(例えば地中ピット)を形成し、その中に、フレキシブル土壌収容器を設置し、その底面部に排水パイプを配置し、この収容器中に土壌を充填する。本発明において排水パイプとしては、通常農業用、土木用などで用いられている塩ビ製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、その他合成樹脂製、FRP製の暗渠パイプや、吸水のための孔が適当な間隔であけられた金属製のパイプなどを適宜用いることができる。 【0051】この排水パイプは本発明のフレキシブル土壌収容器の谷形底面部の谷底形溝部に周側面部の透孔を通って挿入され、栽培床内部の余分な水分排出のための暗渠として使用される。底部から排水することにより、根腐れ防止の他、肥料、塩類などの溶脱を促進できる。排水パイプの本数は1本だけでもよいが、用土の量や種類、栽培床の幅などによっては、必要に応じて複数本設けてもよい。ただし、排水パイプの本数分の谷底形溝部を設け、排水パイプは必ずこの谷底形溝部に位置するようにする必要がある。それにより、排水パイプは常に隔離された栽培床の最も低い位置に位置することになり、排水が効果的に行なわれる。 【0052】上記排水パイプは、そのまま土壌をかぶせたのでは、土壌や植物の根がパイプ内部に侵入してしまう恐れがあるが、図4,10,7に示されているように、その周囲を砂利や砕石で覆った上に更に、図11に示されているように、寒冷紗及び不織布などのような透水布16をかぶせるなどの対策を講じてもよく、あるいは図11に示されているように排水パイプを直接不織布などからなる透水布層16aで覆ったり、または、はじめから不織布などと一体化された排水パイプを用いるなどの対策を講じることにより回避することができる。 【0053】本発明の植物栽培床(3)においては、図12に示されているように排水パイプを挿入せず、谷底形溝部に単に砂利または砕石を敷き詰めたり、または、図13のようにアーチ形の金属メッシュを置き、その上に寒冷紗及び不織布などのような透水布をかぶせることにより水の通り道を形成し、周側面部に形成された透孔に取りつけた排水口から排水する構造にしてもよい。図13ではアーチ形の金属メッシュを用いているが、この金属メッシュは筒形の物でもよく、その場合排水パイプと同様砂利や砕石で周囲を覆った上に透水布をかぶせたり、直接透水布でくるんでもよい。 【0054】本発明の植物栽培床(2)及び(3)において、前記植物栽培床(1)と同様に、その長手方向片端もしくは両端に、その谷形底面部の位置よりも下に貯水器を配置してもよく、この場合、貯水器は、土壌収容器の底面部よりも深く堀り下げられた排水ピット中に配置されてもよい。このようにすると、排水パイプ又は透孔の排水口から排出された水が貯水器中に落ちる事により、水分が栽培床内部に逆流する事を防止することができる。図9に示されているように、地中ピット中に設置されたフレキシブル土壌収容器1の1側面から突出している排水パイプ7の開口端よりも深く排水ピット17が掘り下げられ、その中に貯水器18が設置されている。 【0055】排水パイプから排水される水の量は、大量に水を与える必要のある植物の栽培や、肥料、塩類などの土壌溶液による障害を取り除くために多量かん水による溶脱を行なう場合などには多量となり、排出された水の水位が排水パイプの位置にまで達してしまうと、栽培床内部に水が逆流してしまって排水の効果が得られないばかりでなく、開口部付近の病原菌の侵入を許してしまう恐れがある。また、排水が農薬や肥料などの成分を含む場合、それがピット底部の土壌にしみ込むと、たとえ少量であっても、地下水を汚染する恐れもある。このような問題を解消するためには、排水パイプの開口端よりも低い位置で水位を検知する水位検知器、及び、その指令により作動する排水機、例えば水位検知フロートと排水ポンプなどを設置し、そのポンプで最寄りの排水溝や下水溝に水を送ったり、あるいは別の容器に排出された水を回収しておいて、必要に応じてこの回収水の組成を調整の上、これを栽培床内部の作物にかん水することができ、このようにすることにより、栽培床内部への水の逆流や、地下水の汚染を防ぐ事ができる。 