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【発明の名称】 果実保護網
【発明者】 【氏名】李 斗三

【氏名】李 江哲

【要約】 【課題】爬虫類,害虫等から果実を保護し、落下時に果実表面に発生しうる傷を防止すると共に、蒸発する薬液により蔕にのって入ってこようとする害虫を退治できる果実保護網を提供する。

【解決手段】果実30を内側に置き、互いに対合し、多数の通風穴40a,42aを有する半球形の透明保護網40,42と、上記透明保護網40,42の端部に形成され、対合時に重なり、下段部には屈曲型ヒンジ50を有し、その対合面には互いに結合する締結穴52c,52d,52e,52f及び突起54c,54d,54e,54fが各々対応する位置に形成されている透明フランジ52,54と、上記透明保護網40,42の内側に通じる通路中間には薬剤収納筒70,72と、薬液浸透部材74,76とを含む果実保護網とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 果実30を内側に置き、多数の通風穴40a,42aを有し、互いに対合させると球形をなす半球形の透明保護網40,42と、上記透明保護網40,42の端部に形成され、その下段部には屈曲型ヒンジ50を有し、その対合面には互いに結合する締結穴52c,52d,52e,52f及び突起54c,54d,54e,54fが各々対応する位置に形成されている透明保護網40,42の対合時に重なり合う透明フランジ52,54と、上記透明フランジ52,54の上側に形成され、上記果実30が下がっている蔕(ヘタ)32を内外に通過させるための透明保護網40,42の対合時に円筒形をなす半円筒形の蔕出入管56,58と、上記透明保護網40,42の少なくともいずれか一方であって、上記蔕出入管56,58と近接する位置に設置され、外側の開口部はキャップ60,62により開閉され、上記透明保護網40,42の内側に通じる通路中間には網64,66が設置されている薬剤収納筒70,72と、上記薬剤収納筒70,72に収納される状態で、上記蔕32にのって上記透明保護網40,42の内側に入ろうとする害虫80の進入を防止するための殺虫剤を上記網64,66を通して上記透明保護網40,42と蔕出入管56,58の内側に発散させる薬液浸透部材74,76とを含むことを特徴とする、果実保護網。
【請求項2】 上記透明保護網40,42が、中心から各々内側と外側に距離を置いて球面状に配列され、その各々の間に通風穴100が形成された多数の外側円盤102及び内側円盤104と、上記外側円盤102及び内側円盤104の各々の間を連結する連結部材106とで構成されたものであることを特徴とする、請求項1記載の果実保護網。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、果実保護網に関するものであり、より詳細には、鳥類,爬虫類,害虫等から果実を保護し、且つ蒸発する薬液により蔕にのって入ろうとする害虫を退治することができ、しかも、落下時に果実表面に発生しうる傷を防止することができるようにしたもので、果実を内側に置いて閉めれば、果実の外側を覆いつつ蔕に下がるようにした果実保護網に関するものである。
【0002】
【従来の技術】果実の木に下がっている一般的な果実は、外部に露出しているため、成長中に鳥類や爬虫類により食われたり、また害虫により食われたりする恐れがあるために、これを防止すべく、保護紙を使用して果実を覆うことが成されていた。
【0003】しかし、このような保護紙の使用は、雨天時においては雨水に濡れ、破れると言う問題点があった。また、鋭いクチバシを使用し、保護紙に穴を開ける鳥類からの攻撃を効果的に防ぐことはできず、また保護紙と蔕の間に形成される小さな隙間を通って果実が存在する内側に入ってくる害虫に対しては、全く無防備の状態となってしまうため、この害虫により被害を被ると言う問題点を有していた。
【0004】また、上記のような保護紙を使用し、果実を覆う作業を行う場合には、先ず保護紙を果実を覆う状態に丸く巻いた後、その皺部分を紐,輪ゴム,或いは細いテープのようなものを使用して果実が下がっている蔕部分に固定すると言う非常に煩雑な作業を反復して行わなければならず、農業生産性が著しく悪いと言う問題点があった。
【0005】更に、上記のような保護紙にあっては、果実が熟し、蔕から自然に落下した場合、その落下時に果実が受ける衝撃を和らげることはできず、果実の表面が損傷し、商品価値が低下すると言う問題点を有していたと共に、この損傷した皮を通して外部に露出した部分から腐敗が促進され、果実の保存が難しくなると言う問題点も抱えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従来の技術が有する問題点を解決するために成されたものであって、その目的は、鳥類,爬虫類,害虫等から果実を保護することができ、落下時に果実の表面に発生しうる傷を防止し、果実の商品価値をより向上させると共に、表面に傷が生じることによる腐敗の促進を防止し、また果実が下がっている蔕にのって入ろうとする害虫を退治することのできる果実保護網を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的を達成するため、果実を内側に置き、互いに対合し、多数の通風穴を有する半球形の透明保護網と、上記透明保護網の端部に形成され、対合時に重なり、下段部には屈曲型ヒンジを有し、その対合面には互いに結合する締結穴及び突起が各々対応する位置に形成されている透明フランジと、上記果実が下がっている蔕を内外に通過させることができるように上記透明フランジの上側に形成され、互いに対合しつつ円筒形をなす半円筒形の蔕出入管と、上記両側の透明保護網のうち、少なくとも一方の透明保護網で、上記蔕出入管と近接するように設置され、外側の開口部はキャップにより開閉され、上記透明保護網の内側に通じる通路中間には網が設置されている薬剤収納筒と、上記薬剤収納筒に収納される状態で、上記蔕にのって上記透明保護網の内側に入ろうとする害虫の進入を防止するための殺虫剤を上記網を通して上記透明保護網と蔕出入管の内側に発散する薬液浸透部材とを含む構成の果実保護網とした。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい果実保護網の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0009】添付図面の図1及び図2は、本発明による果実保護網の構成を示す閉まった状態の分解斜視図及び断面図である。また図3及び図4は、本発明による果実保護網の構成を示す開いた状態の斜視図及び正面図である。更に図5及び図6は、本発明による果実保護網が果実の木に適用された状態を示す使用状態例示図及び要部拡大断面図である。
【0010】これらの図に示されているように、本発明による果実保護網は、透明な材質により一体的に形成された透明保護網40,42、透明フランジ52,54、蔕出入管56,58及び薬剤収納筒70,72で構成され、この薬剤収納筒70,72の内部には、薬液浸透部材74,76が収納され、この薬剤収納筒70,72の開口部には、この開口部を開閉するための透明なキャップ60,62が取り付けられた構成とされたものである。
【0011】ここで、上記透明保護網40,42は、果実を内側に置き、互いに対合し、中が空の球形態をなし、多数の通風穴40a,42aを有する半球形に形成されている。
【0012】上記薬液浸透部材74,76は、スポンジのような発泡材で構成することができる。
【0013】上記透明フランジ52,54は、上記透明保護網40,42の端部に一体的に形成され、対合時に重なり、下段部には局曲型ヒンジ50を有し、その対合面には互いに結合する締結穴52c,52d,52e,52f及び突起54c,54d,54e,54fが各々対応する位置に形成された構成で、透明な材質で成形されていることにより、太陽光線が果実30に向かって透過され、果実30の表面に影を生じないようにされている。
【0014】ここで、上記締結穴52c,52d,52e,52fは、顎を持つ貫通型に形成し、上記突起54c,54d,54e,54fは、豆型の頭部と括れた形態の腰部を有する形態に形成され、上記局曲型ヒンジ50は、ヒンジピン(図示されていない)により連結されるクレビス形態で構成することもできる。
【0015】上記蔕出入管56,58は、上記果実30が下がっている蔕32を内外に通過させることができるように、上記透明フランジ52,54の上側に形成され、互いに対合しつつ円筒形をなす半円筒形で形成されている。
【0016】上記薬剤収納筒70、72は、透明保護網40,42のうち少なくとも一方の透明保護網40,42で、上記蔕出入管56,58と近接する位置に設置されたもので、この薬剤収納筒70、72の外側開口部は、透明なキャップ60,62により開閉され、上記透明保護網40,42の内側に通じる通路中間には、網64,66が設置された構成と成っている。
【0017】また、上記キャップ60,62は、上記薬剤収納筒70,72にきつく閉めることにより、薬剤収納筒70,72に固定されるように構成されている。
【0018】上記薬液浸透部材74,76は、上記薬剤収納筒70,72に収容された状態で、上記蔕32にのって上記透明保護網40,42の中に入ろうとする害虫80の進入を防止するための殺虫剤を、上記網64,66を通して上記透明保護網40,42と蔕出入管56,58の内側に発散するように構成されている。
【0019】添付図面の図7は、本発明による果実保護網が落ちることを防止するための輪を使用した例を示す断面図であって、ここに図示されているように、「?」字型に形成された上部フック90と、下部フック92とを鋼線又はひものような可撓性線材や、鎖94で連結し、上部フック90は、蔕32が生える比較的丈夫な枝96に掛け、下部フック92は、透明保護網40,42に掛けておく状態とすることにより、蔕32が切れた場合でも、これを上部フック90、下部フック92及び鎖94により、本発明による果実保護網が落下するのを防止するよう構成することができる。
【0020】添付図面の図8乃至図10は、透明保護網40,42の異なる構成例を示したもので、ここで図示されているように、中心から各々内側と外側に距離を置いて球面状に配列され、その各々の間に通風穴100が形成された多数の外側円盤102及び内側円盤104と、上記外側円盤102及び内側円盤104の各々の間を連結する連結部材106で構成されたものである。
【0021】すなわち、上記外側円盤102及び内側円盤104は、正面から見るとき一つの内側円盤104を置き、その周囲に6個の外側円盤102を等角度に成るように配列した後、連結部材106を通して内側円盤104と外側円盤102とを連結した構造のものであり、内側円盤104と外側円盤102、そして連結部材106のあいだあいだに空気が通じる通風穴100が形成されるように構成したものである。