【0056】上記排水ピットの底部には、排水パイプから排水された水が土壌にしみ込むのを防ぐため、何らかの遮水措置を講じておくことが望ましい。この遮水措置としては、コンクリートや遮水シートなどを用いてもよいが、より簡便にポリバケツなどの貯水容器を置くだけでもよい。上記排水ピットの壁面は、土砂が崩れるのを防ぐ目的で、合成樹脂製、金属製、木製、コンクリート製の板或はスレート板などで補強してもよい。 【0057】本発明の植物栽培床(2)又は(3)において土壌を蒸気消毒する際には、図10に示されているように、一端を閉じたキャンバスホース又は多数の蒸気噴射孔を有する金属パイプなどの蒸気導入管21を、土中に埋めるのではなく床土上に置き、その上にカバーシート19をかぶせ、その端縁を重り20などにより固定して、蒸気が漏れないようにする。この状態で蒸気導入管21の閉じていない側から蒸気を導入すると、カバーの中に閉じ込められた蒸気は土壌の中に浸透する。このとき、植物栽培床が完全に密封されていると、下方への蒸気の浸透は効率よく行なわれないが、本発明の植物栽培床は、底部に排水のための空間及び開口部があるため、蒸気が土壌を透過して底部から逃れ出る事ができ、効率よく消毒を行う事ができる。 【0058】本発明の蒸気消毒が可能な植物栽培床は、耐熱性を有する繊維からなる編織物または不織布を芯材として含む遮水性フレキシブルシート又は遮水性、耐熱性合成樹脂製フレキシブルフィルムからなる土壌収容器により、周囲の土壌から完全に隔離され、かつ、水分を底部から排水できる構造を有しているため、高効率な土壌消毒、及び周辺土壌からの完全な隔離及び土壌中の塩類の溶脱が可能である。また、土壌収容器がフレキシブルシートにより形成されているため、任意の幅、深さ、長さの栽培床を容易に形成することができる。また、土壌収容器の支持手段として地中ピットを用いる場合、堀り出された土壌を利用でき、新規に土壌を購入する必要もなく、設置も比較的簡単であるため、従来の隔離床に比べて安価かつ簡便に構成することができる。さらに、本発明の植物栽培床の蒸気消毒には、薬剤消毒のように毒性が無く、しかも排水を周辺の土壌中に拡散させないため、運用時に周囲の環境に悪影響を及ぼさない。さらに、耐熱性および遮水性に優れたフレキシブルシートの樹脂被覆層に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、防バイ剤の一種以上あるいはその全てを配合、または表面塗布することにより、長期にわたって安定して使用することができる。 【0059】 【実施例】実施例1土壌収容器用フレキシブルフィルムとして、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂からなる厚さ0.04mm、幅190cmのフィルムを用いて、下記土壌収容器を作製した。
(2)長手側面部の形状:矩形高さ:30cm(3)横手側面部の形状:五角形(図1参照) 側線高さ:30cm中央部最大高さ:36cm(4)谷形底面部の形状:中央に1個の谷底形溝を形成谷底に向う傾斜角(水平面に対し):7.6度横手側面部の1つの中央下端部に、蒸気パイプ挿入用透孔(直径:4cm)を形成した。 【0060】蒸気パイプとして、外径40mm、内径37mm(肉厚:1.5mm)のアルミニウム製パイプを用い、このパイプの、土壌収容器中に挿入される部分の周面上半部に直径3mmの透孔を、図3に示されているように、パイプの断面形状において、中心間隔31mmをもって、かつ、パイプ長さ方向に2列に、互いに中心間隔200mmをもって形成した。上記孔あきパイプを、土壌収容器中に挿入し、この挿入口を、変性シリコーン系弾性シーリング材をもって完全にシールした。 【0061】また、上記土壌収容器の長手及び横手側面部の上端部分に鳩目を中心間隔20cmをもって取りつけ、この鳩目に紐を通して上記上端部分を、支持枠用鉄パイプ(外径:60mm)に取りつけた。 【0062】上記土壌収容器に対応する寸法、形状のピットを地中に掘り下げこのピットに土壌収容器を入れ図6に示されているように固定した。