【0022】以下、上記した本発明による果実保護網の作用を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0023】まず、添付図面の図4に図示されているように、果実30を透明保護網40,42の間に置き、局曲型ヒンジ50を曲げるようにすれば、透明保護網40,42が互いに対向する方向に動きつつ合うようになり、添付図面の図2に図示されているように、透明保護網40,42の端部に形成されている透明フランジ52,54と、透明フランジ52,54の上側に形成されている蔕出入管56,58とが各々互いに重なるようになる。
【0024】この際、透明フランジ52,54のうち一方の透明フランジ54に形成されている突起54c,54d,54e,54fが、他方の透明フランジ52に形成されている締結穴52c,52d,52e,52fに嵌合し、透明フランジ52,54が結合された状態を維持するようになり、蔕出入管56,58は、蔕32をあいだに置いた状態で対合された円筒形になり、この透明フランジ52,54に一体的に形成されている透明保護網40,42も、この透明フランジ52,54と共に対合された状態で維持され、内側の果実30を覆う状態となる。
【0025】上記のような状態で、添付図面の図1及び図2に図示されているように、薬液浸透部材74,76に吸収されていた殺虫剤が、蒸発しつつ図面中矢印で示したように網64,66を通過し、透明保護網40,42の内側に流入した後、次に蔕出入管56,58と蔕32との間に形成された隙間を通して上昇するようになり、この蔕32と蔕出入管56,58との間に形成された隙間を通して透明保護網40,42の内側に入ろうとする害虫80を退治するようになる。
【0026】そして、薬液浸透部材74,76に吸収されていた殺虫剤が、すべて蒸発してしまった場合には、薬剤収納筒70,72からキャップ60,62を外し、この薬剤収納筒70,72の開口部を開放した状態とし、新しい薬液浸透部材74,76に交換し、次に開いていた薬剤収納筒70,72の開口部をキャップ60,62を使用して改めて閉めるようにすれば、薬液浸透部材74,76を容易に交換することができる。
【0027】そして、上記透明保護網40,42、透明フランジ52,54、蔕出入管56,58、薬剤収納筒70,72及びキッャプ60,62の全てが透明な材質で構成されていることにより、太陽光線がこれらを透過して果実30の表面に至ることができ、遮光により果実30の表面に残りうる痕跡を防止することができるようになる。
【0028】一方、蔕32に下がっていた果実30が熟し、この蔕32から自然に離脱して地面に落下する場合、果実30を覆っている透明保護網40,42により果実30の表皮に直接的な損傷が加わることを防止することができるようになり、更に添付図面の図7に示したように、鎖94により連結された上部フック90と、下部フック92とを使用した透明保護網40,42を比較的丈夫な枝96に掛ければ、蔕32が切れたとしても、地面に落下することを防止することができるようになる。
【0029】そして、図8乃至図10に図示されているように、透明保護網40,42が、外側円盤102、内側円盤104、そして連結部材106とで構成されている場合、カササギのような鳥類が、果実30をえぐるために長い嘴を使用し、透明保護網40,42の内側にある果実30をつつけば、果実30の外側に位置している外側円盤102及び内側円盤104に引っ掛かり、その行動が阻止されるようになる。
【0030】この際、外側円盤102と内側円盤104との間に形成されている通風穴100を通し、空気は透明保護網40,42の内側に自由に出入りすることができるため、透明保護網40,42の内側の温度及び湿度は、外部の温度と湿度と同じような状態に維持される。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明は透明保護網で果実を覆うように構成されているため、鳥類、爬虫類、害虫等から果実を保護することができる効果を有するようになり、落下時に果実表面に発生しうる痕跡を防止することができるようになる。また、殺虫剤を発散させる薬液浸透部材により、果実が下がっている蔕にのって透明保護網の内側に入ろうとする害虫を退治することができるような効果を有し、更に使用後においては、その再使用が可能であるために環境親和的であるという効果もある。
【0032】また、本発明は鎖により連結される上部フックにより、蔕が切れたとしても果実と透明保護網が地面に落下するのを防止することができるようになっているため、果実及び透明保護網の回収が容易となり、果実の保存状態をより良好に維持することができるという効果がある。
【0033】更に、透明保護網を構成している外側円盤と内側円盤は、カササギのような鳥類が果実をえぐることを防いでくれる効果があり、外側円盤と内側円盤との間に形成された通風穴から空気が通じるように構成されているため、透明保護網の内側の温度及び湿度を、外部の温度と湿度と同じような状態に維持することができるようになる。
【出願人】 【識別番号】599088807
【氏名又は名称】李 斗三
【識別番号】599088818
【氏名又は名称】李 江哲
【出願日】 平成11年6月25日(1999.6.25)
【代理人】 【識別番号】100094547
【弁理士】
【氏名又は名称】岩根 正敏
【公開番号】 特開2000−50747(P2000−50747A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平11−180808