図6において、土壌収容器1中の蒸気パイプ7の周囲に砂利11を載置し、その上に透水性寒冷紗16を置き、その上に土壌12を入れて植物栽培床を形成した。 【0063】蒸気消毒に際しては、図6に示されているように栽培床の上をカバーシート19により覆い、その端縁を重り20により押え、前記蒸気パイプの開口端を蒸気ボイラーに接続し、この土壌収容器中に、圧力0.2kg/cm2 の水蒸気を2時間噴入し、土壌を消毒した。消毒完了後、蒸気パイプの開口端を開口し、排水手段に接続し、排水を行った。 【0064】実施例2土壌収容器用フレキシブルシートの芯材として下記組織、重量のポリエステルフィラメント平織布を用いた。 経糸:500デニール単糸 20本/25.4mm緯糸:500デニール単糸 19本/25.4mm重量:125g/m2上記ポリエステルフィラメント平織布の両面上にエチレン−α−オレフィン共重合体を主成分として含み、白色顔料、酸化防止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)、抗菌剤(ダイキラーPE−M710、大日精化工業(株)製)、及び滑剤(スリパックスO、日本化成(株)製)を含む合成樹脂組成物から、カレンダー法により形成され、0.22mmの厚さを有するフィルムを、加熱積層して貼着して遮水性被覆層を形成した。 【0065】得られたフレキシブルシートは、下記性能を有していた。
(上記引張強さ、引裂強さはJIS L 1096により測定した。) 上記フレキシブルシートを用いて、下記土壌収容器を作成した。
(2)長手側面部の形状:矩形高さ:30cm(3)横手側面部の形状:五角形(図1参照) 側線高さ:30cm中央部最大高さ:36cm(4)谷形底面部の形状:中央に1個の谷底形溝を形成谷底に向う傾斜角(水平面に対し):7.6度横手側面部の1つの中央下端部に、透孔(直径:40mm)を形成した。 【0066】蒸気パイプとして、外径40mm、内径37mm(肉厚:1.5mm)のアルミニウム製パイプを用い、このパイプの、土壌収容器中に挿入される部分の周面上半部に直径3mmの透孔を、図3に示されているように、パイプの断面形状において、中心間隔31mmをもって、かつ、パイプ長さ方向に2列に、互いに中心間隔200mmをもって形成した。上記孔あきパイプを、土壌収容器中に挿入し、この挿入口を、変性シリコーン系弾性シーリング材をもって完全にシールした。 【0067】また、上記土壌収容器の長手及び横手側面部の上端部分に鳩目を中心間隔20cmをもって取りつけ、この鳩目に紐を通して上記上端部分を、支持枠用鉄パイプ(外径:60mm)に取りつけた。上記土壌収容器に対応する寸法、形状のピットを地中に掘り下げこのピットに土壌収容器を入れ図6に示されているように固定した。図6において、土壌収容器1中の蒸気パイプ7の周囲に砂利11を載置し、その上に透水性寒冷紗16を置き、その上に土壌12を入れて植物栽培床(1)を形成した。 【0068】蒸気消毒に際しては、前記植物栽培床をカバーシート19により覆い、その端縁を重り20により押え、前記蒸気パイプの開口端を蒸気ボイラーに接続し、この土壌収容器中に、圧力0.2kg/cm2 の水蒸気を2時間噴入し、土壌を消毒した。消毒完了後、蒸気パイプの開口端を開口し、排水手段に接続し、排水を行った。 【0069】実施例3実施例2と同一の土壌収容器を用いその透孔に、実施例2の蒸気パイプと同一の透孔つきアルミニウム製パイプからなる排水パイプを挿入し、この挿入部を変性シリコーン系弾性シーリング材をもって完全にシールした。また、上記土壌収容器の長手及び横手側面部の上端部分に鳩目を中心間隔20cmをもって取りつけ、この鳩目に紐を通して上気上端部分を、支持枠用鉄パイプ(外径:60mm)に取りつけた。上記土壌収容器に対応する寸法、形状のピットを地中に堀り下げ、このピットに土壌収容器を入れ図10に示されているように固定した。土壌収容器中に挿入されたアルミパイプが完全に覆われる程度に、砂利を載置した。砂利の上には、透水性の不織布を置き、その上に土壌を入れて植物栽培床(2)を形成した。蒸気消毒に際しては、図10のように土壌12の上に片端を閉じたキャンバスホース21を置き、前記植物栽培床全体をカバーシート19により覆い、その端縁を重り20により押え、前記キャンバスホースの開口側を蒸気ボイラーに接続し、この土壌収容器中に、圧力0.2kg/cm2 の水蒸気を2時間噴入し、土壌を消毒し、同時に土壌中の水を排水パイプを通して土壌収容器外に排出した。 【0070】実施例4実施例2と同一の土壌収容器を用い、その透孔に外径40mm、内径37mm(肉厚:1.5mm)、長さ40cmの無孔アルミニウム製パイプを、透孔から容器内に20cmだけ挿入し、この挿入口を変性シリコーン系弾性シーリング材により完全にシールした。透孔から20cm突出した排水管が形成された。容器内のパイプの開口端は、透水性不織布でカバーし、砂利、砕石などの流出を防止した。土壌収容器の谷底形溝部には、砕石をしきつめ、その上に透水性寒冷紗を置いた。また、上記土壌収容器の長手及び横手側面部の上端部分に鳩目を中心間隔20cmをもって取りつけ、この鳩目に紐を通して上気上端部分を、支持枠用鉄パイプ(外径:60mm)に取りつけた。上記土壌収容器に対応する寸法、形状のピットを地中に堀り下げ、このピットに土壌収容器を入れ図10に示されているように固定した。土壌収容器中の透水性不織布の上に土壌を入れて植物栽培床(3)を形成した。蒸気消毒に際しては、図10のように土壌12の上に片端を閉じたキャンバスホース21を置き、前記植物栽培床全体をカバーシート19により覆い、その端縁を重り20により押え、前記キャンバスホースの開口側を蒸気ボイラーに接続し、この土壌収容器中に、圧力0.2kg/cm2 の水蒸気を2時間噴入し、土壌を消毒し、同時に土壌中の水を排水口を通して土壌収容器外に排出した。 【0071】 【発明の効果】本発明の蒸気消毒用植物栽培床(1),(2),(3)は、遮水性、耐熱性合成樹脂製フレキシブルフィルム、又は耐熱性を有する繊維からなる編織物または不織布を芯材として含む遮水性フレキシブルシートから形成された土壌収容器により、周囲の土壌から完全に隔離され、かつ水分を底部から排水できる構造を有しているため、高効率をもって土壌消毒、周辺土壌からの完全な隔離および土壌中の肥料、塩類などの溶脱が可能である。尚本発明の栽培床(2)及び(3)においては、蒸気消毒と、排出とを同時に行うことができる。また植物栽培床が、前記フレキシブルフィルム又はシートにより形成されているため、任意の形状、幅、深さ、長さの栽培床を形成することができる。さらに、支持手段として地中にピットを形成する場合は、ピット形成により掘り出された土壌を利用でき、新規に土壌を購入する必要もなく、設置も比較的簡単であるため、本発明の栽培床は、従来の有底地床に比べて安価かつ簡便に形成することができる。また、本発明の蒸気消毒法は、薬剤消毒の様に毒性が無く、しかも排水を周辺の土壌中に拡散させないようにすることが容易であるため、運用時に周囲の環境に悪影響を及ぼさないという効果を有する。さらに、耐熱性および遮水性に優れたフレキシブルフィルム、又はフレキシブルシートの樹脂被覆層に、紫外線吸収材、酸化防止剤、抗菌剤、防バイ剤の何れか、あるいは全てを配合、又は表面塗布することにより、長期にわたって安定して植物栽培床を使用する事ができるという効果も有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000239862 【氏名又は名称】平岡織染株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月25日(1998.11.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−69859(P2000−69859A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月7日(2000.3.7) |
| 【出願番号】 |
特願平10−334354 |
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